現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜
28話 白衣の少女
「うわっ.......あれがオーガかよ。めっちゃ強そうじゃん」
現在、物陰に隠れながら、オーガを観察中。
俺の視界の中には、ノシノシと大きい足音を立てながら、研究所内を歩き回るオーガが複数匹いた。
そいつらは全員、2メートル以上の身長があり、その肉体には歴戦の猛者のように無数の切り傷が刻まれ、ゴリラも真っ青になるほど強靭な肉体を持っている。
「そこまで恐れる必要はなかろう。強そうなのは見た目だけだ」
「いや、お前からするとオーガも雑魚だろうけどさ.......俺は一発でも攻撃を食らったらお陀仏だぜ?」
「そのために、我が直々に相手をしてやったのだろうが」
「あっ、そうだったんだ.......」
コイツ.......元々、俺をオーガたちと戦わせる気だったのかよ!せめて、もう少しレベルを上げてからにしたかった。
しかし、イヴの言う通り見た目だけの相手かもしれないと期待を膨らませ、【鑑定】でオーガたちのステータスを覗く。
名前なし
種族:『オーガ』
魔力:57
腕力:412(362+50)
防御:296
俊敏:135
《スキル》
【腕力強化Lv5】【剛腕Lv3】
一番強そうな奴を鑑定してみたら、こんなステータスだった。
「嘘だと言ってくれママン」
おっと、驚きで変なことを言ってしまった。
てか、腕力の数値おかしすぎ.......魔力と俊敏以外アイツの方が高いし、俊敏なんか少し俺が勝ってるくらいだぞ。勝ち目ないだろ。
「本当に一発でお陀仏じゃねぇかよ。やっぱ、もっとレベル上げてからにしない?」
「それじゃあ意味が無い。ゴブリン程度ではレベルが上がらなくなったから、相手をオーガに変えたのだ。ほれ、はよ行ってこい」
「逝ってこいと言いたいのか?俺は、まだ死にたくねぇぞ」
その言葉に呆れたのか、イヴは「はぁぁぁ」と深くため息を吐いた。
「いいか?あやつ達は人と体内構造が殆ど変わらん。つまり.......」
そこからの言葉を待っているのか、イヴは先の言葉を言わずに黙る。
「弱点も人間とか同じってことか?」
俺の回答に納得いったのか、イヴは何度も頷く。
「うむ。だから恐れる必要は無いだろう?自分では勝てないと思い込むのは、お主の悪い癖だぞ」
確かに、その通りだ。
見た目は人間よりも少し大きく、額に角が生えており、肌の色が真っ赤なこと以外は違いはない。
.......うん、かなり違うな。
っと、そんな事は置いといて.......生き物である以上、どんな生き物でも弱点はあるものだ。
しかも、相手は人型だ。
元人間(魔人)である俺なら、簡単に弱点を見つけることが出来るだろう。
「だな.......ちょっとビビりすぎてたかも。弱点が分かればコッチのもんだぜ!」
「うむ!では行ってくるのだ!我が弟子よ!」
二人は小声で叫ぶという器用な事をしながら気合を入れた。
「まずは一番でかいヤツから殺る」
俺は【暴食の右腕】を1番でかいオーガへと向け、ゴブリンから奪った最も質が良い矢を放つ。
それは一直線にオーガの頭部へと飛んでいき、綺麗に刺さった。
「よしっ!」
俺は思わずガッツポーズして喜んだ。
普通は手に入れて間もない能力を使いこなすの時間がかかるみたいなのだが、俺には【狙撃】というスキルがあるので問題ない。
このスキルは、どうやら遠距離系の攻撃には適用されるようなのだ。
だから、プロ並みに精密で正確な矢を放つことが出来る。
まぁ、弓で放っていないのだがな。
「.......ォォォ」
頭に矢が刺さったオーガは、小さく呻き声を出しながら死んだ。
刺さった瞬間、声も上げることが出来ずに、死ぬと思ったのだが、俺が思ってる以上に生命力が高いようだ。
「厄介だな.......」
頭の中でレベルアップの知らせが鳴ったが、確認している暇がないので直ぐに剣を構える。
仲間が死んだのに気付いたオーガたちは、「グォォォ!」と怒りの雄叫びを上げて向かってきた。
そして、さっそくオーガは俺の顔面目掛けて拳を放つ。
しかし.......その攻撃はイヴの攻撃と比べると、あまりにも遅すぎたのだ。
「そんな遅い攻撃が俺に当たるかよ」
そう呟きながら、鼻歌交じりにオーガたちの攻撃を躱していった。
もちろん、反撃も忘れない。
攻撃と回避を同時に行っているのだ。
これも、イヴが直接鍛えてくれたお陰である。
まぁ、死にそうにはなったのだが.......
「ふっ!」
いちばん小柄なオーガの拳を前に出て躱し、すれ違いざまに膝の裏を斬り付けてやった。
そして、小柄なオーガは膝を着く。
「あっぶね!不意打ちかよ!」
最も弱そうな小柄なヤツから仕留めようと思ったのだが、他のオーガは小柄なオーガを守るようにして後ろから不意打ちをしてきた。
もちろん、当たることは無いが、一発一発の攻撃に俺を一撃で沈めるほどの威力が込められており、なかなか厄介である。
そんな時、後ろから少女の声が聞こえてきた。
「そこの少年.......僕が手を貸してあげようか?」
その少女は、シワシワな白衣を雑に羽織って、右手に金色の"何か"を纏わせながら現れたのだった。
パーティーメンバー
・佐藤 空
・イヴィル
現在、物陰に隠れながら、オーガを観察中。
俺の視界の中には、ノシノシと大きい足音を立てながら、研究所内を歩き回るオーガが複数匹いた。
そいつらは全員、2メートル以上の身長があり、その肉体には歴戦の猛者のように無数の切り傷が刻まれ、ゴリラも真っ青になるほど強靭な肉体を持っている。
「そこまで恐れる必要はなかろう。強そうなのは見た目だけだ」
「いや、お前からするとオーガも雑魚だろうけどさ.......俺は一発でも攻撃を食らったらお陀仏だぜ?」
「そのために、我が直々に相手をしてやったのだろうが」
「あっ、そうだったんだ.......」
コイツ.......元々、俺をオーガたちと戦わせる気だったのかよ!せめて、もう少しレベルを上げてからにしたかった。
しかし、イヴの言う通り見た目だけの相手かもしれないと期待を膨らませ、【鑑定】でオーガたちのステータスを覗く。
名前なし
種族:『オーガ』
魔力:57
腕力:412(362+50)
防御:296
俊敏:135
《スキル》
【腕力強化Lv5】【剛腕Lv3】
一番強そうな奴を鑑定してみたら、こんなステータスだった。
「嘘だと言ってくれママン」
おっと、驚きで変なことを言ってしまった。
てか、腕力の数値おかしすぎ.......魔力と俊敏以外アイツの方が高いし、俊敏なんか少し俺が勝ってるくらいだぞ。勝ち目ないだろ。
「本当に一発でお陀仏じゃねぇかよ。やっぱ、もっとレベル上げてからにしない?」
「それじゃあ意味が無い。ゴブリン程度ではレベルが上がらなくなったから、相手をオーガに変えたのだ。ほれ、はよ行ってこい」
「逝ってこいと言いたいのか?俺は、まだ死にたくねぇぞ」
その言葉に呆れたのか、イヴは「はぁぁぁ」と深くため息を吐いた。
「いいか?あやつ達は人と体内構造が殆ど変わらん。つまり.......」
そこからの言葉を待っているのか、イヴは先の言葉を言わずに黙る。
「弱点も人間とか同じってことか?」
俺の回答に納得いったのか、イヴは何度も頷く。
「うむ。だから恐れる必要は無いだろう?自分では勝てないと思い込むのは、お主の悪い癖だぞ」
確かに、その通りだ。
見た目は人間よりも少し大きく、額に角が生えており、肌の色が真っ赤なこと以外は違いはない。
.......うん、かなり違うな。
っと、そんな事は置いといて.......生き物である以上、どんな生き物でも弱点はあるものだ。
しかも、相手は人型だ。
元人間(魔人)である俺なら、簡単に弱点を見つけることが出来るだろう。
「だな.......ちょっとビビりすぎてたかも。弱点が分かればコッチのもんだぜ!」
「うむ!では行ってくるのだ!我が弟子よ!」
二人は小声で叫ぶという器用な事をしながら気合を入れた。
「まずは一番でかいヤツから殺る」
俺は【暴食の右腕】を1番でかいオーガへと向け、ゴブリンから奪った最も質が良い矢を放つ。
それは一直線にオーガの頭部へと飛んでいき、綺麗に刺さった。
「よしっ!」
俺は思わずガッツポーズして喜んだ。
普通は手に入れて間もない能力を使いこなすの時間がかかるみたいなのだが、俺には【狙撃】というスキルがあるので問題ない。
このスキルは、どうやら遠距離系の攻撃には適用されるようなのだ。
だから、プロ並みに精密で正確な矢を放つことが出来る。
まぁ、弓で放っていないのだがな。
「.......ォォォ」
頭に矢が刺さったオーガは、小さく呻き声を出しながら死んだ。
刺さった瞬間、声も上げることが出来ずに、死ぬと思ったのだが、俺が思ってる以上に生命力が高いようだ。
「厄介だな.......」
頭の中でレベルアップの知らせが鳴ったが、確認している暇がないので直ぐに剣を構える。
仲間が死んだのに気付いたオーガたちは、「グォォォ!」と怒りの雄叫びを上げて向かってきた。
そして、さっそくオーガは俺の顔面目掛けて拳を放つ。
しかし.......その攻撃はイヴの攻撃と比べると、あまりにも遅すぎたのだ。
「そんな遅い攻撃が俺に当たるかよ」
そう呟きながら、鼻歌交じりにオーガたちの攻撃を躱していった。
もちろん、反撃も忘れない。
攻撃と回避を同時に行っているのだ。
これも、イヴが直接鍛えてくれたお陰である。
まぁ、死にそうにはなったのだが.......
「ふっ!」
いちばん小柄なオーガの拳を前に出て躱し、すれ違いざまに膝の裏を斬り付けてやった。
そして、小柄なオーガは膝を着く。
「あっぶね!不意打ちかよ!」
最も弱そうな小柄なヤツから仕留めようと思ったのだが、他のオーガは小柄なオーガを守るようにして後ろから不意打ちをしてきた。
もちろん、当たることは無いが、一発一発の攻撃に俺を一撃で沈めるほどの威力が込められており、なかなか厄介である。
そんな時、後ろから少女の声が聞こえてきた。
「そこの少年.......僕が手を貸してあげようか?」
その少女は、シワシワな白衣を雑に羽織って、右手に金色の"何か"を纏わせながら現れたのだった。
パーティーメンバー
・佐藤 空
・イヴィル
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