コピー使いの異世界探検記
第100話 恐怖!最強狩りの死神
メアは暗い闇の中を、まるで海の底へと沈んでいくように漂っていた。重力がない。だが、どこか暖かい。まるで母親の子宮の中に居るような、そんな温もりのある空間。メアはそこを漂っていた。
するとその時、どこからともなく、霊歌が聞こえてきた。いや、霊歌とよく似ているが、メロディが少し違う。
(懐かしい歌じゃ……この歌は確か……)
メアは暗い空間の中を漂い続けながら、聞こえてくる歌に耳を傾けた。懐かしい歌声、けどどこか悲しそう。
まるで迷える魂を天に送り届けるような、そんな切ないメロディだ。
(もしかして……お母様?お母様が、何処かに?)
そう感じたメアは、何度もお母様と叫ぼうとする。だが、口の中に水が入っているような感覚のせいで、喋る事ができなかった。息はちゃんとできる。それなのに、声が出ない。まるで言葉を奪われた人魚姫のように、喉まで来ている筈の言葉が出てこない。
するとその瞬間、辺りが急に白く変わった。
【治療室】
眩しさから目を覚ますと、そこにはこちらを覗き込む五つの影があった。
まさか新手の幽霊?いや違う、霊的な気配がしないから生きている。メアは目を凝らし、じっと見つめる。
すると、その影の一つが「メア!」と名前を呼んだ。
「あれ?タクマ?」
「良かった。無事だったみたいですね」
元気そうに起き上がったメアを見て、ノエルはホッと息をつく。
そして、吾郎は茶を、おタツとリュウヤは、食べやすいように小さく切った蟹をメアに差し出した。
「お疲れ様。いい勝負だったぞメアちゃん」
「うむ、いいものを見せてもらったでござる」
「それはどうも。……ん?そうだ!」
茶に手を伸ばそうとしたメアは、何故自分がこんな所で目を覚ましたのかを思い出した。
フローラとの戦い。あの時起こった爆発で、気を失ってしまったのだ。やっぱり負けてしまったのだろうか。もしそうだとしたら、タクマ達に申し訳ない。
だが、タクマ達はその時、壊れた機械のように拍手した。
「な、何。怖いんだけど」
「聞いて驚くなよメア、大勝利だ!」
「本当は両方とも倒れたんですが、先にフローラが膝をついたからって事で、判定大勝利でありんす」
「なん……じゃと……」
「つまり、私たちは……」
「「「「「全員、予選突破だぁ!」」」」」
五人はメアのベッドを囲み、そこで拳を出し合った。何が何だか分からないが、勝ったならまあいいか。メアはいつものように笑い、拳一つ分空いたスペースに、自分の拳を入れ、6人で拳を天井に上げた。
するとその時、会場に『それでは準備が整いました!』とアナウンスが流れた。
「やっぱり修復早いなぁ。まだ3分くらいしか経ってないぜ?」
「あら本当。お仕事が早いと言うのは良い事でありんすな」
リュウヤとおタツは、隣の壁に掛けられた時計を見て驚く。そういえば、異世界と言うあちらの世界とは全く別な世界での暮らしに慣れていたせいで違和感を覚えなかったが、よく考えたら早いな。
そんな事を思っていた時、メアは布団から飛び出した。
「メアさん。傷は魔法で治したばかりですから今動くのは……」
「次の対戦相手はアイツかもしれぬのじゃ。しっかりと動きを見て対策を練らないと……きゃんっ!」
メアは何もない所でつまずく。吾郎はつまずいたメアの腕を掴み、地面スレスレの所で引き戻した。
「あ、ありがとう。吾郎爺」
「今日はもう終わり。ゆっくり、行くべきでござるよ。」
「さて、そうと決まれば行きますか。」
タクマは、メアのベッドにかけていた剣を取り、全員でオニキスが繰り広げる本日最後の戦いを観に行った。
【会場】
『さぁそれでは選手の入場です!まずは西コーナー!闇と光の力を兼ね備えた最強ハイブリッド魔法使い!どんな相手も魔法で吹き飛ばす!カイム選手だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
その実況と共に、結構イケメンな男が現れ、観客席に投げキッスをしまくる。ナルシストのようだ。
そしてそこに、黒いフードを被り、黒い剣を背中に背負った謎の剣士が現れた。その剣もフードも、夜になった会場を照らすライトの光を完全に吸収しているかのような暗さだった。まさに漆黒。
『そして東コーナー!最強を求めて西へ東へ!首を狙われ早2年!今大会のダークホース!オニキス・キングゥゥゥゥ!!』
「げっ!やっぱりあの時の客、アイツだったか……」
「リュウヤ、会っていたのか?」
リュウヤの意味深な呟きを聞き、メアは詳細を訊く。リュウヤは、その問いに対して「今日の朝、準備中に来てサーモン食ってった客、アイツだったんだ」と答えた。
特に邪魔立てはして来なかったが、大和で会った時にも、あの怖いと感じてしまう謎の風が吹いていた。そして、おタツの持っていた苦無などの武器を一瞬にして奪い取った。それつまり、普通じゃない。
リュウヤも、実際には戦っていないが、なんとなくそう感じていた。他の異世界人も普通ではないが、オニキスだけは一際目立つ。
「君が400万ゼルンの死神君だね」
「オニキス・キング、最強狩りの死神だ。お前、どれくらい強い?」
そう言うとオニキスは、黒いフードを空に投げ、片目の隠れた長髪とギザギザの歯を見せた。
その瞬間、会場に恐怖を煽る風が吹く。そのせいで、オニキスの戦いを楽しみにしていた子供が倒れてしまった。
やっぱりおかしい。この力、ウォルで会った時以上に強くなっている。
「そうだな。まずはお前の強さの程度ってのを知りたい。その魔法とやら、食らってやるよ」
「余裕みたいだね。それで死んじゃっても、知らないよ?」
「殺せるモンなら殺してみろ」
オニキスは剣を取る事なく、手を広げた。カイムは何もしない事に安心し、右手に闇の魔力を溜める。大きさからして、メガ・ドゥンケル……いや、それ以上だ。
こんなものをまともに食らってしまえば、死人が出る。
「400万ゼルンの首はボクの物だ!《ギガ・ドゥンケル》!」
「ぐあぁっ!」
「それだけじゃない!《ギガ・ライトニング》!」
「がはぁっ!」
大きな爆発と共に、オニキスは痛々しい悲鳴を上げ、血を吐き出す。このままでは本当に殺してしまう。
タクマの中に、何としてでも助けたいと言う気持ちが湧き上がる。相手は敵で、αの手にある。そんな風に思うのは異常だ。
それと同じ時、吹き飛ばされたオニキスが地面に落ちた。
「はぁ……はぁ……」
「それじゃあ、サヨウナラ」
死にかけているオニキスに向け、カイムはトドメの一撃を放とうとした。会場がざわつく。お尋ね者ではあると言え、死人が出ては元も子もない。
だが、そんな周りの心配は無意味だった。トドメの一撃、《ギガ・ドゥンケル》が今放たれた。
「……なーんてな」
「何っ!?」
するとその時、死にかけていた筈のオニキスが、剣で闇魔法を真っ二つに斬り裂いた。そして分かれた二つは、オニキスの後ろで大きく爆発する。
「な、何故だ!あんなにダメージを食らっていたではないか!嘘だ!ボクの魔法が効かない訳がない!」
「俺は死神だぜ?そんな甘っちょろい魔法で死ぬ訳がない。」
「ナメるな!こいつめ!こいつめっ!」
覚醒したオニキスに恐怖し焦りを覚えたカイムは、連続で光魔法と闇魔法を繰り出す。しかし、全てオニキスの手によって真っ二つに斬られてしまった。
だが、運良く一つだけ当たり、黒い霧がオニキスを覆う。
「やったか!」
しかし、そう思ったも束の間、煙を振り払ったオニキスが飛び出し、カイムの胸ぐらを掴んだ。
「そんな……」
「テメェの魔法の威力はたかが知れてる。甘いんだよ雑魚が!」
オニキスは悪魔のような笑みを浮かべ、上に投げたカイムの腹を蹴り飛ばした。
そして、地面に着く前に、オニキスは剣に恐ろしい気のオーラを集め出す。
「〈クリムゾン・クロー〉。はぁっ!」
オニキスが剣を振ると、そこから竜の血のように赤黒い色をした斬撃が、三本現れた。
それは凄まじい速さで地面を抉り、カイムの体を引き裂いた。その瞬間、星空の白と黒が反転し、カイムは血を吐く。
だが、気が付いた頃には反転した星空も元に戻り、その場には倒れたカイムと、それを道端で干からびたミミズを見るような目で見つめるオニキスだけが残った。
『しょ、勝者はオニキス選手!流石は最強狩りの死神!最強魔法使いと名高かったカイム選手を圧倒したぁぁぁぁぁ!!』
「最強と言っても所詮は自称。たかが強い魔物一匹倒した程度でイキりやがる。」
「だ、大丈夫ですかカイムさん!」
救護に駆けつけた医師は、カイムの脈を測り、生死を確認した。脈は動いている。殺されてはいなかった。
だが、1分が経過してもなお、カイムは起き上がらない。
『それでは明日、第二次予選を開催します!それではご機嫌よう!ギエンでした』
こうして、不穏な空気のまま、今日の全てが終わった。
【寿司所 剣崎】
「こりゃうめぇな。あんな化けガニがこんなに旨くなるとは。」
「やっぱりこの子は天才ね!それも、こんなに美味しいのが200ゼルンだなんて、安すぎて全部買いたくなっちゃうわ!」
「あーこらこら、押さないでください。まだカニ寿司以外にもありますから」
賑わう寿司屋の屋台で、リュウヤはカニ料理を振る舞っていた。
カニ入りの味噌汁、カニ丼、カニ入り天津飯、カニ鍋、カニ寿司と、大量のカニ料理を提供した。更に、他の飯屋でも、カニカレーやカニサンド、カニパンなどと言ったものが売られた。
そして、あんな事があったにも関わらず、この場所は凄く賑わっていた。ただ、タクマとメアの二人を除いては……
(殺しもしない。なのにあれ程まで最強にこだわり、ボコボコにぶちのめしている。オニキスの本当の目的は何なんだって言うんだ……)
(あんな強さ、異常じゃ。何をどうしようと、妾にあんなのを倒せるはずがない)
二人はじっと考え、カニ寿司を食べる。
するとその時、どこからともなく、霊歌が聞こえてきた。いや、霊歌とよく似ているが、メロディが少し違う。
(懐かしい歌じゃ……この歌は確か……)
メアは暗い空間の中を漂い続けながら、聞こえてくる歌に耳を傾けた。懐かしい歌声、けどどこか悲しそう。
まるで迷える魂を天に送り届けるような、そんな切ないメロディだ。
(もしかして……お母様?お母様が、何処かに?)
そう感じたメアは、何度もお母様と叫ぼうとする。だが、口の中に水が入っているような感覚のせいで、喋る事ができなかった。息はちゃんとできる。それなのに、声が出ない。まるで言葉を奪われた人魚姫のように、喉まで来ている筈の言葉が出てこない。
するとその瞬間、辺りが急に白く変わった。
【治療室】
眩しさから目を覚ますと、そこにはこちらを覗き込む五つの影があった。
まさか新手の幽霊?いや違う、霊的な気配がしないから生きている。メアは目を凝らし、じっと見つめる。
すると、その影の一つが「メア!」と名前を呼んだ。
「あれ?タクマ?」
「良かった。無事だったみたいですね」
元気そうに起き上がったメアを見て、ノエルはホッと息をつく。
そして、吾郎は茶を、おタツとリュウヤは、食べやすいように小さく切った蟹をメアに差し出した。
「お疲れ様。いい勝負だったぞメアちゃん」
「うむ、いいものを見せてもらったでござる」
「それはどうも。……ん?そうだ!」
茶に手を伸ばそうとしたメアは、何故自分がこんな所で目を覚ましたのかを思い出した。
フローラとの戦い。あの時起こった爆発で、気を失ってしまったのだ。やっぱり負けてしまったのだろうか。もしそうだとしたら、タクマ達に申し訳ない。
だが、タクマ達はその時、壊れた機械のように拍手した。
「な、何。怖いんだけど」
「聞いて驚くなよメア、大勝利だ!」
「本当は両方とも倒れたんですが、先にフローラが膝をついたからって事で、判定大勝利でありんす」
「なん……じゃと……」
「つまり、私たちは……」
「「「「「全員、予選突破だぁ!」」」」」
五人はメアのベッドを囲み、そこで拳を出し合った。何が何だか分からないが、勝ったならまあいいか。メアはいつものように笑い、拳一つ分空いたスペースに、自分の拳を入れ、6人で拳を天井に上げた。
するとその時、会場に『それでは準備が整いました!』とアナウンスが流れた。
「やっぱり修復早いなぁ。まだ3分くらいしか経ってないぜ?」
「あら本当。お仕事が早いと言うのは良い事でありんすな」
リュウヤとおタツは、隣の壁に掛けられた時計を見て驚く。そういえば、異世界と言うあちらの世界とは全く別な世界での暮らしに慣れていたせいで違和感を覚えなかったが、よく考えたら早いな。
そんな事を思っていた時、メアは布団から飛び出した。
「メアさん。傷は魔法で治したばかりですから今動くのは……」
「次の対戦相手はアイツかもしれぬのじゃ。しっかりと動きを見て対策を練らないと……きゃんっ!」
メアは何もない所でつまずく。吾郎はつまずいたメアの腕を掴み、地面スレスレの所で引き戻した。
「あ、ありがとう。吾郎爺」
「今日はもう終わり。ゆっくり、行くべきでござるよ。」
「さて、そうと決まれば行きますか。」
タクマは、メアのベッドにかけていた剣を取り、全員でオニキスが繰り広げる本日最後の戦いを観に行った。
【会場】
『さぁそれでは選手の入場です!まずは西コーナー!闇と光の力を兼ね備えた最強ハイブリッド魔法使い!どんな相手も魔法で吹き飛ばす!カイム選手だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
その実況と共に、結構イケメンな男が現れ、観客席に投げキッスをしまくる。ナルシストのようだ。
そしてそこに、黒いフードを被り、黒い剣を背中に背負った謎の剣士が現れた。その剣もフードも、夜になった会場を照らすライトの光を完全に吸収しているかのような暗さだった。まさに漆黒。
『そして東コーナー!最強を求めて西へ東へ!首を狙われ早2年!今大会のダークホース!オニキス・キングゥゥゥゥ!!』
「げっ!やっぱりあの時の客、アイツだったか……」
「リュウヤ、会っていたのか?」
リュウヤの意味深な呟きを聞き、メアは詳細を訊く。リュウヤは、その問いに対して「今日の朝、準備中に来てサーモン食ってった客、アイツだったんだ」と答えた。
特に邪魔立てはして来なかったが、大和で会った時にも、あの怖いと感じてしまう謎の風が吹いていた。そして、おタツの持っていた苦無などの武器を一瞬にして奪い取った。それつまり、普通じゃない。
リュウヤも、実際には戦っていないが、なんとなくそう感じていた。他の異世界人も普通ではないが、オニキスだけは一際目立つ。
「君が400万ゼルンの死神君だね」
「オニキス・キング、最強狩りの死神だ。お前、どれくらい強い?」
そう言うとオニキスは、黒いフードを空に投げ、片目の隠れた長髪とギザギザの歯を見せた。
その瞬間、会場に恐怖を煽る風が吹く。そのせいで、オニキスの戦いを楽しみにしていた子供が倒れてしまった。
やっぱりおかしい。この力、ウォルで会った時以上に強くなっている。
「そうだな。まずはお前の強さの程度ってのを知りたい。その魔法とやら、食らってやるよ」
「余裕みたいだね。それで死んじゃっても、知らないよ?」
「殺せるモンなら殺してみろ」
オニキスは剣を取る事なく、手を広げた。カイムは何もしない事に安心し、右手に闇の魔力を溜める。大きさからして、メガ・ドゥンケル……いや、それ以上だ。
こんなものをまともに食らってしまえば、死人が出る。
「400万ゼルンの首はボクの物だ!《ギガ・ドゥンケル》!」
「ぐあぁっ!」
「それだけじゃない!《ギガ・ライトニング》!」
「がはぁっ!」
大きな爆発と共に、オニキスは痛々しい悲鳴を上げ、血を吐き出す。このままでは本当に殺してしまう。
タクマの中に、何としてでも助けたいと言う気持ちが湧き上がる。相手は敵で、αの手にある。そんな風に思うのは異常だ。
それと同じ時、吹き飛ばされたオニキスが地面に落ちた。
「はぁ……はぁ……」
「それじゃあ、サヨウナラ」
死にかけているオニキスに向け、カイムはトドメの一撃を放とうとした。会場がざわつく。お尋ね者ではあると言え、死人が出ては元も子もない。
だが、そんな周りの心配は無意味だった。トドメの一撃、《ギガ・ドゥンケル》が今放たれた。
「……なーんてな」
「何っ!?」
するとその時、死にかけていた筈のオニキスが、剣で闇魔法を真っ二つに斬り裂いた。そして分かれた二つは、オニキスの後ろで大きく爆発する。
「な、何故だ!あんなにダメージを食らっていたではないか!嘘だ!ボクの魔法が効かない訳がない!」
「俺は死神だぜ?そんな甘っちょろい魔法で死ぬ訳がない。」
「ナメるな!こいつめ!こいつめっ!」
覚醒したオニキスに恐怖し焦りを覚えたカイムは、連続で光魔法と闇魔法を繰り出す。しかし、全てオニキスの手によって真っ二つに斬られてしまった。
だが、運良く一つだけ当たり、黒い霧がオニキスを覆う。
「やったか!」
しかし、そう思ったも束の間、煙を振り払ったオニキスが飛び出し、カイムの胸ぐらを掴んだ。
「そんな……」
「テメェの魔法の威力はたかが知れてる。甘いんだよ雑魚が!」
オニキスは悪魔のような笑みを浮かべ、上に投げたカイムの腹を蹴り飛ばした。
そして、地面に着く前に、オニキスは剣に恐ろしい気のオーラを集め出す。
「〈クリムゾン・クロー〉。はぁっ!」
オニキスが剣を振ると、そこから竜の血のように赤黒い色をした斬撃が、三本現れた。
それは凄まじい速さで地面を抉り、カイムの体を引き裂いた。その瞬間、星空の白と黒が反転し、カイムは血を吐く。
だが、気が付いた頃には反転した星空も元に戻り、その場には倒れたカイムと、それを道端で干からびたミミズを見るような目で見つめるオニキスだけが残った。
『しょ、勝者はオニキス選手!流石は最強狩りの死神!最強魔法使いと名高かったカイム選手を圧倒したぁぁぁぁぁ!!』
「最強と言っても所詮は自称。たかが強い魔物一匹倒した程度でイキりやがる。」
「だ、大丈夫ですかカイムさん!」
救護に駆けつけた医師は、カイムの脈を測り、生死を確認した。脈は動いている。殺されてはいなかった。
だが、1分が経過してもなお、カイムは起き上がらない。
『それでは明日、第二次予選を開催します!それではご機嫌よう!ギエンでした』
こうして、不穏な空気のまま、今日の全てが終わった。
【寿司所 剣崎】
「こりゃうめぇな。あんな化けガニがこんなに旨くなるとは。」
「やっぱりこの子は天才ね!それも、こんなに美味しいのが200ゼルンだなんて、安すぎて全部買いたくなっちゃうわ!」
「あーこらこら、押さないでください。まだカニ寿司以外にもありますから」
賑わう寿司屋の屋台で、リュウヤはカニ料理を振る舞っていた。
カニ入りの味噌汁、カニ丼、カニ入り天津飯、カニ鍋、カニ寿司と、大量のカニ料理を提供した。更に、他の飯屋でも、カニカレーやカニサンド、カニパンなどと言ったものが売られた。
そして、あんな事があったにも関わらず、この場所は凄く賑わっていた。ただ、タクマとメアの二人を除いては……
(殺しもしない。なのにあれ程まで最強にこだわり、ボコボコにぶちのめしている。オニキスの本当の目的は何なんだって言うんだ……)
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