コピー使いの異世界探検記
第197話 復讐の死神
「復讐の死神だ!」
オニキスは鬼のような形相でこちらを睨みつけ、火傷しそうな熱量の瘴気を放った。その瘴気により、タクマ達は吹き飛ばされそうになる。
「復讐にしたって、こんな盛大にやるとは。アンタなかなかやるじゃあないの」
「お前様、感心しちゃダメでありんしょうよ!」
「そうだぞリョウマ!おりょうの言う通り、あんなヤベー奴持ち上げんなって」
ピリピリとした状況を緩和させようと冗談を言ったつもりが、判断が間違っていたが故に、おタツとアリーナに殴られた。
しかも、全く緩和すらされておらず、オニキスはじりじりと近付いてくる。
するとその時、目の前にナノが立ち塞がり、ハンマーを構えて睨みつけた。
「ナノ殿!何をしているでござる!」
「アンタ、ホンマにアナザーなんか?レンブおじさんを殺した、張本人なんか?」
「ナノ……お前……」
ナノは泣きじゃくった声でオニキスに訊いた。けど今この状態では、最悪ナノが死んでしまう。そう思い止めに入ろうとした時、オニキスは突然壊れたように笑い出した。
その笑い声には、何の感情も込められていなかった。この世の全てがどうでもよくなったような、誰も止められないような危険人物のそれに似た、恐怖の笑い声だった。そして、笑い終えたと思うと、オニキスは「あぁ、俺がアナザーだ!」と返答し、ナノの腹を殴った。
「それだけじゃあねぇ!今の俺は、αをも超えた!国だけじゃなく、この世界諸共ぶっ壊せる!」
「世界じゃと!?お主、正気か!」
「ハッ!これで正気じゃなかったら何だってんだ?おい、何だってんだよタヌキ娘ェ!」
振り向いた瞬間、オニキスはメアの前に現れ、彼女の胸ぐらを掴んだ。急いでそれを振り払おうとノエルが攻撃するが、呆気なく投げ飛ばされ、可愛らしい服に破られた跡ができた。
オニキスの怒りは、もう既に世界全体にまで広がっていたのだ。目に映るもの全てを破壊しなければ気が済まない、一種の猛獣のように、暴れる限りを尽くしている。
「ノエちゃん!メアちゃん!おい、しっかりしてくれよ!」
「ナノ!しっかりするのだ!」
「オニキス!女の子相手にこんな事して、お前はそんな奴じゃなかっただろ!」
仲間を傷つけられた怒りで、タクマは早速斬りかかった。だがオニキスは剣を見切っているのか、簡単に攻撃を防いだ。
「タクマ、其奴はもう人ではない。化け物じゃ……」
「気持ちは分からんでもないけど、まともに戦ったらタクローお前、分かってんのか!?」
メア達の言葉を背中に受けてもなお、タクマは攻撃の手を緩めなかった。だが、死の重いリスクを背負っている事はタクマ自身分かっていた。だが、タクマは必死で攻撃を続けた。
何度剣を振っても、弾き返される。もはや攻撃を防ぐので手一杯だ。
「この俺と互角でやり合うとはなぁ。面白い、ならコレはどうだ!」
するとオニキスは、衛星のように飛び回るオーブを斬りつけ、中に封印されていた罪源の仮面を解放した。
二つは赤と金の煙を放ち、赤は居住区、金は城下付近へと飛んで行った。
「何でござるか!オニキス、お主何をした!」
「いいのか?オレに構ってると、その間に罪源の野郎が破壊の限りを尽くすぜ?」
「皆!オニキスは俺が止める!だから罪源は、みんなに任せた!」
タクマはオニキスの攻撃を弾きつつ、仲間達に伝えた。しかし、誰も動こうとはしなかった。それもそうだ。こんな危険人物を仲間一人に任せる訳には行かない。
しかしその時、リュウヤは「分かった」と応えて赤い煙の向かった先へと走った。
「リュウヤさん、何してるんですか!」
「親友の頼みとあらば、俺は火の中水の中、あのコのスカートの中だってくぐり抜けてやらぁ!」
「リュウヤ君……?」
「何言っておるんやリューくん?」
「まさかアンタら、忘れた訳じゃあねぇよな?運が味方したとはいえ、タクマは一度オニキスに勝ってんだ!それ信用しねぇでどうするよ!」
──そうでござる。タクマはアコンダリアでオニキスと互角の勝負をした。そして今も、対等にやり合っている。それにこのままここでオニキスの倒れる所を待っていても、復活した罪源の仮面を放置していては結果は変わらない。
リュウヤの言葉に心を動かされた吾朗は、ほっほっほと笑い、デンジとノエルに声をかけた。
「ノエル殿、デンジ殿。ここは一つ、リュウヤ殿の案に乗って男四人、あのコのスカートの中を潜ろうではないか!」
「ちょっと吾朗爺、何変な事をいってるでありんすか!」
「せめてやるなら、ノエルのスカートだけにしておくのじゃぞ?」
悪ノリが過ぎて女子達に引かれてしまったが、メアもしれっと呟くように言った。リュウヤならまだしも、吾朗のようなお爺ちゃんが言っていては案件になりかねない。
「え、私!?で、でも吾朗さんなら見せても……」
「あーこらこら。それより早く行かないと街がめちゃくちゃにされてしまうぞ!」
「おう!とにかくタクマ!必ず生きて、皆で日の出見るって約束だかんな!信頼してるぜ!」
リュウヤは最後に約束を交わし、他3人と共に赤の罪源討伐へと向かった。そして、彼らの行動を見たメア達も、おタツ、ナノ、アリーナで団結し、拳を合わせた。
「タクロー、コイツは全部アタシのせいだ。だからお詫びに、もし生きてたらすんげープレゼントやる。絶対死ぬなよー!」
「腹立たしい!俺から全てを奪っておきながら絆を見せつけやがって!」
「ぐっ!アリーナ、楽しみにしてる。だから皆も、無理しないでくれ」
「っ……。このままでは奴を逆上させるだけじゃ。皆、行くぞ!」
こうして、メア達四人は黄色の煙を追って城下町方面へと向かった。
オニキスは鬼のような形相でこちらを睨みつけ、火傷しそうな熱量の瘴気を放った。その瘴気により、タクマ達は吹き飛ばされそうになる。
「復讐にしたって、こんな盛大にやるとは。アンタなかなかやるじゃあないの」
「お前様、感心しちゃダメでありんしょうよ!」
「そうだぞリョウマ!おりょうの言う通り、あんなヤベー奴持ち上げんなって」
ピリピリとした状況を緩和させようと冗談を言ったつもりが、判断が間違っていたが故に、おタツとアリーナに殴られた。
しかも、全く緩和すらされておらず、オニキスはじりじりと近付いてくる。
するとその時、目の前にナノが立ち塞がり、ハンマーを構えて睨みつけた。
「ナノ殿!何をしているでござる!」
「アンタ、ホンマにアナザーなんか?レンブおじさんを殺した、張本人なんか?」
「ナノ……お前……」
ナノは泣きじゃくった声でオニキスに訊いた。けど今この状態では、最悪ナノが死んでしまう。そう思い止めに入ろうとした時、オニキスは突然壊れたように笑い出した。
その笑い声には、何の感情も込められていなかった。この世の全てがどうでもよくなったような、誰も止められないような危険人物のそれに似た、恐怖の笑い声だった。そして、笑い終えたと思うと、オニキスは「あぁ、俺がアナザーだ!」と返答し、ナノの腹を殴った。
「それだけじゃあねぇ!今の俺は、αをも超えた!国だけじゃなく、この世界諸共ぶっ壊せる!」
「世界じゃと!?お主、正気か!」
「ハッ!これで正気じゃなかったら何だってんだ?おい、何だってんだよタヌキ娘ェ!」
振り向いた瞬間、オニキスはメアの前に現れ、彼女の胸ぐらを掴んだ。急いでそれを振り払おうとノエルが攻撃するが、呆気なく投げ飛ばされ、可愛らしい服に破られた跡ができた。
オニキスの怒りは、もう既に世界全体にまで広がっていたのだ。目に映るもの全てを破壊しなければ気が済まない、一種の猛獣のように、暴れる限りを尽くしている。
「ノエちゃん!メアちゃん!おい、しっかりしてくれよ!」
「ナノ!しっかりするのだ!」
「オニキス!女の子相手にこんな事して、お前はそんな奴じゃなかっただろ!」
仲間を傷つけられた怒りで、タクマは早速斬りかかった。だがオニキスは剣を見切っているのか、簡単に攻撃を防いだ。
「タクマ、其奴はもう人ではない。化け物じゃ……」
「気持ちは分からんでもないけど、まともに戦ったらタクローお前、分かってんのか!?」
メア達の言葉を背中に受けてもなお、タクマは攻撃の手を緩めなかった。だが、死の重いリスクを背負っている事はタクマ自身分かっていた。だが、タクマは必死で攻撃を続けた。
何度剣を振っても、弾き返される。もはや攻撃を防ぐので手一杯だ。
「この俺と互角でやり合うとはなぁ。面白い、ならコレはどうだ!」
するとオニキスは、衛星のように飛び回るオーブを斬りつけ、中に封印されていた罪源の仮面を解放した。
二つは赤と金の煙を放ち、赤は居住区、金は城下付近へと飛んで行った。
「何でござるか!オニキス、お主何をした!」
「いいのか?オレに構ってると、その間に罪源の野郎が破壊の限りを尽くすぜ?」
「皆!オニキスは俺が止める!だから罪源は、みんなに任せた!」
タクマはオニキスの攻撃を弾きつつ、仲間達に伝えた。しかし、誰も動こうとはしなかった。それもそうだ。こんな危険人物を仲間一人に任せる訳には行かない。
しかしその時、リュウヤは「分かった」と応えて赤い煙の向かった先へと走った。
「リュウヤさん、何してるんですか!」
「親友の頼みとあらば、俺は火の中水の中、あのコのスカートの中だってくぐり抜けてやらぁ!」
「リュウヤ君……?」
「何言っておるんやリューくん?」
「まさかアンタら、忘れた訳じゃあねぇよな?運が味方したとはいえ、タクマは一度オニキスに勝ってんだ!それ信用しねぇでどうするよ!」
──そうでござる。タクマはアコンダリアでオニキスと互角の勝負をした。そして今も、対等にやり合っている。それにこのままここでオニキスの倒れる所を待っていても、復活した罪源の仮面を放置していては結果は変わらない。
リュウヤの言葉に心を動かされた吾朗は、ほっほっほと笑い、デンジとノエルに声をかけた。
「ノエル殿、デンジ殿。ここは一つ、リュウヤ殿の案に乗って男四人、あのコのスカートの中を潜ろうではないか!」
「ちょっと吾朗爺、何変な事をいってるでありんすか!」
「せめてやるなら、ノエルのスカートだけにしておくのじゃぞ?」
悪ノリが過ぎて女子達に引かれてしまったが、メアもしれっと呟くように言った。リュウヤならまだしも、吾朗のようなお爺ちゃんが言っていては案件になりかねない。
「え、私!?で、でも吾朗さんなら見せても……」
「あーこらこら。それより早く行かないと街がめちゃくちゃにされてしまうぞ!」
「おう!とにかくタクマ!必ず生きて、皆で日の出見るって約束だかんな!信頼してるぜ!」
リュウヤは最後に約束を交わし、他3人と共に赤の罪源討伐へと向かった。そして、彼らの行動を見たメア達も、おタツ、ナノ、アリーナで団結し、拳を合わせた。
「タクロー、コイツは全部アタシのせいだ。だからお詫びに、もし生きてたらすんげープレゼントやる。絶対死ぬなよー!」
「腹立たしい!俺から全てを奪っておきながら絆を見せつけやがって!」
「ぐっ!アリーナ、楽しみにしてる。だから皆も、無理しないでくれ」
「っ……。このままでは奴を逆上させるだけじゃ。皆、行くぞ!」
こうして、メア達四人は黄色の煙を追って城下町方面へと向かった。
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