名探偵の推理日記零〜哀情のブラッドジュエル〜
第3章 恐怖の"カグツチ" 5
「このホテルは高さ320m、地上70階で、日本にあるホテルの中で1番高いホテルなんですよ」
勉がエレベーターの操作盤の70と書かれたボタンを押す。
「まさか三重にこんなものが建つなんて夢みたいですね!!」
城ノ口は明るく弾んだ声で目を輝かせた。
仕事中の刑事というより、夏休みを利用して家族旅行に来た小学生のような目だった。
「宝石は70階からさらに階段で屋上に登らないと見れないんですよ。まぁ、屋上と言ってもドーム状になってますから、どこかから飛んできて宝石を盗むなんて不可能なんですけどね」
「でもそれだけなんだったら客に紛れて宝石を盗るっていうのもありえるんじゃないですか?」
圭介が噛み付くように質問する。
「大丈夫大丈夫。あの宝石の展示ケースは私の指紋がない限り、開かない仕組みになっていますから」
勉は笑いながら自分の人差し指をピンと立てた。
「まさに鉄壁の守りですね!!!」
城ノ口は先程と同様に目を輝かせる。
元々の彼を知らないが、普段からこんな調子なのであれば、部下も大変そうである。
「なんかあの刑事さん子どもっぽくない?」
亜美が小声で圭介に囁く。
「けどあんなに若いのに部下を従えてるってことはかなりすごい刑事ってことだよな」
圭介も城ノ口を横目に見ながら亜美に応える。
『チーン』
階数表示盤に70と表示され、身体中に強い浮遊感を感じると、エレベーターの扉がゆっくりと開いた。
両脇には客室へと続く廊下があり、目の前には屋上へと続く階段があった。
「ここはVIP専用の客室がある階で、この階段の先にある展望台に例の宝石が展示されています」
先にエレベーターを降りた勉が、扉を押さえながら階段を指差す。
階段にはレッドカーペットが敷かれており、その先には淡い光に照らされた重々しい観音開きの扉が待ち構えていた。
「すごい豪華だね!!」
亜美が興奮した様子で階段を見上げる。
「この先には赤澤財閥ご自慢の血の宝石が展示されてるんだ。これくらいして当然だろ」
鳥羽が腕を組んで亜美を見ると、ニヤリと笑った。
「クロウが盗みに入るとしたらこの階段を通る以外考えられませんよね?」
城ノ口が急に刑事らしく勉に質問する。
「はい。ただ、ここは常時監視カメラが作動してますから、もし盗みに入られてもすぐに捕まえられるでしょうね」
勉は自信満々といった様子で、満面の笑みを浮かべた。
勉がエレベーターの操作盤の70と書かれたボタンを押す。
「まさか三重にこんなものが建つなんて夢みたいですね!!」
城ノ口は明るく弾んだ声で目を輝かせた。
仕事中の刑事というより、夏休みを利用して家族旅行に来た小学生のような目だった。
「宝石は70階からさらに階段で屋上に登らないと見れないんですよ。まぁ、屋上と言ってもドーム状になってますから、どこかから飛んできて宝石を盗むなんて不可能なんですけどね」
「でもそれだけなんだったら客に紛れて宝石を盗るっていうのもありえるんじゃないですか?」
圭介が噛み付くように質問する。
「大丈夫大丈夫。あの宝石の展示ケースは私の指紋がない限り、開かない仕組みになっていますから」
勉は笑いながら自分の人差し指をピンと立てた。
「まさに鉄壁の守りですね!!!」
城ノ口は先程と同様に目を輝かせる。
元々の彼を知らないが、普段からこんな調子なのであれば、部下も大変そうである。
「なんかあの刑事さん子どもっぽくない?」
亜美が小声で圭介に囁く。
「けどあんなに若いのに部下を従えてるってことはかなりすごい刑事ってことだよな」
圭介も城ノ口を横目に見ながら亜美に応える。
『チーン』
階数表示盤に70と表示され、身体中に強い浮遊感を感じると、エレベーターの扉がゆっくりと開いた。
両脇には客室へと続く廊下があり、目の前には屋上へと続く階段があった。
「ここはVIP専用の客室がある階で、この階段の先にある展望台に例の宝石が展示されています」
先にエレベーターを降りた勉が、扉を押さえながら階段を指差す。
階段にはレッドカーペットが敷かれており、その先には淡い光に照らされた重々しい観音開きの扉が待ち構えていた。
「すごい豪華だね!!」
亜美が興奮した様子で階段を見上げる。
「この先には赤澤財閥ご自慢の血の宝石が展示されてるんだ。これくらいして当然だろ」
鳥羽が腕を組んで亜美を見ると、ニヤリと笑った。
「クロウが盗みに入るとしたらこの階段を通る以外考えられませんよね?」
城ノ口が急に刑事らしく勉に質問する。
「はい。ただ、ここは常時監視カメラが作動してますから、もし盗みに入られてもすぐに捕まえられるでしょうね」
勉は自信満々といった様子で、満面の笑みを浮かべた。
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