コピー使いの異世界探検記
第38話 終わらない悪夢の意味
警備ロボ達の中から現れたモヒカン男達が、一度落とした武器を持ってこちらに近づいて来る。
男たちの目は虚で、まだ操られているようだ。
だけど、洗脳装置らしきものが見当たらない。かろうじて服は着ているが、どこからどう見ても普通の服でしかない。
ただ、それよりも厄介な話が一つだけある。
それは、奴らがロボットでも人に危害を加える魔物でもない、ただ操られているだけの人間と言う事だ。
そのせいで手を出そうにも出せない。
「絶対に連れて帰る」と豪語した以上、尚更だ。
「どうするんですかタクマさん、相手は人ですよ?」
「どうするもこうするも、ここは何としてでも洗脳を解除するしか……」
「じゃが、こっちが攻撃しないように、どうやって奴らを止めるのじゃっ!?」
タクマ達は口々に言いながら、迫ってくるゴロツキから距離を取る。
そして、その間にタクマは考えた。
まだ水が残っている、もう一度《ウォーター》と《サンダー》を使った撃退法を使うか……?
いやしかし、この場合はあくまでも装甲が中身を守った。生身で使えば、とどのつまり彼らを殺すことになる。
だとすると……
タクマは、考えながらも目に入ったノエルの杖を見て閃いた。
「これだ!」
タクマは静かに呟いた。
「タクマ、何か解決策が出来たのか?」
「ここはひとまず、俺が閉じ込められた方に逃げよう、ノエルはまだ残っている水を《フリズ》で凍らせてくれ」
「成る程、床を凍らせて奴らを滑らせる作戦じゃな。タクマにしては考えたの」
「最後の一言余計だけども……まずはコレで行くぞっ!!」
そう言い、ノエルはすぐさま《フリズ》を足元の水に放ち、タクマ達は逃げた。
足元の水がだんだん凍り、1秒もしない間にスケートリンクかのように滑るようになった。
ゆっくりと迫ってくるゴロツキ達は、タクマの思った通り滑って転んでいる。
「何度頑張っても転ぶというのに、懲りな……ぶへっ!!」
「メアさん、大丈……ぎゃっ!」
しかし、それと同時にメアとノエルもコケてしまった。
ゴロツキ達もコケてはいるものの着々と近づいてきている。
「こうなったら……」
タクマはメアとノエルの手を掴み、二人をの手助けをしながら走った。
「タ、タクマ……?」
「小学時代に学んだスケート技術が、まさかこんなとこで生かせるとはな……」
タクマはそう言いながら滑り、何とかゴロツキ達から距離を取った。
しかし、足元の氷がなくなった事に気づかず、タクマだけ何もない場所でコケた。
「まーた、すぐ調子乗るんじゃから……」
「でもカッコよかったですよ、タクマさん」
今度はメアとノエルが手を差し伸べた。
「悪い悪い」
タクマは、二人の手を掴み立ち上がり、先に続く道という道を走った。
しかし、進みに進んでも、分かれ道すらない一方通行、扉も見当たらない。
「はぁ、はぁ……この先に……何かあるんですか……?」
ノエルは息を切らしながらタクマに訊ねる。
「でも操られてるってんなら、操ってる奴が居る筈だ」
「じゃが本当にこの道で合って……って、タクマ後ろぉぉぉ!!」
メアが後ろを振り向きながら驚く。
タクマが何が起きたのか振り向くと、そこには必死で追いかけてくるゴロツキ達が居た。
それを見て、タクマも目が飛び出そうなくらい驚く。
生気なんてものがない目をしながら、ごっつい武器を持って走ってくる。
二度、三度と、道を曲がる。
ってかこれ何回曲がるんだよっ!!
そうイライラしながらも、必死で曲がり角を曲がった。
「タクマ!あれ……」
するとメアが、また何かを見つけ、それをタクマに伝える。
そこには……
「「「扉だっ!!」」」
三人は声を揃えて、今走っている通路の扉を見る。
ゴロツキ達はまだ曲がり角の先に居るのか、姿は見えない。
「とりあえずはここに隠れよう!行けるか、ノエル!」
「えぇ、この辺からなら……」
ノエルはそう言って扉の前で立ち止まり、早めの深呼吸をした。
例えどんな壁だろうと岩だろうと、とりあえずのモノであればノエルの馬鹿力で何とかなってくれる。
タクマはそう信じた。
「どっせい!」
漢気のある掛け声と共に弾丸のような正拳突きが繰り出され、辺りに強めの風が吹く。
そして、突然の衝撃でバグった扉が、勝手に開いた。
「よし、入るぞ」
【謎の部屋】
『侵入者、排除スル!』『侵入者、排除スル!』
こちらに気付かず、ゴロツキ達は真っ直ぐ進んでいった。
まずは奴らを撒いた、タクマはその安心に浸りながら、レーザーで撃たれた足の傷に包帯を巻いた。
「はぁ、はぁ、もう動けません……」
ノエルは体力の限界で、その場に倒れ込んでしまう。
「それにしてもこの部屋、暗くてよく見えないな……」
「どこかに光源らしきものがあれば……きゃっ!」
闇雲に周りの壁を触って何があるか確認していたメアが、小さな悲鳴を上げながら倒れかけた。
そして、それと同時に部屋の明かりがついた。
「こんなとこに予備電があったか……って、これは!?」
タクマは、そこにあった物を見て驚いた。
そこにはなんと、蒼のオーブを眼としたトーテムポールのような機械があった。
「タクマ、アレって……」
「あぁ、オーブだな……」
タクマは、特に何もない事を確認し、剣で埋め込まれているオーブを取ろうとした。
するとその時、オーブからレーザーが放たれた。
「わっ!何だ一体!?」
間一髪でタクマは避け、そのトーテムポールらしき機械を見た。
すると、オーブが埋め込まれている所だけがタクマを睨んできた。
『下等な人間め、何故にここへ来た』
「うわ、喋った」
『低脳が、我は最強の頭脳を持つ者よ、貴様ら下等生物の扱う言語なぞ全て理解している』
傲慢な態度で、その機械はタクマ達に語りかける。
その傲慢な話し方に対し、メアは口を膨らませて怒っている。フグみたいで可愛い。
けど今はそんな事言っている場合じゃない。
「お主があのゴロツキを洗脳した元締か?」
『いかにも、我こそが天才科学者、Dr.Z様にオーブの力を源として作り上げられたメカ製造機、ブラウアイ・マザートーテムだ』
耳をつんざくような不快な機械音声が、そう名乗る。
「マザーだと……?」
「と言う事は、あのバカデカいゴーレムを作ったのもお主と……」
『あぁ、我とDr.Z様の自信作だ』
ブラウアイは自慢げに語る。
それを聞いたタクマは、オニキスが言っていた事の本当の意味を知った。
悪夢は終わらない。
それつまり、今回現れたゴーレムを倒しても、ブラウアイがまた開発して暴れ出すと言う事。
「なら仕方ない……ノエル、まだ行けるか?」
「えぇ、アレ壊したら故郷が平和になるって言うのに、ヘロヘロで休んでいられますか」
タクマが差し出した手を握り、ノエルは立ち上がる。
そして、三人は武器を取り出し、構えた。
『この神にも等しき頭脳を持つこの私に戦いを挑むか、よかろう』
「その偉そうな減らず口、妾達が縫い付けてやるぞ!」
男たちの目は虚で、まだ操られているようだ。
だけど、洗脳装置らしきものが見当たらない。かろうじて服は着ているが、どこからどう見ても普通の服でしかない。
ただ、それよりも厄介な話が一つだけある。
それは、奴らがロボットでも人に危害を加える魔物でもない、ただ操られているだけの人間と言う事だ。
そのせいで手を出そうにも出せない。
「絶対に連れて帰る」と豪語した以上、尚更だ。
「どうするんですかタクマさん、相手は人ですよ?」
「どうするもこうするも、ここは何としてでも洗脳を解除するしか……」
「じゃが、こっちが攻撃しないように、どうやって奴らを止めるのじゃっ!?」
タクマ達は口々に言いながら、迫ってくるゴロツキから距離を取る。
そして、その間にタクマは考えた。
まだ水が残っている、もう一度《ウォーター》と《サンダー》を使った撃退法を使うか……?
いやしかし、この場合はあくまでも装甲が中身を守った。生身で使えば、とどのつまり彼らを殺すことになる。
だとすると……
タクマは、考えながらも目に入ったノエルの杖を見て閃いた。
「これだ!」
タクマは静かに呟いた。
「タクマ、何か解決策が出来たのか?」
「ここはひとまず、俺が閉じ込められた方に逃げよう、ノエルはまだ残っている水を《フリズ》で凍らせてくれ」
「成る程、床を凍らせて奴らを滑らせる作戦じゃな。タクマにしては考えたの」
「最後の一言余計だけども……まずはコレで行くぞっ!!」
そう言い、ノエルはすぐさま《フリズ》を足元の水に放ち、タクマ達は逃げた。
足元の水がだんだん凍り、1秒もしない間にスケートリンクかのように滑るようになった。
ゆっくりと迫ってくるゴロツキ達は、タクマの思った通り滑って転んでいる。
「何度頑張っても転ぶというのに、懲りな……ぶへっ!!」
「メアさん、大丈……ぎゃっ!」
しかし、それと同時にメアとノエルもコケてしまった。
ゴロツキ達もコケてはいるものの着々と近づいてきている。
「こうなったら……」
タクマはメアとノエルの手を掴み、二人をの手助けをしながら走った。
「タ、タクマ……?」
「小学時代に学んだスケート技術が、まさかこんなとこで生かせるとはな……」
タクマはそう言いながら滑り、何とかゴロツキ達から距離を取った。
しかし、足元の氷がなくなった事に気づかず、タクマだけ何もない場所でコケた。
「まーた、すぐ調子乗るんじゃから……」
「でもカッコよかったですよ、タクマさん」
今度はメアとノエルが手を差し伸べた。
「悪い悪い」
タクマは、二人の手を掴み立ち上がり、先に続く道という道を走った。
しかし、進みに進んでも、分かれ道すらない一方通行、扉も見当たらない。
「はぁ、はぁ……この先に……何かあるんですか……?」
ノエルは息を切らしながらタクマに訊ねる。
「でも操られてるってんなら、操ってる奴が居る筈だ」
「じゃが本当にこの道で合って……って、タクマ後ろぉぉぉ!!」
メアが後ろを振り向きながら驚く。
タクマが何が起きたのか振り向くと、そこには必死で追いかけてくるゴロツキ達が居た。
それを見て、タクマも目が飛び出そうなくらい驚く。
生気なんてものがない目をしながら、ごっつい武器を持って走ってくる。
二度、三度と、道を曲がる。
ってかこれ何回曲がるんだよっ!!
そうイライラしながらも、必死で曲がり角を曲がった。
「タクマ!あれ……」
するとメアが、また何かを見つけ、それをタクマに伝える。
そこには……
「「「扉だっ!!」」」
三人は声を揃えて、今走っている通路の扉を見る。
ゴロツキ達はまだ曲がり角の先に居るのか、姿は見えない。
「とりあえずはここに隠れよう!行けるか、ノエル!」
「えぇ、この辺からなら……」
ノエルはそう言って扉の前で立ち止まり、早めの深呼吸をした。
例えどんな壁だろうと岩だろうと、とりあえずのモノであればノエルの馬鹿力で何とかなってくれる。
タクマはそう信じた。
「どっせい!」
漢気のある掛け声と共に弾丸のような正拳突きが繰り出され、辺りに強めの風が吹く。
そして、突然の衝撃でバグった扉が、勝手に開いた。
「よし、入るぞ」
【謎の部屋】
『侵入者、排除スル!』『侵入者、排除スル!』
こちらに気付かず、ゴロツキ達は真っ直ぐ進んでいった。
まずは奴らを撒いた、タクマはその安心に浸りながら、レーザーで撃たれた足の傷に包帯を巻いた。
「はぁ、はぁ、もう動けません……」
ノエルは体力の限界で、その場に倒れ込んでしまう。
「それにしてもこの部屋、暗くてよく見えないな……」
「どこかに光源らしきものがあれば……きゃっ!」
闇雲に周りの壁を触って何があるか確認していたメアが、小さな悲鳴を上げながら倒れかけた。
そして、それと同時に部屋の明かりがついた。
「こんなとこに予備電があったか……って、これは!?」
タクマは、そこにあった物を見て驚いた。
そこにはなんと、蒼のオーブを眼としたトーテムポールのような機械があった。
「タクマ、アレって……」
「あぁ、オーブだな……」
タクマは、特に何もない事を確認し、剣で埋め込まれているオーブを取ろうとした。
するとその時、オーブからレーザーが放たれた。
「わっ!何だ一体!?」
間一髪でタクマは避け、そのトーテムポールらしき機械を見た。
すると、オーブが埋め込まれている所だけがタクマを睨んできた。
『下等な人間め、何故にここへ来た』
「うわ、喋った」
『低脳が、我は最強の頭脳を持つ者よ、貴様ら下等生物の扱う言語なぞ全て理解している』
傲慢な態度で、その機械はタクマ達に語りかける。
その傲慢な話し方に対し、メアは口を膨らませて怒っている。フグみたいで可愛い。
けど今はそんな事言っている場合じゃない。
「お主があのゴロツキを洗脳した元締か?」
『いかにも、我こそが天才科学者、Dr.Z様にオーブの力を源として作り上げられたメカ製造機、ブラウアイ・マザートーテムだ』
耳をつんざくような不快な機械音声が、そう名乗る。
「マザーだと……?」
「と言う事は、あのバカデカいゴーレムを作ったのもお主と……」
『あぁ、我とDr.Z様の自信作だ』
ブラウアイは自慢げに語る。
それを聞いたタクマは、オニキスが言っていた事の本当の意味を知った。
悪夢は終わらない。
それつまり、今回現れたゴーレムを倒しても、ブラウアイがまた開発して暴れ出すと言う事。
「なら仕方ない……ノエル、まだ行けるか?」
「えぇ、アレ壊したら故郷が平和になるって言うのに、ヘロヘロで休んでいられますか」
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