東方 没義道録 妖々夢編

クレイ G

記憶の中に

 僕は気がつくと薄暗く汚い小さな部屋にいた。
手足首には錠が着いている。
服も薄い布切れ1枚しかない。
どこだっけここ。
部屋を見渡す。
目の前には牢屋の様に鉄格子がある。
鉄格子の1部は外から開けられるようだが鍵が掛かっている。
壁や床には赤黒い染みがいくつも着いている。
そして壁の上には小さな鉄格子がある。
通気口なのだろう。
その鉄格子を見ると何だか懐かしい気持ちになる。
何で懐かしく思うのだろう。
見たこともないないのに。
僕は鉄格子に近づこうとする。
しかし足に力が入らずそのまま倒れてしまう。
何でだ力が入らない。
そうだ!
霊夢と魔理沙を助けなきゃ。
鎖を触る。
鎖は錆びていてザラザラしている。
鎖を引っ張って外そうとする。
ダメだ外れない。
すると奥から声が聞こえてきた。
「全くあの野郎自分が偉いからって俺たちに命令しやがって、ふざけんじゃねぇ!!」男の声だ。
「本当だよな。【これ】使って気分晴らそうぜ」男が鉄格子の鍵を開ける。
何だこの男達は。
「全くここはいつも臭いな」
「確かに自分の汚物は自分で掃除してくださーい」男は僕の顔面目掛けて蹴りをかました。
「うわぁ、初めに顔面蹴るとか鬼畜だねー」男が僕の髪の毛を掴み地面に顔を叩きつける。
「お前も人の事言えねーよ」全員で僕を蹴ったり殴ったりする。
何で僕は殴られてるんだろ。
男達を見る。
「お前今俺たちを見ただろ。俺達を見るなんて生意気なんだよ!【忌み子】の癖に!」男が力いっぱい蹴りを顔面に当てる。
男の蹴りが僕の意識を刈り取った。
「こいつ気絶したぜ」
「まじかよ。もろすぎ」男達が爆笑する。
男達の笑い声が部屋中に響き渡る。
しかし、僕には届かない。
その時小さな通気口からこちらを見ている1人の少女が涙して去っていったのは誰も知らない。
 意識を失った僕は夢をみた。
そう、あの【箱】の夢だ。
《やっほーリクー》奥の方から手を振る女がいた。
マキちゃんだ。
《自分の【夢】が叶った感想はどうかな?》ニコニコしながら話しかけてくる。
何を言ってるんだ?
夢なんて叶ってないぞ。
《嘘だ〜リクはまだ気付いて無いだけだよ〜》
だって霊夢と魔理沙の所に行ってないぞ。
《じゃ、見せて上げるよリクが強くなった所を》マキちゃんが手を横にかざす。
すると大きなスクリーンが現れ映像が流れる。

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