現代社会にモンスターが湧いた件〜生き残るために強くなります〜

S・R

2話 ステータス

 現在、俺は大混乱中だ。
 なぜなら、俺の目の前にはステータスとやらが現れているからだ。
 普段は冷静な俺でも(自称)、さすがに目の前にステータスという透明な板が現れたらパニックになる。

 そして、周りの人たちの様子からして、ステータスが見えているのは一目瞭然だ。
 突然、透明な板が現れているのだ。驚かない方がおかしいだろう。
 周りの人たちはステータスが現れた瞬間、驚いて後ろにズッコケたり、「うおっ!」と大きな声を発して驚いたりする者たちなど様々な反応を見せていた

 これはこれで見ていて面白いな.......だが、その前にやる事がある。

「取り敢えず、そのステータスとやらを確認してみるか」

 いつまでも、周りを見ているだけでは状況は変わらないので、自分のステータスを確認することにした。
 ステータスの使い方は、目の前に現れたのと同時に頭の中に思い浮かんだ。
 先程、謎の声は『インストール完了』と言っていたので、恐らく頭の中に直接、使い方を書き込んだのだろう。
 頭痛も、そのせいだと思う。
 頭の中に、得体の知れない物を入れられたと思うと気分が悪くなるな.......しかし、使い方を理解できるようにしてくれる機能は便利で良い。
 .......おっと、話が脱線してしまった。
 さっさとステータスを確認しよう。
 そして心の中で「ステータス」と呟き確認を始めた。

佐藤さとう そら
レベル0
職業ジョブ
種族:『人間』
魔力:0
腕力:15
防御:15
俊敏:15
《スキル》
【武術Lv1】【狙撃Lv1】【集中Lv1】【冷静Lv1 】【家事Lv1】【思考速度上昇Lv1】【観察Lv1】

 なるほど.......これがステータスか。
 レベルは、謎の声の言う通り『0』だな。
 他にも『職業ジョブ』ってのがある。
 空欄になってるけど無職ってことか?それとも、なにかしらの条件を達成したら手に入るということか?んー、考えても分からんし後回しにしよう。
 種族なんてものもあるな。
 もちろん俺は人間だろう。
 あとは魔力、腕力、防御、俊敏か.......15ってのは高いのか?それに魔力はゼロだし.......魔力があったら魔法が使えるのかな?そうだったら残念だ。
 使ってみたかったのに。
 もし魔法が使えたら、風を起こしてスカート捲りだな!美少女のスカートを捲るのは男のロマンだ!いや、俺は"見えそうで見えない"のが好きなのを忘れていた。
 おっと、また思考が脱線してしまった。いかんいかん。
 そして一番下に写ってるのはスキルか.......持ってるのは武術、狙撃、集中、冷静、家事、思考速度上昇、観察か.......
 体術は親父から教わってるから持っていてもおかしくはないのか?
 狙撃は、たまに海外へ行った時、銃を扱ったことがあるからそれかな?しかも銃に関しては、かなりの才能があるって親父にも言われたし。
 集中はよく分からないけど、冷静は親父に言われたことを実践してたら身に付いた物だろうな。
 家事は、よく母さんの料理とか掃除の手伝いをしているからだな。
 観察.......これは女の子のかんさ.......ゲフンゲフン.......ではなく、趣味の人間観察で覚えたものだろう。
 あとは思考速度上昇.......普段から色んなことを考えているから、その影響か?
 ステータスの事を、いくら考えても分からなかったので、一旦、思考するのを止めた。

 取り敢えずステータスの確認は、ここまでにして家に帰るか。
 周りにいる人たち全員が頭痛を感じ、ステータスが目の前に現れた。
 だから親父と母さんが同じことを体験していても、おかしくは無いだろう。
 尚更、俺は急いで家に帰らねばならないな。

 俺が家に帰ろうとした時、誰かは分からないが、後ろから肩を掴んで邪魔をする者がいた。
 肩に置いてある手が邪魔だったので手を振りほどいた。思っていたよりも力が無かったので簡単に抜けた。
 手が少し"ゴツゴツ"していたから男だと思ったのにな.......いや、女性にも手が"ゴツゴツ"している人は居るのか?例えば農家の人とか.......
 また思考が脱線したので、俺は頭を左右に振って考えるのを止めた。
 そして、何か言っているようだが、興味も無いので俺は気にせずにダッシュで家に帰ることにした。




パーティメンバー

・佐藤 空

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