色災ユートピア
24.咎喰
白理たちを追って走る枉徒と赦無。
反応は近くにあるのだが、姿が見えない。
「白理さーん!返事してくださーい!」
「あの二人と一緒にいる…でも、反応が途切れてるっていうか…。」
反応を追って、見通しの悪い道路の角を曲がると、そこには二メートル近い大きさの、蒼黒い何かが風に揺られ静かに佇んでいた。
明らかに異質だと思わざるを得ない。
「ひぃっ!ゆゆゆゆうれーですか!?」
「落ち着いて枉徒、おばけじゃないよ。」
佇む何かは、異質な雰囲気に反してこちらには敵意を向けてこない。
ただ、本当に動くわけでもなくそこにいるのだ。
まるで物体のように。
「あっ、お兄様!その辺にいらっしゃいます?」
ふと、どこかから声が聞こえた。
紛れもなく白理の声だ。
「白、どこにいるの?」
「ここですここ。」
「…見えない。」
「うーんどうしましょう、動けないので困りました。あ、ちょっとお外に出させてもらっていいですか?」
白理がそう言うと、佇んでいた何かは無音でスウッとその場から横にずれた。
そして、その布の下からは白理とシーリス、シオンが出てきた。
「白理さん!?大丈夫ですか!?」
「あ、大丈夫です。ちょっと痺れているだけですので。」
「そのわりには流暢に喋れてるね…何があったの?」
地面に寝っ転がったままの白理を起こし、何があったのかと問いかける。
まぁ、二人が顔を青くしているので、大方察しはつくが。
「実はですね、例のストーカーが現れたので撃退してやろうと思ったんですが、麻痺させられまして。万事休すかと思っていたら、そこにいる…えーっと、何かさんに助けていただいたんです。」
「…………。」
何かは動かず、じっと白理を見ているように見えた。
顔もなく、目もないので何を見ているのかは、はっきりと分からないが。
「ごめんなさいお兄様、ストーカーの顔を見られなくて。」
「いいよ白、白が無事ならそれでいい。また今度、トライしよう。」
「はい、お兄様。」
「枉徒、白に肩を貸してあげて。俺は二人を連れて戻る。ストーカーが現れたことを、一度ゼロたちに報告しよう。」
「わ、分かりました!」
「ありがとうございます、枉徒ちゃん。」
「うーん、でも白理さんほどの人が、どうして麻痺なんかに?」
「お菓子あげるから着いてこないかと誘われまして。これは絶対に誘拐犯の手口だと思って、お菓子だけバックれて、後は手足を粉砕してやろうと思ってました。」
「強欲すぎませんか!?」
「まさかお菓子にパンクロニウムが入ってると思わないじゃないですか。」
「ええっ!?」
「冗談です、入ってたのは人間用の麻痺薬でしたので。」
「白、変な人からお菓子は貰っちゃダメだよ。白に何かあったら、俺はその人を殺しちゃうから。」
「はーい、お兄様。」
「強奪ですよね!?明らかに奪って食べましたよね!?」
「自業自得ですねぇ、麻痺くらい効かないだろうと高を括っていたら、思いの外量が多かったみたいです。」
「流暢に喋れていることに驚きですよ…。」
そんなこんなで、赦無と枉徒は白理たちを連れ戻すことに成功した。
枉徒だけは、ツッコミで疲れた様子だった。
特等席の部屋に戻ってきた五人。
部屋に入ると、ナナキ、S.0、S.10が何やら難しそうな顔で作戦会議をしていた。
「ただいま。」
「おう、おかえ───ひいっ!」
顔を上げたS.0が、何やら怖がっている。
S.10も顔を上げ、何かを察して笑った。
「あはは、ゼロ、大丈夫だよ。あれは別に脅かす気でいたわけじゃないよ。」
「この前風呂場に立ってて、めちゃくちゃビビったんだからな!」
「確信犯だろうけど、ゼロが怖がるのが面白いんだよ。僕もそう思う。」
話についていけない五人。
揃って首をかしげる五人を見て、S.10は背後を指さした。
「君ら、随分と懐かれたみたいだね。それともあいつの命令?」
「あ…いつの間に。」
赦無たちの背後には、いつの間についてきたのやら、あの蒼黒い何かが佇んでいた。
歩く音もしないし、敵意もないので、てっきりあの場所にずっといるものだと、誰しもが思っていた。
「咎喰、とりあえず人型に戻ってくれるかい?」
S.10がそう言うと、何かはゆらりと揺らめいた。
そして、すうっと姿が消えて、その代わりに銀髪の人物が出てきた。
「それじゃ、自己紹介よろしく。」
「はい、それでは改めまして。私は咎喰、咎喰 狂異と申します。咎喰と呼ばれる武器だと思っていただいて結構です。」
「咎喰は僕の持つ喰罪とは、兄弟みたいなものなんだ。」
「その武器がどうして人の姿を?」
「人の姿は色々と都合が良いのですよ。人格があるとはいえ、その感情が真っ当なものではないとは理解していますが。」
「自覚型狂人?」
「そもそも私の場合は"物"や"兵器"に分類されるので、人間を殺そうと誰も裁けないと思いますよ。私を裁こうものなら、全人類裁かれて当然なのですから。」
「あー…咎喰は僕のこわーい部分をベースに、人格が形成されてるんだよね。どうしてこうなったのか分からないけど。」
「私もどうしてこうなったのか理解不能ですね。」
「お互い理解不能ってどういうことだよ、いいのかそれで。」
ナナキは首をかしげるS.10と咎喰にツッコミを入れる。
「まぁほら、長く生きていればこういうこともあるよ、多分。」
「多分て。いや、そもそもなんで武器に人格なんか持たせたんだ?」
「エクリプス・メア…そちらにいるコドクのこわーい部分は、ああ見えて寂しがり屋ですからね。それに、自動戦闘してくれるのは便利でしょう?」
「そういうもん?」
「そういうものじゃないですか?私は別に、苦とも思わないので構いませんけど。むしろ食事に困らないため天職と言いますか。」
「ねぇ、俺と枉徒に初めて会った時、ヘレティクスを殺したのはあなた?」
「えぇ、そうですよ。弟くんには唯一見えていたみたいですね。見ての通り、普段はエクリプス・メアの周囲を高速で飛び回っていたりするので、勢い余って食べる前に弾き飛ばしてしまうんですよね。」
「俺は、お兄ちゃんだけど。」
「おっと、今回はそうでしたね。」
「前回もそうだったよ、その話は少なくとも千五百以前の話。うーん、おじいちゃんになっちゃったのかなぁ。」
「覚える気がないだけですよ。」
「我ながらタチが悪ーい。」
「…………?」
事情を知らない赦無たちには、何の話をしているのか全く見当がつかない。
そして、S.10は話を聞いていたS.0やナナキが思う以上に、時間遡行を行っているようだ。
もはや、執念とかそういうレベルではない気がしてきた。
「ま、ともかく彼は君たちにとって味方だ。難点は夜中にお風呂に佇んでビビらせることくらいかな。」
「それくらいなら平気だけど…それ、何か意味ある?」
「…楽しいから?」
「おい待てコラ、俺にしか実害ないじゃん!」
S.0のツッコミに、その場にいた誰もが納得した。
「なんで納得するんだよ〜。」
「だって、ゼロのリアクションは面白いし…。」
「ビビる時は本気でビビるのでやりがいがあると言いますか。」
「俺、お前たちのお兄ちゃんなんだけど!?」
「ゼロが二人のお兄ちゃんなのは初耳…。」
赦無の言葉に、誰しも頷いた。
確かに顔は似ている。
髪型がそれぞれ違うので、言われなければ気にかけることもなかっただろうが。
「ま、その話はおいおいね。それで、戦果はどうだった?」
「残念ながら、顔も見られず逃がしてしまいました。」
白理は若干しょんぼりしながら、そう告げた。
「あぁ、それについては朗報がありますよ。はい、こちらあのストーカーが持っていた所持品です。」
そう言って咎喰から差し出されたのは、携帯だった。
いつの間に、とシーリス、シオンが目を丸くした。
「なるほど、これは勝手にこっちで解析しておこうか。警察は頼れないし。」
「警察がこんなに頼りない日が来るとは思わなかったよ…。」
ナナキは疲れたように、そう呟いた。
その言葉に、赦無は頷く。
「狂異、解析はお前に任せる。」
「分かりました、お任せください。」
「それと白理、お前も一人にならないよう気を付けるんだ。」
「何故ですか?」
「今回みたいなことが、また起こり得るかもしれない。お前がいなくなったら、赦無は寂しくて死んじゃうぞ。」
「ウサギじゃないけど、多分そう。」
「お兄様が私を置いて死んでしまうのは嫌ですね…、気を付けます。というか、お兄様と一緒に行動することが一番安全ですよね。」
「赦無さんは白理さんのことをよく分かっていますし、そうかもしれませんね。私たちも単独行動は控えましょう。」
「よし、お前たちは例のストーカーについて、今まで通り調べてくれ。俺たちは俺たちで少しやらなきゃいけないことがあるからな。」
「分かった、ゼロたちも無茶はしないで。」
「大丈夫だよ、引き際は見極めるからさ。いざって時はコドクもいるからな。」
「まぁ、その前に学園祭を無事に終わらせてからだよね。やっぱりお祭りなんだから楽しまなきゃ!」
「俺も賛成だ、急いだって成果が出るもんでもないだろ?」
「なんで俺たちよりはしゃいでるんだろう…。」
そんなことを言っていた赦無も、フッと笑みを浮かべた。
そんな猶予があるのか、と聞きたげな顔をしていたシーリスとシオンだったが、笑っている赦無たちを見て、まぁいいか、と気軽に考えることにした。
反応は近くにあるのだが、姿が見えない。
「白理さーん!返事してくださーい!」
「あの二人と一緒にいる…でも、反応が途切れてるっていうか…。」
反応を追って、見通しの悪い道路の角を曲がると、そこには二メートル近い大きさの、蒼黒い何かが風に揺られ静かに佇んでいた。
明らかに異質だと思わざるを得ない。
「ひぃっ!ゆゆゆゆうれーですか!?」
「落ち着いて枉徒、おばけじゃないよ。」
佇む何かは、異質な雰囲気に反してこちらには敵意を向けてこない。
ただ、本当に動くわけでもなくそこにいるのだ。
まるで物体のように。
「あっ、お兄様!その辺にいらっしゃいます?」
ふと、どこかから声が聞こえた。
紛れもなく白理の声だ。
「白、どこにいるの?」
「ここですここ。」
「…見えない。」
「うーんどうしましょう、動けないので困りました。あ、ちょっとお外に出させてもらっていいですか?」
白理がそう言うと、佇んでいた何かは無音でスウッとその場から横にずれた。
そして、その布の下からは白理とシーリス、シオンが出てきた。
「白理さん!?大丈夫ですか!?」
「あ、大丈夫です。ちょっと痺れているだけですので。」
「そのわりには流暢に喋れてるね…何があったの?」
地面に寝っ転がったままの白理を起こし、何があったのかと問いかける。
まぁ、二人が顔を青くしているので、大方察しはつくが。
「実はですね、例のストーカーが現れたので撃退してやろうと思ったんですが、麻痺させられまして。万事休すかと思っていたら、そこにいる…えーっと、何かさんに助けていただいたんです。」
「…………。」
何かは動かず、じっと白理を見ているように見えた。
顔もなく、目もないので何を見ているのかは、はっきりと分からないが。
「ごめんなさいお兄様、ストーカーの顔を見られなくて。」
「いいよ白、白が無事ならそれでいい。また今度、トライしよう。」
「はい、お兄様。」
「枉徒、白に肩を貸してあげて。俺は二人を連れて戻る。ストーカーが現れたことを、一度ゼロたちに報告しよう。」
「わ、分かりました!」
「ありがとうございます、枉徒ちゃん。」
「うーん、でも白理さんほどの人が、どうして麻痺なんかに?」
「お菓子あげるから着いてこないかと誘われまして。これは絶対に誘拐犯の手口だと思って、お菓子だけバックれて、後は手足を粉砕してやろうと思ってました。」
「強欲すぎませんか!?」
「まさかお菓子にパンクロニウムが入ってると思わないじゃないですか。」
「ええっ!?」
「冗談です、入ってたのは人間用の麻痺薬でしたので。」
「白、変な人からお菓子は貰っちゃダメだよ。白に何かあったら、俺はその人を殺しちゃうから。」
「はーい、お兄様。」
「強奪ですよね!?明らかに奪って食べましたよね!?」
「自業自得ですねぇ、麻痺くらい効かないだろうと高を括っていたら、思いの外量が多かったみたいです。」
「流暢に喋れていることに驚きですよ…。」
そんなこんなで、赦無と枉徒は白理たちを連れ戻すことに成功した。
枉徒だけは、ツッコミで疲れた様子だった。
特等席の部屋に戻ってきた五人。
部屋に入ると、ナナキ、S.0、S.10が何やら難しそうな顔で作戦会議をしていた。
「ただいま。」
「おう、おかえ───ひいっ!」
顔を上げたS.0が、何やら怖がっている。
S.10も顔を上げ、何かを察して笑った。
「あはは、ゼロ、大丈夫だよ。あれは別に脅かす気でいたわけじゃないよ。」
「この前風呂場に立ってて、めちゃくちゃビビったんだからな!」
「確信犯だろうけど、ゼロが怖がるのが面白いんだよ。僕もそう思う。」
話についていけない五人。
揃って首をかしげる五人を見て、S.10は背後を指さした。
「君ら、随分と懐かれたみたいだね。それともあいつの命令?」
「あ…いつの間に。」
赦無たちの背後には、いつの間についてきたのやら、あの蒼黒い何かが佇んでいた。
歩く音もしないし、敵意もないので、てっきりあの場所にずっといるものだと、誰しもが思っていた。
「咎喰、とりあえず人型に戻ってくれるかい?」
S.10がそう言うと、何かはゆらりと揺らめいた。
そして、すうっと姿が消えて、その代わりに銀髪の人物が出てきた。
「それじゃ、自己紹介よろしく。」
「はい、それでは改めまして。私は咎喰、咎喰 狂異と申します。咎喰と呼ばれる武器だと思っていただいて結構です。」
「咎喰は僕の持つ喰罪とは、兄弟みたいなものなんだ。」
「その武器がどうして人の姿を?」
「人の姿は色々と都合が良いのですよ。人格があるとはいえ、その感情が真っ当なものではないとは理解していますが。」
「自覚型狂人?」
「そもそも私の場合は"物"や"兵器"に分類されるので、人間を殺そうと誰も裁けないと思いますよ。私を裁こうものなら、全人類裁かれて当然なのですから。」
「あー…咎喰は僕のこわーい部分をベースに、人格が形成されてるんだよね。どうしてこうなったのか分からないけど。」
「私もどうしてこうなったのか理解不能ですね。」
「お互い理解不能ってどういうことだよ、いいのかそれで。」
ナナキは首をかしげるS.10と咎喰にツッコミを入れる。
「まぁほら、長く生きていればこういうこともあるよ、多分。」
「多分て。いや、そもそもなんで武器に人格なんか持たせたんだ?」
「エクリプス・メア…そちらにいるコドクのこわーい部分は、ああ見えて寂しがり屋ですからね。それに、自動戦闘してくれるのは便利でしょう?」
「そういうもん?」
「そういうものじゃないですか?私は別に、苦とも思わないので構いませんけど。むしろ食事に困らないため天職と言いますか。」
「ねぇ、俺と枉徒に初めて会った時、ヘレティクスを殺したのはあなた?」
「えぇ、そうですよ。弟くんには唯一見えていたみたいですね。見ての通り、普段はエクリプス・メアの周囲を高速で飛び回っていたりするので、勢い余って食べる前に弾き飛ばしてしまうんですよね。」
「俺は、お兄ちゃんだけど。」
「おっと、今回はそうでしたね。」
「前回もそうだったよ、その話は少なくとも千五百以前の話。うーん、おじいちゃんになっちゃったのかなぁ。」
「覚える気がないだけですよ。」
「我ながらタチが悪ーい。」
「…………?」
事情を知らない赦無たちには、何の話をしているのか全く見当がつかない。
そして、S.10は話を聞いていたS.0やナナキが思う以上に、時間遡行を行っているようだ。
もはや、執念とかそういうレベルではない気がしてきた。
「ま、ともかく彼は君たちにとって味方だ。難点は夜中にお風呂に佇んでビビらせることくらいかな。」
「それくらいなら平気だけど…それ、何か意味ある?」
「…楽しいから?」
「おい待てコラ、俺にしか実害ないじゃん!」
S.0のツッコミに、その場にいた誰もが納得した。
「なんで納得するんだよ〜。」
「だって、ゼロのリアクションは面白いし…。」
「ビビる時は本気でビビるのでやりがいがあると言いますか。」
「俺、お前たちのお兄ちゃんなんだけど!?」
「ゼロが二人のお兄ちゃんなのは初耳…。」
赦無の言葉に、誰しも頷いた。
確かに顔は似ている。
髪型がそれぞれ違うので、言われなければ気にかけることもなかっただろうが。
「ま、その話はおいおいね。それで、戦果はどうだった?」
「残念ながら、顔も見られず逃がしてしまいました。」
白理は若干しょんぼりしながら、そう告げた。
「あぁ、それについては朗報がありますよ。はい、こちらあのストーカーが持っていた所持品です。」
そう言って咎喰から差し出されたのは、携帯だった。
いつの間に、とシーリス、シオンが目を丸くした。
「なるほど、これは勝手にこっちで解析しておこうか。警察は頼れないし。」
「警察がこんなに頼りない日が来るとは思わなかったよ…。」
ナナキは疲れたように、そう呟いた。
その言葉に、赦無は頷く。
「狂異、解析はお前に任せる。」
「分かりました、お任せください。」
「それと白理、お前も一人にならないよう気を付けるんだ。」
「何故ですか?」
「今回みたいなことが、また起こり得るかもしれない。お前がいなくなったら、赦無は寂しくて死んじゃうぞ。」
「ウサギじゃないけど、多分そう。」
「お兄様が私を置いて死んでしまうのは嫌ですね…、気を付けます。というか、お兄様と一緒に行動することが一番安全ですよね。」
「赦無さんは白理さんのことをよく分かっていますし、そうかもしれませんね。私たちも単独行動は控えましょう。」
「よし、お前たちは例のストーカーについて、今まで通り調べてくれ。俺たちは俺たちで少しやらなきゃいけないことがあるからな。」
「分かった、ゼロたちも無茶はしないで。」
「大丈夫だよ、引き際は見極めるからさ。いざって時はコドクもいるからな。」
「まぁ、その前に学園祭を無事に終わらせてからだよね。やっぱりお祭りなんだから楽しまなきゃ!」
「俺も賛成だ、急いだって成果が出るもんでもないだろ?」
「なんで俺たちよりはしゃいでるんだろう…。」
そんなことを言っていた赦無も、フッと笑みを浮かべた。
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