狐耳の少女は現代では変ですか?

ピタゴラス

陰陽師少年 紅月冬馬


前回のあらすじ
ルナシー、レイン、マインの3人は、大きな穴の調査中の事故によって落下してまう。
ルナシーの魔法によって浮遊し、横穴を見つけて入ってみると、そこは、自分たちがいた世界では無い現代の日本で、紅月冬馬と出会い、着いていくことにしたルナシー達は、紅月冬馬の家に向かっていた。
「ここから近いから大丈夫だよ。」
「こ こ へ ん な に お い が す る よ ? き を つ け て」
「うーん 確かに、悪鬼あっきがいるようだね。護符は、あるし、大丈夫やろ」
「ご ふ っ て ?」
「うーん 簡単に言えば、僕の仕事道具だよ 君たちは、その子が守ってくれそうやし大丈夫かな」


「ま か せ ろ」
「頼もしいね。臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前急急如律令きゅうきゅうにょりつりょうさて、護身の術式はかけてみたけど悪鬼の数が異様やなー最近、」
「こ れ も あ な の せ い か な ?」
「それはわからないけど関係性はありそうな気がする。」
「身体能力強化の護符と防御力強化の護符、人払ひとばらいの護符の3つだけで十分かな」
「身体能力強化、防御力強化 急急如律令」
「よし、これで準備完了 人払いは、ここに貼っておくかな」


「式神 安倍晴明あべのせいめい 」
「いや、ホンマに悪鬼多いわね。あらイヤだ 何この可愛い生き物 」
「はいはい、後で説明するから 本当に今日だけで4件立て続けに起きるなんて異常やな」
「妖鬼界と人間界の境目が近くなりすぎてるとちゃうかしら」
「それもあるやろうけど 結界が弱まってるのかもしれへんな」
「それは、神が維持するっていう話しやったやんか」
「まぁ天照大神が管理してくれているはずやし、原因究明は後にしてはらわないとな」


「あそこにいるのが邪神じゃしんやな」
「あれは、人のうらみやねたみ、怨念おんねん、悪霊とかが集まって出来たもので、元々は、ここら辺の土地神様なんだよ」
「と ち が み ?」
「まぁいわゆるここらの土地を護っている神様たちで、長年の恨みや妬み、悪霊、怨霊とかが取り憑いたり、土地神様の信仰の衰退によって邪神となって悪鬼を呼び集めて、人をらい、どんどん力を増していく悪しき存在になってしまうから僕達、陰陽師がいるだ。」


説明しようー!!
陰陽師とは、古代日本の官職の1つで国家公務員だったんだけど、武家社会が台頭してくるようになると、徐々に没落ぼつらくしていくようになり、豊臣家が天下を統べるようになった結果、陰陽師の弾圧に繋がり、平安朝以来の宮廷陰陽師は、完全にその実態を失い、民間陰陽師と呼ばれるものが、日本各地で流行った。
豊臣家が関ヶ原に負けると、土御門家は、宮中へと復帰し、民間陰陽師の統制するという目的で、民間陰陽師の活動を制御せいぎょさせるために土御門家と幸徳井家を再興させたが、幸徳井家の当主が早くも亡くなると、陰陽寮の全ての役職を独占し、土御門神道と呼ばれるようになったが、明治に入ると、太陽暦が導入されることが決まり、太陰太陽暦の維持を訴える土御門晴雄が死ぬと、陰陽寮の廃止が強行的に決まり、天文と暦算は、文部省に移行 
土御門家から天文道や陰陽道、暦道が手離れになり、陰陽道は、迷信であると民間的にも禁止されたため、明治時代に出された禁止令以降、公式の行事にも民間の行事にも見られなくなった。


第二次世界大戦後の現在では、自分自身で陰陽師と語る人はおらず、天社土御門神道本庁と呼ばれる平安時代中、後期に見られた陰陽道とはかけ離れた陰陽道要素が濃い宗教団体やいざなぎ流と呼ばれるなどの若干地域陰陽師の名残があるところはあるものの、ほとんど衰退しているものであったが、2000年代初頭に入ると、神隠しや行方不明者、謎の失踪しっそう事件などが増え始め、最初は、北朝鮮の工作員による拉致事件ではないかとさわがれたが、北朝鮮側が否定 それと同時に鬼のような者が夜中現れ、人をさらって喰っているなどの噂が広がったが、非科学的根拠の無いものだと日本政府は否定したが、徐々に、映像や画像などが出回るようになると手のひらを返したかのように日本政府は、認め、陰陽庁の設置と陰陽師育成機関である陰陽寮塾の設置を始めとする法案提出 全会一致で可決成立したこの法案によって土御門家や紅月家などの陰陽師を生業としていた家が重要視され、特別地方公務員では、陰陽官、特別国家公務員では、陰陽博士と呼ばれる役職が設置され、警察では対応出来ない悪鬼による事件の解決や悪鬼や妖怪などが人間に害する行為をした場合の対処などを行うことが強制執行出来る権限など与え、陰陽博士や陰陽官の上位者
12名を十二天将とし、十二天将第一位の騰蛇とうだに指名されたのが最年少かつ天才陰陽師として有名になった紅月冬馬である。


「とうま、すごい子?」
「そうやな めちゃくちゃ強い上にまだ、17歳やもんな」
「一応、陰陽庁副長官なんだよね。未成年なのに大人は、誰一人、手を挙げなかったから仕方なくやる羽目に 長官がうちのおじいちゃんで良かったけどね」
「さて、とっとと終わらせちゃいましょうか」
「紅月流陰陽術業火滅却ごうかめっきゃく爆魔弾ばくまだん 」パッチンっと弾いた晴明紋が書かれたコインは、あっという間に、悪鬼を殲滅せんめつさせてしまう。
「まだ強い邪気を放つ邪神が残っちゃったかか」
「でも、ほとんどの悪鬼を一瞬で殲滅せんめつさせちゃうなんて昔から思うけど凄い威力ね。」



「紅月流陰陽術朱雀すざく神威かむい
邪神の頭上に現れた朱雀の凄まじい威光いこうによって、邪神は祓われ、邪気が消えていった。
「ふぅ 久しぶりに朱雀を使っちゃったな」
「かむいとはなんだ?」
「神威っていうのは、神聖な光で、あれをやると100% 祓うことが出来る。邪気が消えたのも神聖な光によって祓われたからだよ」
「さすが、陰陽庁副長官であられる。」
「神楽、いたのか で、悪鬼は、まだいるのか?」
「いえ、さっきので、最後です。」
「小町は、まだ探索してるか」
「そうですね。妖鬼界の警察機関である妖鬼天狗警察ようきてんぐけいさつも悪鬼や悪い妖怪を逮捕してるので、大忙しくてんやわんやしてるですから」


「とりあえず、家に戻ろうか」

次回、幼なじみと陰陽寮長悪鬼化事件

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品