Door
Door6 休日 2
2019年5月 (日曜日)
今日も惰眠を貪っている。
アリスとの予定は昼からなので別に慌てることもない。
しかし誰かが自分を起こそうと、部屋に入って来たのが何となく分かった。そして声を掛けられる。
「蓮…朝だぞ。早く起きないと私もベッドに入ってしまうぞ。」
「おわぁぁ!!」
一瞬で飛び起きた。どこで覚えたそんなん!
「流石は凛だ。兄の起こし方を良く知ってるな。」
「凛の仕業か…おかげで目が覚めたよ。」
何故マリーが居るのかというと、昨日は母さんが早く帰ってきて、夕飯を食べたマリーを半ば強引にウチに泊めたからである。
いつも通り凛は特等席でゴロゴロしながら動画を見てた。またあのアイドルか、好きだなぁ。
自分は花音が用意していた朝飯を食べる。
「あにぃ今日の目覚めは最高だったでしょ。」
「お前、マリーに変な事吹き込むなよ。」
「いいじゃん早く起きれたんだから。ねぇマーリン。」
「そうだぞ。無駄に寝て過ごすより遥かにいいだろう。」
何気に仲良いなこの2人。
「そういやマリー、向こうの世界でマリーの友達にあったんだ。アリス・アインシュタインって覚えてないか?」
「アリス…すまない…やはり何も覚えてないな。」
「いや謝る事はないよ。名前聞いただけじゃ、中々思い出せやしないよな。」
そろそろ時間なので向こうの世界に行くことにした。
「んじゃそろそろ行ってくるよ。」
「分かった。気をつけてな。」
「行ってらっしゃい。」
「マリーもまた明日な。」
「うん。」
ーーーーーーーーー
そしていつもの城下町の待ち合わせ場所に着いた。今日は自分の方が早かったから文句は言われないだろう。
数分待つとアリスはやって来た。
「今日は蓮の方が早かったね。」
「あぁ、これなら文句ないだろ。」
「うむ、いい心がけです。それで今日は何処に行くの?」
「そうだなぁ、とりあえず自分がいつも行ってるとこだな。」
今日の予定は、アリスの新しい細剣を買いに行くこと。なので自分の行きつけの店に向かう。
「ココがそうなの?結構年季入ってるけど…」
「まぁ外見はアレだけど、腕は確かだよ。自分の双剣もココで作ったんだ。」
「そういえば前から思ってたんだけど、キミの双剣って変わった形してるよね?普通の双剣と形状が全然違うし。」
「まぁ一応オーダーメイドなもんでね。」
「えぇぇっ!!オーダーメイドって結構値が張るんじゃないの?!」
「そうだなぁ…貯金ほとんど使い果たしたし…とまぁそれはいいとして、店の主人と話してくるからちょっと待ってて。」
「えっ、うん。分かった。」
それから数分してアリスを呼んだ。
「アリス、この人が店の主人のラッセルさんだ。
ラッセルさん、自分のパーティのアリスです。」
「初めましてアリス・アインシュタインです。」
「おぅ、ラッセル・スロアだ。よろしくな。今日は細剣探してんだってな。」
「あっはい。よろしくお願いします。」
店の主人のラッセル・スロアさん。2年前に知り合ってからずっとこの店に通って、自分の武器や防具の手入れを頼んだりしている。店番をしているが鍛冶もこなす。
「蓮から見て、どんな感じのがいいんだ?」
「そうですね、アリスは切断系よりも刺突系のが合ってると思います。」
「えっ、アタシってそうなの?」
「アリスだけって訳じゃなくて、女性の力を考えると切るより急所を狙って刺すのがいいんだ。あとアリスは繊細にモンスターの急所を狙うのが得意な気がする。」
「そうなんだ。キミって意外と細かなトコまで見てるんだね。」
「まぁこれでも教える立場だからさ。」
「刺突系となるとこれだな。エスパーダ。」
「なるほど、どうだアリス。」
「うん。あ、思ったより軽くて扱いやすいかも。」
その他にも何本か試した結果、エスパーダが1番しっくりきたみたいなので決まった。
そしてそのままお買い上げして店を出た。
「今度はアタシのとっておきのとこ連れてってあげる。」
「とっておきのとこ?」
ギルドの反対側に向かい路地裏を抜けると、そこには広々とした公園の様な場所に出た。
特に何かある訳でもなく、芝生が生えただだっ広いとこだった。
「ココがアタシのとっておきの場所だよ。」
「へぇ、こんな所が城下町にあったんだ。」
「そう。ココはアタシが疲れたり嫌な事があったりした時に、ここでゴロゴロするとね…心が落ち着くの。アタシの憩いの場。」
そう言ってアリスは芝生に寝転んだ。
「憩いの場か。良い所だな。」
「そういえばマリーにアリスのこと話したんだ。でもやっぱり思い出せないみたいでな…」
「そっか…まぁ焦らずに待つよアタシは。それよりどうだったのデートは。」
「だからデートじゃないって。まぁ仕事は無事見つかったよ。」
「そうなんだ。なら一安心かな。」
自分もゴロゴロするか。程良く風が吹いていて居心地は最高だ。
そうしてるうちにいつの間にか寝入ってしまった。
「おーい。寝ちゃったの?」
完全に寝ているのを確かめて、蓮の頭を膝の上に乗せるアリス。
「ふふっ。」
しばらく寝顔を眺めた後に、小声でアリスは話し始めた。
「ホントはさ、マリーのこと羨ましいんだよね。キミにつきっきりで守られてる感じがしてさ…アタシね、最初にキミに助けられた時、ほんとにカッコよくてさ…一目惚れってやつかな?
ズルいよね…自分でマリーのことよろしくって言っといてさ。でも少しでも良いからアタシのことも見て欲しいな…」
10~20分くらい経った頃、自分はようやく目を覚ました。
「んん~あれ?!」
「おはよ、目覚めたかなお寝坊さん。」
自分の置かれている状況にやっと気づいた。
「おわぁぁ!!ご ごめん!」
「別に謝る必要ないじゃん。いい寝顔だったよ。」
「そんなにグッスリ寝てたのか?」
「いやぁ良く寝てたよ。可愛い顔してね。」
「か 可愛いって…あぁもう!飯食いに行こう。そうしよう!」
「はいはい。んじゃあ行きますか。」
そして城下町にある喫茶店に行き、軽く飯を食べていると店に見知った人が入ってきた。
「あら?蓮くん、アリスさんこんにちは。」
「あれ、ロゼッタさんこんにちは。今日は休みですか?」
「そうなの、蓮くんも今日はハンターお休みなの?」
「はい。今日はアリスの新しい武器を買いに来たんです。」
「そうなんだ。そういえばさっき、同僚迎えにギルド行ったら例の依頼入ってたよ。蓮くんの大好きなやつ。」
「まぢっすか!!それ依頼来たばっかですか?!」
「うん。まだ5人くらいだったよ。」
ヤバい。これは何としても行かねば!
「アリス、すぐに準備して仕事に行くぞ。」
「ちょっと待って?!急すぎない?何の依頼なの。」
「アリスも聞いた事あるだろ。ゴルドスライムだよ。とにかく時間がないから行くぞ。ロゼッタさんもありがとうございます。」
「いえいえ。気をつけて行ってらっしゃい。」
「はいっ!」
そして急いで店を出てギルドに向かい、依頼を受けて城下町を出た。
「ねぇゴルドスライムは聞いた事あるけど、アレってそんなにスゴイの?」
周りを入念に調べながら答える。
「あぁアレはかなり儲かるぞ。今日買ったエスパーダ、アレなら7本くらい買える報酬は出るぞ。」
「まぢっすか!!それはやるしか無いね。燃えてきたぁ!!」
依頼を確認したらすでに他に10人受けていたがまだ達成報告はない。まだワンチャンある。
自分はこの依頼はすでに3度目で、奴が現れそうな場所は分かっていたのでそこに集中して調べて行く。
読みは当たりだ!金色に輝くスライムが姿を現した。
「いたぁぁ!!」
「バカっ!デカい声出すな!!」
「えっ?」
奴はとにかく逃げ足がめっちゃ速い。
だから気付かれる前に不意打ちで倒すのがセオリーであるのだが、なんでおっきな声出しちゃうかなぁ。
「追うぞ!」
「う うん。ゴメン。」
「大丈夫だ、まだ視界に捉えてる。」
必死で追いかけていると遠くに人影が見えた。デカイ盾を持った男の人だ。
その人は別のモンスターを討伐していた。そしてこちらに気づき状況を直ぐに理解したようだ。
くそっ!先にやられる。
持っていたデカイ盾を構えると思いっきり振りスライムを弾き飛ばした。
アレっ?!倒さずにこっちに飛ばして来た!アリスの方に。
「アリス!突けぇぇ!!」
「オッケー!」
アリスのど真ん前に来たスライムはエスパーダによって貫かれた。見事に真ん中。流石アリスだな。
「よっしゃぁぁ!」
見知らぬ男の人との連携プレイによってゴルドスライム討伐完了。
今日も惰眠を貪っている。
アリスとの予定は昼からなので別に慌てることもない。
しかし誰かが自分を起こそうと、部屋に入って来たのが何となく分かった。そして声を掛けられる。
「蓮…朝だぞ。早く起きないと私もベッドに入ってしまうぞ。」
「おわぁぁ!!」
一瞬で飛び起きた。どこで覚えたそんなん!
「流石は凛だ。兄の起こし方を良く知ってるな。」
「凛の仕業か…おかげで目が覚めたよ。」
何故マリーが居るのかというと、昨日は母さんが早く帰ってきて、夕飯を食べたマリーを半ば強引にウチに泊めたからである。
いつも通り凛は特等席でゴロゴロしながら動画を見てた。またあのアイドルか、好きだなぁ。
自分は花音が用意していた朝飯を食べる。
「あにぃ今日の目覚めは最高だったでしょ。」
「お前、マリーに変な事吹き込むなよ。」
「いいじゃん早く起きれたんだから。ねぇマーリン。」
「そうだぞ。無駄に寝て過ごすより遥かにいいだろう。」
何気に仲良いなこの2人。
「そういやマリー、向こうの世界でマリーの友達にあったんだ。アリス・アインシュタインって覚えてないか?」
「アリス…すまない…やはり何も覚えてないな。」
「いや謝る事はないよ。名前聞いただけじゃ、中々思い出せやしないよな。」
そろそろ時間なので向こうの世界に行くことにした。
「んじゃそろそろ行ってくるよ。」
「分かった。気をつけてな。」
「行ってらっしゃい。」
「マリーもまた明日な。」
「うん。」
ーーーーーーーーー
そしていつもの城下町の待ち合わせ場所に着いた。今日は自分の方が早かったから文句は言われないだろう。
数分待つとアリスはやって来た。
「今日は蓮の方が早かったね。」
「あぁ、これなら文句ないだろ。」
「うむ、いい心がけです。それで今日は何処に行くの?」
「そうだなぁ、とりあえず自分がいつも行ってるとこだな。」
今日の予定は、アリスの新しい細剣を買いに行くこと。なので自分の行きつけの店に向かう。
「ココがそうなの?結構年季入ってるけど…」
「まぁ外見はアレだけど、腕は確かだよ。自分の双剣もココで作ったんだ。」
「そういえば前から思ってたんだけど、キミの双剣って変わった形してるよね?普通の双剣と形状が全然違うし。」
「まぁ一応オーダーメイドなもんでね。」
「えぇぇっ!!オーダーメイドって結構値が張るんじゃないの?!」
「そうだなぁ…貯金ほとんど使い果たしたし…とまぁそれはいいとして、店の主人と話してくるからちょっと待ってて。」
「えっ、うん。分かった。」
それから数分してアリスを呼んだ。
「アリス、この人が店の主人のラッセルさんだ。
ラッセルさん、自分のパーティのアリスです。」
「初めましてアリス・アインシュタインです。」
「おぅ、ラッセル・スロアだ。よろしくな。今日は細剣探してんだってな。」
「あっはい。よろしくお願いします。」
店の主人のラッセル・スロアさん。2年前に知り合ってからずっとこの店に通って、自分の武器や防具の手入れを頼んだりしている。店番をしているが鍛冶もこなす。
「蓮から見て、どんな感じのがいいんだ?」
「そうですね、アリスは切断系よりも刺突系のが合ってると思います。」
「えっ、アタシってそうなの?」
「アリスだけって訳じゃなくて、女性の力を考えると切るより急所を狙って刺すのがいいんだ。あとアリスは繊細にモンスターの急所を狙うのが得意な気がする。」
「そうなんだ。キミって意外と細かなトコまで見てるんだね。」
「まぁこれでも教える立場だからさ。」
「刺突系となるとこれだな。エスパーダ。」
「なるほど、どうだアリス。」
「うん。あ、思ったより軽くて扱いやすいかも。」
その他にも何本か試した結果、エスパーダが1番しっくりきたみたいなので決まった。
そしてそのままお買い上げして店を出た。
「今度はアタシのとっておきのとこ連れてってあげる。」
「とっておきのとこ?」
ギルドの反対側に向かい路地裏を抜けると、そこには広々とした公園の様な場所に出た。
特に何かある訳でもなく、芝生が生えただだっ広いとこだった。
「ココがアタシのとっておきの場所だよ。」
「へぇ、こんな所が城下町にあったんだ。」
「そう。ココはアタシが疲れたり嫌な事があったりした時に、ここでゴロゴロするとね…心が落ち着くの。アタシの憩いの場。」
そう言ってアリスは芝生に寝転んだ。
「憩いの場か。良い所だな。」
「そういえばマリーにアリスのこと話したんだ。でもやっぱり思い出せないみたいでな…」
「そっか…まぁ焦らずに待つよアタシは。それよりどうだったのデートは。」
「だからデートじゃないって。まぁ仕事は無事見つかったよ。」
「そうなんだ。なら一安心かな。」
自分もゴロゴロするか。程良く風が吹いていて居心地は最高だ。
そうしてるうちにいつの間にか寝入ってしまった。
「おーい。寝ちゃったの?」
完全に寝ているのを確かめて、蓮の頭を膝の上に乗せるアリス。
「ふふっ。」
しばらく寝顔を眺めた後に、小声でアリスは話し始めた。
「ホントはさ、マリーのこと羨ましいんだよね。キミにつきっきりで守られてる感じがしてさ…アタシね、最初にキミに助けられた時、ほんとにカッコよくてさ…一目惚れってやつかな?
ズルいよね…自分でマリーのことよろしくって言っといてさ。でも少しでも良いからアタシのことも見て欲しいな…」
10~20分くらい経った頃、自分はようやく目を覚ました。
「んん~あれ?!」
「おはよ、目覚めたかなお寝坊さん。」
自分の置かれている状況にやっと気づいた。
「おわぁぁ!!ご ごめん!」
「別に謝る必要ないじゃん。いい寝顔だったよ。」
「そんなにグッスリ寝てたのか?」
「いやぁ良く寝てたよ。可愛い顔してね。」
「か 可愛いって…あぁもう!飯食いに行こう。そうしよう!」
「はいはい。んじゃあ行きますか。」
そして城下町にある喫茶店に行き、軽く飯を食べていると店に見知った人が入ってきた。
「あら?蓮くん、アリスさんこんにちは。」
「あれ、ロゼッタさんこんにちは。今日は休みですか?」
「そうなの、蓮くんも今日はハンターお休みなの?」
「はい。今日はアリスの新しい武器を買いに来たんです。」
「そうなんだ。そういえばさっき、同僚迎えにギルド行ったら例の依頼入ってたよ。蓮くんの大好きなやつ。」
「まぢっすか!!それ依頼来たばっかですか?!」
「うん。まだ5人くらいだったよ。」
ヤバい。これは何としても行かねば!
「アリス、すぐに準備して仕事に行くぞ。」
「ちょっと待って?!急すぎない?何の依頼なの。」
「アリスも聞いた事あるだろ。ゴルドスライムだよ。とにかく時間がないから行くぞ。ロゼッタさんもありがとうございます。」
「いえいえ。気をつけて行ってらっしゃい。」
「はいっ!」
そして急いで店を出てギルドに向かい、依頼を受けて城下町を出た。
「ねぇゴルドスライムは聞いた事あるけど、アレってそんなにスゴイの?」
周りを入念に調べながら答える。
「あぁアレはかなり儲かるぞ。今日買ったエスパーダ、アレなら7本くらい買える報酬は出るぞ。」
「まぢっすか!!それはやるしか無いね。燃えてきたぁ!!」
依頼を確認したらすでに他に10人受けていたがまだ達成報告はない。まだワンチャンある。
自分はこの依頼はすでに3度目で、奴が現れそうな場所は分かっていたのでそこに集中して調べて行く。
読みは当たりだ!金色に輝くスライムが姿を現した。
「いたぁぁ!!」
「バカっ!デカい声出すな!!」
「えっ?」
奴はとにかく逃げ足がめっちゃ速い。
だから気付かれる前に不意打ちで倒すのがセオリーであるのだが、なんでおっきな声出しちゃうかなぁ。
「追うぞ!」
「う うん。ゴメン。」
「大丈夫だ、まだ視界に捉えてる。」
必死で追いかけていると遠くに人影が見えた。デカイ盾を持った男の人だ。
その人は別のモンスターを討伐していた。そしてこちらに気づき状況を直ぐに理解したようだ。
くそっ!先にやられる。
持っていたデカイ盾を構えると思いっきり振りスライムを弾き飛ばした。
アレっ?!倒さずにこっちに飛ばして来た!アリスの方に。
「アリス!突けぇぇ!!」
「オッケー!」
アリスのど真ん前に来たスライムはエスパーダによって貫かれた。見事に真ん中。流石アリスだな。
「よっしゃぁぁ!」
見知らぬ男の人との連携プレイによってゴルドスライム討伐完了。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
17
-
-
337
-
-
35
-
-
29
-
-
1359
-
-
93
-
-
3395
-
-
37
-
-
768
コメント