現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜
閑話 頭角を現す者たち
とある路地裏
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!」
薄暗い路地裏から、とてもではないが人のものとは言えない叫び声が鳴り響く。
それを、追いかけるのは血塗れたナイフを片手に持ち、頬を薄らと赤く染めた20代前半の女性だった。
「ふふふ.......おじさんったらぁ、そんなに怖がられたら私とても悲しいわぁ」
「た、頼むっ!こ、ここ殺さないでくれ.......!何でもするから!」
40代後半くらいの男はズボンを濡らし、股から黄色い液体を大量に垂らしていた。
そして、その表情は恐怖心に染められている。
「いいわ。生かしてあげる」
「.......!!ほ、本当か!?」
男は希望を見出し、表情を明るくさせた。
.......しかし、次の瞬間、希望から絶望に叩き落とされる表情を見せる。
「私はね.......人の血、涙、叫び声、そして絶望した表情が大好きなの!だからね.......私が満足するまで体を切り刻まれて生き残ってたら見逃してあげるわ!」
まるで興奮しているかのように女は内股になり、自分の体を両腕で抱いて目を血走らせていた。
「い、嫌だっ!嫌だ嫌だ嫌だ!お、俺は死にたくない!」
「ふふふ.......死ぬほど痛いだけだから大丈夫よ」
それが嫌なのを分かっていないのか、女はナイフを手でクルクルさせて遊び、コツコツと足音を立てながら少しずつ男に近づいていく。
「それじゃあ.......私を楽しませてね」
女は息をハァハァと漏らして口端を釣り上げ、妖艶な表情をしながら男へとナイフを突き立てた。
◇
とある避難所
「隊長!ご報告があります!」
自衛隊員らしき青年がテントの入口を開いて中に入り、姿勢を正しながら報告を行った。
青年の目の前にいるのは、頭の両端を刈り上げ、服の上からでも分かるほどガタイのいい筋肉質の男だった。
「お?どうした?」
隊長と呼ばれた男は人の良い笑顔を作り、部下の報告を待っていた。
そのイカつい見た目とは裏腹に、近所によく居る優しいおっちゃんの様な雰囲気が漂っている。
「南から多数のモンスターが接近!数は約20匹程、種類はウルフです!」
報告を聞いた男は口端を釣り上げ、子供がはしゃいでいる時の様な表情をしていた。
「まぁ、避難してきた人たちからすりゃあ迷惑極まりない事態だが.......折角だし俺たちは楽しませて貰おうか!」 
「はぁ.......いい加減にしてくださいよ隊長。今は一大事ですよ。ほら、早く戦闘の準備をしてください」
青年は普段から苦労しているのか、ため息を吐きながら戦闘の準備をするように言った。
「ガハハ!俺を誰だと思ってんだ!準備なら、とっくに出来てるぜ!」
そして、男は脇に置いてあった大剣を肩に担ぎ、銃を腰に携えて戦場へと向かっていくのであった。
◇
とある墓場
ソレは、何かを探しているかのように薄暗い墓場を彷徨っていた。
「カタカタカタ」
ソレは、話すことが出来ないのか、代わりに自身の歯を高速で上下させながら音を発していた。
ソレの体には肉が全く付いておらず、全身の骨が露出していた。
.......いや、ソレには骨しかないのだ。
骨しかないのでスケルトンとでも呼ぼう。
「カタ?.......カタカタカタ!!」
スケルトンは何かを見つけたのか、自身の歯を激しく上下させながら、回れ右をして全力で逃げ出した。
しかし、骨しかないので、もちろん足は大して速くない。
むしろ遅いくらいだ。
あまりにも足が遅いので、スケルトンはあっという間に追いつかれ、あっさりと全身の骨を砕かれた。
その全身の骨を砕いた者の正体は、所々の骨が露出していて腐った肉や皮膚を無理やりくっ付けたような見た目をしたオオカミ型のアンデッドモンスターだった。
要するにアンデッドウルフだ。
スケルトンを倒した後、アンデッドウルフは、まるで人に飼い慣らされている犬のように骨にしゃぶり付いた。
しかし!もちろんスケルトンはやられっぱなしではいない!スケルトンは全身の骨を瞬時に修復させたのだ!そして、スケルトンはやり返しとばかりにオオカミ型のアンデッドモンスターへと向かって行く!.......と思いきや、骨にしゃぶり付いて夢中になっている間に、スケルトンは再び全力疾走で逃げ出して行ったのだった。
◇
とある研究施設
そこには、ヨレヨレの白衣を着た少女がいた。
「我が錬金術の力を持ってしても完成せぬか.......非常に残念だが、これもまた良い!難易度の高い目標ほど達成した時の感動は素晴らしいものだ!クックック.......疼く.......疼くぞ!我が右腕に封印されし力が!」
少女は右腕を抑えながら体を震わせ、口端を吊り上げて「クックック」と怪しげな笑い声を出していた。
その少女の向いている先には人型のロボットがあった。
.......そして、少女の後ろにはモンスターらしき物の死体や、大量の血によって床が真っ赤に染め上げられている。
「僕は諦めが悪いのだよ。何度失敗しようが何度でも挑戦してやろうではないか!」
少女は左手を自分の額に当てて、右手をビシッ!とロボットに向ける奇怪なポーズを取った。
「さて.......右腕が疼いて仕方がないのでな。そろそろ我が城に巣食う悪鬼どもを討伐しに行こうか」
少女は白衣をバサッ!と靡かせ、不敵な笑みを浮かる。
そして、ロボットに背を向けて、床に落ちている血やモンスターの死体を踏みながら部屋を出て行った。
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!」
薄暗い路地裏から、とてもではないが人のものとは言えない叫び声が鳴り響く。
それを、追いかけるのは血塗れたナイフを片手に持ち、頬を薄らと赤く染めた20代前半の女性だった。
「ふふふ.......おじさんったらぁ、そんなに怖がられたら私とても悲しいわぁ」
「た、頼むっ!こ、ここ殺さないでくれ.......!何でもするから!」
40代後半くらいの男はズボンを濡らし、股から黄色い液体を大量に垂らしていた。
そして、その表情は恐怖心に染められている。
「いいわ。生かしてあげる」
「.......!!ほ、本当か!?」
男は希望を見出し、表情を明るくさせた。
.......しかし、次の瞬間、希望から絶望に叩き落とされる表情を見せる。
「私はね.......人の血、涙、叫び声、そして絶望した表情が大好きなの!だからね.......私が満足するまで体を切り刻まれて生き残ってたら見逃してあげるわ!」
まるで興奮しているかのように女は内股になり、自分の体を両腕で抱いて目を血走らせていた。
「い、嫌だっ!嫌だ嫌だ嫌だ!お、俺は死にたくない!」
「ふふふ.......死ぬほど痛いだけだから大丈夫よ」
それが嫌なのを分かっていないのか、女はナイフを手でクルクルさせて遊び、コツコツと足音を立てながら少しずつ男に近づいていく。
「それじゃあ.......私を楽しませてね」
女は息をハァハァと漏らして口端を釣り上げ、妖艶な表情をしながら男へとナイフを突き立てた。
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「隊長!ご報告があります!」
自衛隊員らしき青年がテントの入口を開いて中に入り、姿勢を正しながら報告を行った。
青年の目の前にいるのは、頭の両端を刈り上げ、服の上からでも分かるほどガタイのいい筋肉質の男だった。
「お?どうした?」
隊長と呼ばれた男は人の良い笑顔を作り、部下の報告を待っていた。
そのイカつい見た目とは裏腹に、近所によく居る優しいおっちゃんの様な雰囲気が漂っている。
「南から多数のモンスターが接近!数は約20匹程、種類はウルフです!」
報告を聞いた男は口端を釣り上げ、子供がはしゃいでいる時の様な表情をしていた。
「まぁ、避難してきた人たちからすりゃあ迷惑極まりない事態だが.......折角だし俺たちは楽しませて貰おうか!」 
「はぁ.......いい加減にしてくださいよ隊長。今は一大事ですよ。ほら、早く戦闘の準備をしてください」
青年は普段から苦労しているのか、ため息を吐きながら戦闘の準備をするように言った。
「ガハハ!俺を誰だと思ってんだ!準備なら、とっくに出来てるぜ!」
そして、男は脇に置いてあった大剣を肩に担ぎ、銃を腰に携えて戦場へと向かっていくのであった。
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ソレは、何かを探しているかのように薄暗い墓場を彷徨っていた。
「カタカタカタ」
ソレは、話すことが出来ないのか、代わりに自身の歯を高速で上下させながら音を発していた。
ソレの体には肉が全く付いておらず、全身の骨が露出していた。
.......いや、ソレには骨しかないのだ。
骨しかないのでスケルトンとでも呼ぼう。
「カタ?.......カタカタカタ!!」
スケルトンは何かを見つけたのか、自身の歯を激しく上下させながら、回れ右をして全力で逃げ出した。
しかし、骨しかないので、もちろん足は大して速くない。
むしろ遅いくらいだ。
あまりにも足が遅いので、スケルトンはあっという間に追いつかれ、あっさりと全身の骨を砕かれた。
その全身の骨を砕いた者の正体は、所々の骨が露出していて腐った肉や皮膚を無理やりくっ付けたような見た目をしたオオカミ型のアンデッドモンスターだった。
要するにアンデッドウルフだ。
スケルトンを倒した後、アンデッドウルフは、まるで人に飼い慣らされている犬のように骨にしゃぶり付いた。
しかし!もちろんスケルトンはやられっぱなしではいない!スケルトンは全身の骨を瞬時に修復させたのだ!そして、スケルトンはやり返しとばかりにオオカミ型のアンデッドモンスターへと向かって行く!.......と思いきや、骨にしゃぶり付いて夢中になっている間に、スケルトンは再び全力疾走で逃げ出して行ったのだった。
◇
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そこには、ヨレヨレの白衣を着た少女がいた。
「我が錬金術の力を持ってしても完成せぬか.......非常に残念だが、これもまた良い!難易度の高い目標ほど達成した時の感動は素晴らしいものだ!クックック.......疼く.......疼くぞ!我が右腕に封印されし力が!」
少女は右腕を抑えながら体を震わせ、口端を吊り上げて「クックック」と怪しげな笑い声を出していた。
その少女の向いている先には人型のロボットがあった。
.......そして、少女の後ろにはモンスターらしき物の死体や、大量の血によって床が真っ赤に染め上げられている。
「僕は諦めが悪いのだよ。何度失敗しようが何度でも挑戦してやろうではないか!」
少女は左手を自分の額に当てて、右手をビシッ!とロボットに向ける奇怪なポーズを取った。
「さて.......右腕が疼いて仕方がないのでな。そろそろ我が城に巣食う悪鬼どもを討伐しに行こうか」
少女は白衣をバサッ!と靡かせ、不敵な笑みを浮かる。
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