コピー使いの異世界探検記
第81話 夜明け!サマーリゾート
「大丈夫ですか……?」
「ほら、さっさと起きるのじゃ!」
聞き覚えのある少女達の声が聞こえる。その声に誘われるように、タクマは目を開けた。
栗色の髪をしたスク水少女と、黒ビキニを身に纏った金髪の少女が、こちらの顔を覗き込んでいる。
だが、目に砂が入っているせいか、霞んで目が見えない。
「ここは……天国か?」
タクマは自分の声が出るか試すがてら、目の前の少女達に訊く。
すると、スク水の少女が「まぁ、天国みたいな所ですね」と答えた。
「嘘ォ!俺、また死んじゃったの!?」
タクマはその答えに驚き、飛び上がるようにして立ち上がった。
だが、身体にはしっかりと地に足がついている感覚がある。フワフワしている感じもなければ、特に重くもない。
「全く、何を寝ぼけておるのじゃ?」
「また死んだなんて、変な冗談はよしてくださいよ」
少女達は、驚くタクマの事を笑い、手を差し伸べた。
だんだんと視界がはっきりしていく。
そして、タクマはその二人の少女の正体に気付き、「あああああ!!」と叫び声を上げた。
「メア!ノエル!無事だったのか!」
「何とか奇跡的にな」
メアは腰に手を当て、やっとちゃんとした再開を果たしたタクマを歓迎した。
確かに触れている感触もある。それに、ちょっとした痛みも感じる。もしこれが夢や天国なら、そんなものは多分感じない筈。となると、死んでいないと考えるべきだろう。
「それにしても不思議ですよね、あんな大海原に投げ出されたら普通死んじゃうのに」
「え?投げ出された……?」
タクマは覚えのない話に耳を疑う。
するとメアは「まだ寝ぼけておるのか?」と呆れた顔をしながら、その時の事を話した。
「そういえばそうだったな……」
タクマはその話を聞いて、全てを思い出す。それと同時に、あの時全身に伝った考えられないほど冷たかった海水の感覚が蘇る。
暗い海の中、出もしない声でリュウヤ達の名前を叫んだ、あの楽しい船旅がガラガラと音を立てて崩れ落ちていった瞬間。
タクマはその全てを思い出して身を震えさせた。
「そうだリュウヤ!リュウヤは無事なのか!」
タクマはメアの肩を掴み、そう訊ねる。
だが、メアがその答えを言おうとした時、どこからか掛け声が聞こえてきた。
「へい!メロン果汁100%かき氷お待たせぇっ!!」
リュウヤの声だ。タクマは飛び立つ鳥のように、その声が聞こえる所へと飛んでく。
そこには、鉢巻を額に巻き、全速力でかき氷機のレバーを回すリュウヤが居た。
「リュウヤ!お前も無事だったのか!」
「誰かと思ったら、寝坊助タクマ様じゃないか。おそよう」
リュウヤは気楽そうに笑いながら、再開したタクマにかき氷を渡した。
そのかき氷には赤いシロップがかけられている。苺味のようだ。
「やっぱ、ここは人が多いし暑いからさ、かき氷が売れるんだ」
「へぇ……で、ここどこなんだ?」
タクマはカウンター席らしき場所に腰をかけ、リュウヤに訊ねる。
するとリュウヤは、両手をバッと広げながら「リゾートビーチだッ!」と声を上げた。
確かに周りを見てみると、スク水姿のノエル以外に、水着姿のカップルやビーチバレーを楽しむ人達や、海の上に浮かぶ竹がある。ん?竹?
「そういやリュウヤ、吾郎爺とおタツさんは?」
「タツはアレだな」
リュウヤは冷静な顔で、海の上に浮かぶ竹を指差した。だが、そこにはただ竹の筒が一本海から生えているだけで、特に何もない。
するとリュウヤは「うーん」と唸り、「恥ずかしいからやめろとは言ったんだが、水遁の術の練習がやりたいとうるさくってさ……」と答えた。
「成る程、そんで吾郎爺は?」
続けて訊くと、リュウヤは黙って隣のパラソルが付いた丸いテーブルを指差す。
そこには、沢山の水着のお姉さん達が群がっていた。
「すごーい!これでもう6杯目だよ?」「キャー!ハンサム!素敵!」
一体何を祀っているのだろうか。タクマは気になって、かき氷を食べながら向かった。
するとそこには、サングラスをかけた着物姿の吾郎爺が山盛りのかき氷をガツガツと食べていた。
「あー、何やってんの吾郎爺」
タクマは冷静なツッコミを入れるように訊く。
すると吾郎爺はサングラスをかっこよく外し、少しチャラ目に「大食いだぜベイベー」と答えた。
「どうしちゃったの吾郎爺、いつもなら何たらでござるって……」
「此処ではこれが標準語らしいでござる」
吾郎は少し困った表情を見せながら、困った目を隠すようにサングラスをかけ直した。
すると今度は、水着の女性達が「ねーねー吾郎さん。キンニクみ・せ・て」と吾郎にせがむ。
「しょうがないでござるな〜」
吾郎はかき氷を思いっきり口の中に放り込んでから、上着を脱いだ。
そこからは六つに割れた腹筋や刀傷など、まさに歴戦の猛者だった証が現れた。
「凄い傷、どうしたんですか?」
「嬢ちゃんや、知らない方が幸せな事もあるでござるよ」
「いやん吾郎さん、カッコいい事言う」
女性達は吾郎の持つ自慢の腹筋を触り、キャッキャと楽しんでいた。
それはそうと、おタツはよしとしてブレイク達は何処へ行ったのだろうか……
タクマは吾郎達の居る場所を後にし、ビーチチェアのある場所へ向かった。
「ここにもブレイクさんは居ないか……」
辺りを探すが、ブレイクどころか、赤い髪の男すら見当たらなかった。
だがそんな時、何処からか声が聞こえて来る。
『久しぶり』
「だ、誰だ?」
タクマは謎の声を耳にして、後ろを振り向く。しかし、そこには誰も居ない。
すると今度は『そっちじょないよ』と謎の存在が声をかけた。
「どうしたのじゃ、タクマ」
「いきなり走り出した……」
ノエルがタクマの前に歩み寄ろうとした瞬間、時が止まった。
鳴いていたウミネコは空中で固まり、砂に落ちたスイカ型ビーチボールは、空中にバウンドしたまま止まっている。
そして、波も風も、全てが停止していた。
「いやぁ災難だったねぇ、凄い事件だったでしょ」
聞き覚えのある少年の声だ。タクマは声の方を振り返る。すると、そこに一人だけ時が止まっている中を動き続ける男が居た。
顔は見えないが、ズズズと音を立てて飲み干したトロピカルジュースのグラスをパラソル立て付きのテーブルに置いている。
そして、そこから飛び上がるように立ち、こちらに近付いてきた。
「おま……やっぱり神サマか」
「おやまぁ、あんまり歓迎されてないみたいだね」
パラソルの影から現れた、神と名乗る少年は感情を感じられない笑顔で呟く。
そりゃそうだ。あれだけ死ぬかもしれないって言う事態が起きたと言うのに、何が災難だっただ。他人事にも程がある。
だが、タクマは心の中で愚痴っていても、それは相手には筒抜けだった事を思い出し、自然と口に手を当てた。
「ハハッ、ごめんね。僕達神々は恐怖的感情はあまり出さないからさ」
少年は心のないような、感情のこもっていない笑い声を上げる。
タクマは呑気な少年に振り回され、首の裏を掻く。
「もしかして、あなたが助けてくれたとか?」
タクマはまさかと思い、少年に訊ねた。
考えてみても、もし仮に自分が死んでしまったら、少年側も困る。そして同時に、謎の鎧男、αも困るらしい。
だとすれば、どんなに確実に死ぬような状況でも、生かす為に何もしない事はありえない。
だが少年は首を横に振り「知らないな」と答えた。
「そんな筈あるか、あそこは近くに大陸もない大海原だった。あんな所で死なずに漂流なんて普通に考えてもありえない」
「そう言われても、僕は君を助けた事はないよ」
少年は疑うタクマの質問を笑って一蹴する。
そして少年は、無理矢理話題を変えた。
「僕が来たって事は、どう言う事か分かるかい?」
「え……?」
タクマはいきなりの質問に首を捻る。
すると、少年は口に手を当ててクスクスと笑いながら「やっぱり暫くぶりだから忘れたかな」と呟いた。
「ほら、対価だよ。覚えてる?君の頑張った分、コピー能力を強くするって約束」
少年はまた空っぽの笑顔をタクマに向け、小指を立てた右手を出した。
小指、それは約束を意味するもの。
そして少年は、続けて「君に新しく与える能力はね……」と言いながら、水の入ったコップと、火を上げて燃える木炭を取り出した。
「え!?」
「あぁ気にしないで。僕は神だから、こんなの持っても熱くないし火傷もしないよ」
「ならいいけど、それは何を?」
タクマは、少年が意味深に持つ木炭と水を見て考える。
そして、何か思いついたのか、成る程と手を叩く。
「コピーできる魔法の上限が上がる!」
「君にしては感のいい答えだね。正解だよ」
少年はタクマの鈍感さを馬鹿にしつつも、答えられた事を褒める。正直嬉しくない。
「今からその能力は発動できるって事で、僕はもうドロンするよ」
「あ、ちょっと!」
タクマは背を向ける少年の跡を追おうとする。
だが、瞬きをした瞬間、周りの時が動き出し、追っていた筈の少年がいなくなっていた。
ウミネコは鳴きながら空を飛び、波の音や体を冷やすような風が吹く。
そして、ビーチバレーをしていた客達は「あーやられたー!」と、ボールを打てなかった事を悔やんでいる。
「本当に大丈夫か?」
「やっぱり頭打ったんじゃ……」
ノエルは平たい胸を近付け、タクマの額に自分の額も当てる。
タクマは、何故か胸が激しく動き出すような姿で身体を合わせようとするノエルを突き飛ばすようにして「大丈夫」と答えた。
「ほら、さっさと起きるのじゃ!」
聞き覚えのある少女達の声が聞こえる。その声に誘われるように、タクマは目を開けた。
栗色の髪をしたスク水少女と、黒ビキニを身に纏った金髪の少女が、こちらの顔を覗き込んでいる。
だが、目に砂が入っているせいか、霞んで目が見えない。
「ここは……天国か?」
タクマは自分の声が出るか試すがてら、目の前の少女達に訊く。
すると、スク水の少女が「まぁ、天国みたいな所ですね」と答えた。
「嘘ォ!俺、また死んじゃったの!?」
タクマはその答えに驚き、飛び上がるようにして立ち上がった。
だが、身体にはしっかりと地に足がついている感覚がある。フワフワしている感じもなければ、特に重くもない。
「全く、何を寝ぼけておるのじゃ?」
「また死んだなんて、変な冗談はよしてくださいよ」
少女達は、驚くタクマの事を笑い、手を差し伸べた。
だんだんと視界がはっきりしていく。
そして、タクマはその二人の少女の正体に気付き、「あああああ!!」と叫び声を上げた。
「メア!ノエル!無事だったのか!」
「何とか奇跡的にな」
メアは腰に手を当て、やっとちゃんとした再開を果たしたタクマを歓迎した。
確かに触れている感触もある。それに、ちょっとした痛みも感じる。もしこれが夢や天国なら、そんなものは多分感じない筈。となると、死んでいないと考えるべきだろう。
「それにしても不思議ですよね、あんな大海原に投げ出されたら普通死んじゃうのに」
「え?投げ出された……?」
タクマは覚えのない話に耳を疑う。
するとメアは「まだ寝ぼけておるのか?」と呆れた顔をしながら、その時の事を話した。
「そういえばそうだったな……」
タクマはその話を聞いて、全てを思い出す。それと同時に、あの時全身に伝った考えられないほど冷たかった海水の感覚が蘇る。
暗い海の中、出もしない声でリュウヤ達の名前を叫んだ、あの楽しい船旅がガラガラと音を立てて崩れ落ちていった瞬間。
タクマはその全てを思い出して身を震えさせた。
「そうだリュウヤ!リュウヤは無事なのか!」
タクマはメアの肩を掴み、そう訊ねる。
だが、メアがその答えを言おうとした時、どこからか掛け声が聞こえてきた。
「へい!メロン果汁100%かき氷お待たせぇっ!!」
リュウヤの声だ。タクマは飛び立つ鳥のように、その声が聞こえる所へと飛んでく。
そこには、鉢巻を額に巻き、全速力でかき氷機のレバーを回すリュウヤが居た。
「リュウヤ!お前も無事だったのか!」
「誰かと思ったら、寝坊助タクマ様じゃないか。おそよう」
リュウヤは気楽そうに笑いながら、再開したタクマにかき氷を渡した。
そのかき氷には赤いシロップがかけられている。苺味のようだ。
「やっぱ、ここは人が多いし暑いからさ、かき氷が売れるんだ」
「へぇ……で、ここどこなんだ?」
タクマはカウンター席らしき場所に腰をかけ、リュウヤに訊ねる。
するとリュウヤは、両手をバッと広げながら「リゾートビーチだッ!」と声を上げた。
確かに周りを見てみると、スク水姿のノエル以外に、水着姿のカップルやビーチバレーを楽しむ人達や、海の上に浮かぶ竹がある。ん?竹?
「そういやリュウヤ、吾郎爺とおタツさんは?」
「タツはアレだな」
リュウヤは冷静な顔で、海の上に浮かぶ竹を指差した。だが、そこにはただ竹の筒が一本海から生えているだけで、特に何もない。
するとリュウヤは「うーん」と唸り、「恥ずかしいからやめろとは言ったんだが、水遁の術の練習がやりたいとうるさくってさ……」と答えた。
「成る程、そんで吾郎爺は?」
続けて訊くと、リュウヤは黙って隣のパラソルが付いた丸いテーブルを指差す。
そこには、沢山の水着のお姉さん達が群がっていた。
「すごーい!これでもう6杯目だよ?」「キャー!ハンサム!素敵!」
一体何を祀っているのだろうか。タクマは気になって、かき氷を食べながら向かった。
するとそこには、サングラスをかけた着物姿の吾郎爺が山盛りのかき氷をガツガツと食べていた。
「あー、何やってんの吾郎爺」
タクマは冷静なツッコミを入れるように訊く。
すると吾郎爺はサングラスをかっこよく外し、少しチャラ目に「大食いだぜベイベー」と答えた。
「どうしちゃったの吾郎爺、いつもなら何たらでござるって……」
「此処ではこれが標準語らしいでござる」
吾郎は少し困った表情を見せながら、困った目を隠すようにサングラスをかけ直した。
すると今度は、水着の女性達が「ねーねー吾郎さん。キンニクみ・せ・て」と吾郎にせがむ。
「しょうがないでござるな〜」
吾郎はかき氷を思いっきり口の中に放り込んでから、上着を脱いだ。
そこからは六つに割れた腹筋や刀傷など、まさに歴戦の猛者だった証が現れた。
「凄い傷、どうしたんですか?」
「嬢ちゃんや、知らない方が幸せな事もあるでござるよ」
「いやん吾郎さん、カッコいい事言う」
女性達は吾郎の持つ自慢の腹筋を触り、キャッキャと楽しんでいた。
それはそうと、おタツはよしとしてブレイク達は何処へ行ったのだろうか……
タクマは吾郎達の居る場所を後にし、ビーチチェアのある場所へ向かった。
「ここにもブレイクさんは居ないか……」
辺りを探すが、ブレイクどころか、赤い髪の男すら見当たらなかった。
だがそんな時、何処からか声が聞こえて来る。
『久しぶり』
「だ、誰だ?」
タクマは謎の声を耳にして、後ろを振り向く。しかし、そこには誰も居ない。
すると今度は『そっちじょないよ』と謎の存在が声をかけた。
「どうしたのじゃ、タクマ」
「いきなり走り出した……」
ノエルがタクマの前に歩み寄ろうとした瞬間、時が止まった。
鳴いていたウミネコは空中で固まり、砂に落ちたスイカ型ビーチボールは、空中にバウンドしたまま止まっている。
そして、波も風も、全てが停止していた。
「いやぁ災難だったねぇ、凄い事件だったでしょ」
聞き覚えのある少年の声だ。タクマは声の方を振り返る。すると、そこに一人だけ時が止まっている中を動き続ける男が居た。
顔は見えないが、ズズズと音を立てて飲み干したトロピカルジュースのグラスをパラソル立て付きのテーブルに置いている。
そして、そこから飛び上がるように立ち、こちらに近付いてきた。
「おま……やっぱり神サマか」
「おやまぁ、あんまり歓迎されてないみたいだね」
パラソルの影から現れた、神と名乗る少年は感情を感じられない笑顔で呟く。
そりゃそうだ。あれだけ死ぬかもしれないって言う事態が起きたと言うのに、何が災難だっただ。他人事にも程がある。
だが、タクマは心の中で愚痴っていても、それは相手には筒抜けだった事を思い出し、自然と口に手を当てた。
「ハハッ、ごめんね。僕達神々は恐怖的感情はあまり出さないからさ」
少年は心のないような、感情のこもっていない笑い声を上げる。
タクマは呑気な少年に振り回され、首の裏を掻く。
「もしかして、あなたが助けてくれたとか?」
タクマはまさかと思い、少年に訊ねた。
考えてみても、もし仮に自分が死んでしまったら、少年側も困る。そして同時に、謎の鎧男、αも困るらしい。
だとすれば、どんなに確実に死ぬような状況でも、生かす為に何もしない事はありえない。
だが少年は首を横に振り「知らないな」と答えた。
「そんな筈あるか、あそこは近くに大陸もない大海原だった。あんな所で死なずに漂流なんて普通に考えてもありえない」
「そう言われても、僕は君を助けた事はないよ」
少年は疑うタクマの質問を笑って一蹴する。
そして少年は、無理矢理話題を変えた。
「僕が来たって事は、どう言う事か分かるかい?」
「え……?」
タクマはいきなりの質問に首を捻る。
すると、少年は口に手を当ててクスクスと笑いながら「やっぱり暫くぶりだから忘れたかな」と呟いた。
「ほら、対価だよ。覚えてる?君の頑張った分、コピー能力を強くするって約束」
少年はまた空っぽの笑顔をタクマに向け、小指を立てた右手を出した。
小指、それは約束を意味するもの。
そして少年は、続けて「君に新しく与える能力はね……」と言いながら、水の入ったコップと、火を上げて燃える木炭を取り出した。
「え!?」
「あぁ気にしないで。僕は神だから、こんなの持っても熱くないし火傷もしないよ」
「ならいいけど、それは何を?」
タクマは、少年が意味深に持つ木炭と水を見て考える。
そして、何か思いついたのか、成る程と手を叩く。
「コピーできる魔法の上限が上がる!」
「君にしては感のいい答えだね。正解だよ」
少年はタクマの鈍感さを馬鹿にしつつも、答えられた事を褒める。正直嬉しくない。
「今からその能力は発動できるって事で、僕はもうドロンするよ」
「あ、ちょっと!」
タクマは背を向ける少年の跡を追おうとする。
だが、瞬きをした瞬間、周りの時が動き出し、追っていた筈の少年がいなくなっていた。
ウミネコは鳴きながら空を飛び、波の音や体を冷やすような風が吹く。
そして、ビーチバレーをしていた客達は「あーやられたー!」と、ボールを打てなかった事を悔やんでいる。
「本当に大丈夫か?」
「やっぱり頭打ったんじゃ……」
ノエルは平たい胸を近付け、タクマの額に自分の額も当てる。
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