この声が届くまで、いつまでも叫び続けたい

@tsushi

29.コトバノチカラ

「…あの、ホント、俺でよかったらいつでも話とか聞くんで!マジでいつでも呼んでください。飛んで行きますから!」


「クスッ。ありがとうございます」




彼女は笑った。




「この文章、一生大切にしますね」


え?


「それにしても、今日は本当に…」


ちょっと待って。
今、なんて言った?
















『コノブンショウ、イッショウタイセツニシマスネ』?














言った。
確かに言った。






『この文章、一生大切にしますね』、と。






何度も心の中でリピートした。
聞き逃すことなんてできなかった。






君はその言葉の意味を、わかっているのか?






その瞬間、何かが俺の胸の奥で生まれた。
それは光のようなもの。
羽の生えた聖者のようなもの。


奏でる時を待っていた旋律が、一斉に頭の中に流れ出す。
決壊したダムのように、もう誰にも止めることができなかった。












































もしかしたら、救われたのは俺の方だったのかもしれない。



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