出産のバーゲンセール

「赤ちゃんが産まれましたよ！」
「早く膜を剥がさないと！」
「分かってます！」

　神龍フレースティエが町に来てから1年が経過した。今、この町では出産ラッシュが起きている。そして、今その出産の手伝いをアクアと見ている。

「紅狼、狼奈、狼華が一斉に出産するなんてな」
「ウルフ系の魔物は繁殖期が半年に1回ですからね。それに外に出る回数も増え、その時に牙狼達もメス特有のホルモンに誘われたのでしょう」

　紅狼達からは計18体のブラッドウルフの赤ちゃんが産まれた。命名は流石にこの量を1人で考えるのは難しいので吸血鬼達にお願いしといた。

「ブラッドウルフに続いてちゃんとヴァンパイア達も赤ちゃんを産んでほしいな」
「そうですね。全員で17人の赤ん坊が産まれる予定ですからね。流産とか起こさなければ良いのですが」
「そこら辺は俺の魔法や知識でなんとかするさ」

　吸血鬼達にも妊娠している者が結構おり、赤ちゃんが17人も産まれる予定だ。いつ励んだかは知らないが俺の目的は吸血鬼を増やすことなのでじゃんじゃん夜の営み励んでほしいな。

「マスターは将来誰を妻として娶るんですか？私でもいいですよ？」
「う〜ん。15歳ぐらいになってから考えるかな。まだまだ先の話だし」
「うぅぅ」

　変な事をアクアが言うのでとりあえず適当に返した。
　多分、出産とかの話をクラーマにしても同じ事を言うだろうな。

「マスター、マスターは何故ヴァンパイアを創ったんですか？」

　いきなり、アクアがよく分からない事を聞いてくる。

「なんで？」
「出産する所を見ていたら、なんでマスターはヴァンパイアと言う種族を創ったんだろう？と思ったからです」
「う〜ん。自分が創る種族だしなるべく死んでほしくなかったから元の世界で生命力が強い空想上の生物を思い浮かべたんだ。それがヴァンパイアだったって事」
「ちゃんとマスターは未来の事も考えていているのですね」
「そりゃあ、生きていく為には必要だろ」
「それもそうですね」

　俺とクラーマは笑いながら城へ帰った。