ソルミア魔獣討伐記〜魔獣になった彼女と共に〜
6話
光り輝くその画面を見つめた俺は、ようやくこのカードが自分の服のポケットに入れられていた理由を理解した。
ーーー ▼ ーーー
Name   ナオト・イトウ
Age   17
Job   ーー
Rank   I
Level   1
LP   1
HP   10/10
MP   50/50
ーStatusー
力   1
魔   1
速   1
防   1
心   1
ーSkillー
☆ 【天穿つ大樹】
□
△ 【念話 Ⅰ 】
○ 【ソルミア語】
ーーー ▲ ーーー
……なるほどな。これがステータスカードというやつなのだろう。異世界に来たからなのか、それとも浮かれ気分が完全に抜けたからなのか知らないが、俺の頭はいつにも増して回転するようになっている。
この世界において、このカードがいわゆる身分証明書の代わりになっていることはほぼ間違いない。とりあえず、ある程度整理がついたところでもう一度自分のステータスを見てみる。
ふむ。このカードのシステムはまだ良く分かっていないが、少なくとも俺が今モンスターか何かにでくわしでもしたら即死するであろうことはわかる。まあレベル1なんてそんなものだろうが。
そうやって見ていた俺だが、このステータスは分からないことが多すぎるのだ。
まずランクやLPという存在。LPはレベルのポイントだとは思うが、使い道が不明。そしてHPよりMPの方が多いし、何より【天穿つ大樹】という謎スキルが理解を困難にしている。……あと何で念話スキルがあるんだ?独り言のせいか?
まとめてみても分からない。結局ステータスカードも役に立たず手詰まりになった俺は、また森を彷徨い始めるのだった。
目覚めてからどれくらい経っただろうか。もう空に昇っていた二つの太陽…のような星が沈み始めている。暗くなってしまったら出口を探すことも出来ないし、ここは異世界だ。何が起こるかわからない。そうやって焦りに駆られた俺は必死に出口を、光を探し…ついに遠く輝く淡い光を見つけた。
木々の間から漏れ出る橙色の光に向かって一心不乱に走る。疲れた。本当に疲れた。もう二度とこんな経験はしたくない。気持ち悪いキノコも見飽きて吐きそうだ。
「はぁ…はぁ…やっと出口だ…」
「やっと出てきたのか…まあ及第点というところだね」
光の中に飛び出した俺を出迎えたのは、俺たちをこんな目に合わせた張本人、出会った時にも増していやらしい笑みを浮かべたあいつだった。
「なんで……お前がここにいるんだ?」
「出会って早々挨拶もないのか……。うーん……理由は説明すると長くなるから言わないでおくよ、と言いたいところなんだけどね。君は納得できないだろうから一つだけ言っておこう」
「そんなことはどうでもいい!メイは……メイはどこにいる!」
声にならない叫びが心を埋め尽くす。あいつの顔を見るだけで湧き上がる憎悪をなんとか抑えつける。
「……はあ、わかった、教えよう。はっきり言うと君の彼女さんはもう……人間として生きてはいない」
はぁ……?そんなこと……あるわけ……そんなはずないんだ……メイは生きている……。
衝撃的な発言を聞いてフリーズした俺の頭は、ゆっくりとゆっくりと真っ白に染まっていった。
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Name   ナオト・イトウ
Age   17
Job   ーー
Rank   I
Level   1
LP   1
HP   10/10
MP   50/50
ーStatusー
力   1
魔   1
速   1
防   1
心   1
ーSkillー
☆ 【天穿つ大樹】
□
△ 【念話 Ⅰ 】
○ 【ソルミア語】
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……なるほどな。これがステータスカードというやつなのだろう。異世界に来たからなのか、それとも浮かれ気分が完全に抜けたからなのか知らないが、俺の頭はいつにも増して回転するようになっている。
この世界において、このカードがいわゆる身分証明書の代わりになっていることはほぼ間違いない。とりあえず、ある程度整理がついたところでもう一度自分のステータスを見てみる。
ふむ。このカードのシステムはまだ良く分かっていないが、少なくとも俺が今モンスターか何かにでくわしでもしたら即死するであろうことはわかる。まあレベル1なんてそんなものだろうが。
そうやって見ていた俺だが、このステータスは分からないことが多すぎるのだ。
まずランクやLPという存在。LPはレベルのポイントだとは思うが、使い道が不明。そしてHPよりMPの方が多いし、何より【天穿つ大樹】という謎スキルが理解を困難にしている。……あと何で念話スキルがあるんだ?独り言のせいか?
まとめてみても分からない。結局ステータスカードも役に立たず手詰まりになった俺は、また森を彷徨い始めるのだった。
目覚めてからどれくらい経っただろうか。もう空に昇っていた二つの太陽…のような星が沈み始めている。暗くなってしまったら出口を探すことも出来ないし、ここは異世界だ。何が起こるかわからない。そうやって焦りに駆られた俺は必死に出口を、光を探し…ついに遠く輝く淡い光を見つけた。
木々の間から漏れ出る橙色の光に向かって一心不乱に走る。疲れた。本当に疲れた。もう二度とこんな経験はしたくない。気持ち悪いキノコも見飽きて吐きそうだ。
「はぁ…はぁ…やっと出口だ…」
「やっと出てきたのか…まあ及第点というところだね」
光の中に飛び出した俺を出迎えたのは、俺たちをこんな目に合わせた張本人、出会った時にも増していやらしい笑みを浮かべたあいつだった。
「なんで……お前がここにいるんだ?」
「出会って早々挨拶もないのか……。うーん……理由は説明すると長くなるから言わないでおくよ、と言いたいところなんだけどね。君は納得できないだろうから一つだけ言っておこう」
「そんなことはどうでもいい!メイは……メイはどこにいる!」
声にならない叫びが心を埋め尽くす。あいつの顔を見るだけで湧き上がる憎悪をなんとか抑えつける。
「……はあ、わかった、教えよう。はっきり言うと君の彼女さんはもう……人間として生きてはいない」
はぁ……?そんなこと……あるわけ……そんなはずないんだ……メイは生きている……。
衝撃的な発言を聞いてフリーズした俺の頭は、ゆっくりとゆっくりと真っ白に染まっていった。
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