コピー使いの異世界探検記
第198話 破壊の使徒
『おらぁ!腹立たしい!タナカトスめ、よくも俺様をあんな狭苦しい玉っころに封じ込めやがったな!腹いせにキサマが繁栄させたこのクソみてーな国、ぶっ壊してやる!』
火の海と化した居住区の中、全長約9メートルを超える巨人が棘まみれの棍棒を振り回し、感情に任せて家を破壊する。顔にはナマハゲや赤鬼などを思わせる仮面を被り、首には猿の頭蓋骨で作ったネックレスと虎柄のパンツを履いていた。
その絵に描いたような鬼の姿に、駆け付けたリュウヤはあんぐりと口を開けて驚いた。
「な、何ですかアレは!二階建ての家くらいありますよ」
「本で見たことしかないが、オーガとよく似ている」
「にしても虎のパンツなんて、懐かしいじゃあないかオイ」
口々に言っていると、鬼はリュウヤ達に気付き、雄叫びを上げた。
『貴様らぁ!この俺様が何者と知って立ちはだかる!腹立たしい奴め!』
「知りませんよ!そんなにイライラして、ハゲますよ?」
「それにシワも増えて、余計に老けてしまうでござる」
『黙れ雑魚共め!ああ忌々しい!オーブに封印されたあの日の事が昨日のように思える!貴様らのせいで!タナカトスめ、タナカトスめ、タナカトスめぇ!』
突然思い出して怒りだした鬼は、また手当たり次第に周りを破壊し、剥がした屋根をリュウヤ達に投げつけた。しかし、動きを簡単に読めたため、デンジのデンジバスターで撃ち落とされてしまった。
すると、撃ち落とされたことに腹を立てた鬼は、また咆哮をあげて暴れ出した。
「まずいな。コイツは何をしても怒るぞ」
『よく聞け貴様ら!我が名は憤怒のマドラー!罪源の仮面にして、煉獄の錬金術師なるぞ!』
「っ!皆避けろ、来るぞ!」
リュウヤが叫ぶと同時に、重たい棍棒が振り下ろされた。凄まじいその一撃は、周囲に地ならしを発生させ、舗装された道に穴を開けた。もしこんなものをモロに食らえば、例えリュウヤの不思議な耐久力を持ってしても助からないだろう。
自然と男女で分かれてしまったが、今となってはこんな危険な奴を女子達に任せる事はできないと思える。
「覚悟!はぁっ!」
「食らえ、デンジバスター!」
「凍っちゃえ!《メガ・フリズ》!」
避けた3人はツバメのように旋回し、足や胴体に攻撃を当てた。身体が大きく攻撃もパワー型であるため、比較的攻撃が当てやすい。しかし、身体の大きさは耐久力の高さも比例する。その証拠に、ラスターを怯ませたデンジバスターも、吾郎の太刀も、ノエルの氷魔法も全く効いていなかった。
『その程度か?弱々しい奴め!《ギガ・フレア》!』
唱えるとマドラーは棍棒を地面に突き立て、炎の魔力を棍棒に流し込んだ。
すると、そこから半径3メートル付近でマグマのように燃え盛る火柱が上がり、辺りを完全な焦土へと作り替えた。
「おいおい、冗談キツイぜ」
──一方その頃、城下町付近の様子はと言うと……
『ヒャーッハー!久々のシャバの空気、ヤりがいのあるイイ女、美味そうな飯!どれもこれも、見ねぇ間にすんげーユートピアになってんじゃあねぇの!』
パリピを思わせるような奇声を上げ、九尾狐のような魔物がメイドの女を摘み上げている。ドワーフのように長く伸びた耳が付いたペストマスクを被っているその姿は、まさに悪魔のようだった。
しかしその時、メイドを摘む爪にナイフを投げつけられ、丁度摘んでいた服が破けてしまった。
『はぅあ!?俺様の女が、どこ行きやがったぁ!』
「それなら妾達が逃しておいた。詰めの甘い奴め」
「せやせや!一昨日きやがれって奴やで!」
『お?何だ小娘共、女四人揃って……って、アンタら!』
四人が駆けつけた時、狐は彼女達の顔を見てマスクの中のギョロリとした眼を見開いた。
現在の彼のフィルターには、彼女達の姿に華が咲き誇っていた。ここ2000年の間に、当時の美女をも超える美人がここに四人も揃っているじゃあないか!きっとマドラーの野郎は今も怒りに任せて武器振ってるだろうが、こんな素晴らしい国をぶっ壊すなんてとんでもない。
『うっひょー!すんげぇ美人の勢揃いじゃあないか!姫様に異国の女に獣人のロリっ娘、そんでもってボンキュッボンの女!コイツぁ、オレっちを解放した小僧とタナカトスに感謝しねぇと!サンキュータナカトス!』
「何言ってんだコイツ?うるさすぎて耳が腐りそうだぜ」
『耳かっぽじってよーく聴きやがれ!オレっちの名前は強欲のグリス!罪源の仮面が一にして、黄金の錬金術師だった超絶イケメンぞ!』
グリスは名乗った後、ギャハハハハ!と無邪気に大笑いしながら両手を地面に叩きつけ、周りを黄金の塊に変換させた。しかもおまけと言わんばかりに、輝きに輝きまくっている。
これから本格的な夜が始まろうとしているのに、これじゃあ眩しすぎて却って目が覚めてしまいそうだ。
「そうだ、黄色のオーブの能力は人の欲しいと思うものを生み出す力。だから国も、黄金になったでありんすね」
「とにかく、やらなきゃ妾達も黄金像にされて奴のお人形になる。行くぞ!」
火の海と化した居住区の中、全長約9メートルを超える巨人が棘まみれの棍棒を振り回し、感情に任せて家を破壊する。顔にはナマハゲや赤鬼などを思わせる仮面を被り、首には猿の頭蓋骨で作ったネックレスと虎柄のパンツを履いていた。
その絵に描いたような鬼の姿に、駆け付けたリュウヤはあんぐりと口を開けて驚いた。
「な、何ですかアレは!二階建ての家くらいありますよ」
「本で見たことしかないが、オーガとよく似ている」
「にしても虎のパンツなんて、懐かしいじゃあないかオイ」
口々に言っていると、鬼はリュウヤ達に気付き、雄叫びを上げた。
『貴様らぁ!この俺様が何者と知って立ちはだかる!腹立たしい奴め!』
「知りませんよ!そんなにイライラして、ハゲますよ?」
「それにシワも増えて、余計に老けてしまうでござる」
『黙れ雑魚共め!ああ忌々しい!オーブに封印されたあの日の事が昨日のように思える!貴様らのせいで!タナカトスめ、タナカトスめ、タナカトスめぇ!』
突然思い出して怒りだした鬼は、また手当たり次第に周りを破壊し、剥がした屋根をリュウヤ達に投げつけた。しかし、動きを簡単に読めたため、デンジのデンジバスターで撃ち落とされてしまった。
すると、撃ち落とされたことに腹を立てた鬼は、また咆哮をあげて暴れ出した。
「まずいな。コイツは何をしても怒るぞ」
『よく聞け貴様ら!我が名は憤怒のマドラー!罪源の仮面にして、煉獄の錬金術師なるぞ!』
「っ!皆避けろ、来るぞ!」
リュウヤが叫ぶと同時に、重たい棍棒が振り下ろされた。凄まじいその一撃は、周囲に地ならしを発生させ、舗装された道に穴を開けた。もしこんなものをモロに食らえば、例えリュウヤの不思議な耐久力を持ってしても助からないだろう。
自然と男女で分かれてしまったが、今となってはこんな危険な奴を女子達に任せる事はできないと思える。
「覚悟!はぁっ!」
「食らえ、デンジバスター!」
「凍っちゃえ!《メガ・フリズ》!」
避けた3人はツバメのように旋回し、足や胴体に攻撃を当てた。身体が大きく攻撃もパワー型であるため、比較的攻撃が当てやすい。しかし、身体の大きさは耐久力の高さも比例する。その証拠に、ラスターを怯ませたデンジバスターも、吾郎の太刀も、ノエルの氷魔法も全く効いていなかった。
『その程度か?弱々しい奴め!《ギガ・フレア》!』
唱えるとマドラーは棍棒を地面に突き立て、炎の魔力を棍棒に流し込んだ。
すると、そこから半径3メートル付近でマグマのように燃え盛る火柱が上がり、辺りを完全な焦土へと作り替えた。
「おいおい、冗談キツイぜ」
──一方その頃、城下町付近の様子はと言うと……
『ヒャーッハー!久々のシャバの空気、ヤりがいのあるイイ女、美味そうな飯!どれもこれも、見ねぇ間にすんげーユートピアになってんじゃあねぇの!』
パリピを思わせるような奇声を上げ、九尾狐のような魔物がメイドの女を摘み上げている。ドワーフのように長く伸びた耳が付いたペストマスクを被っているその姿は、まさに悪魔のようだった。
しかしその時、メイドを摘む爪にナイフを投げつけられ、丁度摘んでいた服が破けてしまった。
『はぅあ!?俺様の女が、どこ行きやがったぁ!』
「それなら妾達が逃しておいた。詰めの甘い奴め」
「せやせや!一昨日きやがれって奴やで!」
『お?何だ小娘共、女四人揃って……って、アンタら!』
四人が駆けつけた時、狐は彼女達の顔を見てマスクの中のギョロリとした眼を見開いた。
現在の彼のフィルターには、彼女達の姿に華が咲き誇っていた。ここ2000年の間に、当時の美女をも超える美人がここに四人も揃っているじゃあないか!きっとマドラーの野郎は今も怒りに任せて武器振ってるだろうが、こんな素晴らしい国をぶっ壊すなんてとんでもない。
『うっひょー!すんげぇ美人の勢揃いじゃあないか!姫様に異国の女に獣人のロリっ娘、そんでもってボンキュッボンの女!コイツぁ、オレっちを解放した小僧とタナカトスに感謝しねぇと!サンキュータナカトス!』
「何言ってんだコイツ?うるさすぎて耳が腐りそうだぜ」
『耳かっぽじってよーく聴きやがれ!オレっちの名前は強欲のグリス!罪源の仮面が一にして、黄金の錬金術師だった超絶イケメンぞ!』
グリスは名乗った後、ギャハハハハ!と無邪気に大笑いしながら両手を地面に叩きつけ、周りを黄金の塊に変換させた。しかもおまけと言わんばかりに、輝きに輝きまくっている。
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