女の子のちょっかいには「     」女の子の忠告には「     」

ラーア・マリティ・スクートス

秘めたる思いルート最終話 過去の鎖そして告白

 僕の顔は恥ずかしさで真っ赤になっていた。告白してしまったのだ。しかも、相手が告白してきたと誤解してだ。

 「ねぇ、雅也、今…」

 「何でもないんだ。だから、何も言わないでくれ」

 緊張の中、僕は昔のことを思いだしていた。

 昔、親は僕が中学生の時に海外出張のために家を出た。しかし、僕は海外が怖くて無理やりにでも残ろうと親を説得したのだ。幸い説得は成功し中学生で一人暮らしが始まったのだが世の中はそんなに甘くはなかった。中学生の僕には毎日の家事に勉強は過酷すぎたのだ。そんな時に助けてくれたのが美麗だった。彼女は僕のために家事を手伝ってくれ、寂しい僕のために一緒にいてくれたこともあった。

 そんなに尽くしてもらって中学生の僕が恋に落ちないはずがなかったのだ。

 そんなことを思い出していると美麗の優し気な声が聞こえてきた。

 「雅也、ま~さやっ」

 「雅也、私雅也のこと好きだよ。友達としてじゃないよ。男の子として。ずっと好きだったの。雅也が一人暮らしになるって知ったときうれしかった。中学生だから海外について行ってもう会えなくなると思ってた。でも、雅也が残りたいって頑張って両親を説得してるところを見て私っ、まだあきらめなくていいんだなって思えたの。だから、息子さんを私に下さいって言っちゃったんだよ」

 美麗はそこまで言い終えると、泣きながらゆっくりとキスをしてきた。

 「雅也ぁ~」

 そうして僕はチャイムが鳴るまで長く優しいキスをされていた。 

 「雅也、私のこと好き?」

 雅也は考えた後、ゆっくりと答えてくれた。

 「あぁ、中学のころから好きだったよ。でも、付き合っちゃいけないと思っていたんだ」

 「どうして?」

 「美麗はやさしいから俺を好きでなくても元気づけるために付き合ってくれただろうからさ。でも、今なら言えるよ。俺と付き合ってください!」

 美麗は、出てきた涙をぬぐいながら微笑むように言った。

 「はい、喜んで」


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