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ー MY REAL STAGE 〜 僕は彼女を死なせない 〜 ー

ルシア・モドロンリ

2人を取り戻す

俺と聡は数秒間目が合っていた。

カスティス『え…なんでここに聡が…』

聡は俺を心で感じていたこともあって、俺の姿を見たことがなくても絶対にわかるはずだ。

カスティス『聡!お前大丈夫なのか!?なぁ…本当に心配してたんだぞ…』

聡『…』

聡は俺が話しかけても全くの無反応だった。

カスティス『なんとか言ってくれよ…』

俺は聡に近づき肩に手をかけようとする、すると…

サッ!…キーッン!

カスティス『!?』

とっさに俺は剣で防ぐ。

『聡様に近づかないでくれる!』

謎の女が俺の目の前に現れ、聡の前に立った。

カスティス『誰だ!?』

ルミ『私は聡様の護衛であるルミよ。あんたカシュパラゴのカスティスね。気安く聡様に近づかないで!』

聡『ルミ、いつも悪いな…』

ルミ『いえいえ聡様!とんでもないです!私は聡様の側近となれて幸せでございます!』

聞いたことがある。

シドマの上級騎士のルミ。

あまり情報はないが、ユイカに似たような剣術を使う、かなり厄介なやつだとは聞かされている。

カスティス『おい!聡!俺のことわかるだろ!?現世でお前の心の中にいた俺のこと!』

聡は俺の方を少し見て、ボソリと一言言った。

聡『…お前など知らないな…弱者に興味はない。』

聡と久しぶり再会し、久しぶりの会話でもらった言葉に唖然し、そして涙が止まらなくなった。

カスティス『じゃ…じゃあ!美乃梨のことも覚えてねーってことかよ!!』

俺は聡の生きる意味となっていた美乃梨のことを聞く。

聡『美乃梨?…誰だそいつは…』

聡は何もかもを忘れてしまっているようだった。

ルミ『ちょっとあんた黙りなさい!聡様に話しかけていいのは私たちシドマだけなのよ!』

俺は溢れ出す悲しみの涙を吹き、次の瞬間怒りが込み上げてくる。

カスティス『おい…ルミさんよぉ…お前らシドマは聡に何をしたんだ…』

ルミ『何?何もしてないわよ。聡様はもともとシドマの人間なんだから。』

カスティス『許さないぞ…リゾリューション…』

俺は剣を構える。

ルミ『聡様、ここは私にお任せください!ディーストラクション!』

聡『ルミさっきと雰囲気が変わった。気を抜くな。』

ルミ『承知致しました!聡様!』

どうしてそんなふうになってしまったんだ。

美乃梨を愛してやまなかった時は、とても暖かいやつだったのに…

なんで…

ルミ『あんたはここで倒しておかないと後々面倒になりそうね。行くわよ!』

カスティス『来い…』

2人はぶつかり合う。

キンッキンッキンッ!

ルミはやはりユイカに似ている、というより瓜二つの様な剣筋だった。

カスティス『お前その剣筋…どこで磨いた?』

ルミ『何!戦いに集中しなさいよ!』

キーッン!

2人は距離を取った。

ルミ『私の剣は家に代々伝わるものを継承してるの。ただそれだけよ。』

カスティス『お前、兄弟はいるのか?』

ルミ『あんた何なのよ!…まぁいたらしいけど、生まれてすぐに死んでしまったと聞いているわ。』

やはりそうだ。

顔立ちや剣術、総合してこのルミという女を見た時にピンときた。

ユイカの家系は、代々女性騎士として宮殿に勤めてきた由緒ある一族。

ユイカは女三人兄弟の長女、そして次女、三女。

しかし、三女は生まれてすぐにどこかへ誘拐されてしまい、カシュパラゴの騎士たち総出で探したが見つからなかったという。

あの家系の子供は戦闘能力に長けていることもあり、その血筋を欲しがる者たちは多くいるという…

カスティス『お前…ユイカの妹…』

ルミ『何をボソッと言っているのよ!ボーッとしてる暇ないわよ!』

キーッン!

ルミは俺に斬りかかってくる。

ユイカに似て素早い動きで、剣筋が美しい。

キンッキンッキンッキンッキーッン!

また2人は距離を取る。

カスティス『シドマ…許さねぇ…2人まとめて連れて帰る!』

ルミ『さっきっからちょこまかと!面倒だわ…これで終わらせる…ブレイクダウン!!』

ルミは俺に向けて黒々しい海の波の様なものを飛ばしてきた。

巨大な波、防ぎ切ることは今の俺ならできるが、無傷ではすまなそうだ。

カスティス『姉妹揃ってなんて能力なんだよ…』

俺が防ごうとしたその瞬間。

『深海の沈黙(ディープシーサイレンス)!』

ザァァァァバァァァァン!!

カスティス『ユ、ユイカ!?なんでお前がここに!?』

ユイカ『私の方が片付いたからよ!みんな自分の持ち場は終わらせてるわよ!カスティス!あんただけ戻ってこないから私が見にきたところ。そしたからこんな状況に…え…』

ユイカの視線の先には聡の姿があった。

ユイカ『ど、どういうことなの…なんで聡がここに…』

ユイカは涙を流し、聡の元へ行こうとした。

しかし俺は全力でユイカを止める。

ユイカ『カスティス!やめてよ!聡がそこに、聡!聡!』

カスティス『ユイカ待て!ダメなんだよ!…今のあいつは…全て記憶を消されてしまっている…俺たちのことも…美乃梨のことも…全てな…』

ユイカは泣きながら跪く。

ユイカ『せっかく会えたのに!…なんで…なんでなのよ…』

俺とユイカが話をしていると。

カスティス『!?』

キーッン!

ルミ『取り込み中悪いけど、こっちも暇じゃないのよ!さっさとあんたら倒してシドマに帰らせてもらうわ!』

ルミの攻撃を俺は剣で防いだ。

カスティス『お前は真実を知らないんだな。ルミ。』

ルミ『真実?何言ってんのあんた?…!?』

キーッン!

ユイカがルミに斬りかかった。

ルミ『早い!?』

ユイカ『あんたなの…聡をこんなふうにしたのは…』

ルミ『なんなのよさっきっから質問攻めして。知らないわよそんなの!聡様はもともとシドマの人間なのよ!』

ユイカ『許さない…許さない!!』

ユイカはルミと剣を交える。

キンッキンッキンッキンッキンッ!

いつものユイカも相当なスピードだが、今は目で追うのもやっとなほど早い。

カーッン!

ルミ『しまった!剣が!?』

ルミは、ユイカのスピードに追いつけず剣を飛ばされてしまう。

ユイカ『死んで償え…』

カスティス『ユ、ユイカ待て!ルミを殺すな!!』

ユイカの剣がルミに入ろうとしたその瞬間。

キーッン!

ルミ『さ、聡様!』

ルミとユイカの間に聡が割って入った。

聡『お前…俺の仲間に手を出すものは誰だろうと許さない…』

キーッン!ドカァァァァーン!

聡の一振りで、ユイカは吹き飛ばされた。

カスティス『ユ、ユイカー!!』

俺は吹き飛ばされたユイカの元へ駆け寄る。

カスティス『ユイカ!大丈夫か!?』

ユイカ『な…なんで忘れちゃうのよ…聡…』

ユイカは口から大量に出血していてかなりやばい状況だ。

ガードしてる上からユイカをこんな状態にするって…聡お前どんな鍛錬を積んだんだ…

聡『ルミ…大丈夫か?』

ルミ『聡様!私が不甲斐ないばかりに…大変申し訳ありません…』

聡『お前が無事ならいい…とりあえず今日のところは一旦引くぞ…』

ルミ『承知致しました!』

聡とルミは俺たちを背に走り出していった。

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