現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜

S・R

31話 ゴーレムは全人類のロマンだぜ!

 遅れて申し訳ございません(〃・д・) -д-))ペコリン



 あの後、俺たちは雑談に花を咲かせていた。

 俺が『魔人』した経緯や世界がおかしくなってから今日までしてきた事、そしてイヴが国を滅ぼした時の自慢話など.......いや、そんな自慢されても困るんだけどな。
 イヴが高笑いを上げながら、国を滅ぼしたと言った瞬間、ソフィアさんの顔めっちゃ引き攣ってたぜ。

 因みに、ソフィアさんは何でもゴーレム作成の研究をしているらしい。
 これには、俺の僅かな厨二病魂が震えた。
 ゴーレムは男のロマンだぜ!

 モンスターには、必ず魔石と呼ばれる魔力の結晶が体内にあるらしく、それを使うと電気や燃料の代わりにする事が出来るようなのだ。
 これが事実なら、世界中のエネルギー問題がカンタンに解決できる。

 この3日間、自衛隊や警官などを全く見ていないので、少なくとも日本は殆ど崩壊していると思う。
 だから、今さらエネルギー問題の解決策が見つかったところで意味が無い。

「この魔石をエネルギー源として利用すれば、全人類の夢であるゴーレム作成を可能にする事が出来るのさ!」

 全人類の夢かどうかは分からないが、確かにゴーレムを作れたら夢が広がる。

「おぉ!ゴーレムが完成したら、次はホムンクルス.......いや、戦闘メイドさんだな!」
「うん!さすがソラ君だね!君わかってるよ!戦闘メイドのホムンクルスを作ろう!」

 俺とソフィアさんは、ゴーレムの話で盛り上がっていた。
 他にも気になる事は沢山あるが、テレビに出てるような人型ロボットを作ることが可能になったと聞いたら、誰でも興奮するものだろう。
 しない奴は人間じゃない。

「だが、素材が足りずゴーレムの作成は不可能ではないのか?周りにあるのはオーガの魔石と普通の鉄だけだぞ」

 イヴは長生きしているだけあって博識だ。
 周りを少し見渡しただけで、ゴーレム作成の進み具合を一瞬で理解した。
 いつもはアホ面を晒してる駄龍なのに、こういう時だけ年長者っぽい。

「そうなんだよね.......僕の錬金術だけでは完全な完成には至らないんだよ。せめて、もう少し濃密な魔力を持った魔石があれば良いんだけどなぁ」

 と言って、ソフィアさんは俺たちをチラチラと見つめていた。
 .......なんか嫌な予感がするぞ。

「つまり、我とソラの2人で魔石を取ってこいと言いたいのか?」
「うん!そうさ!」

 イヴの質問に対して、ソフィアさんは満面の笑みで返事をした。
 清々しいほど素直だな.......ソフィアさん。

「えっと.......今ある魔石だとエネルギー量が足りないから、もっと高品質な魔石を持ってきて欲しいってこと?」
「そだね〜.......命懸けだし不安なのも分かるよ。でも安心したまえ!僕が錬金術で作った武器と.......そして僕自身も一緒に行ってあげるからね!」

 ソフィアさんも一緒に来てくれるのは心強いけど、俺はオーガ程度に苦戦したんだぜ?逆に足でまといになりかねない。
 だから、ソフィアさん一人で行った方が良いのでは?と思ってたりしている。

「俺あんまり強くないよ?オーガに苦戦してたから、もっと強い相手となると足手まといになるだけだと思う」

 それを聞いたソフィアさんは、呆れたように言う。

「はぁ.......僕の話聞いてた?僕が錬金術で作った武器や防具を君にあげると言っているのだよ。この僕が作った作品だから、そこらの不良品と一緒にしてもらっては困るよ。プンプン!」
「プンプン.......口にするやつ初めて見たよ」
「ふふふ.......僕みたいな美少女が言うと可愛いでしょ?まぁ、そんな事はさて置き僕が作った作品を使えば、絶対に負けることは無いさ!」

 ソフィアさんは自信満々に、自分が作った武器や防具を使えば、絶対に負けることは無いと言った。
 自分のことを美少女と言っているが、事実ではあるし反応するのも面倒なので無視する。
 俺は女の子の扱いに全く慣れていないが、こういう頭のネジが外れた子や、アホな子などの扱いは少し慣れてきた.......主にイヴのせいである。

「思ったんだけどさ.......なんでソフィアさんって魔石とかゴーレムの作り方について詳しいの?まだ、世界がおかしくなって3日目だよ?」

 俺はソフィアさんに対して、色々と変に思っていた事が幾つかあった。
 ゴーレムの作り方やイヴの正体を知っていたり、モンスターの体内に魔石がある事を知っていたりなど.......俺は何百匹もモンスターを倒してきたが、体内に魔石がある事なんて知らなかった。

 しかし、イヴは何か知っているようだ。
 俺の知らない専門用語をソフィアさんが使いまくっても、イヴは難なく会話についてこれでいたのである。

「あぁ.......確かに変だよね。僕のステータスを見た方が早いと思うよ?これは僕からの信頼の証さ!僕の全てを覗いて良いよ!」
「誤解を招く言い方すんな!」

 ソフィアさんの誤解を招くような言い方にツッコミを入れ、少し躊躇いがちに俺は【鑑定】を使った。

「.......ファッ!?」

明智あけち ソフィア
レベル17
職業ジョブ:『錬金術師』
種族:『人間』
魔力:498(468+30)
腕力:25
防御:29
俊敏:29
《固有スキル》
【叡智】【魔力操作】【錬金術】
《スキル》
【思考速度上昇Lv2】【集中Lv3】【家事Lv1】【魔力強化Lv3】【鑑定Lv5】【収納空間Lv4】

 おっと.......色々とツッコミどころが多くて、変な声を出してしまった。
 取り敢えず、一言だけ言わせてくれ。

「俺よりレベル高いじゃねぇかよぉぉお!」




パーティーメンバー

・佐藤 空

・イヴィル

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