おじいちゃんと剣と魔法が紡ぐ第二の人生!!おじいちゃんが知らず知らずに無双する物語!!

ノベルバユーザー349130

呪われし南吉

その後、まだ時間があったので散策する二人。

(さて、次らどこに行くかの……?)

(まあ……どこでもいいんだが……。)

(お主欲ないのー。)

(昔から刀一筋だったからな。)

(なるほどのー。)

脳内で会話をしながら歩く南吉。すると、この世界に来て職をくれた、冒険者ギルドが見えてきた。

(お。冒険者ギルドじゃわい。)

(あれか。なかなか大きいな。)

(まあお偉い人用のスペースなんじゃろ。表も裏も。)

(権力に絡むところは古今東西変わらないな。)

(そうじゃのー。せっかくじゃし、よってみるかの?)

(まあ他に行く宛もないしな。)

そう判断して南吉は冒険者ギルドに入ったのだった。











「あら?あなたは……。」

登録したときにちょうど受付をしていた人の一人がたまたまいた。現在の時刻は正午すぎ。暇なようだ。

「ご無沙汰じゃの。」

「その調子だと……、うまくやっているみたいですね。」

「おかげさまでの。」

「あら?それは?」

腰に下げてある刀を見て不思議そうに聞かれる。

「ああ、新しいわしの武器じゃ。」

「そうですか。」

あまり干渉しないルールでもあるのか、それだけで話を変えようとしたところ、

「でよー!!」

「大変だなー!!」

一人組の女性が入ってきた。

(なかな奇抜な格好じゃの。)

(だが……今まで見てきた人間の中では上位に位置するぞ。)

マイクと南吉の見立てでは、今まで見たことある人−−−まず交友がないが−−−の中では一二を争う強さだ。

若い女性のようだが、見た目、というよりつけている装備がすべて白が基調になっている。
そう見つめる南吉を尻目に、その女性は受付の人に話しかける。

「迷宮に異常な魔力と爆発があると聞いて派遣されたんだが……。」

「あ!!トルクさんですか!!本日はありがとうございます!!」

「気にすることじゃない。」

「それでは面会室に案内……。」

その時、チラリとこちらを見つめたその女性、トルクさん。

「不要だ。ここで話をしてもらってもいいか?」

「あ……はい?わかりました……。あの!ギルド長は…」

「今はひとまず不要だ。もう一回確認のために話をしてくれ。」

「わかりました。」

そう言って受付の人話し始めた。

(なんか騒ぎが起きているようじゃの……。)

(聞いてみるか。)

少し距離を取りながら、聞き耳を立てる南吉。

「数日前、五階層近辺に大きな魔力を確認しました。ここではあまり問題はないと思っていたのですが……。」
「昨日、突如巨大な魔力へと変貌しました。その数十分後数階層上にも届く巨大な爆発によるものと思われる振動のあと、魔力反応は消えました。」

(なるほどのーー……。き、奇妙なことも、あったもんじゃの。)

(あ、ああ……そうだな……。)

二人共原因が自分たちにあると気づき、内心慌てながらおくびにも出さずに静観を決め込む。

「なるほどな……。」

そう言って思案するトルクさん。

(な、なんか嫌な予感がするんじゃ。静かに出ようかの……。)

(そ、そうだな……。)

そう言って静かーに出ようとしたところ、

「貴殿はどう思う?」

突然話しかけられた。

(やばい!!)

(む、むしのほうがまずいだろ……。)

そうマイクが言うので、ふりむきながら応える。

「はて……?なんの話が聞いておらんでの。」

「ハハハ。何をいう。聞き耳を立てていたのは知っているんだよ。」

「あ、バレていたんじゃの……。まあ奇っ怪なこともあるんじゃの。」

「そうだな。」

「あ、それじゃあわしここらへんで……。」

そういった瞬間、トルクさんが手に持っていた武器、槍をこちらに向かって勢いよくついてきた。

(なんじゃと!!?)

ここまでの強硬手段に出るとは思わず驚く。

(まあ、特に気にしなくていいだろう。攻撃に殺気がない。)

そうマイクが言うので信じて何も行動しない南吉。
その言葉を肯定するように、当たる一歩手前で攻撃を止めた。

「ふふふ。」

なにか面白いように笑うトルクさん。

「い、一体何をするんじゃ!!物騒な!!」

「トルクさん!!何してるんですか!!」

南吉は全く反応できませんでした、というように言葉を述べる。受付の人もそこに合わせてきた。

「あなたのその気迫なら、少なくとも反応自体はできたはず。わざとですね?」

(げっ!!バレとるわい!!)

南吉もないさん大慌てなのだが、表には出さずに処理する。

「トルクさん!他の人にこんな乱暴は見過ごせませんよ!!」

「いや、悪かったね。少し、闘技場を借りてもいいかな?」

受付の人が怒るも、気にしていないようです要求を述べる。

「???まさか、南吉さんと勝負するんですか?」

「そのまさかだよ。」

「南吉さん?大丈夫ですか?」

そう言ってはいるが、

(もしここでスルーしたらどうなるかの?)

(そうだな……。少なくともこの女性はそこそこの権力がありそうだからな……。それもまた面倒そうだ。)

(そうじゃの。ここはー、相手するしかないかの?)

(放置するとどう転ぶかわからんからな。)

そう判断し、肯定の意を示す。

「しょうがないわい。相手するしかなさそうじゃの。」

「それは良かった。」

そう言ってはあるきだすトルク。それについていく南吉。

「南吉さん!!無理しないでくださいよ!!」

そう心配してくれる受付さん。

「大丈夫じゃ。…実力では負けておるが、しぶとさだけはワシの自慢ジャからの。」

そう答える南吉。

こうして、どう転んでも面倒な戦いが始まろうとした。












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