冷寧である俺は戦争に行かないし、救護手当てもしない。~完結済み~

青篝

涙の俺達は

「ただいま」

西難を送り届け、
我が家に帰ってきた。
靴をスリッパに履き替えて
台所で手を洗う。
その後リビングへ。
リビングに入ると
葉月がソファに
座って写真を見ていた。
その写真はこの家に
越してきてから、
家の前で俺と葉月と
母の3人で撮った写真だ。
この時は父から
解放されて俺と葉月は
勿論のこと、母も
笑顔であった。
この時既に母の心臓が
弱くなっていたのかと
思うと心が痛くなるので
俺はこの写真は
あまり見ないのだが、
葉月にとっては
宝物と同然であり、
母との唯一の思い出だった。

「…ごめんなさい」

俺がドアの前で
葉月に何と声を
かけようか悩んでいると、
葉月が謝ってきた。

「…ごめんなさい。
葉月、愛花さんなら、
いいかなって、思って、
それで、お兄のこと、
何も、考えなくて…」

途切れ途切れに、
涙を流しながら、
葉月は言葉を繋いだ。
葉月の宝物にも
水滴が降り、
しわができていた。

「…ごめんなさい……」

3度、葉月は謝罪する。
リビングに葉月の
嗚咽だけがこだまする。
やめろ葉月。
悪いのはお前じゃない。
違うんだ葉月。
お前にそんな悲しい顔を
させるために、俺は
誓ったんじゃないんだ。

「ごめん葉月。
俺だって葉月に
悲しい思いを
させたくて言ってない。
葉月が元気なら、それだけで
お兄ちゃんは十分だから」

葉月に歩み寄り、
優しく葉月を抱きしめる。
葉月も俺に身を任せて
今まで殺していた声を
リビングに響かせる。
もう時間も遅い。
こんな時間に中学生が
本気で泣き喚けば
近所迷惑であるが、
そんなことはどうでもいい。
俺の腕の中で葉月が
泣き、俺も頬に涙が伝う。
お互いにお互いを許し、
2人の涙が同じ時間を
流れていく。
俺はその涙が
俺達の心を潤してくれると
信じるしかなかった。


━━━━━━━━━━━━━━━
あとがき


どうも、夢八です。
ここまで読んで頂き、感謝します。


やっぱ妹キャラって
どんなでも可愛いですよね。


それでは、アディオス!

コメント

  • さらだ

    たーくんあたりなんか言ってきそうw

    0
  • 青篝

    みんな待ってるぞ

    1
  • さらだ

    なんか顔出しずらくてねー...それとそろそろ機種変するからそこでメアド変えてパスワードの再設定するからちょっとしたらまた投稿できるかも

    1
  • 青篝

    久しぶりだなぁ?

    1
  • さらだ

    (* • ω • )b

    1
コメントを書く

「学園」の人気作品

書籍化作品