現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜
69話 避難所 防衛戦5
「では、さっそく向かいましょうか」
助けに行くなら、1秒でも早く行った方がいい。
そう思い、提案した。
「今からですか?」
「はい。走っていけば10分程度で着くでしょう」
今の俺なら、車道を走る車より圧倒的に速い。
レーシングカーよりは速いはずだ。
「ですが、モンスターとの遭遇も考えたら明日にした方が良いのでは?」
現在は夕方だから、1日置いた方が安全ではあるのだが……俺からすると大した差は無いし、雑魚相手ならすれ違いざまに倒せる。
気にする必要はないだろう。
「問題ありません。俺とソフィアさんで対処します」
「りょ、了解です」
俺の強さを直に見たからなのか、すぐに田村さんは返事を返した。
そういえば、田村さんはどれくらいの実力なんだろうか。
鑑定してみよう。
田村 英一
レベル25
職業 :『狩人』
種族:人間
魔力:72
腕力:114
防御:90
俊敏:143
《スキル》
【体術Lv5】【狙撃Lv3】【短剣術Lv4】【気配感知4】【隠密Lv5】
なるほど……スキルレベルは高いな。
普段から訓練しているおかげだろう。
ステータスは低いが、1人で戦っているわけではないだろうし、研究所の入口付近にいるオーガなら、田村さん並の人が3人いれば倒せるな。
「話は終わったみたいだし、行こっか!」
ソフィアは。両手を高く上げながら言った。
「ソフィアさんは、もう少し緊張感持った方がいいんじゃない?」
「むむむ。ソラ君も緊張感が無いように見えるよ」
「……」
確かに、そうかもしれない。
命のやり取りも、何度かやっていれば慣れるのかもしれないな。
「んー、やっぱりソラ君って少しズレてるよね〜」
「それは、こっちのセリフです」
「むきー!なんだとー!」
「なんですか……そのベタなセリフ」
「1回言ってみたかったんだ〜。えへへぇ」
そんなくだらない会話をしながら、俺たちは避難所へ向かう。
途中途中、ソフィアの可愛らしい笑顔に、田村が頬を真っ赤に染めていたのは、正直言って気持ち悪かった。
「ん?……あれは」
車道を真っ直ぐ走っていると、50メートルほど離れた位置に、20匹ほどのモンスターが群れていた。
「田村さん」
「なんでしょうか?」
レベルアップには丁度いいだろう。
「今から1人で倒してきてください。1匹も逃がさないでくださいよ。勿体ないので」
「へ?……わ、私ひとりでですか!?」
「はい。そうですが?」
レベルアップのためなんだから、俺とソフィアさんが手伝ったらダメだろう。
それに、あんな雑魚どもではレベルが上がんなくなったし。
「レベルアップのためです。頑張ってください」
「ッ!……了解です」
強くなるためには必要なことだと理解したのか、覚悟を決めた顔になった。
まぁ、死にそうになっても助けるから気楽に行こうや。
緊張感が無くなるから言わんけど。
「では……言って参ります……!」
おっ……なかなか速いな。
思わず、そんなことを思ってしまうくらいには、無駄のない動きをしており、そこそこ速かった。
腰にある短剣を抜き、近くにいた狼のようなモンスターの首を斬り裂く。
そして、そのまま次のモンスターへと狙いを変えた。
この繰り返し。
なにも派手なことはしていないが、一切攻撃を受けることなく、しかし、相手の急所を的確に狙っていた。
あれほどの数のモンスター相手に、同じ工程を何度も繰り返せるとは……普段の訓練の質の高さが、よく伝わってくる。
それだけではなく、このファンタジー化した世界でも訓練を怠らず、自分を磨き続けてきたのだろう。
戦闘技術は、俺より上だ。
まぁ、ステータス差で負ける気はしないけどな。
「ふぅ……終わりましたよ!佐藤さん」
「はい。お疲れ様です」
「おかげで、レベルが3つ上がりました。ありがとうございます」
「お疲れさん!」
「あ、ありがとうございます!ソフィアさん!」
だから、そんだけで顔を赤くすんなって……見てるこっちが恥ずかしいわ。
田村は危なげなく、モンスターを全滅させることが出来た。
もちろん、俺のスキル【威圧】を使ってサポートはしたが、ほとんどは本人の力のみで戦っていた。
「では、少しペースを上げていきましょうか」
「はーい」
「分かりました」
そして、モンスターの死体を吸収し、走り始めた。
途中、何度かモンスターと遭遇したが、その度に田村がレベルアップのために倒し、俺やソフィアはサポートをする。
その甲斐もあり、かなりレベルアップすることが出来た。
もちろん、俺は上がっていない。
相手が雑魚すぎて、どれだけ吸収しても一向にレベルが上がる気配がない。
「お、着いたな」
研究所を出発してから、約1時間後。
避難所へ着いた。
「はぁはぁはぁ……そうっ……ですね……!」
走るのが辛かったのか、もしくはモンスターとの先頭が辛かったのか、それとも両方か……理由は定かではないが、田村は激しく肩を揺らしながら、荒く呼吸していた。
「情けないなぁ。男なら胸を張って堂々としてなさい!」
「ッ!?はい!」
ソフィアの理不尽なもの言いに、田村は鼻息を荒くしながら喜んでいる。
ドMなのかもしれない。
「この間来たばかりなのに、懐かしく感じるなぁ」
「むむむ。なかなかの建築物ですなぁ」
「何様だよ……お前」
避難所は公民館のような場所に作られており、かなり広い。
100人くらいなら余裕で入りそうだ。
「では、参りましょうか」
田村の後ろを着いていき、俺たちは公民館の中へ入るのだった。
助けに行くなら、1秒でも早く行った方がいい。
そう思い、提案した。
「今からですか?」
「はい。走っていけば10分程度で着くでしょう」
今の俺なら、車道を走る車より圧倒的に速い。
レーシングカーよりは速いはずだ。
「ですが、モンスターとの遭遇も考えたら明日にした方が良いのでは?」
現在は夕方だから、1日置いた方が安全ではあるのだが……俺からすると大した差は無いし、雑魚相手ならすれ違いざまに倒せる。
気にする必要はないだろう。
「問題ありません。俺とソフィアさんで対処します」
「りょ、了解です」
俺の強さを直に見たからなのか、すぐに田村さんは返事を返した。
そういえば、田村さんはどれくらいの実力なんだろうか。
鑑定してみよう。
田村 英一
レベル25
職業 :『狩人』
種族:人間
魔力:72
腕力:114
防御:90
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【体術Lv5】【狙撃Lv3】【短剣術Lv4】【気配感知4】【隠密Lv5】
なるほど……スキルレベルは高いな。
普段から訓練しているおかげだろう。
ステータスは低いが、1人で戦っているわけではないだろうし、研究所の入口付近にいるオーガなら、田村さん並の人が3人いれば倒せるな。
「話は終わったみたいだし、行こっか!」
ソフィアは。両手を高く上げながら言った。
「ソフィアさんは、もう少し緊張感持った方がいいんじゃない?」
「むむむ。ソラ君も緊張感が無いように見えるよ」
「……」
確かに、そうかもしれない。
命のやり取りも、何度かやっていれば慣れるのかもしれないな。
「んー、やっぱりソラ君って少しズレてるよね〜」
「それは、こっちのセリフです」
「むきー!なんだとー!」
「なんですか……そのベタなセリフ」
「1回言ってみたかったんだ〜。えへへぇ」
そんなくだらない会話をしながら、俺たちは避難所へ向かう。
途中途中、ソフィアの可愛らしい笑顔に、田村が頬を真っ赤に染めていたのは、正直言って気持ち悪かった。
「ん?……あれは」
車道を真っ直ぐ走っていると、50メートルほど離れた位置に、20匹ほどのモンスターが群れていた。
「田村さん」
「なんでしょうか?」
レベルアップには丁度いいだろう。
「今から1人で倒してきてください。1匹も逃がさないでくださいよ。勿体ないので」
「へ?……わ、私ひとりでですか!?」
「はい。そうですが?」
レベルアップのためなんだから、俺とソフィアさんが手伝ったらダメだろう。
それに、あんな雑魚どもではレベルが上がんなくなったし。
「レベルアップのためです。頑張ってください」
「ッ!……了解です」
強くなるためには必要なことだと理解したのか、覚悟を決めた顔になった。
まぁ、死にそうになっても助けるから気楽に行こうや。
緊張感が無くなるから言わんけど。
「では……言って参ります……!」
おっ……なかなか速いな。
思わず、そんなことを思ってしまうくらいには、無駄のない動きをしており、そこそこ速かった。
腰にある短剣を抜き、近くにいた狼のようなモンスターの首を斬り裂く。
そして、そのまま次のモンスターへと狙いを変えた。
この繰り返し。
なにも派手なことはしていないが、一切攻撃を受けることなく、しかし、相手の急所を的確に狙っていた。
あれほどの数のモンスター相手に、同じ工程を何度も繰り返せるとは……普段の訓練の質の高さが、よく伝わってくる。
それだけではなく、このファンタジー化した世界でも訓練を怠らず、自分を磨き続けてきたのだろう。
戦闘技術は、俺より上だ。
まぁ、ステータス差で負ける気はしないけどな。
「ふぅ……終わりましたよ!佐藤さん」
「はい。お疲れ様です」
「おかげで、レベルが3つ上がりました。ありがとうございます」
「お疲れさん!」
「あ、ありがとうございます!ソフィアさん!」
だから、そんだけで顔を赤くすんなって……見てるこっちが恥ずかしいわ。
田村は危なげなく、モンスターを全滅させることが出来た。
もちろん、俺のスキル【威圧】を使ってサポートはしたが、ほとんどは本人の力のみで戦っていた。
「では、少しペースを上げていきましょうか」
「はーい」
「分かりました」
そして、モンスターの死体を吸収し、走り始めた。
途中、何度かモンスターと遭遇したが、その度に田村がレベルアップのために倒し、俺やソフィアはサポートをする。
その甲斐もあり、かなりレベルアップすることが出来た。
もちろん、俺は上がっていない。
相手が雑魚すぎて、どれだけ吸収しても一向にレベルが上がる気配がない。
「お、着いたな」
研究所を出発してから、約1時間後。
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「はぁはぁはぁ……そうっ……ですね……!」
走るのが辛かったのか、もしくはモンスターとの先頭が辛かったのか、それとも両方か……理由は定かではないが、田村は激しく肩を揺らしながら、荒く呼吸していた。
「情けないなぁ。男なら胸を張って堂々としてなさい!」
「ッ!?はい!」
ソフィアの理不尽なもの言いに、田村は鼻息を荒くしながら喜んでいる。
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「この間来たばかりなのに、懐かしく感じるなぁ」
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