現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜

S・R

10話 2日目の朝

 更新が遅れてしまい申し訳ございません。




「皆さん、おはようございます」

 体育館にいる人たち全員が壇上の前まで集まっていた。
 何故なら、生徒会長が壇上の上で朝の挨拶を行っているからだ。
 そして、こんな朝早くから人が集まっているのには理由がある。

「早速ですが、これから食料の調達に行く人たちを決めたいと思います」

 昨日は、ステータスやスキルについて話し合ったが、他にも衣食住の対策についても話し合っていた。
 そして、話し合った結果、優先順位が決まったのだ。
 まずは食料だ。
 衣は、現在、着ている制服や体育着を使っていれば、臭いはキツくなるかもしれないが、それさえ我慢すれば良いだけだ。
 住は、たとえ体育館よりも良い場所を見つけたとしても、この大人数で移動する場合、その分だけ敵に見つかりやすくなり、危険度が跳ね上がる。

 この意見を踏まえて決まった優先順位は.......
 一、食事の確保。
 二、武器や職業ジョブ持ちを増やして戦力の増強。
 三、衣服の確保。
 四、新しい住居の探索。

 食料以外にも武器の確保も優先されている。
 理由は単純だ。素手で生き物を殺すことが出来る人が、この中にいる人たちには一人もいないからだ。
 他にも、戦力を上げるために、生き残りを積極的に見つけるなどあったが、その場合、食料確保の量を更に増やさなければならない。
 だから、生き残りは積極的に探さず、見つけた時に余裕があれば連れてくればいい、ということになった。
 あとは職業ジョブ持ちを増やすことだ。これも余裕があればやるという事に決定した。

「食料の調達に行って頂ける人はいますか?」

 会長の質問に誰も答えることが出来なかった。
 理由は単純、外にいるモンスターが怖いからだ。
 学校内という限られた敷地だけで、何匹もモンスターが居たのだ。
 その事を知っている人たちは勿論、外の状況を知らない人たちも知らないこそ怖がっている。
 しかし、この状況で自分から志願する人が出なければ、誰も手を上げないだろう。

「俺が行きます」

 体育館内にいる人たちの視線は、一人の男子生徒に向けられた。
 そう、俺のことだ。
 要は、誰も手をあげなければ、自分が上げればいいのだ。
 どちらにしろ、食料の調達にはついて行く予定だったのだ。
 損はしないだろう。
 そして俺が手を上げた後、少しずつだが食糧の調達に来てくれる人が増えた。

「皆さん.......ご協力感謝致します」

 と言って、生徒会長は頭を深く下げた。
 .......口元がニヤけているのがチラッと見えたことは内緒にするか.......見なかったことにした方が良さそうだ。
 てか、怖いっす!

「それでは30分後に出発です。皆さん各自、出来るだけの準備をしておいて下さい」

 そして、食料の調達組は全員「はい!」と大きな声で返事をして準備を始めた。
 まぁ、準備と言っても出来る事なんて、ほとんど無いんだけどな。
 多分、心の準備時間とかだろうな。
 俺はステータスを確認してみるか。
 レベルが1になってから一回も開いてないし見てみるか。
 そして俺は、体育館の隅っこでステータスの確認をした。

佐藤さとう そら
レベル1
職業ジョブ:未選択
種族:『人間』
魔力:3
腕力:18
防御:18
俊敏:18
《スキル》
【体術Lv1】【狙撃Lv1】【集中Lv2】【冷静Lv2 】【家事Lv1】【思考速度上昇Lv1】【観察Lv1】【威圧Lv1】

「ステータスは情報通り3上がってるな。あとは選択可能なジョブの確認だな」

職業ジョブの選択をしてください
 選択可能な職業ジョブ
 ・『武闘家』
 ・『戦士』
 ・『剣士』
 ・『錬成師』
 ・『狩人』
 ・『探索者』
 ・『冒険家』
 ・『料理人』
 ・『駆除人』
 ・『狙撃手』
 ・『医者』
 以上が選択可能な職業ジョブです』

 結構、選択肢があるみたいだな。
 でも、どの職業が強力なのか分からないから保留にするか。
 そして俺は、ステータスを閉じた。
 しかし、ステータスを閉じようとした時、画面に文字が表示された。
 何か書かれている。

職業ジョブを選択しない場合、モンスターを倒した際の経験値を取得できません。本当によろしいですか?』

 ジョブを選択しない場合は経験値を取得できない?
 それは困るな。
 それにジョブを選択しなかったら、これから一生ジョブを選べなくなるかもしれない。
 .......ここは選ぶしかないみたいだな。

「どうしよっかなぁ.......」
「何かお悩みですか?」
「うおっ!」

 突然、話しかけられたせいで、俺は変な声を出してしまった。
 いきなり話しかけるとビックリするだろ.......ん?もしかして、この声は.......
 もしかしてと思い、俺は後ろを振り向いた。
 そこには予想通り生徒会長がいた。




パーティメンバー

・佐藤 空

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