吸血鬼(始祖)の異世界建国記

河野原ぺこ@垢停止中

吸血鬼が増えました!

 俺がこの世界に来てから1年が経った。この1年で変わった事は牙狼達が外で獲物を獲ってきて食べているのでレベルがめちゃくちゃあがっている事と俺の【魔力操作】がLvMAXになったぐらいだ。

「暇だな〜」
「そうですね〜。また、ゴブリンでも入って来ませんかね」

 アクアが言うとおりこの前にもゴブリンが入って来た。ゴブリンは大体1週間に一度来るぐらいだ。昼間は牙狼達が外に居るので俺とアクアが対処する。まぁ、そのおかげで魔法やスキルの練習ができるんだけど。

「ワォォォォン」

 外で遠吠えがするのが聞こえた。多分牙狼達だろう。数分後に狼華がやってきて俺の服の裾を引っ張りだした。

「どうしたんだ?」
「私にも分かりません」
「狼華、離してくれ。ちゃんとついて行くから」

 俺が言うと狼華は俺の服の裾を離して走り出した。俺は【魔装】を使って狼華の後を追う。

 狼華の後を追って、外に出ると3台の馬車が止まっていた。

「なんでこんな場所に馬車があるんだ?」

 ここは道も整備されていない森のど真ん中だ。こんな所に馬車があるのがおかしい。それと、馬車の中にエルフが入った鉄格子があるのもおかしいな。

「う〜ん。見た感じ奴隷ですね。しかも違法の」

 へ〜。奴隷か〜。まぁ、地球にもまだ奴隷制度がある国もあるからな。この世界でも普通か。

 俺が周りを見渡すと牙狼達の【液体操作】によって血の鎖で捕まっている商人とその護衛らしきヒューマンが居た。

「おい!こんな事してタダで済むと思うなよ!」
「あ〜。もしかして自分が置かれている状況に気付いていないのか?よく考えてみろよ。俺がこの魔物達を使役しているんだぜ」

 商人達の顔がみるみる青くなっていく。

「どうか。命だけはお助け!!」
「あのエルフ達は捕らえたんだろ?あいつらがお前達にそう言わなかったのか?今度は自分の番が回ってきたと思え」

 俺はそう言うと商人達を牙狼達に襲わせた。結構血が出てグロい。

「いいんですか?眷属にしなくて?」

 いつの間にか俺の所までやって来ていたアクアが言う。

「あんなクズはいらない。反乱されたら困るし」
「そうですね」

 俺は鉄格子の鍵を【液体操作】で血を操り開ける。鉄格子の中には20人の女エルフと10人の男エルフが居た。全員売り飛ばす予定だったのか知らないが全員若い。

「さてと、お前達はこれからどうする?」
「あの。1つ質問良いですか?あなた様は始祖様ですよね?」

 1人の女エルフが俺に質問してきた。しかも、始祖の事を。

「そうだ。何故分かったんだ?」
「私も【鑑定】できるので」

 へ〜。そういえば、【鑑定】のスクロールを交換した時に消費したポイントが少なかったな。【鑑定】って結構色んな人が持ってるのかな?おっと、脱線したな。

「それで、お前達はどうしたい?」
「私の村はもうありません。ですのでここに村を作っても良いですか?」

 ここに村か。ん、吸血鬼を増やすチャンスじゃないか?

「いいだろう。その代わり俺の眷属になってもらう」
「それは吸血鬼に成れって事ですね。一度は死を覚悟した身、始祖様のために使いましょう」

 こいつ、皆の意見とか無視しているないか?1人で物事を決めているんだが••••••。まぁ、いっか。

「それじゃあ、全員1箇所に集まれ」

 俺が命令するとエルフ達は1箇所に集まった。

「【血の契約】」

 俺がスキルを使うと牙狼達と同様にエルフ達の周りに血の渦巻きが発生し包み込んだ。

 数分後、俺と同じような翼と牙が長いエルフが居た。

「成功したみたいだな」
「そうですね」

 とりあえず、さっき仕切っていた奴を【鑑定】してみるか。

クラーマ 142歳 女
吸血鬼(真祖) Lv21
《称号》
真祖 村長
《身体能力》
生命力167/167 体力134/134 魔力156/156 腕力143 脚力142 知力137
《ユニークスキル》
吸血 超回復 変幻自在 液体操作 
《パッシブスキル》
《アクティブスキル》
長弓Lv2 魔力感知Lv2 長弓Lv3 魔力操作Lv2 無属性魔法Lv3 火属性魔法Lv2 土属性魔法Lv3
《魔法》
魔装 火球 土球 火壁 土壁 火矢 土矢 火槍 土槍

 ん?結構弱いな。真祖になった事は良しとしてLv21でこの強さは弱すぎだな?あ、俺のステータスと比べてみるか

トア・ヴァンピール 1歳 男
吸血鬼(始祖) Lv6
《称号》
始祖 ダンジョンマスター 転生者
《身体能力》
生命力125/125 体力104/104 魔力379/379 腕力46 脚力57 知力329
《ユニークスキル》
吸血 超回復 変幻自在 液体操作 血の契約
《パッシブスキル》
速読LvMAX
《アクティブスキル》
算術LvMAX 鑑定Lv3 魔力操作LvMAX 魔力感知Lv6 体術Lv8 細剣Lv7 長槍Lv5 長弓Lv6 無属性魔法LvMAX 火属性魔法Lv1 水属性魔法Lv3 風属性魔法Lv1 土属性魔法Lv1 闇属性魔法Lv1 空間魔法Lv1 回復魔法Lv1
《魔法》
魔装 魔球 魔壁 洗浄

 なぁ、Lv6でこのステータスだぜ。俺がLv21になった時と比べてみようとすると物凄い差ができそうなんだが。アクア曰く倒した魔物の魔力等をソルティア様の力で多く手に入れているらしいけど。

「よし、ここで村を作って自由に生活してくれ。村長はクラーマで良いな。たまには来るからちゃんとやれよ?」

 そう言うと俺はダンジョンに戻った。

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