コピー使いの異世界探検記
第54話 謀反、結界岩の開放
「にしても変な話だな、魔王を倒すのにお手玉を使うなんて」
「え……オーブじゃない……?」
タクマは考えていた物と全然違う物が出てきた事に腰を抜かして驚く。
それにしても、不思議だ。
何故オーブでもない物が、この箱に……
「ノブナガ様……このお手玉って一体……」
タクマはノブナガに訊く。
するとノブナガは、その金のお手玉を破き、中身を出した。
するとそこから、小豆と一緒に、ちょっと赤い染みのついた小石、誰かの名前が書かれている色あせた紙などがボロボロと落ちてきた。
「これはワシが大うつけと呼ばれていた時、最高の悪友達との思い出を詰め込んだ小さな宝袋だ」
「けど、何故それを俺に……?」
ノブナガは中身の紙を見つめながら言う。
そして、少し間を開けてから、ノブナガは「自慢したかっただけだ」と高らかに笑いながら答えた。
それを聞いて、タクマはずっこけそうになる。
「それにしても、何故ワシがオーブを持っていると思ったのかね?」
「実はその……」
凄く言いづらそうにしながらも、タクマは何故ノブナガがオーブを持っているのか考えた理由を話した。
「そうか、あの骸骨兵士の時にか……」
「アレは一体その、どう言った意味が……」
するとノブナガは、ゆっくりと冷静に「いやだって、喋る骸骨とか怖いじゃん?」と答えた。
「確かに言われてみれば怖いです」
「だろ?流石のワシでも急に喋られたらビビるさ」
そんな話をしていると、襖が開く音が後ろから聞こえてきた。
誰か入ってきたようだ、タクマは後ろを振り向こうとする。
しかしその瞬間、タクマはノブナガに突き飛ばされた。
そして、ナイフで刺されたような鈍い音が二回聞こえ、それと同時に小さな唸り声が微かに聞こえる。
「ノブナガ様!?」
タクマは名を叫びながら、ノブナガの方を向く。
するとそこには、胸に二本の投げナイフが刺さったノブナガと、襖の前に立つ人影の姿があった。
しかもその投げナイフは、殺人現場で発見された黒いナイフ、つまりメアの持っていた投げナイフと一致している。
犯人の顔は黒い布巾着のような物で覆われていて分からないが、袴を履いているから、奴は男で間違いない。
『やっと見つけたぞ、我が同胞よ』
恐ろしい気を帯びた謎の男は、タクマの方をじっと見つめながら言う。
「同胞?俺はアンタみたいなのは知らんぞ!」
『ほざけ、我も貴様みたいな冴えないガキは知らん、とにかくオーブを寄越せ』
謎の男は瞬間移動でタクマの前に立ち、胸ぐらを掴み上げながら言う。
力強い、武器も無いこの状況だと、本当にオーブを奪われる。
だがそんな時、ノブナガはその謎の男の首を羽交い締めにし、タクマから引き剥がした。
「あんな小刀二本でワシを殺せると思ったか!」
この状況を楽しんでいるのか、ノブナガは口をにやつかせながら男の巾着を剥ぎ取った。
そして、その謎の男の正体を見たタクマ達は驚き固まった。
「嘘、だろ……」
「やはりそうだったか……黒銀」
………
……
【大和竹林】
「何じゃ?この岩は」
城から抜け出したメアは、竹林の中で意味深に立ち尽くす、虎のような黒い模様の入っている岩を見つめながら、おタツに訊ねる。
「それは虎の結界岩、五獣結界岩の一つでありんす」
「ごじゅうけっかいがん?」
メアは聴き慣れない言葉に首を傾げる。
するとおタツは、何もない筈の背中から紙を取り出して広げた。
そこには、簡潔な大和の地図が描かれていた。
地図上部に大きく描かれた存在感のある城、それを支えるかのように描かれた城下町。
そして、その周りを丸く囲む竹林、しかもよく見てみると、その竹林の中に赤い点印が五つ入っているのが見えた。
「おタツ、この赤い点は何じゃ?」
メアは点印を指して訊ねる。
「コレは結界の場所でありんす、そしてコレらをこんな感じで繋げると……」
「成る程、そう言う訳か……」
おタツはその地図にある赤い点をつなぎ合わせ、地図の上に星印を描いた。
「こんな感じで、この五つの結界岩を起動する事で国が守られる仕組みでありんす」
「五獣だか何だか分からぬが、粋な事するのぅ」
「……それで、コレを起動するのに妾の力が必要と言うが、どうすれば良いのじゃ?」
メアは何処からどう見ても、虎の模様みたいな物が入っただけの岩を触りながらおタツに訊く。
そしておタツは、メアにその軌道の仕方を教えた。
「まずはウチが力を注ぐ為の口を開けるでありんす」
そう言うとおタツは、手を複雑な形で絡ませたり合わせたりを繰り返した後、結界岩に手を乗せる。
するとその岩はゴゴゴと音を立てながら動き出し、口のような空洞が現れた。
「この中に、妾の闇魔法を食わせれば良いのじゃな?」
「流石メアちゃん、話が早くて助かるでありんす。それでは、お願いするでありんす」
メアは頼まれ、結界岩の口を狙って《メガ・ドゥンケル》を発動させた。
すると、右手から放たれた闇の気弾は、そのまま虎の口の中へと吸い込まれていった。
「こ、これで良い……のか?」
「えぇ、そろそろ面白いのが始まるでありんすよ」
おタツがそう言うと、闇の気弾を吸った結界岩は、ドン!と大きな音を立てながら口を閉じ、目を光らせた。
「うわっ!動いたぞ!」
「まず一つ目は完了、次行くでありんす」
そうしてメアとおタツの二人は、次の結界岩へと向かおうとした。
だがその時、地面が大きく揺れ出し、城の方から爆発音が鳴り響く。
そして、その音の後を追うように、今にも吹き飛ばされそうな暴風が吹き荒れる。
「な、何事じゃ!?」
メアは飛ばされないように、立派な竹に捕まって耐える。
「こんな時に……とにかく急ぐでありんす!」
メアはおタツの後をついて行き、早めに次の結界岩を起動しに向かった。
「え……オーブじゃない……?」
タクマは考えていた物と全然違う物が出てきた事に腰を抜かして驚く。
それにしても、不思議だ。
何故オーブでもない物が、この箱に……
「ノブナガ様……このお手玉って一体……」
タクマはノブナガに訊く。
するとノブナガは、その金のお手玉を破き、中身を出した。
するとそこから、小豆と一緒に、ちょっと赤い染みのついた小石、誰かの名前が書かれている色あせた紙などがボロボロと落ちてきた。
「これはワシが大うつけと呼ばれていた時、最高の悪友達との思い出を詰め込んだ小さな宝袋だ」
「けど、何故それを俺に……?」
ノブナガは中身の紙を見つめながら言う。
そして、少し間を開けてから、ノブナガは「自慢したかっただけだ」と高らかに笑いながら答えた。
それを聞いて、タクマはずっこけそうになる。
「それにしても、何故ワシがオーブを持っていると思ったのかね?」
「実はその……」
凄く言いづらそうにしながらも、タクマは何故ノブナガがオーブを持っているのか考えた理由を話した。
「そうか、あの骸骨兵士の時にか……」
「アレは一体その、どう言った意味が……」
するとノブナガは、ゆっくりと冷静に「いやだって、喋る骸骨とか怖いじゃん?」と答えた。
「確かに言われてみれば怖いです」
「だろ?流石のワシでも急に喋られたらビビるさ」
そんな話をしていると、襖が開く音が後ろから聞こえてきた。
誰か入ってきたようだ、タクマは後ろを振り向こうとする。
しかしその瞬間、タクマはノブナガに突き飛ばされた。
そして、ナイフで刺されたような鈍い音が二回聞こえ、それと同時に小さな唸り声が微かに聞こえる。
「ノブナガ様!?」
タクマは名を叫びながら、ノブナガの方を向く。
するとそこには、胸に二本の投げナイフが刺さったノブナガと、襖の前に立つ人影の姿があった。
しかもその投げナイフは、殺人現場で発見された黒いナイフ、つまりメアの持っていた投げナイフと一致している。
犯人の顔は黒い布巾着のような物で覆われていて分からないが、袴を履いているから、奴は男で間違いない。
『やっと見つけたぞ、我が同胞よ』
恐ろしい気を帯びた謎の男は、タクマの方をじっと見つめながら言う。
「同胞?俺はアンタみたいなのは知らんぞ!」
『ほざけ、我も貴様みたいな冴えないガキは知らん、とにかくオーブを寄越せ』
謎の男は瞬間移動でタクマの前に立ち、胸ぐらを掴み上げながら言う。
力強い、武器も無いこの状況だと、本当にオーブを奪われる。
だがそんな時、ノブナガはその謎の男の首を羽交い締めにし、タクマから引き剥がした。
「あんな小刀二本でワシを殺せると思ったか!」
この状況を楽しんでいるのか、ノブナガは口をにやつかせながら男の巾着を剥ぎ取った。
そして、その謎の男の正体を見たタクマ達は驚き固まった。
「嘘、だろ……」
「やはりそうだったか……黒銀」
………
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【大和竹林】
「何じゃ?この岩は」
城から抜け出したメアは、竹林の中で意味深に立ち尽くす、虎のような黒い模様の入っている岩を見つめながら、おタツに訊ねる。
「それは虎の結界岩、五獣結界岩の一つでありんす」
「ごじゅうけっかいがん?」
メアは聴き慣れない言葉に首を傾げる。
するとおタツは、何もない筈の背中から紙を取り出して広げた。
そこには、簡潔な大和の地図が描かれていた。
地図上部に大きく描かれた存在感のある城、それを支えるかのように描かれた城下町。
そして、その周りを丸く囲む竹林、しかもよく見てみると、その竹林の中に赤い点印が五つ入っているのが見えた。
「おタツ、この赤い点は何じゃ?」
メアは点印を指して訊ねる。
「コレは結界の場所でありんす、そしてコレらをこんな感じで繋げると……」
「成る程、そう言う訳か……」
おタツはその地図にある赤い点をつなぎ合わせ、地図の上に星印を描いた。
「こんな感じで、この五つの結界岩を起動する事で国が守られる仕組みでありんす」
「五獣だか何だか分からぬが、粋な事するのぅ」
「……それで、コレを起動するのに妾の力が必要と言うが、どうすれば良いのじゃ?」
メアは何処からどう見ても、虎の模様みたいな物が入っただけの岩を触りながらおタツに訊く。
そしておタツは、メアにその軌道の仕方を教えた。
「まずはウチが力を注ぐ為の口を開けるでありんす」
そう言うとおタツは、手を複雑な形で絡ませたり合わせたりを繰り返した後、結界岩に手を乗せる。
するとその岩はゴゴゴと音を立てながら動き出し、口のような空洞が現れた。
「この中に、妾の闇魔法を食わせれば良いのじゃな?」
「流石メアちゃん、話が早くて助かるでありんす。それでは、お願いするでありんす」
メアは頼まれ、結界岩の口を狙って《メガ・ドゥンケル》を発動させた。
すると、右手から放たれた闇の気弾は、そのまま虎の口の中へと吸い込まれていった。
「こ、これで良い……のか?」
「えぇ、そろそろ面白いのが始まるでありんすよ」
おタツがそう言うと、闇の気弾を吸った結界岩は、ドン!と大きな音を立てながら口を閉じ、目を光らせた。
「うわっ!動いたぞ!」
「まず一つ目は完了、次行くでありんす」
そうしてメアとおタツの二人は、次の結界岩へと向かおうとした。
だがその時、地面が大きく揺れ出し、城の方から爆発音が鳴り響く。
そして、その音の後を追うように、今にも吹き飛ばされそうな暴風が吹き荒れる。
「な、何事じゃ!?」
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