現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜

S・R

36話 次のジョブは.......

 ゴブリンジェネラルとの戦闘が終わった後、俺は精神的に疲れたので地面に座り込んだ。
 そして.......

『ゴブリンジェネラルの討伐を確認』
『レベルが14から20に上がりました』
職業ジョブの選択をしてください
 選択可能な派生職業
 ・『騎士』
 ・『侍』
 以上が選択可能な職業ジョブです』

 レベル20の到達のアナウンスが鳴った直後、目の前に職業選択の表示された。
 しかも、新しい職業が出ている。
 これが、イヴの言っていた派生職業というやつだろう。

「イヴ、派生職業の選択が出来るようになったよ」

 取り敢えず、イヴに派生職業が解放された事を報告した。

「うむ。たった2日でレベル20に到達できたとは.......思っていた以上の成長速度だぞ」

 イヴは頭を上下させながら、珍しく俺を褒めた。
 普段、あまり褒めることが無さそうな人に褒められると、どこかむず痒くて恥ずかしい気持ちになる。
 周りから見たら、俺の顔は赤くなっているだろう。
 だから、俺は顔を逸らす。

「あ、あんだけモンスターを倒したんだから、レベルが上がんなかったら割に合わねぇよ」

 と、照れながら言った。

「どうしたんだ?もしかして我に褒められて照れているのか?んん?」
「うっせ!」

 俺の事を弄るのが楽しいのか、イヴは意地悪な笑みを浮かべていた。

「僕もレベル20になったよー!」

 ソフィアはピョンピョン跳ねながら喜んでいた。
 俺よりも歳上なのに子供っぽくて可愛い。
 どうか、そのまま厨二病を発揮させずに、可愛いソフィアさんのままでいて下さい。

「次は『騎士』だな.......というより、『剣士』の派生職業は選択肢が一つしかないからな」

 どうやら、『剣士』の次の派生職業は『騎士』しかないらしい.......では、なぜ俺の選択肢には『侍』というのがあるのだろうか?
 俺は疑問に思ったので、イヴに聞いた。

「なんか『騎士』の他に『侍』があるんだけど?」
「ん?どれ見せてみろ」

 と言って、イヴは職業の選択肢を覗く。

「ふむ.......確かにあるな。我は『侍』なんていうジョブは初めて見たぞ。ソフィアは何か知っておるか?【叡智】の知識の中に何かないか教えてくれ」
「ん〜.......無いみたいだね」

 イヴは、ソフィアが持ってる固有スキル【叡智】に、何か情報があると思い聞いてみたようだが、どうやら何も情報が無いようだ。

「【叡智】は、そこまで万能ではないからねぇ.......どの世界にも存在しない情報は載ってないんだよ」

 ソフィアが言うには、初めて現れたものは【叡智】の情報の中には、何も載っていないようなのだ。
 もし、そんな事まで載っていたら、未来に現れる人物や、これから起こる大きな出来事が分かったりなど.......まるで、完全な未来視のようなチート能力になってしまう。
 さすがに、そこまで万能ではないようだった。

「能力を簡単に説明すると、新しい情報が更新され続ける本を頭の中で読めるようになる感じかな」

 情報が更新され続ける本が、神々の住まう天界にあるらしい。
 その本をどんな場所でも読めるようになるだけなのだ。
 まぁ、それでも十分チートなのだが.......

「『侍』はまだ出てないの?」
「うん.......誰もなった事ないジョブだから情報が更新されてないんだよ」
「なるほどね.......」

 ここで俺は悩む。
 イヴが敷いたレールの通りに成長していれば、確実に強くなれるだろう.......しかし、ただ言われた通りにしていても、イヴの予想の範疇の強さしか手に入らない。

 それに.......何も考えず指示された通りの事をしていているのも何か違う気がする。
 そん考えた俺は、次の職業ジョブを相談せずに選択した。

「ふっ.......少しは成長したでないか」

 世界が狂ってから初めて、俺は自分の意思だけで選択した。
 そして、イヴは優しく微笑みながら見ていたのだった。



 ソフィアside

「どうやら、ソラくんは次のジョブを決めたみたいだね」

 剣士の派生職業は『騎士』だ。
 この職業を選ぶと、【身体強化】【腕力強化】【防御強化】【俊敏強化】の中からランダムに取得でき、更に【剣術】と【斬撃】も取得するのでスキルレベルも上がる可能性があるのだ。
 しかし、僕の【叡智】にも載っていない『侍』という未知の職業ジョブが、二つ目の選択肢としてステータスにあった。

 ソラくんは僕の『錬金術師』のような特殊職業を選択肢に持っていないので、最終派生職業の『剣聖』に急いでなる必要がある。
 だから、未知の職業ジョブを選ぶというギャンブルのような事をするのは無謀とも言えるのだが、未知だからこそ他とは違う何かがあるかもしれない。
 難しいところだ。

 まぁ、僕は次の職業ジョブを決めてあるんだけどね。
 特殊職業は派生職業が無いので、直ぐに新しい職業ジョブを選ぶことが出来るのだ。

「やっぱり、ファンタジー小説の王道職業と言えばアレだよね!」

 と言って、迷わず次の職業ジョブを選んだ。

『職業『聖騎士』を取得しました』
『スキル【槍術】を取得しました』
『スキル【身体強化】を取得しました』
『スキル【魔力強化】を取得しました』
『【魔力強化】は既存の同一スキルに統合されます』
『スキル【魔力強化】のレベルが3から4に上がりました』
『スキル【腕力強化】を取得しました』
『スキル【防御強化】を取得しました』
『スキル【俊敏強化】を取得しました』
『スキル【闘志】を取得しました』
『【光魔法】を取得しました』

『残りの経験値を獲得します』
『レベルが20から23に上がりました』




パーティーメンバー

・佐藤 空

・イヴィル

・明智 ソフィア

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