名探偵の推理日記零〜哀情のブラッドジュエル〜
第3章 恐怖の"カグツチ" 2
7月23日午後4時41分。
圭介達3人は神志山駅の前に呆然と立ち尽くしていた。
品川駅からここ神志山駅まで約6時間。ほぼ座っているだけではあったが、その疲労は計り知れないものであった。
セミの鳴き声も朝に比べて大人しくなり、束の間の涼しさを感じられた。
「迎えのパトカーが来るって言ってたんだが、遅いなぁ」
鳥羽が腕時計を見て呟く。
その直後、猛スピードで飛ばしたパトカーが3人の前に停車した。
「いやー、お待たせしました。僕の準備が少し手間取ってしまいまして……」
爽やかな笑顔でパトカーの助手席から降りてきたのは、鳥羽よりもひとまわりは下と思われる刑事だった。
「いやいや、全然大丈夫ですよ」
鳥羽はさっきのしかめっ面は何処へやらと言った感じの笑顔で刑事に応えた。
「申し遅れました。私三重県警刑事部捜査一課の城ノ口と申します。天下の警視庁の警部殿とご一緒させていただけて光栄です」
城ノ口はニカっと笑い、敬礼して見せた。
「俺は警視庁刑事部捜査一課の鳥羽だ。でこっちが付き添いの圭介と亜美。よろしくな」
「よろしくお願いします」
亜美は少し緊張した面持ちで軽く頭を下げた。
「それよりどうしたんですか?その右手」
圭介は先程から気になっていた疑問を城ノ口に投げかけた。
「あぁ、これかい?」
城ノ口ははにかみながら、包帯が巻かれた右手を挙げた。
「実は昨日VRのゲームをやっていたら壁に思いっきり手をぶつけてしまってね。骨折しちゃったんだよ」
「だから助手席に座ってたってわけか……」
鳥羽が呆れ顔で城ノ口を見る。
「はい。これじゃあ考え事をする時のタバコが吸えないんですよ」
城ノ口は顔を赤くして応えた。
「そ、それより例のホテルここから近いですから、早速行きましょうか」
城ノ口は後部座席の扉を開けると、3人を促した。
3人が乗り込んだのを確認して、ドアを閉めると、城ノ口は反対側に回り込み助手席に腰を下ろした。
圭介達3人は神志山駅の前に呆然と立ち尽くしていた。
品川駅からここ神志山駅まで約6時間。ほぼ座っているだけではあったが、その疲労は計り知れないものであった。
セミの鳴き声も朝に比べて大人しくなり、束の間の涼しさを感じられた。
「迎えのパトカーが来るって言ってたんだが、遅いなぁ」
鳥羽が腕時計を見て呟く。
その直後、猛スピードで飛ばしたパトカーが3人の前に停車した。
「いやー、お待たせしました。僕の準備が少し手間取ってしまいまして……」
爽やかな笑顔でパトカーの助手席から降りてきたのは、鳥羽よりもひとまわりは下と思われる刑事だった。
「いやいや、全然大丈夫ですよ」
鳥羽はさっきのしかめっ面は何処へやらと言った感じの笑顔で刑事に応えた。
「申し遅れました。私三重県警刑事部捜査一課の城ノ口と申します。天下の警視庁の警部殿とご一緒させていただけて光栄です」
城ノ口はニカっと笑い、敬礼して見せた。
「俺は警視庁刑事部捜査一課の鳥羽だ。でこっちが付き添いの圭介と亜美。よろしくな」
「よろしくお願いします」
亜美は少し緊張した面持ちで軽く頭を下げた。
「それよりどうしたんですか?その右手」
圭介は先程から気になっていた疑問を城ノ口に投げかけた。
「あぁ、これかい?」
城ノ口ははにかみながら、包帯が巻かれた右手を挙げた。
「実は昨日VRのゲームをやっていたら壁に思いっきり手をぶつけてしまってね。骨折しちゃったんだよ」
「だから助手席に座ってたってわけか……」
鳥羽が呆れ顔で城ノ口を見る。
「はい。これじゃあ考え事をする時のタバコが吸えないんですよ」
城ノ口は顔を赤くして応えた。
「そ、それより例のホテルここから近いですから、早速行きましょうか」
城ノ口は後部座席の扉を開けると、3人を促した。
3人が乗り込んだのを確認して、ドアを閉めると、城ノ口は反対側に回り込み助手席に腰を下ろした。
「名探偵の推理日記零〜哀情のブラッドジュエル〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
雨模様の終礼、隠されたスピリット
-
4
-
-
悪意のTA
-
12
-
-
一等星の再来、始まりのラビリンス
-
3
-
-
真夜中の約束、君からのオブコニカ
-
2
-
-
わがまま娘はやんごとない!~年下の天才少女と謎を解いてたら、いつの間にか囲われてたんですけど~
-
143
-
-
こんなふざけた裁判に弁護士なんていらない!
-
1
-
-
夕闇の研究所
-
3
-
-
救出ゲーム
-
5
-
-
嘘
-
1
-
-
引きこもりと探偵の事件簿
-
3
-
-
ピエロ
-
3
-
-
暇な日常にスパイスを
-
1
-
-
拝啓、100年後の世界へ
-
5
-
-
さよならの別れを君に
-
2
-
-
名探偵の推理日記〜囚人たちの怨念〜
-
30
-
-
月輝く夜に、あなたと
-
6
-
-
暗闇に溺れる夏の夜
-
2
-
-
悪魔の指揮者
-
1
-
-
俺は異世界でも探偵として生きていく
-
5
-
-
プロダクションドリーム!
-
1
-
コメント