現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜

S・R

23話 初めての迷宮〜その3〜

 少しでも見やすくなるようにステータスの表示方法をちょこちょこ変更すると思います。

 こっちを書くのが楽しくて1作目の執筆が進まねぇ.......




 6体倒した所で、まだ100匹ほどモンスターがいる事に変わりはない。
 長期戦になると不利になるのは、たった一人しかいない俺である。
 だから、俺はモンスターを出来るだけ早く倒すことにした。

「それじゃあ速度上げるぜ!」

 俺は『魔人』の身体能力を十全に活かし、モンスターの数を確実に減らしていった。
 宣言通り移動速度を上げて、ゴブリン如きでは対処できない速さで処理していく。
 しかし、ここにいるのは"普通のゴブリン"だけでは無い。

「弓を使うゴブリンもいるのかよっ!」

 15メートルほど先には弓を装備したゴブリンがいたのだ。
 ゴブリンアーチャーと言ったところだろうか。
 ゴブリンアーチャーは、前衛のゴブリンが俺を足止めしている間に、作りの悪い矢を放ち、矢の雨の降らせた。

「まぁ、『魔人』になる前の俺なら対処できなかったな」

 俺は右腕を丸い盾の形に変化させ、ゴブリンアーチャーたちが放った矢の雨を全て防いだ。
 俺の右腕はスライムと融合した名残なのか、自由に形を変形させることが出来るのだ。
 喰らった事のある物だと一瞬で変えることが出来る。

「剣と盾を喰っといて良かったぜ」

 そして、俺は周りに落ちてある矢も喰らった。

「そんじゃ、お返しだ!」

 俺は右手をゴブリンたちに向けて、手の平から大量の矢を放った。
 ゴブリンアーチャーたちが放った矢を放ち返したのだ。
 その放たれた矢は真っ直ぐゴブリンたちへと飛んで行き、防ぐことも出来ずに、その命を散らしていった。

「本当に【暴食の右腕】は強い能力だな。さすが理を外れた能力なだけある」

 【暴食の右腕】が出来ることは『吸収』『放出』『擬態』『保管』である。

 『吸収』は、その名の通り対象を喰らって右腕の中に取り込む能力。
 『放出』は右腕に取り込まれた物を外に放出することが出来る能力。
 『擬態』は取り込んだものに擬態して再現するとこが出来る能力。
 これはスライムの力も混ざっている。
 そして、『保管』は右腕で吸収したものを保管する能力だ。

 これらの能力を駆使して、俺は盾に変形させて矢を防ぎ、ゴブリンたちに矢を放ったのだ。

「今のでだいぶ数が減ったな.......残り70匹ってところか?」

 数は減ったが、まだまだゴブリンは沢山いる。
 俺は気を抜かずに剣を両手で構えた。

 いつまで経っても向かって来ないソラに対し、ゴブリンたちはしびれを切らして真っ直ぐ突っ込んで来た。
 俺は向かって来たゴブリンたちに時間をかけないよう、それぞれの急所を斬りつけて一撃で倒していった。

「なんか他のよりも一回り大きいのが出てきたな」

 20匹ほど剣で倒していたら、大人と同じくらい大きいゴブリンが剣を片手に持って出てきた。
 大人のゴブリンなのだろうか。

「まぁ、少し大きいくらいじゃ俺には勝てねぇけどな」

 俺は一気に大人ゴブリンとの距離を縮めて、そのまま心臓へと一突きする。
 大人ゴブリンはニヤリと気色悪い笑みを浮かべ、体を横に逸らして躱した。
 まさか攻撃を躱されるとは思わず、少し驚いてしまったが、直ぐに切り替えて次の攻撃へと移った。

『一定の熟練度まで達しました』
『スキル【身体強化】のレベルが1から2に上がりました』

 そして、俺は今まで以上に加速して大人ゴブリンへと急接近した。
 予想以上に速度が速くて驚いたのか、大人ゴブリンは攻撃の対応が遅れてしまう。

「ふっ!」

 一瞬の隙を見逃すこと無く、俺は大人ゴブリンの心臓へと突きを放つ。
 心臓を貫かれた大人ゴブリンは、目を見開いて血反吐を吐き、後ろへと倒れた。

 【身体強化】のレベルが上がったお陰で、相手の意表を突くことが出来た。
 レベルが上がっていなかったら、一瞬で倒すことが出来なかったかもしれないな。
 もし、そうなったら俺は他のゴブリンたちに囲まれていただろう。

「てかゴブリンしか出てこないじゃん」

 と、小さく呟く。
 まぁ、弱いモンスターしか出てこないのなら、それはそれで楽だから嬉しい。

「残り半分.......ここまで来れば何とかなるさ」

 敵の数を予想して、自分に言い聞かせるように言った。
 そして、更に自分の集中力を上げて敵をよく見て観察し、思考を加速させる。

『一定の熟練度まで達しました』
『スキル【集中】のレベルが4から5に上がりました』
『スキル【観察】のレベルが3から4に上がりました』
『スキル【思考速度上昇】のレベルが4から5に上がりました』

 レベルアップ時のアナウンスが頭の中に鳴った瞬間、目に映る物の動きが遅くなり、敵の動きが細かい所まで見えるようになった。そして、視野が今まで以上に広がった。

「負ける要素が無くなったな」

 スキルはレベルが上がるほど性能が良くなり、レベルが1上がるだけで、かなり変わってくるのだ。

 そして、自分が強くなったのを実感し、俺は敵を蹂躙しに向かったのだった。




パーティーメンバー

・佐藤 空

・イヴィル

コメント

  • S・R

    ノベルバユーザー288464様、コメントありがとうございます!
    そう言って頂けると嬉しいです!
    これまで以上に頑張ります!୧(๑•̀ㅁ•́๑)૭✧

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  • ノベルバユーザー288464

    続き待ってます頑張ってください!

    1
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