甲斐犬黒蜜のお使い

牛耳

第106話

「やったー!翡翠さんを収納出来た!凄い凄い。」
キャアキャアと喜んでいる恵ちゃん。

翡翠さんが消えてしまい私は呆然としていたが黒蜜おばばと紫苑さんは
「やだー、翡翠ったら収納されちゃったわねー。恵ちゃんそのまま翡翠の事貰ってってくれない?高齢の男の娘で嫁の来てが無くて困ってたから」
とさり気無く厄介払いをしようとしてる紫苑さん。
「収納魔法の異空間の中ってどんな感じなのかしら?翡翠が出て来て無事なら私も一回収納して貰おうっと」
何やら自分の従兄弟を実験台にして初めて見る魔法に興味津々の黒蜜おばば。
この家系に普通の反応を求めてた私が馬鹿だったわ・・・。

「えー!良いんですか?翡翠さんを貰っても?収納してる翡翠さんに収納品を整理するタグを付けられるんですが『ダーリン』って付けちゃいますね♡あっ!タグをダーリンにしたら翡翠さんの属性が外部から一時避難してた男の娘から。私の(備品-1)になっちゃいましたー。これは詰まり・・・翡翠さんは永遠に『わ・た・し・の・も・の』になったんですよねー?』
あっ!翡翠さんが備品になったら緊急避難用の人が入れるスペースが空いた!誰か入って見ます?」
首を可愛いく傾げる恵ちゃんに今の備品の話を聞いて黒蜜おばばと紫苑さんも流石に苦笑いをして断っているでも翡翠さん可哀想な事を言われてるわね。
「あーこれで翡翠の身受け先が決まって良かったわねぇ紫苑叔父さん。あの高齢男の娘ったら嫁にするなら自分より可愛い男の娘が良いなんて言ってたから恵ちゃんなんて本物の女の子になったしピッタリじゃあない」
黒蜜おばばも本人不在で勝手な事を言ってるし。
「ねぇ、恵ちゃん。翡翠このまま収納して持って帰って良いわよ本気で。うん、あげるあの子。あっ!今から蜜ちゃんにあの子母親を連れて来て貰うからそしたら一回あの子を出して貰って母親からもう帰って来るなずっと収納されてろって良く言い聞かせるからね」
何かこの家系の得意技、勝手に話を進めるをやってるわね二人共に。

「皆さん、大事な事を忘れてませんか?事後報告になるけど恵ちゃんのご両親に今回の件を報告しなきゃダメでしょ?」
私がそう言うとお店のご主人が
「それなら大丈夫です。恵の母親に『恵が魔法薬で女の子になりその上、魔女になった』とメールしたら」
と見せられたスマホの画面には
『マジ?女の子に魔女?最高!今度日本に帰ったら恵ちゃんの可愛いランジェリーを一緒に買いに行きたいわ〜!パパは恵ちゃんが女の子になったと聞いて『娘は嫁にやらん婿養子しか認めん』って言ってるわ〜頑張ってお婿さん見つけてねと伝えて〜』
と書かれてあったので大丈夫かな?
これで良いのか?恵ちゃん一家・・・。

「恵ちゃんのご両親は大丈夫そうだから蜜ちゃんに白龍を連れて来て貰って翡翠が逃げられ無い状況にちゃいましょう!」
紫苑さん何だか楽しそうねぇ・・・。
私は台北にいる白龍さんの元に向かうために鉢植え裏の暗闇に潜り込んだ。

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