東方 没義道録 妖々夢編

クレイ G

季節の変わり目

「【映姫】って誰だ?」妹紅が質問をする。
「え?」僕は妹紅の質問を直ぐに答えられなかった。
なぜなら僕は【映姫】なんて知らないからだ。
「そう言えばさっきリクが起きた時に叫んでたな。『映姫ーー!!!』て」魔理沙が僕の真似をする。
「僕が言っていたのか?」
「知らないのか?そうか、ならいいんだ」妹紅が話を終わらせる。
しばらく沈黙が続き、魔理沙が話し始める。
「まぁ、とりあえずリクが目覚めたことだし人里に行って飯でも食いに行こーぜ」
「そうだな、リクの覚醒祝いだ。今日は私の奢りでいいぞ」
「まじか!聞いたか霊夢、妹紅の奢りだぜ」
「そうね、リクのリハビリも兼ねて今日は食べに行きましょう」
「私も行く〜。リクとお食事だー」ルーミアもリクに抱きつき言う。
「それにしても随分とそいつに懐かれてるのな」魔理沙がルーミアを見る。
「そーなのかー」
「いや、お前に言ってねーよ」
「妹紅大丈夫?」
妹紅はルーミアを見つめる。
「ああ、構わない」
「やったー!妹紅大好き」ルーミアは妹紅に抱きつく。
「それじゃ行くか」魔理沙が言うとそれぞれ支度をする。
僕が布団から起き上がると霊夢に呼ばれる。
僕は霊夢の方に歩いていく。
「あなた冬服持ってないでしょ」
「え、持ってないけど」
「私が用意したからこれを着なさい」霊夢が服を渡してくる。
「ありがとう」僕はそれを受け取り自分の部屋で着替える。
霊夢から貰った服は以前僕が着ていた服とは違いとても暖かい。
白と黒の2色が目立つ大きな服。
足まで届きそうなくらい長いコートのような服。
服には簡単な装飾がされている。
着替えが済んで外に出ると霊夢達が待っていた。
外は雪で真っ白になっていた。
「すごい」僕は雪を手に取る。
すると雪は手の体温で温められ直ぐに溶けだした。
それを見て僕は感動した。
「それは雪よ」霊夢が説明してくれた。
僕は顔を上げ霊夢を見る。
「ごめん、おまたせ」
「あら、似合ってるじゃない」
「そーか、なんかリクのイメージと違うような気がするけどな」
「私は似合ってると思うぞ」
「そ〜なのか〜」
皆が意見を出し合っているところに[パシャリ]とシャッターを切る音が聞こえた。
そして1人の女が僕に話しかけてきた。
「いや〜ようやく会えました」その女はカメラを片手に持ってこちらに近寄ってくる。
「文、なんの用?」霊夢が言う。
「あやや、私との約束を忘れたんですか?」
「忘れてはないわよ。でも今日じゃなくてもいいじゃない。これから人里に行くんだけど」
「それはそれは、失礼しました。でも、質問は直ぐに終わるのでよろしいですかね」
「すぐならいいわよ」
「それでは質問させていただきますね」文はペンとメモ帳を取り出した。

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