現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜
11話 アドバイス
プライベートが忙しくて遅れてしまいました。
申し訳ございません。
「皆さん、おはようございます」
私は体育館の壇上に上がって、朝の挨拶をしています。
何故なら、昨日の話し合いで食料の調達をしに行くことになったからです。
正直言って、命をかけてまで、この人たちを守る価値が無いと思っておりますが、利用できる人がいるかもしれませんからね。
だから昨日、モンスターやステータスという訳の分からない物が現れてから、人がたくさん集まっている体育館に命をかけて来ました。
まぁ、危険なことなんて、ほとんど無かったのですが、汚れ仕事は嫌いなので大変でした。
「早速ですが、これから食料の調達に行って頂ける人はいますか?」
長話は嫌いなので、私はストレートに食料の調達に行ってくれる人を、ここにいる全員に聞きました。
しかし、予想通り誰も手を上げようとしてくれません。
昨日の今日で命をかけられるほど、覚悟が決まった方がいるはずないですね。
期待はしていなかったですが、一人でも手を上げて頂ければ、他にも行ってくれる人が出てきてくれるかもしれないので、誰も手を上げなかったら、私が自分も行くと宣言しましょうか。
どちらにしろ行くことは決めていたので損はしないですしね。
私が、こんなことを考えている時、たった一人だけ手を上げてくれる人がいました。
「俺が行きます」
彼は確か.......1番最後に体育館へ辿り着いた佐藤 空さんですね。
服に付いていた真っ赤な血や、雰囲気で何となく分かっていましたが、彼は自分の意志でモンスターを倒した方ですね。
もしかしたら、彼は利用できるかもしれないので、仲良くしておきましょう。
そして予想通り、一人でも手を上げれば他にも食料の調達に行ってくれる人が現れた。
もしかしたら、食料の調達に行くのが自分一人だけかもしれない.......そう思ったら、手を上げることが出来なかったのでしょうね。
「皆さん.......ご協力感謝致します」
思っていたよりも、食料の調達に行ってくれる人が多かったので、思わず私はニヤけてしまった。
しかし、それを見られるわけにはいかないので、頭を深く下げて隠した。
「それでは30分後に出発です。皆さん各自、出来るだけの準備をしておいて下さい」
さて、私は三十分の間に、彼のところへ行って少しお話しますか。
おや、彼は隅っこで何かしていますね。
手の動きからして、ステータスを見ているのでしょうか?
取り敢えず、話しかけてみましょう。
「どうしよっかなぁ.......」
やっぱり、ステータスについてお悩みのようですね。
話し相手になって、彼の情報を引き出してみますか。
そして私は話しかけた。
「何かお悩みですか?」
「うおっ!」
今の反応.......少し可愛いですね。ふふふ.......
◇
「えっと.......生徒会長が俺に何の用ですか?」
「何かお悩みのようだったので少しでもお手伝いが出来れば良いなと思い来ました」
「な、なるほど.......」
何か企んでいそうだから、あまり関わりたくないんだよなぁ.......でも、なんだかんだ言って面倒見とか良いみたいだしね。
生徒会長なら何かアドバイスしてくれるかもしれないから、ダメ元で聞いてみるか。
そして俺は、職業の選択について話した。
「なるほど.......ジョブの選択を保留にしたいのに一度キャンセルをしたら一生選べなくなるかもしれない。もし、そうなったらレベルを上げることが出来ないから、今ジョブの選択をすることにしたのですか」
「はい。だけど、なかなか決まらなくて.......」
「確かに、これからの人生に大きく関わることだから慎重に選ばないとダメですよね.......。私が、どんなアドバイスをしても最後は自分が決めることなので一つだけ言わせてもらいます。.......後悔する選択だけは絶対にしないで下さい」
実際に選択を誤って、失敗したことがあるからなのか、生徒会長の言葉が、とても重く感じた。
後悔しない選択か.......それはそれで難しいんだけどな。
「生徒会長、アドバイスありがとうございます。おかげで少し頭の中がスッキリしました」
「ふふふ.......お役に立てて嬉しいです。それと私は西城 凛と申します。凛とお呼びください」
「いや、いきなり名前呼びは.......」
「凛とお呼びください」
俺が、アドバイスしてくれた事についてお礼を言ったら、生徒会長は美しく微笑みながら返事をした。
それを不覚にも、俺は"ドキッ"としてしまった。
まずいまずい.......あの人は綺麗だけど中身は腹黒い。
『観察』をすれば分かる。騙されたらイカンぞ。
そして名前で読んで欲しいとも言われてしまった。
さすがに先輩相手に、いきなり下の名前で呼ぶのはハードルが高い高い気がするんだけど.......でも、妙に凄みのある頼み方だから断りにくいな。
「わ、分かりました.......凛さん」
「よろしい」
「それじゃあ、俺のことも"空"と呼んでください」
「はい!分かりました!」
渋々だが、"さん"付けで下の名前を呼ぶことにした。
さすがに、呼び捨ては出来ないから、せめて"さん"くらいは付ける。
ついでに、俺のことも名前で呼んでもらうように頼んだ。
俺は名前呼びなのに、生徒会長だけ苗字で呼んでたら俺泣いちゃうよ。
「それでは、ごゆっくりジョブの選択をしてください。あ、ですが30分以内に終わらせてくださいよ?」
そして生徒会長.......凛さんは体育館の出口に向かった。
さて、俺は職業の選択でもしますか。
パーティメンバー
・佐藤 空
申し訳ございません。
「皆さん、おはようございます」
私は体育館の壇上に上がって、朝の挨拶をしています。
何故なら、昨日の話し合いで食料の調達をしに行くことになったからです。
正直言って、命をかけてまで、この人たちを守る価値が無いと思っておりますが、利用できる人がいるかもしれませんからね。
だから昨日、モンスターやステータスという訳の分からない物が現れてから、人がたくさん集まっている体育館に命をかけて来ました。
まぁ、危険なことなんて、ほとんど無かったのですが、汚れ仕事は嫌いなので大変でした。
「早速ですが、これから食料の調達に行って頂ける人はいますか?」
長話は嫌いなので、私はストレートに食料の調達に行ってくれる人を、ここにいる全員に聞きました。
しかし、予想通り誰も手を上げようとしてくれません。
昨日の今日で命をかけられるほど、覚悟が決まった方がいるはずないですね。
期待はしていなかったですが、一人でも手を上げて頂ければ、他にも行ってくれる人が出てきてくれるかもしれないので、誰も手を上げなかったら、私が自分も行くと宣言しましょうか。
どちらにしろ行くことは決めていたので損はしないですしね。
私が、こんなことを考えている時、たった一人だけ手を上げてくれる人がいました。
「俺が行きます」
彼は確か.......1番最後に体育館へ辿り着いた佐藤 空さんですね。
服に付いていた真っ赤な血や、雰囲気で何となく分かっていましたが、彼は自分の意志でモンスターを倒した方ですね。
もしかしたら、彼は利用できるかもしれないので、仲良くしておきましょう。
そして予想通り、一人でも手を上げれば他にも食料の調達に行ってくれる人が現れた。
もしかしたら、食料の調達に行くのが自分一人だけかもしれない.......そう思ったら、手を上げることが出来なかったのでしょうね。
「皆さん.......ご協力感謝致します」
思っていたよりも、食料の調達に行ってくれる人が多かったので、思わず私はニヤけてしまった。
しかし、それを見られるわけにはいかないので、頭を深く下げて隠した。
「それでは30分後に出発です。皆さん各自、出来るだけの準備をしておいて下さい」
さて、私は三十分の間に、彼のところへ行って少しお話しますか。
おや、彼は隅っこで何かしていますね。
手の動きからして、ステータスを見ているのでしょうか?
取り敢えず、話しかけてみましょう。
「どうしよっかなぁ.......」
やっぱり、ステータスについてお悩みのようですね。
話し相手になって、彼の情報を引き出してみますか。
そして私は話しかけた。
「何かお悩みですか?」
「うおっ!」
今の反応.......少し可愛いですね。ふふふ.......
◇
「えっと.......生徒会長が俺に何の用ですか?」
「何かお悩みのようだったので少しでもお手伝いが出来れば良いなと思い来ました」
「な、なるほど.......」
何か企んでいそうだから、あまり関わりたくないんだよなぁ.......でも、なんだかんだ言って面倒見とか良いみたいだしね。
生徒会長なら何かアドバイスしてくれるかもしれないから、ダメ元で聞いてみるか。
そして俺は、職業の選択について話した。
「なるほど.......ジョブの選択を保留にしたいのに一度キャンセルをしたら一生選べなくなるかもしれない。もし、そうなったらレベルを上げることが出来ないから、今ジョブの選択をすることにしたのですか」
「はい。だけど、なかなか決まらなくて.......」
「確かに、これからの人生に大きく関わることだから慎重に選ばないとダメですよね.......。私が、どんなアドバイスをしても最後は自分が決めることなので一つだけ言わせてもらいます。.......後悔する選択だけは絶対にしないで下さい」
実際に選択を誤って、失敗したことがあるからなのか、生徒会長の言葉が、とても重く感じた。
後悔しない選択か.......それはそれで難しいんだけどな。
「生徒会長、アドバイスありがとうございます。おかげで少し頭の中がスッキリしました」
「ふふふ.......お役に立てて嬉しいです。それと私は西城 凛と申します。凛とお呼びください」
「いや、いきなり名前呼びは.......」
「凛とお呼びください」
俺が、アドバイスしてくれた事についてお礼を言ったら、生徒会長は美しく微笑みながら返事をした。
それを不覚にも、俺は"ドキッ"としてしまった。
まずいまずい.......あの人は綺麗だけど中身は腹黒い。
『観察』をすれば分かる。騙されたらイカンぞ。
そして名前で読んで欲しいとも言われてしまった。
さすがに先輩相手に、いきなり下の名前で呼ぶのはハードルが高い高い気がするんだけど.......でも、妙に凄みのある頼み方だから断りにくいな。
「わ、分かりました.......凛さん」
「よろしい」
「それじゃあ、俺のことも"空"と呼んでください」
「はい!分かりました!」
渋々だが、"さん"付けで下の名前を呼ぶことにした。
さすがに、呼び捨ては出来ないから、せめて"さん"くらいは付ける。
ついでに、俺のことも名前で呼んでもらうように頼んだ。
俺は名前呼びなのに、生徒会長だけ苗字で呼んでたら俺泣いちゃうよ。
「それでは、ごゆっくりジョブの選択をしてください。あ、ですが30分以内に終わらせてくださいよ?」
そして生徒会長.......凛さんは体育館の出口に向かった。
さて、俺は職業の選択でもしますか。
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