コピー使いの異世界探検記
第165話 最強の女海賊アリーナ様だぜ!
「ほぉ、これは痛そうだな。アタシには無理かもしれないぜ」
海賊のような姿をした女 もといアリーナは、タクマの傷を見て言う。
「お主、タクマを助けてくれるんじゃないのか?」
「本当にやれるでありんすか?」
「うーん。ま、やれる事やってやるぜ」
アリーナは、頭を掻きつつポケットから孔雀の羽らしき物を取り出し、それをタクマの胸に突き刺した。
更に、口に綺麗な葉っぱを詰め込ませ、傷口にダイヤ型の黄色い石を一つ置いた。
「ちょちょ、待つのじゃ。これじゃあタクマが死ぬぞ!」
「安心しろメイ、タクローはこれで生き返るぜ!」
「こんな無茶苦茶な治療聞いた事ないでありんすよ!」
あまりにも大雑把すぎる治療法に、二人は心配する。
すると、さっきまで全く動かなかったタクマがムクリと起き上がり、「おはよう」と何事もなかったように挨拶をした。
「「えーーーー!そんな事ある!?」」
「えーっと、あなたが俺を?」
「あぁ!おまけにコイツも……ペチペチペチー!」
「んぅ、あれ?私、変な夢見てたんですかね……」
アリーナは風のような早さでノエルの頬を叩き、文字通り叩き起こす。
すると、全く起きる気配がなかったノエルがパチリと目を覚ました。
「す、すごいでありんす。あなた一体……」
「アタシの名前、そんなに気になるかい?」
「せ、せめて名前だけでも教えて欲しいのじゃ!」
「しょうがねぇ、耳かっぽじってよーく聞きな!」
そう言うと、アリーナは「クルリ」と言いつつ体を回転させ、「バン!」と言いながら片足で勢いを止めた。
そして、キャプテンハットを抑えながら顔を上げ「アリーナ様、参上!」と名を名乗った。
「アリーナさん、助けてくれてありがとうございます」
「おうおう。もっと褒めたまえ褒めたまえ!」
「何か海賊みたいでカッコいいですね。私好きかも」
「ありーな……うーむ、何処かで聞いたことがあるような……」
タクマとノエルが礼を言う中、メアだけは難しい顔をして首を左右に曲げた。
すると、アリーナは何かを思い出したようにハッ!と息を呑み、タクマの肩を掴んだ。
「タクロー!お礼にコイツ貰ってくぜ!」
「え?あぁ、はいどうぞ。あと俺タク───」
「サンキュー!またな!」
名前を間違えている事に指摘しようとしたが、アリーナは全く聞く耳を持たず、お礼として鞄をぶん取るように持ち去ってしまった。
「豪快な方でしたね。女の人なのに男勝りで、素敵です」
「素敵なのはいいでありんすけど、あの鞄ってオーブ……」
「あ」
「「「「あああああああああ!!泥棒!!!」」」」
おタツの発言で、持っていかれた鞄の中身を思い出したタクマ達は声を揃えて叫んだ。
すると、コソコソと逃げていたアリーナは気付かれた事で「やべっ!スタコラサッサー」と叫びながら、颯爽と逃げてしまった。
「タクマさん!早く追いましょう!」
「あ、あぁ!」
「おタツも行くぞ!……おタツ?」
「ウフフ、ウチと鬼ごっこをやろうとは。中々、度胸のある娘でありんすな」
タクマとノエルが先に追っている中、おタツは陸上選手のようなフォームで両手と片足を付けた。そして、今まさに覚醒したような顔つきで、目を真っ赤に光らせた。
そして、風のように走り出し、先に追っていたタクマをも抜き去っていった。
「うわぁっ!な、何だぁ!?」
「きゃんっ!もう、エッチ!最低で……あれ?」
「ウフフフフフフフフ!ウチから逃げられるでありんすか?」
おタツはハンターのように、アリーナを追いかけた。タクマ達も追いつこうと頑張るが、全く距離が縮まらなかった。
「おタツさーん!待ってくださいー!」
「駄目ですタクマさん、おタツさん止まりません……」
タクマ達は途中で息が切れ、転ぶようにして近くの民家に背中を預けた。
走っても走っても追いつかない。それに、アリーナに復活させてもらえたとは言え、まだ傷は痛いまま。下手をすればまた瀕死になる。
するとその時、ふと何かを思い出したのか、メアが「あれ?」と声を出した。
「そう言えば、確かこの先って海じゃったよな……?」
「って事は、このまま突っ込んだら……」
メアに言われたタクマは、事の重大さに気付き、ゆっくりと口を開けた。
その頃、タクマ達の嫌な予感は当たり、暴走したように追いかけっこを繰り広げていたアリーナとおタツは、崖目掛けて一直線で走っていた。
「しつこいねぇアンタも!けどこんな芸当は、アンタにゃ出来ないだろ!」
そう言うと、アリーナは「ドギューン!」と叫びながら、崖に付けられた柵を飛び越え、その先にある船へと飛び乗った。そして、勝ちを確信したアリーナは船上で火花を吹き散らしながらブレーキをかけ、ニッと笑った。
「フフフ、この距離の飛翔がウチに出来ないとでも?」
勿論、おタツもアリーナを捕まえる為、柵に足をかけ、ミサイルが如く飛び出そうとした。しかしその時、事件が発生した。
「おタツ、何してんの!?」
「タツ姐!」
「お、お前様!?これはその……」
運の悪い事に、リュウヤ達との合流とタイミングが被ってしまい、飛び出す前に止められてしまった。
それにより、アリーナは無事に逃げ切る事に成功してしまう。
「な、なんかあったでござるか?」
「実はその……」
「オーッホッホッホ!コイツは頂いたよー!返して欲しけりゃ、クロフル監獄まで追っかけてきてみやがれー!」
逃げ切ったアリーナは、「あっかんべー!」と言いつつ舵輪を思いっきり回し、遠くへ出港してしまった。
海賊のような姿をした女 もといアリーナは、タクマの傷を見て言う。
「お主、タクマを助けてくれるんじゃないのか?」
「本当にやれるでありんすか?」
「うーん。ま、やれる事やってやるぜ」
アリーナは、頭を掻きつつポケットから孔雀の羽らしき物を取り出し、それをタクマの胸に突き刺した。
更に、口に綺麗な葉っぱを詰め込ませ、傷口にダイヤ型の黄色い石を一つ置いた。
「ちょちょ、待つのじゃ。これじゃあタクマが死ぬぞ!」
「安心しろメイ、タクローはこれで生き返るぜ!」
「こんな無茶苦茶な治療聞いた事ないでありんすよ!」
あまりにも大雑把すぎる治療法に、二人は心配する。
すると、さっきまで全く動かなかったタクマがムクリと起き上がり、「おはよう」と何事もなかったように挨拶をした。
「「えーーーー!そんな事ある!?」」
「えーっと、あなたが俺を?」
「あぁ!おまけにコイツも……ペチペチペチー!」
「んぅ、あれ?私、変な夢見てたんですかね……」
アリーナは風のような早さでノエルの頬を叩き、文字通り叩き起こす。
すると、全く起きる気配がなかったノエルがパチリと目を覚ました。
「す、すごいでありんす。あなた一体……」
「アタシの名前、そんなに気になるかい?」
「せ、せめて名前だけでも教えて欲しいのじゃ!」
「しょうがねぇ、耳かっぽじってよーく聞きな!」
そう言うと、アリーナは「クルリ」と言いつつ体を回転させ、「バン!」と言いながら片足で勢いを止めた。
そして、キャプテンハットを抑えながら顔を上げ「アリーナ様、参上!」と名を名乗った。
「アリーナさん、助けてくれてありがとうございます」
「おうおう。もっと褒めたまえ褒めたまえ!」
「何か海賊みたいでカッコいいですね。私好きかも」
「ありーな……うーむ、何処かで聞いたことがあるような……」
タクマとノエルが礼を言う中、メアだけは難しい顔をして首を左右に曲げた。
すると、アリーナは何かを思い出したようにハッ!と息を呑み、タクマの肩を掴んだ。
「タクロー!お礼にコイツ貰ってくぜ!」
「え?あぁ、はいどうぞ。あと俺タク───」
「サンキュー!またな!」
名前を間違えている事に指摘しようとしたが、アリーナは全く聞く耳を持たず、お礼として鞄をぶん取るように持ち去ってしまった。
「豪快な方でしたね。女の人なのに男勝りで、素敵です」
「素敵なのはいいでありんすけど、あの鞄ってオーブ……」
「あ」
「「「「あああああああああ!!泥棒!!!」」」」
おタツの発言で、持っていかれた鞄の中身を思い出したタクマ達は声を揃えて叫んだ。
すると、コソコソと逃げていたアリーナは気付かれた事で「やべっ!スタコラサッサー」と叫びながら、颯爽と逃げてしまった。
「タクマさん!早く追いましょう!」
「あ、あぁ!」
「おタツも行くぞ!……おタツ?」
「ウフフ、ウチと鬼ごっこをやろうとは。中々、度胸のある娘でありんすな」
タクマとノエルが先に追っている中、おタツは陸上選手のようなフォームで両手と片足を付けた。そして、今まさに覚醒したような顔つきで、目を真っ赤に光らせた。
そして、風のように走り出し、先に追っていたタクマをも抜き去っていった。
「うわぁっ!な、何だぁ!?」
「きゃんっ!もう、エッチ!最低で……あれ?」
「ウフフフフフフフフ!ウチから逃げられるでありんすか?」
おタツはハンターのように、アリーナを追いかけた。タクマ達も追いつこうと頑張るが、全く距離が縮まらなかった。
「おタツさーん!待ってくださいー!」
「駄目ですタクマさん、おタツさん止まりません……」
タクマ達は途中で息が切れ、転ぶようにして近くの民家に背中を預けた。
走っても走っても追いつかない。それに、アリーナに復活させてもらえたとは言え、まだ傷は痛いまま。下手をすればまた瀕死になる。
するとその時、ふと何かを思い出したのか、メアが「あれ?」と声を出した。
「そう言えば、確かこの先って海じゃったよな……?」
「って事は、このまま突っ込んだら……」
メアに言われたタクマは、事の重大さに気付き、ゆっくりと口を開けた。
その頃、タクマ達の嫌な予感は当たり、暴走したように追いかけっこを繰り広げていたアリーナとおタツは、崖目掛けて一直線で走っていた。
「しつこいねぇアンタも!けどこんな芸当は、アンタにゃ出来ないだろ!」
そう言うと、アリーナは「ドギューン!」と叫びながら、崖に付けられた柵を飛び越え、その先にある船へと飛び乗った。そして、勝ちを確信したアリーナは船上で火花を吹き散らしながらブレーキをかけ、ニッと笑った。
「フフフ、この距離の飛翔がウチに出来ないとでも?」
勿論、おタツもアリーナを捕まえる為、柵に足をかけ、ミサイルが如く飛び出そうとした。しかしその時、事件が発生した。
「おタツ、何してんの!?」
「タツ姐!」
「お、お前様!?これはその……」
運の悪い事に、リュウヤ達との合流とタイミングが被ってしまい、飛び出す前に止められてしまった。
それにより、アリーナは無事に逃げ切る事に成功してしまう。
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