この声が届くまで、いつまでも叫び続けたい

@tsushi

12.衝撃

『私は先日、学校の帰りに見知らぬ男二人に襲われ、乱暴されました。生まれて初めての経験でショックも大きく、家を出るのが怖くてしばらく学校に来ることができませんでした。でも病院で検査してもらった結果、妊娠も病気も認められず、自分は何も悪いことはしていない、と病院の先生に励まされ、またいつものように家を出ることができるようになりました。家族にも言えないつらい経験にもかかわらず、私が男性不信にならずにすんだのは、やはり彼氏という存在のおかげだと思います。女性を欲望の対象としか考えていない男性がいるなら、その自分勝手な行動のせいで女性がどれだけ悲しみ、苦しむか、考え直してほしいと強く思いました。怪我をしたり、殺されなかっただけでも良かったと、友人は励ましてくれたけど、私の心にできた傷は、一生消えることはないと思います。(英文三年・女)』
























せっかくひいた汗が、また俺の全身から噴き出した。




何度も読み返した。
しかし何度読んでも、そこに書かれている内容が変わることはなかった。












































こんな近くに、こんな経験をした人がいるなんて。












































そう思うだけで、体中に衝撃が走った。
だからこんなに教室がざわついていたのか。
今ここにこのコメントを書いた人がいるなら、いったいどんな気持ちでいるのだろう。


そうか、坂本講師が教室に入ってくる時にあんな険しい顔をしていたのもこういうことだったのか、と俺は改めて気が付いた。
俺の謝罪要求なんてなんの関係もなかったのだ。
これほどの内容がコメント集に載るとなれば、今回の講義の中心に成らざるおえない。
講師という立場の彼女からすれば、この問題をどう扱ったらいいのかわからないのも無理はないだろう。


俺は少し迷いながら、ペンを手に取った。










今日はこの人に対するコメントを書こう。

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