非現秘怖裏話
停滞した日常
先発で突っ切った千秋ちゃんが謎のマイナス補正を付与されてしまい、私を含む皆がこのゲームの恐ろしさを味わった。
「やはりこのゲーム……一筋縄ではいかないみたいだね〜……。」
そして次の手番である菫ちゃんが珍しく真顔でゲーム画面を凝視している......。まぁこんな初見殺しがあるようなゲームが果たして『良ゲー』と言えるのかは微妙だが......。
「でもとやかく言っても仕方ないし、早く菫さんルーレットを回してよ~。」
葵さんが菫ちゃんにルーレットを回すようにせかしている。確かにここで立ち止まると終わる時間がどんどん延びてしまう。
「分かってるよ~……せめてマイナス補正だけは避けて!!お願い!!」
誰にお願いしているのかよく分からないが、険しそうな顔で彼女はルーレットを回した。
「......!『4』が出たわ!!」
どうやら千秋ちゃんの二の舞は避けたようだ。しかしこの数はいい方向に向かうのか、悪い方向に向かうのかがわからない......。
「ほほぉ……『4』か~。一言で言うなら『良くも悪くもない』って感じだな。」
蘭先輩が興味無さそうに呟いていた。ゲームの方でも特に何かの"補正"がかかったわけではないので、現状維持なのだろう。
そして今度は私の番になった。こうゆう『運勝負』はそんなに得意ではないけど……まぁなんとかなると思う。
「マイナスだけにはならないように……えい!」
一応神様に祈りながら、ルーレットを回すと……菫ちゃんと同じ『4』が出た。
「うーん……凛ちゃんってつまらないわね~……普通ここは『3』を出して盛り上げるところなのに~。」
「うるさいですーー!それなら葵さんがやってくださいよーー!」
「もちろんよ!!最後にドカンとすごいものを引き当てて見せるんだから、見ててよね!!」
「二人とも喧嘩しないのー!」
葵さんの煽りについつい乗せられてしまった……なんとか千秋ちゃんが止めてくれたのがせめてもの救いだ。
……しかしこんな下らないことで怒ったのも久しぶりな気がするなぁ……。
「ふふふっ……どんどん争えー争えー!『争い』こそがこのゲームの醍醐味なのだからね!」
私たちの口喧嘩を他所に、蘭先輩が高みの見物で私たちを眺めていた。
……このゲームを作った人は絶対に性格が悪いと思う……。
「っと君たちを煽るのはここまでにして、私もルーレットを回すとしようか!」
いっそそのままハズレを引いてしまえばいいのに……と心の中で思いながら、私はパソコン画面を見つめていた。
「いぇぁー!!『1』よ来い!そしてみんなに勝つんだー!」
「……いやゲームマスターとしてその発言は大人気なくないですか?」
蘭先輩の一生懸命な祈りと欲望に、私は半分ドン引きしていた。
やっぱりあの部活は闇が深そうで怖い……。
「……っうわぁぁ!!」
そして出た目が『5』……床に倒れ込んでいる反応からとんでもなく悪いものであるのだろう。
おそらくこんなゲームを人に紹介したから天罰が下ったのではないか?
「……蘭先輩大丈夫ですかー?なんか志望校の入試に落ちた人みたいですよ〜?」
絶望している蘭先輩へ私にとって非常にタイムリーな例えをしている菫ちゃん。
確かに私が第一志望校が落ちた時はあんなんだったような……。
「……5番だとどんなバッドステータスが付与されることになるのかしら!」
「少なくてもあんな感じではろくなもんでは無いですよねぇ……。」
そして千秋ちゃんと葵さんはショックを受けている蘭先輩を他所にひそひそと会話をしていた。
まだゲームが始まってすらいないのに、このグダクダ具合は流石我がサークルと言ったところか……。
「まぁ……ドンマイですよ、蘭先輩!私がその分良いものを引き当てますから!」
そしてとんでもなく上から目線でセンパイに対して宣言する葵さん……この上下関係の無さも私たちのサークルの特徴だ。
「えいやー!……っと『1』だ!」
「な……確率を絞った大当たりを引き当てられたー!?」
そんな中、彼女はまだ誰も引き当てていない数字を引き当てた……多分先輩の反応からしてとんでもない大当たりらしい……。
というか当たりを簡単に出さない辺り、向こうの嫌がらせの匠が光っている。
「マジかー……このゲームで大当たり引かれるともう勝てねぇんだよなぁ……。」
そして『ゲームバランス』という物はあのサークルに存在してないらしい。
そもそもそんな運ゲーなら双六形式にする必要なんて無いような?
「ちなみに大当たりの確率ってどれくらいなんですか?」
「ん〜……確か1%だったかな?『6』は5%で、『3』と『4』がそれぞれ40%と1番大きいように設定されてるらしいよ。」
「だから3か4が結構多かったのですね……。てっきり確率が6等分されてると思ったのですが……。」
千秋ちゃんが呆れたようにため息を付いている。確かに確率を弄られてるとは思うわけないし。
「順番が決まったところで皆に謝りたいことがあるんだ……。実は明日予定があって早めに帰らなくてはならなくてな……。」
そしてgdgdな進行の末、ゲームが始まろうとした時に蘭先輩が申し訳なさそうな顔で謝罪した。
「てかもうこんな時間か〜……早く出ないとまた巡回員にドヤされちゃう……。」
確かに時刻はもう211時を過ぎているので、そろそろこの部室から出ないとまた巡回してる人から注意されてしまう……。巡回員に叱られてしまうのだが……部長は何回も怒られたことがあるのだろうか?
「また怒られたくは無いんで、今日の活動は終わりだ〜。まずはみんな部室から退避!」
最初から最後までのんびりしたまま今日の活動が終わった。早く家に帰ってそのまま寝てしまおう……。
何の変哲もないことが毎日続くのが一番良いのだから……。
「やはりこのゲーム……一筋縄ではいかないみたいだね〜……。」
そして次の手番である菫ちゃんが珍しく真顔でゲーム画面を凝視している......。まぁこんな初見殺しがあるようなゲームが果たして『良ゲー』と言えるのかは微妙だが......。
「でもとやかく言っても仕方ないし、早く菫さんルーレットを回してよ~。」
葵さんが菫ちゃんにルーレットを回すようにせかしている。確かにここで立ち止まると終わる時間がどんどん延びてしまう。
「分かってるよ~……せめてマイナス補正だけは避けて!!お願い!!」
誰にお願いしているのかよく分からないが、険しそうな顔で彼女はルーレットを回した。
「......!『4』が出たわ!!」
どうやら千秋ちゃんの二の舞は避けたようだ。しかしこの数はいい方向に向かうのか、悪い方向に向かうのかがわからない......。
「ほほぉ……『4』か~。一言で言うなら『良くも悪くもない』って感じだな。」
蘭先輩が興味無さそうに呟いていた。ゲームの方でも特に何かの"補正"がかかったわけではないので、現状維持なのだろう。
そして今度は私の番になった。こうゆう『運勝負』はそんなに得意ではないけど……まぁなんとかなると思う。
「マイナスだけにはならないように……えい!」
一応神様に祈りながら、ルーレットを回すと……菫ちゃんと同じ『4』が出た。
「うーん……凛ちゃんってつまらないわね~……普通ここは『3』を出して盛り上げるところなのに~。」
「うるさいですーー!それなら葵さんがやってくださいよーー!」
「もちろんよ!!最後にドカンとすごいものを引き当てて見せるんだから、見ててよね!!」
「二人とも喧嘩しないのー!」
葵さんの煽りについつい乗せられてしまった……なんとか千秋ちゃんが止めてくれたのがせめてもの救いだ。
……しかしこんな下らないことで怒ったのも久しぶりな気がするなぁ……。
「ふふふっ……どんどん争えー争えー!『争い』こそがこのゲームの醍醐味なのだからね!」
私たちの口喧嘩を他所に、蘭先輩が高みの見物で私たちを眺めていた。
……このゲームを作った人は絶対に性格が悪いと思う……。
「っと君たちを煽るのはここまでにして、私もルーレットを回すとしようか!」
いっそそのままハズレを引いてしまえばいいのに……と心の中で思いながら、私はパソコン画面を見つめていた。
「いぇぁー!!『1』よ来い!そしてみんなに勝つんだー!」
「……いやゲームマスターとしてその発言は大人気なくないですか?」
蘭先輩の一生懸命な祈りと欲望に、私は半分ドン引きしていた。
やっぱりあの部活は闇が深そうで怖い……。
「……っうわぁぁ!!」
そして出た目が『5』……床に倒れ込んでいる反応からとんでもなく悪いものであるのだろう。
おそらくこんなゲームを人に紹介したから天罰が下ったのではないか?
「……蘭先輩大丈夫ですかー?なんか志望校の入試に落ちた人みたいですよ〜?」
絶望している蘭先輩へ私にとって非常にタイムリーな例えをしている菫ちゃん。
確かに私が第一志望校が落ちた時はあんなんだったような……。
「……5番だとどんなバッドステータスが付与されることになるのかしら!」
「少なくてもあんな感じではろくなもんでは無いですよねぇ……。」
そして千秋ちゃんと葵さんはショックを受けている蘭先輩を他所にひそひそと会話をしていた。
まだゲームが始まってすらいないのに、このグダクダ具合は流石我がサークルと言ったところか……。
「まぁ……ドンマイですよ、蘭先輩!私がその分良いものを引き当てますから!」
そしてとんでもなく上から目線でセンパイに対して宣言する葵さん……この上下関係の無さも私たちのサークルの特徴だ。
「えいやー!……っと『1』だ!」
「な……確率を絞った大当たりを引き当てられたー!?」
そんな中、彼女はまだ誰も引き当てていない数字を引き当てた……多分先輩の反応からしてとんでもない大当たりらしい……。
というか当たりを簡単に出さない辺り、向こうの嫌がらせの匠が光っている。
「マジかー……このゲームで大当たり引かれるともう勝てねぇんだよなぁ……。」
そして『ゲームバランス』という物はあのサークルに存在してないらしい。
そもそもそんな運ゲーなら双六形式にする必要なんて無いような?
「ちなみに大当たりの確率ってどれくらいなんですか?」
「ん〜……確か1%だったかな?『6』は5%で、『3』と『4』がそれぞれ40%と1番大きいように設定されてるらしいよ。」
「だから3か4が結構多かったのですね……。てっきり確率が6等分されてると思ったのですが……。」
千秋ちゃんが呆れたようにため息を付いている。確かに確率を弄られてるとは思うわけないし。
「順番が決まったところで皆に謝りたいことがあるんだ……。実は明日予定があって早めに帰らなくてはならなくてな……。」
そしてgdgdな進行の末、ゲームが始まろうとした時に蘭先輩が申し訳なさそうな顔で謝罪した。
「てかもうこんな時間か〜……早く出ないとまた巡回員にドヤされちゃう……。」
確かに時刻はもう211時を過ぎているので、そろそろこの部室から出ないとまた巡回してる人から注意されてしまう……。巡回員に叱られてしまうのだが……部長は何回も怒られたことがあるのだろうか?
「また怒られたくは無いんで、今日の活動は終わりだ〜。まずはみんな部室から退避!」
最初から最後までのんびりしたまま今日の活動が終わった。早く家に帰ってそのまま寝てしまおう……。
何の変哲もないことが毎日続くのが一番良いのだから……。
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