現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜
4話 初めての死
『死.......』→『初めての死』にタイトルを変更しました。
「な、なんだあれは.......」
俺は震えながらも、何とか声を絞り出した。
目の前の光景を理解できずにいたのだ。
それも当たり前だろう。
なんせ目の前で少女が生きたまま食われているのだから.......
「佐藤くん!どうしたんだい!?」
「ちょ!?先生叫ばないで」
先生が少し距離が離れたところから叫んだ。
そして俺は、緑色の化け物に見つかることを危惧して出来るだけ小さな声で静かにするように伝えた。
しかし、遅かったようだ。
緑色の化け物は、こちらに気がついてしまった。
「やべっ!」
緑色の化け物は、こちらに突進してきた。
走って来たのではない。
文字通り突進だ。
直撃したら、タダでは済まないので、ぶつかってくる前に緑色の化け物の顔面に回し蹴りを決めた。
俺の回し蹴りは、思っていたよりも威力があったようで、緑色の化け物は近くにあったロッカーまで吹っ飛んだ。
よっし!決まった!親父から武術を教わっていて良かった。
「ホッとしている場合じゃないな.......」
と言って、俺は急いで先程まで緑色の化け物に喰われていた少女の方まで向かった。
「大丈夫か!?って大丈夫なわけないな.......今、保健室に連れていくから少し我慢してくれ!」
そして俺は、女の子の足と背中を持って抱えた。
今、改めて見て分かったが、かなりの重症だ。
腹に刃物で切られたような傷があり、首筋にはグチャグチャになっている傷口があった。
何となく歯型だという事は分かるので、先程まで噛まれていた場所だろう。
「さ、佐藤くん.......その子はどうしたのかな?」
先生たちが俺に追いついた後、谷口先生は大怪我した女の子の姿を凝視し、震えながらも何とか声を絞り出した。
「今は説明している暇はありません。直ぐに保健室に連れていきましょう」
「そ、そうだね!」
女の子が大怪我をしていて、しかも緑色の化け物まで居るのだから説明している暇なんて無い。
そして俺たちは、走って保健室まで向かった。
◇
保健室に着いた後、女の子をベットの上に乗せてタオルで首と腹の傷を抑え、近くにいる人に抑えるよう言った。
そして保険の先生がいるか確認した。
しかし、保険の先生はいないようだ。
仕方ない.......
「保険の先生はいないみたいだね.......」
「俺が処置するので手伝ってください」
「で、出来るのかい?.......いや、そんな事を言ってる暇は無いね。何をすれば良いかな?」
子供が処置することに疑問を持ったようだが、泣いている女の子を見て、議論をしている暇は無いと一瞬で判断し、何をすれば良いのか俺に聞いた。
見た目通り優秀な先生なんだろうな.......いや、生徒に怪我の処置を任せているから、優秀では無いのか、な?
「タオルと消毒液と針と糸とハサミと何か適当な器を持ってきてください」
「分かった!」
谷口先生は一言だけ返事をした。
そして、ここにいる全員が、俺が言った物を探して、すぐに用意した。
そして早速、傷口の治療を開始した。
俺の指示で男が女の子手足を抑え、腹の傷口から取り掛かった。
最初は傷口に消毒液を多めにかけた。
消毒液をかけた後は、普通の糸ではなくプラスチックのような細い糸で縫い始めた。
女の子は痛みで暴れ出しているが、そこは手足を抑えている人が頑張って抑えた。
手元が狂うので止めて欲しいのだが、確かに痛そうではあるので文句は言えない。
3センチくらいの結構大きな傷だったので、大変だったが何とか縫うことが出来た。
俺は医者ではないので下手なのは許して欲しい。
.......あとで病院まで連れていくか。
次は首の治療に取り掛かった。
しかし、ここで手が止まってしまった.......何をすれば良いの分からないのだ。
何をすれば良いのか全く分からないので、取り敢えずタオルを取り替えて首を抑えた。
「噛みちぎられた首なんて、どうやって縫えばいいんだよ.......」
俺は、どうすれば良いのか分からずタオルを抑えるだけで何も出来ずにいた。
そして、その姿を周りの生徒や教師も見ることしか出来なかった。
俺は別に医療の事なんて学んでいない.......ただ昔、医者にやって貰った事を見様見真似でやっただけだ。
しかも怪我した場所は手首で、数年前の事なので、ほとんど覚えていない。
だから治療のやり方を多分.......いや、絶対に間違えているだろう。
「死に.......たく.......ないよぉ.......」
どうするべきか考えている内に女の子から違和感を感じた。
止まっていたのだ.......
呼吸が.......鼓動が.......そして涙が.......
「ま、まさか死んだのか?.......」
「う、嘘.......」
俺の言葉に釣られて誰かが声を発したが、それどころでは無い。
俺の目の前で人が死んだのだ。
しかも俺がうじうじと悩んでいる内にだ。
「保険の先生を探すべきだった.......」「俺よりも上手く出来た人がいたはずだ.......」「そもそも俺がもっと早く駆けつけれたら救えたかも.......」
俺の頭の中は罪悪感に支配された。
しかし、時間は待ってくれず、保健室の扉が強く叩かれる音と、先程、俺が蹴り飛ばした緑色の化け物の鳴き声が聞こえてきた。
「グキャー!グキャギャ!」
その鳴き声は、まるで俺を嘲笑っているように聞こえた。
パーティメンバー
・佐藤 空
「な、なんだあれは.......」
俺は震えながらも、何とか声を絞り出した。
目の前の光景を理解できずにいたのだ。
それも当たり前だろう。
なんせ目の前で少女が生きたまま食われているのだから.......
「佐藤くん!どうしたんだい!?」
「ちょ!?先生叫ばないで」
先生が少し距離が離れたところから叫んだ。
そして俺は、緑色の化け物に見つかることを危惧して出来るだけ小さな声で静かにするように伝えた。
しかし、遅かったようだ。
緑色の化け物は、こちらに気がついてしまった。
「やべっ!」
緑色の化け物は、こちらに突進してきた。
走って来たのではない。
文字通り突進だ。
直撃したら、タダでは済まないので、ぶつかってくる前に緑色の化け物の顔面に回し蹴りを決めた。
俺の回し蹴りは、思っていたよりも威力があったようで、緑色の化け物は近くにあったロッカーまで吹っ飛んだ。
よっし!決まった!親父から武術を教わっていて良かった。
「ホッとしている場合じゃないな.......」
と言って、俺は急いで先程まで緑色の化け物に喰われていた少女の方まで向かった。
「大丈夫か!?って大丈夫なわけないな.......今、保健室に連れていくから少し我慢してくれ!」
そして俺は、女の子の足と背中を持って抱えた。
今、改めて見て分かったが、かなりの重症だ。
腹に刃物で切られたような傷があり、首筋にはグチャグチャになっている傷口があった。
何となく歯型だという事は分かるので、先程まで噛まれていた場所だろう。
「さ、佐藤くん.......その子はどうしたのかな?」
先生たちが俺に追いついた後、谷口先生は大怪我した女の子の姿を凝視し、震えながらも何とか声を絞り出した。
「今は説明している暇はありません。直ぐに保健室に連れていきましょう」
「そ、そうだね!」
女の子が大怪我をしていて、しかも緑色の化け物まで居るのだから説明している暇なんて無い。
そして俺たちは、走って保健室まで向かった。
◇
保健室に着いた後、女の子をベットの上に乗せてタオルで首と腹の傷を抑え、近くにいる人に抑えるよう言った。
そして保険の先生がいるか確認した。
しかし、保険の先生はいないようだ。
仕方ない.......
「保険の先生はいないみたいだね.......」
「俺が処置するので手伝ってください」
「で、出来るのかい?.......いや、そんな事を言ってる暇は無いね。何をすれば良いかな?」
子供が処置することに疑問を持ったようだが、泣いている女の子を見て、議論をしている暇は無いと一瞬で判断し、何をすれば良いのか俺に聞いた。
見た目通り優秀な先生なんだろうな.......いや、生徒に怪我の処置を任せているから、優秀では無いのか、な?
「タオルと消毒液と針と糸とハサミと何か適当な器を持ってきてください」
「分かった!」
谷口先生は一言だけ返事をした。
そして、ここにいる全員が、俺が言った物を探して、すぐに用意した。
そして早速、傷口の治療を開始した。
俺の指示で男が女の子手足を抑え、腹の傷口から取り掛かった。
最初は傷口に消毒液を多めにかけた。
消毒液をかけた後は、普通の糸ではなくプラスチックのような細い糸で縫い始めた。
女の子は痛みで暴れ出しているが、そこは手足を抑えている人が頑張って抑えた。
手元が狂うので止めて欲しいのだが、確かに痛そうではあるので文句は言えない。
3センチくらいの結構大きな傷だったので、大変だったが何とか縫うことが出来た。
俺は医者ではないので下手なのは許して欲しい。
.......あとで病院まで連れていくか。
次は首の治療に取り掛かった。
しかし、ここで手が止まってしまった.......何をすれば良いの分からないのだ。
何をすれば良いのか全く分からないので、取り敢えずタオルを取り替えて首を抑えた。
「噛みちぎられた首なんて、どうやって縫えばいいんだよ.......」
俺は、どうすれば良いのか分からずタオルを抑えるだけで何も出来ずにいた。
そして、その姿を周りの生徒や教師も見ることしか出来なかった。
俺は別に医療の事なんて学んでいない.......ただ昔、医者にやって貰った事を見様見真似でやっただけだ。
しかも怪我した場所は手首で、数年前の事なので、ほとんど覚えていない。
だから治療のやり方を多分.......いや、絶対に間違えているだろう。
「死に.......たく.......ないよぉ.......」
どうするべきか考えている内に女の子から違和感を感じた。
止まっていたのだ.......
呼吸が.......鼓動が.......そして涙が.......
「ま、まさか死んだのか?.......」
「う、嘘.......」
俺の言葉に釣られて誰かが声を発したが、それどころでは無い。
俺の目の前で人が死んだのだ。
しかも俺がうじうじと悩んでいる内にだ。
「保険の先生を探すべきだった.......」「俺よりも上手く出来た人がいたはずだ.......」「そもそも俺がもっと早く駆けつけれたら救えたかも.......」
俺の頭の中は罪悪感に支配された。
しかし、時間は待ってくれず、保健室の扉が強く叩かれる音と、先程、俺が蹴り飛ばした緑色の化け物の鳴き声が聞こえてきた。
「グキャー!グキャギャ!」
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