偽装恋愛でもいいから恋がしたい!
会いたい
「はぁ……」
「なになに?ついにさほちゃんも恋する日が来たか」
「なっ!」
「その反応、図星だねぇ」
 一ノ瀬さんと会ったあれから、私は心で一ノ瀬さんとの再開を望んでいる。
思い返すと顔と名前以外彼の事を良く聞いていない。
『俺が大学生だった頃』と言っていた事から彼が社会人である事は推測できるがそれ以外は分からない。
「ねぇ…かほは顔と名前以外分からない人に会いたくなったらどうする?」
「うーん…私だったら、その人の事を探すかもな……」
「逆に言えば顔と名前が分かってるってことでしょ。その人に恋したのなら私は全力で探すかなー」
 私は一ノ瀬さんと会った日から暫くして、中学からの親友の六月果歩に相談をしていた。
「さほちゃんがそんな事を私に相談するってことは、その人が気になるって感じ?」
「……うん」
「おぉーー!」
「んでんで、出会いはどこ?」
「うちの大学のそばにあるカフェ」
 私はかほに事の経緯を正直に打ち明けることにした。
「ナンパ男から助けてくれたイケメン…」
「理想的な男性だね!」
「いわゆる…『白馬の王子様』ってやつ?」
「ちょっ……!!」
「あはは、さほちゃん顔真っ赤だよ」
かほはひとしきり笑ったあと、急に真面目な顔になる。
「……さほちゃんは、どうして顔と名前しか分からない、初めて会った人が気になるの?」
 その言葉に私は胸が痛くなる。
確かに一ノ瀬さんとの出会いは偶然であり、初めて会ったばかりなのに、こんなにも彼が気になるなんておかしい。そう思ってもおかしくない。
「……でもさ、私はさほちゃんの恋を応援したいよ」
「……!!」
「私は一応彼氏いるわけだけど、最近上手くいってないから…」
「……かほ」
「さほちゃんには私みたいな事になって欲しくない。さほちゃんは普通に恋をして好きな人と一緒に過ごす時間を謳歌して欲しい。」
「私が叶えられない分、さほちゃんには幸せになって欲しい」
「……」
「だからさっ、私も手伝うよ」
「!」
「有難う……」
「親友なんだから、当然だよ!」
 かほはそう言って笑みを見せる。
心の中ではきっと、複雑な感情を抱いているのだろう。だけど、かほはその感情を隠すように私に接する。
(今のかほに私がかけられる言葉は…)
「かほ」
「何?」
「……かほはその人の事が好きだから、隣に居るんでしょ?だったらその人に自分の気持ちをちゃんと伝えるべきだと思う」
「かほは自分の事より他人ばかり優先する事が多いから…」
「きっと、彼氏さんもかほの言葉を待ってるんだと思うよ」
「………さほちゃん」
「……有難う、さほちゃん。私が相談にのってる立場だったのにいつの間にか逆転してるね……」
「いいんだよ。私達、親友なんだから」
「いつでも相談してくれていいんだよ」
「!!」
ーぎゅっ
 かほがいきなり私に抱きつく。その行動に私はとても驚いた。
「有難う、さほちゃん!私達はずーと親友だよ!」
「うん!」
「なになに?ついにさほちゃんも恋する日が来たか」
「なっ!」
「その反応、図星だねぇ」
 一ノ瀬さんと会ったあれから、私は心で一ノ瀬さんとの再開を望んでいる。
思い返すと顔と名前以外彼の事を良く聞いていない。
『俺が大学生だった頃』と言っていた事から彼が社会人である事は推測できるがそれ以外は分からない。
「ねぇ…かほは顔と名前以外分からない人に会いたくなったらどうする?」
「うーん…私だったら、その人の事を探すかもな……」
「逆に言えば顔と名前が分かってるってことでしょ。その人に恋したのなら私は全力で探すかなー」
 私は一ノ瀬さんと会った日から暫くして、中学からの親友の六月果歩に相談をしていた。
「さほちゃんがそんな事を私に相談するってことは、その人が気になるって感じ?」
「……うん」
「おぉーー!」
「んでんで、出会いはどこ?」
「うちの大学のそばにあるカフェ」
 私はかほに事の経緯を正直に打ち明けることにした。
「ナンパ男から助けてくれたイケメン…」
「理想的な男性だね!」
「いわゆる…『白馬の王子様』ってやつ?」
「ちょっ……!!」
「あはは、さほちゃん顔真っ赤だよ」
かほはひとしきり笑ったあと、急に真面目な顔になる。
「……さほちゃんは、どうして顔と名前しか分からない、初めて会った人が気になるの?」
 その言葉に私は胸が痛くなる。
確かに一ノ瀬さんとの出会いは偶然であり、初めて会ったばかりなのに、こんなにも彼が気になるなんておかしい。そう思ってもおかしくない。
「……でもさ、私はさほちゃんの恋を応援したいよ」
「……!!」
「私は一応彼氏いるわけだけど、最近上手くいってないから…」
「……かほ」
「さほちゃんには私みたいな事になって欲しくない。さほちゃんは普通に恋をして好きな人と一緒に過ごす時間を謳歌して欲しい。」
「私が叶えられない分、さほちゃんには幸せになって欲しい」
「……」
「だからさっ、私も手伝うよ」
「!」
「有難う……」
「親友なんだから、当然だよ!」
 かほはそう言って笑みを見せる。
心の中ではきっと、複雑な感情を抱いているのだろう。だけど、かほはその感情を隠すように私に接する。
(今のかほに私がかけられる言葉は…)
「かほ」
「何?」
「……かほはその人の事が好きだから、隣に居るんでしょ?だったらその人に自分の気持ちをちゃんと伝えるべきだと思う」
「かほは自分の事より他人ばかり優先する事が多いから…」
「きっと、彼氏さんもかほの言葉を待ってるんだと思うよ」
「………さほちゃん」
「……有難う、さほちゃん。私が相談にのってる立場だったのにいつの間にか逆転してるね……」
「いいんだよ。私達、親友なんだから」
「いつでも相談してくれていいんだよ」
「!!」
ーぎゅっ
 かほがいきなり私に抱きつく。その行動に私はとても驚いた。
「有難う、さほちゃん!私達はずーと親友だよ!」
「うん!」
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