コピー使いの異世界探検記
第127話 決戦前!送られし言葉
それから陽が上り、次の日の朝 決勝戦当日。
最後の決勝戦を一目拝もうと、沢山の観客達がコロシアムへと入っていく。
「うわぁ、コレ全部俺とオニキスの戦いを見る為の集まりなのか?」
「そうじゃろうな。お主の能力は人気があるようじゃし、オニキスもオニキスで、一部界隈では人気じゃからな」
「ファンが沢山出来て良かったですね、タクマさん」
「へへ、何か照れるわ」
先に来たタクマ、メア、ノエルの3人は、多分最後になるだろうと、見納め兼リュウヤの退院待ちとして、コロシアムを見上げた。
やはりいつ見ても、どこからどう見ても、コロッセオだ。行ったことも実物を見たこともないが、コロッセオと瓜二つである。
すると、後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。
「よっ、まずは決勝進出おめでと」
「わぁっ!リュ、リュウヤ!お前何で後ろから!」
「急いでるって言ったら、黒服の兄ちゃんが特別に関係者以外使用禁止の出入り口から出してくれ……くれ……ブッフォ!駄目だ!吾郎爺、代わりに頼む」
「折角だしタクマ殿に「いやそっちかーい!」と言わせたいから、わざわざ回ってきた。と言う事でござる」
リアクションにツボって動けなくなったリュウヤの代わりに、吾郎が計画を明かした。さらに遅れて、正面入り口の人混みを縫うようにして、忍び姿のおタツもやって来る。
「お前様、一体どこから抜け出したでありんす?」
「おタツまで……フフッ、ごめんごめん。フフフッ!駄目だ、耐えきれねぇ!ダーハハハハハハハハハ!」
あまりにも面白すぎたのか、リュウヤは、昨日の痛みが嘘かのように笑いまくる。
元気も元気、大元気だ。
そう思っていると、また更に、タクマを応援しに、また誰かがやって来た。
「何だ何だ?こんな朝っぱらから、面白い宴でもしてんのか?」
「リュウヤ君じゃないか。あんな大怪我してたのに、昨日の事が嘘みたいに元気だね」
「えっへへ。何か知らんけど、薬のお陰で治った感じですぜ」
リュウヤはロード兄弟に言われ、頭をかいて照れる。
「ブレイク、お主まで何しに来たのじゃ?」
「弟子が大舞台に立つってのに、見に行かない師匠が何処にいるよ」
「あ、あと他にも居るよ」
「他にもって、誰かいましたっけ?」
ピンと来ないノエルは、唇に人差し指を当て、うーんと考える。すると、いきなり周りに影ができた。
「はて、雨でござるか?」
「いえ、ここだけでありんすよ?」
「よぉ……まさか……師匠の剣で……ここまで行くとはな……」
「あ、ケンさん。久しぶりです」
後ろを振り向くと、そこには巨人並みの身長を持つ男、ケンが立っていた。
他の観光客も、この巨人に驚いてじっと見つめる。
「師匠の剣……ここまで使いこなせるお前……すごい。だから……あの死神倒せるか……見たい。」
「ケンさん……ありがとうございます!」
タクマは、皆に囲まれて応援されている事に対し、嬉しさのあまり力強く頭を下げた。
すると、笑い終わったのか、リュウヤは「あっ、そうだ」とポケットからスマホを取り出した。
「リュウヤさん、これって?」
「タクマが前持ってた、すまぁとふぉんか?形状が違うが、光る不思議な板じゃよな」
「リュウヤお前、ソレはこの世界じゃタブーな奴……」
タクマは流石にこの世界で、異世界の技術を見せるのは良くないと思い、咄嗟に隠そうとする。
しかし、リュウヤはその事は特に気にする素振りもなく、ただ冷静に「圏外だから何も使えねぇよ。とにかく、ビッグゲストからのビデオレターだ」と、ある動画を再生した。
『あれ、これでもう回ってるのか?』
『はい、俺持ってますんで、お願いします』
『あ、あぁ』
すると、修理中の城の前が映し出された。それを見て、タクマはまさか、と目を丸くして驚いた。
周りの7人は、声がする不思議な板を見て、何なんだこれは、と驚く。
『よぉ、タクマ、皆。久しぶりだな。何でもタクマ、お主はあこんだりあ……だっけ?』
『そうそう。アコンダリア』
『アコンダリアの武闘会で決勝戦に出るらしいじゃないか。まずはおめでとう』
ちょっとグダグダしているが、ビデオの中で、ノブナガが元気そうに祝福してくれている。
「お、お前様。ノブナガ様がどうしてこの中に?」
「奇怪でござる。どんな妖術でござるか?」
「フフッ、秘密」
そんな話をしているうちに、ノブナガはタクマへの応援メッセージを述べた。
『お主が勝つと言う事、ワシは信じて、応援しておるからな〜』
そう言って手を振り、ビデオレターは終了した。
「ノブナガ様も……やべぇ、俺こう言うの弱いんだわ」
「おっ、良い泣き顔いっただき!」
「これこれリュウヤ、あまりタクマをいじめるでない」
メアに取り押さえられたリュウヤは、皆と一緒に「ハッハッハッハッハ!」と笑う。ただ、その目には、涙が浮かんでいた。
それに気付いたタクマは、全てに気付いた。力になれなかった自分を、親友の応援係として動いて元気付けていると言う事に。
「リュウヤ、お前……」
「悪い悪い。おっと、もうこんな時間だな」
「でも……」
「大丈夫だって。ほら、早くしないと舞台に遅れるぜ」
「あ、あぁ。そうだな。あんま、無理すんなよ」
「お前も、無理すんなよ」
そう言い合い、リュウヤとタクマは拳を合わせた。
「頑張れよ一番弟子!」
「絶対に勝つのじゃぞ!」
「やっちゃってください!」
「健闘を祈るでござる!」
「頑張っておくんなし!」
「全力を出し尽くすんだよ、タクマ君」
「グッド……ラック……!」
タクマの背中に向け、仲間達6人が、背中を押すようにして応援の声を掛けた。
「皆ありがと。俺、勝って帰るわ」
そう言って頭を下げたタクマは、コロシアムへと足を向かわせた。
「……頼んだぜ、親友」
最後の決勝戦を一目拝もうと、沢山の観客達がコロシアムへと入っていく。
「うわぁ、コレ全部俺とオニキスの戦いを見る為の集まりなのか?」
「そうじゃろうな。お主の能力は人気があるようじゃし、オニキスもオニキスで、一部界隈では人気じゃからな」
「ファンが沢山出来て良かったですね、タクマさん」
「へへ、何か照れるわ」
先に来たタクマ、メア、ノエルの3人は、多分最後になるだろうと、見納め兼リュウヤの退院待ちとして、コロシアムを見上げた。
やはりいつ見ても、どこからどう見ても、コロッセオだ。行ったことも実物を見たこともないが、コロッセオと瓜二つである。
すると、後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。
「よっ、まずは決勝進出おめでと」
「わぁっ!リュ、リュウヤ!お前何で後ろから!」
「急いでるって言ったら、黒服の兄ちゃんが特別に関係者以外使用禁止の出入り口から出してくれ……くれ……ブッフォ!駄目だ!吾郎爺、代わりに頼む」
「折角だしタクマ殿に「いやそっちかーい!」と言わせたいから、わざわざ回ってきた。と言う事でござる」
リアクションにツボって動けなくなったリュウヤの代わりに、吾郎が計画を明かした。さらに遅れて、正面入り口の人混みを縫うようにして、忍び姿のおタツもやって来る。
「お前様、一体どこから抜け出したでありんす?」
「おタツまで……フフッ、ごめんごめん。フフフッ!駄目だ、耐えきれねぇ!ダーハハハハハハハハハ!」
あまりにも面白すぎたのか、リュウヤは、昨日の痛みが嘘かのように笑いまくる。
元気も元気、大元気だ。
そう思っていると、また更に、タクマを応援しに、また誰かがやって来た。
「何だ何だ?こんな朝っぱらから、面白い宴でもしてんのか?」
「リュウヤ君じゃないか。あんな大怪我してたのに、昨日の事が嘘みたいに元気だね」
「えっへへ。何か知らんけど、薬のお陰で治った感じですぜ」
リュウヤはロード兄弟に言われ、頭をかいて照れる。
「ブレイク、お主まで何しに来たのじゃ?」
「弟子が大舞台に立つってのに、見に行かない師匠が何処にいるよ」
「あ、あと他にも居るよ」
「他にもって、誰かいましたっけ?」
ピンと来ないノエルは、唇に人差し指を当て、うーんと考える。すると、いきなり周りに影ができた。
「はて、雨でござるか?」
「いえ、ここだけでありんすよ?」
「よぉ……まさか……師匠の剣で……ここまで行くとはな……」
「あ、ケンさん。久しぶりです」
後ろを振り向くと、そこには巨人並みの身長を持つ男、ケンが立っていた。
他の観光客も、この巨人に驚いてじっと見つめる。
「師匠の剣……ここまで使いこなせるお前……すごい。だから……あの死神倒せるか……見たい。」
「ケンさん……ありがとうございます!」
タクマは、皆に囲まれて応援されている事に対し、嬉しさのあまり力強く頭を下げた。
すると、笑い終わったのか、リュウヤは「あっ、そうだ」とポケットからスマホを取り出した。
「リュウヤさん、これって?」
「タクマが前持ってた、すまぁとふぉんか?形状が違うが、光る不思議な板じゃよな」
「リュウヤお前、ソレはこの世界じゃタブーな奴……」
タクマは流石にこの世界で、異世界の技術を見せるのは良くないと思い、咄嗟に隠そうとする。
しかし、リュウヤはその事は特に気にする素振りもなく、ただ冷静に「圏外だから何も使えねぇよ。とにかく、ビッグゲストからのビデオレターだ」と、ある動画を再生した。
『あれ、これでもう回ってるのか?』
『はい、俺持ってますんで、お願いします』
『あ、あぁ』
すると、修理中の城の前が映し出された。それを見て、タクマはまさか、と目を丸くして驚いた。
周りの7人は、声がする不思議な板を見て、何なんだこれは、と驚く。
『よぉ、タクマ、皆。久しぶりだな。何でもタクマ、お主はあこんだりあ……だっけ?』
『そうそう。アコンダリア』
『アコンダリアの武闘会で決勝戦に出るらしいじゃないか。まずはおめでとう』
ちょっとグダグダしているが、ビデオの中で、ノブナガが元気そうに祝福してくれている。
「お、お前様。ノブナガ様がどうしてこの中に?」
「奇怪でござる。どんな妖術でござるか?」
「フフッ、秘密」
そんな話をしているうちに、ノブナガはタクマへの応援メッセージを述べた。
『お主が勝つと言う事、ワシは信じて、応援しておるからな〜』
そう言って手を振り、ビデオレターは終了した。
「ノブナガ様も……やべぇ、俺こう言うの弱いんだわ」
「おっ、良い泣き顔いっただき!」
「これこれリュウヤ、あまりタクマをいじめるでない」
メアに取り押さえられたリュウヤは、皆と一緒に「ハッハッハッハッハ!」と笑う。ただ、その目には、涙が浮かんでいた。
それに気付いたタクマは、全てに気付いた。力になれなかった自分を、親友の応援係として動いて元気付けていると言う事に。
「リュウヤ、お前……」
「悪い悪い。おっと、もうこんな時間だな」
「でも……」
「大丈夫だって。ほら、早くしないと舞台に遅れるぜ」
「あ、あぁ。そうだな。あんま、無理すんなよ」
「お前も、無理すんなよ」
そう言い合い、リュウヤとタクマは拳を合わせた。
「頑張れよ一番弟子!」
「絶対に勝つのじゃぞ!」
「やっちゃってください!」
「健闘を祈るでござる!」
「頑張っておくんなし!」
「全力を出し尽くすんだよ、タクマ君」
「グッド……ラック……!」
タクマの背中に向け、仲間達6人が、背中を押すようにして応援の声を掛けた。
「皆ありがと。俺、勝って帰るわ」
そう言って頭を下げたタクマは、コロシアムへと足を向かわせた。
「……頼んだぜ、親友」
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