現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜
12話 食料調達 前編
「何にしようかなぁ.......」
俺は、何のジョブにするか迷っていた。
何故なら、それなりに選択肢もあるし、これから一生変えることが出来ないかもしれないからだ。
「なんか似てるジョブ沢山あるから、詳細があれば参考にして選べるのに少しも情報がない。マジでどうしよう.......」
俺は、顎に手を当てて「うーん.......」と唸りながら考えていると、「あれ?これならリスク無しに選べるんじゃね?」と呟いた。
「ステータスを閉じずに放置しとけば選ぶ必要ないじゃん」
至極単純な方法でありながらリスク無しで職業を選べる方法を思い付いてしまった。
取り敢えず、情報が集まるまでは、そのままにしておくか。
視界に入って戦闘してる時は邪魔だけど、我慢すればなんとかなるだろう。
「10分ちょい時間が余ってるし準備運動でもするか」
そして俺は、残りの時間を体操などして体をほぐし、時間を潰した。
◇
あれから30分経ち、生徒会長は体育館の出口の前に立って、小さいが周りによく響く声で話し始めた。
他の食料調達組も、ぞろぞろと生徒会長に群がって集まった。
「これから食料の調達に向かいます。ですが、その前に一つだけ聞かせてください。こんなことを言うと皆様の覚悟を侮辱するようで躊躇われますが最後に言います.......これから行く場所は危険です。死ぬ可能性もあります。それでも来ますか?」
生徒会長の鋭い視線にビビった人達は"ゴクリ"と唾を飲み込んだ。
そして、改めて死ぬ可能性がある事を言われ、半分以上の人が手を挙げて「やっぱりやめます」と言った。
やはり死ぬのが怖いのだろう。
そして、結局残ったのは6人だ。
最初は15人くらいいたのに、かなり減ったな。
しかし、死ぬのが怖いのは自分もなので苦笑いしながらも文句は言わない。
「それでは食料の調達に行きましょう」
生徒会長は静かに、しかし力強く言った。
それに合わせて残った人達も静かに力強く頷いた。
そして俺たちは食料の調達に向かった。
◇
「昨日までは、たくさん人がいたのに今は誰もいませんね.......生徒会長」
「確かに人もモンスターもいませんね.......しかし油断をしてはいけませんよ。藤原くん」
生徒会長の言葉を聞いて、"藤原くん"と呼ばれた人は緊張しながら頷いた。
この人の名前は"藤原 健斗。
俺と同じ高校2年生で副生徒会長をしている。
顔は無駄に整っていて茶髪のくそイケメン野郎だ。
ジョブは『見習い剣士』で、持っているスキルは『剣術』だけである。
残りの3人の名前は影山 颯太、中野 千夏、井嶋 龍。
影山 颯太は高校3年生。
長い前髪で目元を覆っていて、オドオドしている所謂、陰キャというやつだ。
ジョブは『見習い拳闘士』で、持っているスキルは『体術』だけである。
中野 千夏は高校1年生。
第二ボタンまで外して胸元を開いていて、髪の毛を金髪に染めているギャルだ。
ジョブは『見習い弓術士』で、持っているスキルは『弓術』だけである。
そして一言だけ言わせてくれ.......あの大きく実っている二つの果実に顔を埋めたいっす!
井嶋 龍は高校1年生。
学校で有名な不良だ。
鼻と耳にピアスを付けて学ランの中には真っ赤な服を着ていて、いつもポケットに手を入れながら歩いている。
ジョブは『信者』で、持っているスキルは『祈り』『瞑想』である。
てか、俺たちの学校はブレザーだよな?何で学ラン着てんだよ!しかも、あんな見た目でガチガチのクリスチャンとか意外すぎだわ!
見た目で判断したらダメだと、よく聞く理由が分かった気がするよ。
「止まってください」
突然、生徒会長が小さな声で止まるように言った。
いきなりの事で、他の人たちは頭の上に?マークを浮かべていたが、生徒会長の鋭い目を見た瞬間、気を引き締めた。
「ゴブリンが3匹います。まずは私が魔法で目くらましをするので、皆さんは目を瞑ってください。そして、そのあと仕留めてください」
生徒会長が素早く作戦を考えて伝えたあと、全員が深呼吸をして力強く頷いた。
「では.......いきます!ライト!」
生徒会長の掛け声と同時に全員が目を瞑った。
目を瞑ったら何も見えないのが普通だが、それでも生徒会長が放った光は瞳に届き、少しだけ痛みがした。
生徒会長のジョブは『魔法使い』で、使える魔法は『光魔法』『火魔法』『風魔法』『水魔法』である。
生徒会長が使った『ライト』は『光魔法』で使える魔法だ。
光が収まったあと、俺は目を開いて素早く三体のゴブリンに接近した。
まず一体目のゴブリンには心臓に向かってハサミを刺し、二体目は後ろに回って頭を強く掴み、思いっきり捻った。
三体目は一体目に刺したハサミを回収して首筋に刺し、絶命するまで押さえ込んだ。
三体目のゴブリンが死んだのを確認し終わったあとは、顔に付いた血を拭いて生徒会長に戦闘終了を知らせた。
「凛さん、終わりましたよ」
「.......!は、はい、お見事です。失礼ながら、そこまでの実力をお持ちだとは思いませんでした」
流れるような手馴れた戦闘を見て、生徒会長も含めた全員が見蕩れたが、空に話しかけられた瞬間、生徒会長が直ぐに唖然とした表情を、いつもの笑顔に戻して返事をした。
「自衛隊員である親父から武術を幼い頃から教わっていましたからね」
「なるほど.......だから、あんなに強いのですね!」
生徒会長は空の手を掴んで目をキラキラさせながら詰め寄った。
そして俺は、女の子に慣れていないから、周りから見たら顔が真っ赤になっているだろう。
しかし、俺は知っている!この生徒会長は腹黒いのだ!スキル『観察』を使えばよく分かるのだ!だから俺は油断しない!たとえ可愛くて可愛くて可愛くても!お、俺は油断なんてしないんだからねっ!
『一定の熟練度まで達しました』
『スキル"観察"のレベルが1から2に上がりました』
あ、レベルが上がった。
パーティメンバー
・佐藤 空
・西城 凛
・藤原 健斗
・影山 颯太
・井嶋 龍
・中野 千夏
俺は、何のジョブにするか迷っていた。
何故なら、それなりに選択肢もあるし、これから一生変えることが出来ないかもしれないからだ。
「なんか似てるジョブ沢山あるから、詳細があれば参考にして選べるのに少しも情報がない。マジでどうしよう.......」
俺は、顎に手を当てて「うーん.......」と唸りながら考えていると、「あれ?これならリスク無しに選べるんじゃね?」と呟いた。
「ステータスを閉じずに放置しとけば選ぶ必要ないじゃん」
至極単純な方法でありながらリスク無しで職業を選べる方法を思い付いてしまった。
取り敢えず、情報が集まるまでは、そのままにしておくか。
視界に入って戦闘してる時は邪魔だけど、我慢すればなんとかなるだろう。
「10分ちょい時間が余ってるし準備運動でもするか」
そして俺は、残りの時間を体操などして体をほぐし、時間を潰した。
◇
あれから30分経ち、生徒会長は体育館の出口の前に立って、小さいが周りによく響く声で話し始めた。
他の食料調達組も、ぞろぞろと生徒会長に群がって集まった。
「これから食料の調達に向かいます。ですが、その前に一つだけ聞かせてください。こんなことを言うと皆様の覚悟を侮辱するようで躊躇われますが最後に言います.......これから行く場所は危険です。死ぬ可能性もあります。それでも来ますか?」
生徒会長の鋭い視線にビビった人達は"ゴクリ"と唾を飲み込んだ。
そして、改めて死ぬ可能性がある事を言われ、半分以上の人が手を挙げて「やっぱりやめます」と言った。
やはり死ぬのが怖いのだろう。
そして、結局残ったのは6人だ。
最初は15人くらいいたのに、かなり減ったな。
しかし、死ぬのが怖いのは自分もなので苦笑いしながらも文句は言わない。
「それでは食料の調達に行きましょう」
生徒会長は静かに、しかし力強く言った。
それに合わせて残った人達も静かに力強く頷いた。
そして俺たちは食料の調達に向かった。
◇
「昨日までは、たくさん人がいたのに今は誰もいませんね.......生徒会長」
「確かに人もモンスターもいませんね.......しかし油断をしてはいけませんよ。藤原くん」
生徒会長の言葉を聞いて、"藤原くん"と呼ばれた人は緊張しながら頷いた。
この人の名前は"藤原 健斗。
俺と同じ高校2年生で副生徒会長をしている。
顔は無駄に整っていて茶髪のくそイケメン野郎だ。
ジョブは『見習い剣士』で、持っているスキルは『剣術』だけである。
残りの3人の名前は影山 颯太、中野 千夏、井嶋 龍。
影山 颯太は高校3年生。
長い前髪で目元を覆っていて、オドオドしている所謂、陰キャというやつだ。
ジョブは『見習い拳闘士』で、持っているスキルは『体術』だけである。
中野 千夏は高校1年生。
第二ボタンまで外して胸元を開いていて、髪の毛を金髪に染めているギャルだ。
ジョブは『見習い弓術士』で、持っているスキルは『弓術』だけである。
そして一言だけ言わせてくれ.......あの大きく実っている二つの果実に顔を埋めたいっす!
井嶋 龍は高校1年生。
学校で有名な不良だ。
鼻と耳にピアスを付けて学ランの中には真っ赤な服を着ていて、いつもポケットに手を入れながら歩いている。
ジョブは『信者』で、持っているスキルは『祈り』『瞑想』である。
てか、俺たちの学校はブレザーだよな?何で学ラン着てんだよ!しかも、あんな見た目でガチガチのクリスチャンとか意外すぎだわ!
見た目で判断したらダメだと、よく聞く理由が分かった気がするよ。
「止まってください」
突然、生徒会長が小さな声で止まるように言った。
いきなりの事で、他の人たちは頭の上に?マークを浮かべていたが、生徒会長の鋭い目を見た瞬間、気を引き締めた。
「ゴブリンが3匹います。まずは私が魔法で目くらましをするので、皆さんは目を瞑ってください。そして、そのあと仕留めてください」
生徒会長が素早く作戦を考えて伝えたあと、全員が深呼吸をして力強く頷いた。
「では.......いきます!ライト!」
生徒会長の掛け声と同時に全員が目を瞑った。
目を瞑ったら何も見えないのが普通だが、それでも生徒会長が放った光は瞳に届き、少しだけ痛みがした。
生徒会長のジョブは『魔法使い』で、使える魔法は『光魔法』『火魔法』『風魔法』『水魔法』である。
生徒会長が使った『ライト』は『光魔法』で使える魔法だ。
光が収まったあと、俺は目を開いて素早く三体のゴブリンに接近した。
まず一体目のゴブリンには心臓に向かってハサミを刺し、二体目は後ろに回って頭を強く掴み、思いっきり捻った。
三体目は一体目に刺したハサミを回収して首筋に刺し、絶命するまで押さえ込んだ。
三体目のゴブリンが死んだのを確認し終わったあとは、顔に付いた血を拭いて生徒会長に戦闘終了を知らせた。
「凛さん、終わりましたよ」
「.......!は、はい、お見事です。失礼ながら、そこまでの実力をお持ちだとは思いませんでした」
流れるような手馴れた戦闘を見て、生徒会長も含めた全員が見蕩れたが、空に話しかけられた瞬間、生徒会長が直ぐに唖然とした表情を、いつもの笑顔に戻して返事をした。
「自衛隊員である親父から武術を幼い頃から教わっていましたからね」
「なるほど.......だから、あんなに強いのですね!」
生徒会長は空の手を掴んで目をキラキラさせながら詰め寄った。
そして俺は、女の子に慣れていないから、周りから見たら顔が真っ赤になっているだろう。
しかし、俺は知っている!この生徒会長は腹黒いのだ!スキル『観察』を使えばよく分かるのだ!だから俺は油断しない!たとえ可愛くて可愛くて可愛くても!お、俺は油断なんてしないんだからねっ!
『一定の熟練度まで達しました』
『スキル"観察"のレベルが1から2に上がりました』
あ、レベルが上がった。
パーティメンバー
・佐藤 空
・西城 凛
・藤原 健斗
・影山 颯太
・井嶋 龍
・中野 千夏
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