コピー使いの異世界探検記
第278話 完璧の璧は玉の璧
『いつどんな時代でも、勝ちを確信した相手が返って圧倒され、絶望する様は最高だ。お前達は剣の達人なのだろう。それが敗北の苦渋を飲まされ歪む、これこそ私が欲したもの。さあ私のこの渇き、君達の絶望の顔で潤してくれたまえ』
「そんなに喉が渇いたなら、これでもどうですか!《メガ・ウォーター》!」
「おまけにタマ薬飲んどけぇ!《アルデ・ガトリング》!」
「おつまみ付きじゃ!たっぷり味わえ!」
二人を解放すべく、アリーナ達は攻撃を叩き込む。しかし、ナルシエルは肩の機械から盾を展開し、その攻撃を全て防いだ。それだけではなく、捕らえた二人を前に出し、次の攻撃に備えていたアリーナ達を黙らせる。
「くっ!テメェ、汚ねぇぞ!」
「オニキスさんを人質に取って、そのイケメン顔に傷付いたらどうするんですか!」
『イケメン?君達の感性はよくわからないが、情の存在は私でも理解している。君達のような仲間というのは、こうすれば動けなくなる。そうだろう?』
「こやつ……」
卑怯な奴め。ああそうだ図星だよ。心の中でノエルは呟く。仲間諸共殺す事だって、簡単と言えば簡単だ。しかしだからといって、はいわかりましたと殺せるわけがない。人質が仲間じゃなかったとしても同じだ。
ナルシエルは、彼らが攻撃してこない人間とわかって、こうして人質を取ったのだ。しかも最低なことに、相手は自称完璧ロボット。人間の強盗とは話が違う。正確に人質を動かして、攻撃を当てさせる。
「ああもうイライラしてきたぁ!我慢ならねぇ、アタシは人質が居ても気にしねぇッ!!」
対処法を考えていると、なんとアリーナは一人突っ走ってタルバズーカを構えてしまった。
まずいと思いメアとノエルが止めに走るも、アリーナの暴走は止まらなかった。
「ダメじゃアリーナ!このままでは──」
「往生せいやぁぁぁ!!どっ、かーーーーんッ!!」
『フン、そんな単発武器、軌道を読むことなど容易いわ』
ナルシエルはアリーナの自暴自棄を鼻で笑い、オニキスと吾郎を目の前に持ってくる。このままでは、本当に二人に命中してしまう。
と思ったその時、なんとバズーカ砲は急に進路を変更し、上空に飛び上がった。そして、バーンッ!と大きな花火を夜空に咲かせた。
「……え?」
『……これは予想していなかった。しかし、じきに君達全員はあの花火のようになる。さあ、来るのですか?それとも卑劣なネズミのように逃げ回りますか?』
「人質取るようなクソ天使に言われたかねえけどなぁ。メア、ノエル、やっちゃうぞ!」
「了解じゃ!って、ええ!?」
「来やがれクソガキ共!俺を殺す気でやれ!」
突然何を言い出すんだ。アリーナもオニキスも、殺す気でやれなんて言われても……
しかし、アリーナは本気だ。しかも、ノエルまで魔力を溜めている。ノエルに関しては、多分何も考えていない。せいぜい殺す気でやれと言われたからやる、それだけだろう。ならば妾も、ここでナイフを抜かねば無作法というもの!
メアも2人の策を信じ、ナイフを投げた。
銃が乱射され、水魔法が放たれる。その中に、何本ものナイフが混ざり合う。
『愚かだ。理解するに値しない』
「それがどうしたぁぁぁぁぁ!!」
いくつかの攻撃はオニキスや吾郎にも被弾するが、それでも攻撃をやめない。すると、2人の盾だけでは対処しきれなくなったのか、ナルシエル自身も触手を伸ばして攻撃を弾く。
とその時、ナルシエルの背後目掛けて、光の弾が飛んできた。
実はあの時の花火、あれはフェイクだったのだ。あの花火の中に、遅れて敵に命中するよう設計された特殊ミサイルが隠されていたのだ。そして、それを予知されないよう、アリーナはあえて攻撃するように指示を出したのである。
だが、ここで叫んではバレてしまう。アリーナ達はあえてそれが見えないフリをして、攻撃を続ける。
そして、やっと命中すると思ったその瞬間────
バゴーン!
「嘘……だろ……」
『君達の表情、何かあると思えばやはりこう言うことか』
なんとナルシエルは振り返り、触手でミサイルを弾いてしまった。
『これでわかっただろう?君達は私に勝てない。大人しく若返り、無力のまま死ぬがよ──』
「調子乗んな変態野郎がぁぁぁぁ!!」
しかし、ナルシエルが再びアリーナ達に顔を向けた時、なんと杖を持っていたはずのノエルが飛びかかってきた。
一瞬の出来事に対処できなかったナルシエルの顔面に、ノエルの鋼よりも硬い拳が炸裂した。その衝撃で触手の機能が停止し、吾郎とオニキスが解放された。
「ったく、お前ら無茶しすぎだな」
『き、きき、きさマら……一体何故だだだだ……』
「へっへーん、ざまあねぇなクソ天使!」
「まさかノエル殿が拳も強いとは、予測できなかったようだな」
理解が追いつかずバグが発生したナルシエルは、取り乱しながらも周囲の状況を確認する。そこには、ノエルの使っていた杖が投げ捨てられていた。
──まさかあの一瞬、私がミサイルを追撃したあの瞬間に。馬鹿な、馬鹿な馬鹿な馬鹿な!たしかに、あんなナヨナヨしたネコ女が拳も使える武闘家だとは思わなかった。しかしそれでも、動きを察知することはできた。それなのに、レーダーにも反応が無かった。とどのつまり、爆発を感知してレーダーが真っ白になった一瞬に、私の顔に飛び込んだと言うのか?
理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能、ERROR!ERROR!
その瞬間、ナルシエルの冷静さを抑えるネジが爆発した。
『時間などどうだっていい!私は全知全能の神、次なるゼウスとなる存在なのだ!いや、既に私はゼウス、ゼウスそのものなのだ!』
「……なんだコイツ、頭のネジ飛んだか?」
「それが何じゃ!ノエルの拳が入った今じゃ、やっちゃうのじゃ!」
冷静心を失ったナルシエルは、正確性などを忘れ、アリーナ達に突撃した。その攻撃は当たればいいような大雑把なもので、見境なく全てを切り裂いた。
そして、緑色のビームも全方位に照射した。
「そんなに喉が渇いたなら、これでもどうですか!《メガ・ウォーター》!」
「おまけにタマ薬飲んどけぇ!《アルデ・ガトリング》!」
「おつまみ付きじゃ!たっぷり味わえ!」
二人を解放すべく、アリーナ達は攻撃を叩き込む。しかし、ナルシエルは肩の機械から盾を展開し、その攻撃を全て防いだ。それだけではなく、捕らえた二人を前に出し、次の攻撃に備えていたアリーナ達を黙らせる。
「くっ!テメェ、汚ねぇぞ!」
「オニキスさんを人質に取って、そのイケメン顔に傷付いたらどうするんですか!」
『イケメン?君達の感性はよくわからないが、情の存在は私でも理解している。君達のような仲間というのは、こうすれば動けなくなる。そうだろう?』
「こやつ……」
卑怯な奴め。ああそうだ図星だよ。心の中でノエルは呟く。仲間諸共殺す事だって、簡単と言えば簡単だ。しかしだからといって、はいわかりましたと殺せるわけがない。人質が仲間じゃなかったとしても同じだ。
ナルシエルは、彼らが攻撃してこない人間とわかって、こうして人質を取ったのだ。しかも最低なことに、相手は自称完璧ロボット。人間の強盗とは話が違う。正確に人質を動かして、攻撃を当てさせる。
「ああもうイライラしてきたぁ!我慢ならねぇ、アタシは人質が居ても気にしねぇッ!!」
対処法を考えていると、なんとアリーナは一人突っ走ってタルバズーカを構えてしまった。
まずいと思いメアとノエルが止めに走るも、アリーナの暴走は止まらなかった。
「ダメじゃアリーナ!このままでは──」
「往生せいやぁぁぁ!!どっ、かーーーーんッ!!」
『フン、そんな単発武器、軌道を読むことなど容易いわ』
ナルシエルはアリーナの自暴自棄を鼻で笑い、オニキスと吾郎を目の前に持ってくる。このままでは、本当に二人に命中してしまう。
と思ったその時、なんとバズーカ砲は急に進路を変更し、上空に飛び上がった。そして、バーンッ!と大きな花火を夜空に咲かせた。
「……え?」
『……これは予想していなかった。しかし、じきに君達全員はあの花火のようになる。さあ、来るのですか?それとも卑劣なネズミのように逃げ回りますか?』
「人質取るようなクソ天使に言われたかねえけどなぁ。メア、ノエル、やっちゃうぞ!」
「了解じゃ!って、ええ!?」
「来やがれクソガキ共!俺を殺す気でやれ!」
突然何を言い出すんだ。アリーナもオニキスも、殺す気でやれなんて言われても……
しかし、アリーナは本気だ。しかも、ノエルまで魔力を溜めている。ノエルに関しては、多分何も考えていない。せいぜい殺す気でやれと言われたからやる、それだけだろう。ならば妾も、ここでナイフを抜かねば無作法というもの!
メアも2人の策を信じ、ナイフを投げた。
銃が乱射され、水魔法が放たれる。その中に、何本ものナイフが混ざり合う。
『愚かだ。理解するに値しない』
「それがどうしたぁぁぁぁぁ!!」
いくつかの攻撃はオニキスや吾郎にも被弾するが、それでも攻撃をやめない。すると、2人の盾だけでは対処しきれなくなったのか、ナルシエル自身も触手を伸ばして攻撃を弾く。
とその時、ナルシエルの背後目掛けて、光の弾が飛んできた。
実はあの時の花火、あれはフェイクだったのだ。あの花火の中に、遅れて敵に命中するよう設計された特殊ミサイルが隠されていたのだ。そして、それを予知されないよう、アリーナはあえて攻撃するように指示を出したのである。
だが、ここで叫んではバレてしまう。アリーナ達はあえてそれが見えないフリをして、攻撃を続ける。
そして、やっと命中すると思ったその瞬間────
バゴーン!
「嘘……だろ……」
『君達の表情、何かあると思えばやはりこう言うことか』
なんとナルシエルは振り返り、触手でミサイルを弾いてしまった。
『これでわかっただろう?君達は私に勝てない。大人しく若返り、無力のまま死ぬがよ──』
「調子乗んな変態野郎がぁぁぁぁ!!」
しかし、ナルシエルが再びアリーナ達に顔を向けた時、なんと杖を持っていたはずのノエルが飛びかかってきた。
一瞬の出来事に対処できなかったナルシエルの顔面に、ノエルの鋼よりも硬い拳が炸裂した。その衝撃で触手の機能が停止し、吾郎とオニキスが解放された。
「ったく、お前ら無茶しすぎだな」
『き、きき、きさマら……一体何故だだだだ……』
「へっへーん、ざまあねぇなクソ天使!」
「まさかノエル殿が拳も強いとは、予測できなかったようだな」
理解が追いつかずバグが発生したナルシエルは、取り乱しながらも周囲の状況を確認する。そこには、ノエルの使っていた杖が投げ捨てられていた。
──まさかあの一瞬、私がミサイルを追撃したあの瞬間に。馬鹿な、馬鹿な馬鹿な馬鹿な!たしかに、あんなナヨナヨしたネコ女が拳も使える武闘家だとは思わなかった。しかしそれでも、動きを察知することはできた。それなのに、レーダーにも反応が無かった。とどのつまり、爆発を感知してレーダーが真っ白になった一瞬に、私の顔に飛び込んだと言うのか?
理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能、ERROR!ERROR!
その瞬間、ナルシエルの冷静さを抑えるネジが爆発した。
『時間などどうだっていい!私は全知全能の神、次なるゼウスとなる存在なのだ!いや、既に私はゼウス、ゼウスそのものなのだ!』
「……なんだコイツ、頭のネジ飛んだか?」
「それが何じゃ!ノエルの拳が入った今じゃ、やっちゃうのじゃ!」
冷静心を失ったナルシエルは、正確性などを忘れ、アリーナ達に突撃した。その攻撃は当たればいいような大雑把なもので、見境なく全てを切り裂いた。
そして、緑色のビームも全方位に照射した。
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