ガンズ・バイ・デイズ―高校生サバゲーマーの魔法世界奮闘記―
BRIEFING:02 アーティフィシャル王国、初めての異国訪問
「いや、しかし有難うな、わざわざ荷物まで」
「いや、この程度大した量じゃないが・・えーと・・・・」
「天城 空牙」
「そう、クウガだ。乗らないで良いのか?」
「いいよ、初めての大地だから、自分の足で歩きたいんだ」
「へんな奴・・・そうだ、俺名乗ってなかったな」
竜に乗り、最初に俺に刃を向けた奴がそういった。
あの後、伝令が走り「停戦命令が下った、直ちに帰還されたし」と、通達されたらしく、とりあえずオレを連れて首都アクトゥルスへ向かっているのだという。
その為、竜に荷物を載せてもらい、移動しているのだ。
「俺はカイルって言うんだ、カイル・マツァベート」
「よろしくカイル」
御互いに握手を交わす。
「クウガ、って呼んでいいかい?」
「ああ、勿論だよカイル」
「な、慣れ慣れしいな、いいけど・・・」
苦笑気味に答えるカイル。
「この世界って、異世界、でいいのか?」
「・・・まあ、クウガからしたら、そうなるんだろうな」
「どんな世界か聴いて良いか?」
「あ、ああ。俺達のこの世界は「レイディアントガーデン」とよばれているんだ。そこに9つの国があって、俺達がいるのはアーティフィシャル王国って国だ」
「で、その、この世界には魔法はあるのか?」
「?そんなの当たり前じゃないか」
「デスヨネー」
竜とかいる辺りでなんとなく察しは着いてたよ。
「あ、そろそろレムリアに到着だ」
「レムリア?」
「ここらの近くの町さ、あとは転移門で転移できる」
「流石ファンタジー、言うことが違うぜ・・・・」
周りは兵士達をねぎらう声を上げているが、オレを見るたびに一様に怪訝な顔をする。
「なあ、カイル。オレそんなに変な格好か?」
「ああ、変だと思うよ?壊れた鍋を頭に被った格好だなんて」
「な、鍋・・・・」
そりゃあ、そうか・・・見た感じ中世だろうこの世界にヘルメットなんてないだろうしなぁ・・・
う、なんだか恥ずかしくなってきた、外そう。
「ふう・・・・」
「そっちのほうが全然良いよ」
ヘルメットを外し、赤い髪を外気にさらす。
なるほど、カイル達からすればイギリス人の母譲りの青目、赤髪のオレはまだこの世界の人間に近しいのか。
「こっちだ、クウガ、通るよ」
「あ、ああ」
石造りで出来たその門を通ると、あっという間に賑やかで華やかな街並みに変わった。
これが、魔法・・・・・。
「俺が言うのも変だけど、ようこそアーティフィシャル王国へ」
「ありがとう、カイル」
歓迎するカイルに微笑み返すオレ。
街を抜けると、巨大な門があり、中に入っていった。
2層の壁があり、その奥に城がある構造なのだという。
「ほあー・・・でけぇ・・・」
「王城ルインクルス。ここを護る為に俺達は日々鍛えているんだ。」
「成程な、かっこいいじゃないか!」
「そ、そうかな」
わき腹を小突き、クスッと笑むと若干照れたような表情を返すカイル。
よかった、何処でも人間は変わらないものなんだな。
「む?マツァベート、お前はその者と仲が良いのか」
「アルハンブラ師団長殿・・・!」
声の張りが一瞬にして戻った。
というか、表情もうっすら青ざめているようだ、まあ、師団長にいきなり声をかけられればなあ・・・
「固くならんよろしい、ふむ、ちょうど良い。名誉な役を貴様に与えてやろう」
「は、はっ、何でありますでしょうか!」
うっわー・・・・ガッチガチだよカイル。
「敵軍をたった一人で追い返したその異界人に国王陛下が謁見を赦された。一緒についていってやれ、命令だ」
「は、ははは、はい!このカイル・マツァベート、一命にかえましても!!」
ガッチガチに緊張しながら、敬礼を返すカイル。
「・・・で、君が件の異界人かね?」
「は、はあ・・・まあ、そうっすね・・・」
よくわからなく、ぼやく様な返事を返す
二三度、値踏みするようにオレを見た後
「ありがとう」
礼を言ってきた。
「え?は?え?」
「君のおかげで今回の戦闘で我が軍の将来有望な兵士達が死ぬ事はなかった。これは全く君のおかげだ、ありがとう。」
「あ、いえ、そんな・・・・・」
素直な好意を受け、オレも恥ずかしくなってくる。
「マツァベート!」
「は、はい!」
「この客人、しっかりと案内しろよ!」
「は、はい!畏まりました!!」
カイルに命令を飛ばして、行ってしまう。
「・・・・いい人だったな」
「ああ、そうだろう?」
御互いに笑み合うオレとカイル。
そうして王城を進んで行き、謁見の間にたどり着く。
カイルはそばに立ち、気をつけの姿勢で他の兵士達に混じっている。
「よく来られた、私がイングラム17世だ。今回は我が民がそなたに迷惑をかけたことを心苦しく思うと共に、救ってくれた事、感謝しておる」
頭を下げるイングラム王
あわてて、オレは返す。
「そんな、頭を上げてください、えと、イングラム国王陛下。むしろこうして助けていただいてるのはオレですから」
「さもあろうか、ならば心が少しは軽くなるな・・・ああ、そうだ。レオ、マリア、来なさい」
そういうと、一人の黒い髪の青年と銀髪の女の子が出てくる。
「我が息子レオと我が娘のマリアだ。年の頃も近いだろう、仲良くしてやってはくれまいか?」
「え、あの、なぜオレなんでしょうか?」
「王族という環境にあるが故、この子らは外と言う物を知らぬ。そこで異なる世界の者よ、縛られぬ者よ、そなたの言の葉だけでも、異なる大地の話でも聞かせてやってはくれぬだろうか。無論ただでとは言わさぬ。今日からここに住み、そなたの衣食住は私が保障をしよう」
「え、あの・・・大した話なんてないですよ・・・?本当にそれでもいいんすか?」
「構わぬ、この子らに与えてやれぬ物を与える機会が今あるのだからな」
「・・・・解りました、えと、謹んでお受けします」
先生、秋津先生。
まさかの歴史体験です。
本物の王様と対話してます。
「ほれ、挨拶をせぬか二人とも」
「オレはレオ・アーティフィシャルだ。その、よろしく、頼む」
「あ、天城 空牙です。よろしくおねがいします」
レオ王子と挨拶を終えると、マリア姫がこちらに微笑を向けながら、語りかけてきた。
「マリア・アーティフィシャルと申します、世間知らずでは御座いますが何卒よろしくお願い致します」
優雅に一礼するマリア姫。銀髪に青紫、ヴァイオレットの目が似合っている。
「あ、はい、こちらこそ、よろしくおねがいします、マリア姫」
頭を軽く下げ、答える。
正直言おう、マリア姫、滅茶苦茶綺麗だし可愛かった。
なんだろう、スッゲー幸せな気分、とでも言うべきか。
「マリア姫殿下、今日も一段と美しかったなぁ・・・・」
帰り道、ぽわんぽわんといった感じでカイルが呟いている。
宿泊する部屋まで案内をしてもらっているのだ、下手な人間よりまだカイルのほうが気心知れてるしな。
「惚れてんのか?」
「そ、そりゃあ・・・この国の若い男の憧れの的だからな、姫殿下は」
遠くを指すような言葉を吐き、部屋の前に着く。
「全くお前がうらやましいよ、マリア姫殿下のそばに居られるんだから」
「あはは、そんなものかな?」
「なんだよ、クウガは姫殿下をなんとも思わないのか?」
「いや、正直ドキッとしたよ、柄にもなくな」
素直に言葉を吐き出す。
「やっぱり」
「でも、まあ、なんだ、夢見ててもしょうがないし、そもそもむしろこれが夢かもしれないし、んー・・・・なんかそんな感じなんだよ」
「何言ってんだかさっぱりだぞ・・・」
「はいはい、とりあえずもう帰った帰った」
「あ、ああ、じゃあな、クウガ」
「またな、カイル」
カイルと別れ部屋に入ると、既に荷物は置いてあった。
成程、あの王は中々したたかな様だ。
「受けると、確信してたんだなぁ・・・・」
ドッ、とベッドに倒れこむと、一気に疲れが沸いてきた。
「・・・・・・皆、何してるかな」
サバゲー部の面々を思い出しつつ、荷物に入ってる私服に着替え、ベッドで横になっていた。
――――太陽は、どの世界でも静かに、綺麗に沈んでいた。
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「いや、この程度大した量じゃないが・・えーと・・・・」
「天城 空牙」
「そう、クウガだ。乗らないで良いのか?」
「いいよ、初めての大地だから、自分の足で歩きたいんだ」
「へんな奴・・・そうだ、俺名乗ってなかったな」
竜に乗り、最初に俺に刃を向けた奴がそういった。
あの後、伝令が走り「停戦命令が下った、直ちに帰還されたし」と、通達されたらしく、とりあえずオレを連れて首都アクトゥルスへ向かっているのだという。
その為、竜に荷物を載せてもらい、移動しているのだ。
「俺はカイルって言うんだ、カイル・マツァベート」
「よろしくカイル」
御互いに握手を交わす。
「クウガ、って呼んでいいかい?」
「ああ、勿論だよカイル」
「な、慣れ慣れしいな、いいけど・・・」
苦笑気味に答えるカイル。
「この世界って、異世界、でいいのか?」
「・・・まあ、クウガからしたら、そうなるんだろうな」
「どんな世界か聴いて良いか?」
「あ、ああ。俺達のこの世界は「レイディアントガーデン」とよばれているんだ。そこに9つの国があって、俺達がいるのはアーティフィシャル王国って国だ」
「で、その、この世界には魔法はあるのか?」
「?そんなの当たり前じゃないか」
「デスヨネー」
竜とかいる辺りでなんとなく察しは着いてたよ。
「あ、そろそろレムリアに到着だ」
「レムリア?」
「ここらの近くの町さ、あとは転移門で転移できる」
「流石ファンタジー、言うことが違うぜ・・・・」
周りは兵士達をねぎらう声を上げているが、オレを見るたびに一様に怪訝な顔をする。
「なあ、カイル。オレそんなに変な格好か?」
「ああ、変だと思うよ?壊れた鍋を頭に被った格好だなんて」
「な、鍋・・・・」
そりゃあ、そうか・・・見た感じ中世だろうこの世界にヘルメットなんてないだろうしなぁ・・・
う、なんだか恥ずかしくなってきた、外そう。
「ふう・・・・」
「そっちのほうが全然良いよ」
ヘルメットを外し、赤い髪を外気にさらす。
なるほど、カイル達からすればイギリス人の母譲りの青目、赤髪のオレはまだこの世界の人間に近しいのか。
「こっちだ、クウガ、通るよ」
「あ、ああ」
石造りで出来たその門を通ると、あっという間に賑やかで華やかな街並みに変わった。
これが、魔法・・・・・。
「俺が言うのも変だけど、ようこそアーティフィシャル王国へ」
「ありがとう、カイル」
歓迎するカイルに微笑み返すオレ。
街を抜けると、巨大な門があり、中に入っていった。
2層の壁があり、その奥に城がある構造なのだという。
「ほあー・・・でけぇ・・・」
「王城ルインクルス。ここを護る為に俺達は日々鍛えているんだ。」
「成程な、かっこいいじゃないか!」
「そ、そうかな」
わき腹を小突き、クスッと笑むと若干照れたような表情を返すカイル。
よかった、何処でも人間は変わらないものなんだな。
「む?マツァベート、お前はその者と仲が良いのか」
「アルハンブラ師団長殿・・・!」
声の張りが一瞬にして戻った。
というか、表情もうっすら青ざめているようだ、まあ、師団長にいきなり声をかけられればなあ・・・
「固くならんよろしい、ふむ、ちょうど良い。名誉な役を貴様に与えてやろう」
「は、はっ、何でありますでしょうか!」
うっわー・・・・ガッチガチだよカイル。
「敵軍をたった一人で追い返したその異界人に国王陛下が謁見を赦された。一緒についていってやれ、命令だ」
「は、ははは、はい!このカイル・マツァベート、一命にかえましても!!」
ガッチガチに緊張しながら、敬礼を返すカイル。
「・・・で、君が件の異界人かね?」
「は、はあ・・・まあ、そうっすね・・・」
よくわからなく、ぼやく様な返事を返す
二三度、値踏みするようにオレを見た後
「ありがとう」
礼を言ってきた。
「え?は?え?」
「君のおかげで今回の戦闘で我が軍の将来有望な兵士達が死ぬ事はなかった。これは全く君のおかげだ、ありがとう。」
「あ、いえ、そんな・・・・・」
素直な好意を受け、オレも恥ずかしくなってくる。
「マツァベート!」
「は、はい!」
「この客人、しっかりと案内しろよ!」
「は、はい!畏まりました!!」
カイルに命令を飛ばして、行ってしまう。
「・・・・いい人だったな」
「ああ、そうだろう?」
御互いに笑み合うオレとカイル。
そうして王城を進んで行き、謁見の間にたどり着く。
カイルはそばに立ち、気をつけの姿勢で他の兵士達に混じっている。
「よく来られた、私がイングラム17世だ。今回は我が民がそなたに迷惑をかけたことを心苦しく思うと共に、救ってくれた事、感謝しておる」
頭を下げるイングラム王
あわてて、オレは返す。
「そんな、頭を上げてください、えと、イングラム国王陛下。むしろこうして助けていただいてるのはオレですから」
「さもあろうか、ならば心が少しは軽くなるな・・・ああ、そうだ。レオ、マリア、来なさい」
そういうと、一人の黒い髪の青年と銀髪の女の子が出てくる。
「我が息子レオと我が娘のマリアだ。年の頃も近いだろう、仲良くしてやってはくれまいか?」
「え、あの、なぜオレなんでしょうか?」
「王族という環境にあるが故、この子らは外と言う物を知らぬ。そこで異なる世界の者よ、縛られぬ者よ、そなたの言の葉だけでも、異なる大地の話でも聞かせてやってはくれぬだろうか。無論ただでとは言わさぬ。今日からここに住み、そなたの衣食住は私が保障をしよう」
「え、あの・・・大した話なんてないですよ・・・?本当にそれでもいいんすか?」
「構わぬ、この子らに与えてやれぬ物を与える機会が今あるのだからな」
「・・・・解りました、えと、謹んでお受けします」
先生、秋津先生。
まさかの歴史体験です。
本物の王様と対話してます。
「ほれ、挨拶をせぬか二人とも」
「オレはレオ・アーティフィシャルだ。その、よろしく、頼む」
「あ、天城 空牙です。よろしくおねがいします」
レオ王子と挨拶を終えると、マリア姫がこちらに微笑を向けながら、語りかけてきた。
「マリア・アーティフィシャルと申します、世間知らずでは御座いますが何卒よろしくお願い致します」
優雅に一礼するマリア姫。銀髪に青紫、ヴァイオレットの目が似合っている。
「あ、はい、こちらこそ、よろしくおねがいします、マリア姫」
頭を軽く下げ、答える。
正直言おう、マリア姫、滅茶苦茶綺麗だし可愛かった。
なんだろう、スッゲー幸せな気分、とでも言うべきか。
「マリア姫殿下、今日も一段と美しかったなぁ・・・・」
帰り道、ぽわんぽわんといった感じでカイルが呟いている。
宿泊する部屋まで案内をしてもらっているのだ、下手な人間よりまだカイルのほうが気心知れてるしな。
「惚れてんのか?」
「そ、そりゃあ・・・この国の若い男の憧れの的だからな、姫殿下は」
遠くを指すような言葉を吐き、部屋の前に着く。
「全くお前がうらやましいよ、マリア姫殿下のそばに居られるんだから」
「あはは、そんなものかな?」
「なんだよ、クウガは姫殿下をなんとも思わないのか?」
「いや、正直ドキッとしたよ、柄にもなくな」
素直に言葉を吐き出す。
「やっぱり」
「でも、まあ、なんだ、夢見ててもしょうがないし、そもそもむしろこれが夢かもしれないし、んー・・・・なんかそんな感じなんだよ」
「何言ってんだかさっぱりだぞ・・・」
「はいはい、とりあえずもう帰った帰った」
「あ、ああ、じゃあな、クウガ」
「またな、カイル」
カイルと別れ部屋に入ると、既に荷物は置いてあった。
成程、あの王は中々したたかな様だ。
「受けると、確信してたんだなぁ・・・・」
ドッ、とベッドに倒れこむと、一気に疲れが沸いてきた。
「・・・・・・皆、何してるかな」
サバゲー部の面々を思い出しつつ、荷物に入ってる私服に着替え、ベッドで横になっていた。
――――太陽は、どの世界でも静かに、綺麗に沈んでいた。
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