非現秘怖裏話
『人生』の難しさ
「まぁ試作品だから、起動しないバグとか順位変動バグとかフリーズがあるかもしれないけど……それが起きないようにみんなで祈っといてくれ!」
パソコンからウィーンと読み込み音がしている中で、蘭先輩はそんなことをみんなに伝えていた。
というかまだ色々とデバックとかしてなかったのね……。色々と行き当たりばったりな感じがするが果たして……。
「そんなものをパソコンにインストールして大丈夫なのですか……?」
千秋ちゃんが不安そうに蘭先輩に聞いていた。一応あのパソコンは蘭先輩の物とはいえ、突然壊れてしまったら流石に可哀想だと思ったのだろう。
「ん〜……まぁ壊れたら壊れたで修理やら新規購入の費用をサークルに請求しちゃえばいいし、向こうも『経費』として了承してくれるでしょ!」
かなりアウトなことをサラッと言う蘭先輩……。果たしてそのような事情でサークルの経費を使っていいのだろうか?
そんなことを考えながらしばらく待つと、ちゃんとゲーム画面が出てきたので今のところ故障することは無さそうだ。
タイトルは『リアル人生ゲーム』。何がリアルなのかは全くわからないが、とりあえずすごろく版の人生ゲームとあんまり変わらないのだろう。
「よし!起動したぞ!ここでバグとかなくてよかったわ〜……。それじゃぁみんなで順番を選択をしてくれよな〜。ちなみに私はなんでもいいぞ!あとルールは後で説明するから心配はご無用だ!!」
何やら一安心している蘭先輩を横目に見つめながら、とりあえず番号を選択しようとする。
「……とりあえず何番が良いとか希望はある……かな?」
まずは穏便に希望を募る千秋ちゃん。……なのだが私を含めて誰も発言をしない。
多分だけどみんなは私のように『順番なんてどうでもいい』と言った感じなのだろう……。その証拠に葵さんはぐでーと暇そうにだらけている。
「てか順番なんてどうでも良くない?蘭先輩だって『順番はなんでもいい』って言ってるし〜……。」
菫ちゃんも面倒そうに千秋ちゃんへそんなことを言っていた。
「……確かにそうかもね。じゃぁ私が適当に選択しておくわよ!」
ほぼみんなの意見を受け取った千秋ちゃんが、カタカタとパソコンを操作する。さて私の手番は何番になるだろうか......。
そしてしばらく待っていると、いつの間にかゲーム操作画面へと移行していた。ちなみに私の順番は『3番目』だった......いまいちリアクションが取りにくい順番である。
するとその画面に気がづいた蘭先輩が
「おっ!もう準備ができているなんて早いなぁ!じゃあルールを説明するぞ!......っといってもそんなに説明することは無いんだけど......。」
うーん......と面倒そうに薄い本を読んでいた。多分あれがルールブックなのだろうが、確かに内容はとても薄そうだ......。
「まあルールは『1、ルーレットを止めてその数だけ進む』のと『2、止まったマスに書かれていることに従う』......あと最後に『3、ゴールする=勝利ではない』ってことぐらいだな~。」
......うん!最後のルール以外は普通のすごろくと何も変わらない。最後以外は......。
このルールだと『ゴール』がただの飾りにしかなってないのだが......?本当にゲームとして成立するのかも怪しいのは言わないでおこう......。
「じゃあ『勝利する』にはどうすればいいのかな~......?」
そんな中で葵さんが蘭先輩に向かって私と同じような疑問を投げかけていた。
「そんなの簡単さ!!『とにかく他人より良い人生を送ってマウントをとる』ことが勝利条件よ!
だってリアル人生は『ゴール』なんてものはないし、生まれた時から他人との競争ばっかりしているじゃない!」
その質問に対して蘭先輩は堂々とこう答えていた。もしかしてこの人は『人生』に
ついて悲観的になってない?
......まぁ否定は出来ないのだけれども。
「それで、みんな順番とか決まってるかな?...うん!手際がいいね!じゃあ早速ゲームをスタートしましょ!!」
こうして私たちはこの怪しげな『リアル人生ゲーム』をすることになった。ちなみに順番は『千秋』→『菫』→『私』→『蘭』→『葵』である。
◇◇◇
「じゃあ私から行くわよ!!1番をぶっちぎってやるわ!!」
早速やる気満々の千秋ちゃんがまずルーレットを回す。
「よし『3』が出たわ。とりあえず進まないと......ってぇぇ!?」
千秋ちゃんが驚くのも無理はない。なぜならマスに進むことなく『バットイベント』が発生したからだ。
「おっと!千秋ちゃんは『3月生まれ』......つまり”早生まれ”を引いてしまったね!早い話『4月生まれ』と比べて1年の差があるのに、その子と『同学年』だから不利なのさ!だから”マイナス補正”がかかるようになっているよ!」
そして千秋ちゃんの反応にニッコニコな笑顔を振りまきながら、マシンガントークを披露する蘭先輩。……もしかして私たちにこのゲームをやらせようとしたのって……この反応が見たかったから?
「え?じゃあ今のルーレットは何の意味があるんですか!?」
「意味はあるさ!だって『生まれた日』なんて自分の意志では選べないからね!それにこのゲームではさっきのような『運ゲー要素』を色々と組み込んで置いてあるよ!」
まだ納得してない千秋ちゃんへ蘭先輩が堂々とした表情でこう言い張った。だからタイトルに『リアル』ってついていたのね......。
果たして私達は蘭先輩たちが作ったこのゲームをクリアすることが出来るのだろうか……?
パソコンからウィーンと読み込み音がしている中で、蘭先輩はそんなことをみんなに伝えていた。
というかまだ色々とデバックとかしてなかったのね……。色々と行き当たりばったりな感じがするが果たして……。
「そんなものをパソコンにインストールして大丈夫なのですか……?」
千秋ちゃんが不安そうに蘭先輩に聞いていた。一応あのパソコンは蘭先輩の物とはいえ、突然壊れてしまったら流石に可哀想だと思ったのだろう。
「ん〜……まぁ壊れたら壊れたで修理やら新規購入の費用をサークルに請求しちゃえばいいし、向こうも『経費』として了承してくれるでしょ!」
かなりアウトなことをサラッと言う蘭先輩……。果たしてそのような事情でサークルの経費を使っていいのだろうか?
そんなことを考えながらしばらく待つと、ちゃんとゲーム画面が出てきたので今のところ故障することは無さそうだ。
タイトルは『リアル人生ゲーム』。何がリアルなのかは全くわからないが、とりあえずすごろく版の人生ゲームとあんまり変わらないのだろう。
「よし!起動したぞ!ここでバグとかなくてよかったわ〜……。それじゃぁみんなで順番を選択をしてくれよな〜。ちなみに私はなんでもいいぞ!あとルールは後で説明するから心配はご無用だ!!」
何やら一安心している蘭先輩を横目に見つめながら、とりあえず番号を選択しようとする。
「……とりあえず何番が良いとか希望はある……かな?」
まずは穏便に希望を募る千秋ちゃん。……なのだが私を含めて誰も発言をしない。
多分だけどみんなは私のように『順番なんてどうでもいい』と言った感じなのだろう……。その証拠に葵さんはぐでーと暇そうにだらけている。
「てか順番なんてどうでも良くない?蘭先輩だって『順番はなんでもいい』って言ってるし〜……。」
菫ちゃんも面倒そうに千秋ちゃんへそんなことを言っていた。
「……確かにそうかもね。じゃぁ私が適当に選択しておくわよ!」
ほぼみんなの意見を受け取った千秋ちゃんが、カタカタとパソコンを操作する。さて私の手番は何番になるだろうか......。
そしてしばらく待っていると、いつの間にかゲーム操作画面へと移行していた。ちなみに私の順番は『3番目』だった......いまいちリアクションが取りにくい順番である。
するとその画面に気がづいた蘭先輩が
「おっ!もう準備ができているなんて早いなぁ!じゃあルールを説明するぞ!......っといってもそんなに説明することは無いんだけど......。」
うーん......と面倒そうに薄い本を読んでいた。多分あれがルールブックなのだろうが、確かに内容はとても薄そうだ......。
「まあルールは『1、ルーレットを止めてその数だけ進む』のと『2、止まったマスに書かれていることに従う』......あと最後に『3、ゴールする=勝利ではない』ってことぐらいだな~。」
......うん!最後のルール以外は普通のすごろくと何も変わらない。最後以外は......。
このルールだと『ゴール』がただの飾りにしかなってないのだが......?本当にゲームとして成立するのかも怪しいのは言わないでおこう......。
「じゃあ『勝利する』にはどうすればいいのかな~......?」
そんな中で葵さんが蘭先輩に向かって私と同じような疑問を投げかけていた。
「そんなの簡単さ!!『とにかく他人より良い人生を送ってマウントをとる』ことが勝利条件よ!
だってリアル人生は『ゴール』なんてものはないし、生まれた時から他人との競争ばっかりしているじゃない!」
その質問に対して蘭先輩は堂々とこう答えていた。もしかしてこの人は『人生』に
ついて悲観的になってない?
......まぁ否定は出来ないのだけれども。
「それで、みんな順番とか決まってるかな?...うん!手際がいいね!じゃあ早速ゲームをスタートしましょ!!」
こうして私たちはこの怪しげな『リアル人生ゲーム』をすることになった。ちなみに順番は『千秋』→『菫』→『私』→『蘭』→『葵』である。
◇◇◇
「じゃあ私から行くわよ!!1番をぶっちぎってやるわ!!」
早速やる気満々の千秋ちゃんがまずルーレットを回す。
「よし『3』が出たわ。とりあえず進まないと......ってぇぇ!?」
千秋ちゃんが驚くのも無理はない。なぜならマスに進むことなく『バットイベント』が発生したからだ。
「おっと!千秋ちゃんは『3月生まれ』......つまり”早生まれ”を引いてしまったね!早い話『4月生まれ』と比べて1年の差があるのに、その子と『同学年』だから不利なのさ!だから”マイナス補正”がかかるようになっているよ!」
そして千秋ちゃんの反応にニッコニコな笑顔を振りまきながら、マシンガントークを披露する蘭先輩。……もしかして私たちにこのゲームをやらせようとしたのって……この反応が見たかったから?
「え?じゃあ今のルーレットは何の意味があるんですか!?」
「意味はあるさ!だって『生まれた日』なんて自分の意志では選べないからね!それにこのゲームではさっきのような『運ゲー要素』を色々と組み込んで置いてあるよ!」
まだ納得してない千秋ちゃんへ蘭先輩が堂々とした表情でこう言い張った。だからタイトルに『リアル』ってついていたのね......。
果たして私達は蘭先輩たちが作ったこのゲームをクリアすることが出来るのだろうか……?
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