現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜
75話 避難所 防衛戦11
「倒しても倒してもキリがないっすね……」
周囲360度、どこを見てもアンデットが視界に入ってしまう。
それほどの数だった。
「しかも……そろそろ魔力切れしそうっす」
かなりの数を減らせたとは思うっすけど、そのぶん少しづつ敵が強くなってきてる気がするっす。
隊長たちの所から来たやつっすかね。
真情や三郎たちが戦っている場所は、ここより奥に行った場所だ。
そちらの方に強いモンスターが固まっているということだろう。
「でもまぁ、明智さんから貰った魔力薬があれば回復できるっすけどね」
これで、自分はまだまだ戦えるっす!
使用した魔力薬の数は1個、そして残りは9個あるっす。
周りを見渡した感じ、アンデットの数が減っている気はしないっすけど、隊長たちが何とかしてくれるって信じてるっす!
何とかしてくれないと……自分が死ぬっすからね。
「うおっ!?」
突然、槍が後ろから飛んできた。
長年、真情たちと訓練していたおかげで、身の危険を察知できる第六感のようなものが身についた。
それが無かったら、今ごろ腹に風穴が空いていたところだろう。
「危ないっすね!『ファイアボー」
魔法名をそこまで言いかけたところで、聞き覚えのある少女の声が周囲一体に響いてきた。
「クックック……彷徨う屍たちよ。我が錬金術によって安寧の地へと誘ってやろう!」
背筋の凍るようなセリフが耳に入った直後、目に映るアンデット全てが消滅していた。
聞いてはいたっすけど……想像を遥かに超える力っすね。
分解というより、もはや消滅っすよ……。
いや、どちらも大した違いはないっすかね。
「でも、これで自分の出番は無くなったっす……!」
ソフィアの登場により、この場の戦況が大きく変化した。
こちらへ近づけば、問答無用で肉体を分解され、最初から存在しなかったかのように消される。
さらに、下がりかけていた士気も一気に跳ね上がり、今では人間側の陣営が押している状況だ。
それらの状況を見て、心の中で呟く。
これで、少しは安心できるっすね。
◇
「ッ!?クソがっ!」
【超加速】で、後ろに大きく下がりながら、悪態をつく。
敵が思っていた以上に強力で、ただいま苦戦中だ。
無数の生物で構成されているアンデットモンスター、ダブの攻撃は、拳を放つだけで強風が吹き荒れる。
さらに、固有スキル【腐食】によって、辺り一帯が、あらゆる生物にとっての死地へと変化していた。
『一定の熟練度まで達しました』
『スキル【再生】のレベルが7から8に上がりました』
スキルレベルは上がったが、それでも皮膚や内蔵へのダメージは大きく、ギリギリ再生が間に合っているのが現状だ。
しかも、【腐食】の能力を無効化できるようなスキルを持っていないので、俺の勝率は限りなくゼロに近かった。
いや、イヴの鱗で作られた刀なら倒せるかもしれない。
しかし、近づくことすら難しい状況下で、あの化け物の首を斬ることは、ほぼ不可能だ。
どうしたもんかねぇ……。
「ふぅっ!!」
イヴとの特訓で鍛えられた【回避】を最大限活かし、ダブの攻撃をギリギリながらに躱す。
足元まで距離を詰めた瞬間、横薙ぎに一閃。
真っ二つに両断する勢いで振った。
しかし、軽々と躱される。
「やっぱ、自力が違いすぎるな……全く、当たらねぇ」
強力な武器を持っていようが、当たらなければ意味が無い。
それに、使いこなしているとは口が裂けても言えないしな。
「ってか、触手攻撃やめろ!気色悪いわ!」
全身から生えている触手で攻撃されるのは、肉体的にも精神的にもキツイ。
なんと言っても、見た目が気色悪いのだ。
恐らく、固有スキル【部位変化】の能力だろう。
しかも、威力もアホみたいに高いので、当たったら一発KOである。
地面に当たれば大きな亀裂が走り、ビルの柱に当たれば倒壊させてしまう。
それほどの威力だった。
「ッ!!」
それら全ての触手を躱し、躱すことができないときは刀で防いだ。
しかし、攻撃の激しさが増していくので、更に近づくことが困難になってきている。
「ん?……体の一部だけでも食えば、スキルをコピーできんじゃね?……それに、あんだけ強いやつなら、少量の血でも経験値が貯まりそうだし……」
……勝ち筋が見えた。
口元をニヤリと歪め、刀に付着している血を舐めた。
『レベルが53から54に上がりました』
『一定の熟練度まで達しました』
『スキル【吸血】のレベルが7から8に上がりました』
さすが 、倍以上のステータスを持った化け物なら、少量の血でもレベルが上がるか。
まぁ、スキルはコピーできなかったけど。
「なんで、こんな簡単なことに気づけなかったのかねぇ……まぁ、これでも俺の方が圧倒的に弱いけどな」
片腕でも喰えたら良いんだが……もっと【暴食の右腕】の力を引き出したら、いけるか?……いや、いけるかいけないかじゃないよな。
……いくしかねぇよ。
「あの時の感覚は覚えてる……なら、できるはずだ……!」
思い出せ……初めて暴走した時の感覚を……家族が死んだと思った時の絶望感を!
粘液体へと変化した体から、禍々しい魔力が流れ込んできた。
それは、無意識のうちに抑え込まれていたもので、解き放たれるのを待ち望んでいたかのように暴れだしている。
「アッ……ガ……ガッ……ガァァァ!!」
痛てぇ!?
【痛覚無効】が効いてないぞ!
全身が引き裂かれるほどの激痛が体中を巡り、肉体が再構築されるような感覚だった。
『【暴食の右腕】の侵食により、肉体が再構築されます』
『半身を犠牲にすることにより、身体能力が大幅に強化されます』
その言葉が聞こえた直後、ダブの触手に腹を貫かれたのだった。
周囲360度、どこを見てもアンデットが視界に入ってしまう。
それほどの数だった。
「しかも……そろそろ魔力切れしそうっす」
かなりの数を減らせたとは思うっすけど、そのぶん少しづつ敵が強くなってきてる気がするっす。
隊長たちの所から来たやつっすかね。
真情や三郎たちが戦っている場所は、ここより奥に行った場所だ。
そちらの方に強いモンスターが固まっているということだろう。
「でもまぁ、明智さんから貰った魔力薬があれば回復できるっすけどね」
これで、自分はまだまだ戦えるっす!
使用した魔力薬の数は1個、そして残りは9個あるっす。
周りを見渡した感じ、アンデットの数が減っている気はしないっすけど、隊長たちが何とかしてくれるって信じてるっす!
何とかしてくれないと……自分が死ぬっすからね。
「うおっ!?」
突然、槍が後ろから飛んできた。
長年、真情たちと訓練していたおかげで、身の危険を察知できる第六感のようなものが身についた。
それが無かったら、今ごろ腹に風穴が空いていたところだろう。
「危ないっすね!『ファイアボー」
魔法名をそこまで言いかけたところで、聞き覚えのある少女の声が周囲一体に響いてきた。
「クックック……彷徨う屍たちよ。我が錬金術によって安寧の地へと誘ってやろう!」
背筋の凍るようなセリフが耳に入った直後、目に映るアンデット全てが消滅していた。
聞いてはいたっすけど……想像を遥かに超える力っすね。
分解というより、もはや消滅っすよ……。
いや、どちらも大した違いはないっすかね。
「でも、これで自分の出番は無くなったっす……!」
ソフィアの登場により、この場の戦況が大きく変化した。
こちらへ近づけば、問答無用で肉体を分解され、最初から存在しなかったかのように消される。
さらに、下がりかけていた士気も一気に跳ね上がり、今では人間側の陣営が押している状況だ。
それらの状況を見て、心の中で呟く。
これで、少しは安心できるっすね。
◇
「ッ!?クソがっ!」
【超加速】で、後ろに大きく下がりながら、悪態をつく。
敵が思っていた以上に強力で、ただいま苦戦中だ。
無数の生物で構成されているアンデットモンスター、ダブの攻撃は、拳を放つだけで強風が吹き荒れる。
さらに、固有スキル【腐食】によって、辺り一帯が、あらゆる生物にとっての死地へと変化していた。
『一定の熟練度まで達しました』
『スキル【再生】のレベルが7から8に上がりました』
スキルレベルは上がったが、それでも皮膚や内蔵へのダメージは大きく、ギリギリ再生が間に合っているのが現状だ。
しかも、【腐食】の能力を無効化できるようなスキルを持っていないので、俺の勝率は限りなくゼロに近かった。
いや、イヴの鱗で作られた刀なら倒せるかもしれない。
しかし、近づくことすら難しい状況下で、あの化け物の首を斬ることは、ほぼ不可能だ。
どうしたもんかねぇ……。
「ふぅっ!!」
イヴとの特訓で鍛えられた【回避】を最大限活かし、ダブの攻撃をギリギリながらに躱す。
足元まで距離を詰めた瞬間、横薙ぎに一閃。
真っ二つに両断する勢いで振った。
しかし、軽々と躱される。
「やっぱ、自力が違いすぎるな……全く、当たらねぇ」
強力な武器を持っていようが、当たらなければ意味が無い。
それに、使いこなしているとは口が裂けても言えないしな。
「ってか、触手攻撃やめろ!気色悪いわ!」
全身から生えている触手で攻撃されるのは、肉体的にも精神的にもキツイ。
なんと言っても、見た目が気色悪いのだ。
恐らく、固有スキル【部位変化】の能力だろう。
しかも、威力もアホみたいに高いので、当たったら一発KOである。
地面に当たれば大きな亀裂が走り、ビルの柱に当たれば倒壊させてしまう。
それほどの威力だった。
「ッ!!」
それら全ての触手を躱し、躱すことができないときは刀で防いだ。
しかし、攻撃の激しさが増していくので、更に近づくことが困難になってきている。
「ん?……体の一部だけでも食えば、スキルをコピーできんじゃね?……それに、あんだけ強いやつなら、少量の血でも経験値が貯まりそうだし……」
……勝ち筋が見えた。
口元をニヤリと歪め、刀に付着している血を舐めた。
『レベルが53から54に上がりました』
『一定の熟練度まで達しました』
『スキル【吸血】のレベルが7から8に上がりました』
さすが 、倍以上のステータスを持った化け物なら、少量の血でもレベルが上がるか。
まぁ、スキルはコピーできなかったけど。
「なんで、こんな簡単なことに気づけなかったのかねぇ……まぁ、これでも俺の方が圧倒的に弱いけどな」
片腕でも喰えたら良いんだが……もっと【暴食の右腕】の力を引き出したら、いけるか?……いや、いけるかいけないかじゃないよな。
……いくしかねぇよ。
「あの時の感覚は覚えてる……なら、できるはずだ……!」
思い出せ……初めて暴走した時の感覚を……家族が死んだと思った時の絶望感を!
粘液体へと変化した体から、禍々しい魔力が流れ込んできた。
それは、無意識のうちに抑え込まれていたもので、解き放たれるのを待ち望んでいたかのように暴れだしている。
「アッ……ガ……ガッ……ガァァァ!!」
痛てぇ!?
【痛覚無効】が効いてないぞ!
全身が引き裂かれるほどの激痛が体中を巡り、肉体が再構築されるような感覚だった。
『【暴食の右腕】の侵食により、肉体が再構築されます』
『半身を犠牲にすることにより、身体能力が大幅に強化されます』
その言葉が聞こえた直後、ダブの触手に腹を貫かれたのだった。
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