初心者スキル【言語理解】の横に“極致”と載ってるんだが
38話
「──ああッッ!!」
「────ッッ!!」
聡太とフェキサーが同時に吼え──聡太の姿が消えた。
『剛力』使用状態での【憤怒に燃えし愚か者】の発動。
尋常ならざる速さでフェキサーとの距離を詰めた聡太が──フェキサーの眼に短刀を突き刺した。
「────ッッ?!」
やはり眼を刺されると『十二魔獣』でも痛いのか。あるいは眼が弱点なのか。
フェキサーが痛みに絶叫を上げ──残る眼で聡太を捉え、右ハサミで潰さんと振り下ろす。
「遅ぇんだよッッ!!」
一瞬でフェキサーの股下を駆け抜け──短刀を何度も振るい、手当たり次第に眼を潰す。
「────ッッ!!」
「ヤバッ──ミリアッッ!! コイツを結界で囲えッッ!!」
「は、はい! 『第四重絶対結界』っ!」
聡太が素早くその場から離れ──フェキサーを囲うようにして、黄色の結界が現れる。
そんな事もお構い無しに、フェキサーがレーザーを放つが──結界に阻まれ、聡太たちの所には届かない。
「────ッッ!! ──────ッッ!!」
苛立ったようにレーザーを乱発し──結界にヒビが入った。
「そんな……?! 『第四重』にヒビが……?!」
「チッ……! ミリア! 結界を解除しろッ! ハピィ! 怖いなら下がってろッ!」
「わかりました! 解除しますっ!」
「こ、怖くないよー! やってやるー!」
ミリアが結界を解除した──瞬間、聡太とハルピュイアがフェキサーに向かって駆け出した。
乱射されるレーザーを素早く回避しながら──聡太は短刀を持っている方とは逆の手を前に突き出した。
「──『水弾』ッッ!!」
「────ッッ?!」
「とりゃー!」
聡太の周りに水色の魔法陣が浮かび上がり──水の弾丸が高速で射出された。
レーザーを放っていたフェキサーの眼に弾丸が撃ち込まれ──フェキサーがレーザーを放つのを止めて絶叫を上げる。
それと同時、ハルピュイアがフェキサーの懐に潜り込み──【硬質化】した鳥爪で眼を抉った。
「────ッッ!! ──────ッッ!!」
「うわー?! わ、わー?!」
ギョロッと、フェキサーの眼がハルピュイアを捉え──右ハサミを何度も振り下ろす。
地面を転がって逃げようとするが──フェキサーの意外な俊敏性を前に、距離を取る事ができない。
──このままでは、ハルピュイアが潰されるのも時間の問題だ。
「──しぃッッ!!」
「────ッッ?!」
「ハピィ、掴まれッ!」
一瞬で距離を詰めた聡太が、ハルピュイアを狙うフェキサーの眼を斬り裂き──ハルピュイアの手を掴んでその場から飛び退いた。
「あ、ありがとー、ソータ」
「気にするな」
「そのー……ごめんねー? あんまり役に立てなくてー……」
「……何言ってんだよ」
珍しく落ち込んだ様子のハルピュイアに苦笑し、その水色の髪を乱暴に撫でた。
「怖いのによく突っ込んだ。お前は勇敢だ」
「……ほんとー?」
「ああ」
ハルピュイアは、十四歳の少女だ。
【技能】に恵まれているが……聡太より年下の、高校生にもなれない年齢の子どもだ。
それに、ハルピュイアの目的は家族を探す事だ。別に『十二魔獣』と戦う必要はない。
なのに、化物相手に恐怖心を押し殺して攻撃を仕掛けるその勇敢さ。
聡太なんかよりよっぽど勇者に相応しい。
「……ハピィ。一つだけアドバイスだ」
「アドバイスー?」
「ああ──お前は相手を蹴った後、足が止まってんだよ」
「…………?」
こちらを威嚇するフェキサーに注意を向けたまま、ハルピュイアに続ける。
「俺の動きを思い出してみろ。止まってる時なんてなかっただろ」
「……おー。そうだねー」
「まだお前が戦う気なら──俺の動きを見て、マネをして、力を付けろ。お前の家族を探すためにも、力は持っておいて損はない」
「おー!」
「ミリア、俺が合図を出したら結界を頼む」
「わかりました、気を付けてください」
『黒曜石の短刀』を逆手に持ち替える聡太。
その隣で、ハルピュイアが威嚇するように翼を広げて身構えた。
「行くぞ──ッ!」
「おー! 【豪脚】っ!」
ハルピュイアの戦い方は──【技能】による身体能力強化に全てを任せた、常に全力攻撃の蹴り技がメインだ。
細かな蹴り技は性に合わないのだろう。
だから──この戦いで、成長させる。
強さは持っていて損をする事はない。ハルピュイアがここで強くなれば──家族と再会して聡太たちと別れた後、家族を守れるくらいには強くなれるだろう。
「ふぅ──!」
「うりゃりゃー!」
「────ッッ?! ──────ッッ!!」
縦横無尽に駆け回り、聡太がフェキサーの眼に何度も短刀を振るう。
ハルピュイアが聡太の後ろを追い掛けながら、聡太が斬り損ねた眼を正確に潰していく。
聡太とハルピュイアに向けてハサミを振り回すが──空を裂いたり、地面を穿つだけで、掠りもしない。
「おい、スピードを上げるぞッ!」
「おー!」
──クラクラする。
フェキサーの眼を潰し回る聡太は──貧血のような症状に襲われていた。
出血が酷い。内臓へのダメージが思っているより大きい。それに、多分どこかの骨が折れている。長時間【憤怒に燃えし愚か者】を使っているからか、全身が燃えるように熱い。
早めに決着を付けなければ──【憤怒に燃えし愚か者】の反動で、パルハーラの時と同じでぶっ倒れてしまうだろう。
「──────ッッ!!」
「ああ──ッッ!!」
「ちょ、はやー?!」
地面が割れるほど強く踏み込んだ──瞬間、ハルピュイアは聡太の姿を見失った。
と思ったら、フェキサーの眼を斬り裂く聡太を見つけた。
フェキサーが右ハサミを振り上げ、聡太を潰さんと攻撃を放つが──再び聡太が消え、別の場所でフェキサーの眼を斬り潰す。
──速すぎる。
これが、『十二魔獣』を二匹も狩った勇者の力なのか──思わず、ミリアとハルピュイアは息を呑んだ。
「────ッッ!!」
「チッ──『嵐壁』ッ!」
聡太の速さに対応し始めたフェキサーが、とうとう聡太を捉えた。
右ハサミを横薙ぎに振るい──地面を抉りながら迫るハサミを前に、聡太は『嵐壁』を発動。
威力を抑えた『嵐壁』は、聡太の体を軽々と吹き飛ばし──直後、聡太の立っていた場所がハサミで抉り取られる。
「はぁ──『黒重』ッ!」
「────ッッ?!」
すぐに『黒重』を発動し、聡太が真上からフェキサーに襲い掛かる。
突然の重圧を受け、フェキサーが一瞬だけ体勢を崩し──その隙に、聡太が上から短刀を突き刺した。
「消し飛べ──『蒼熱線』ッッ!!」
「────ッッ?!」
蒼い熱線がフェキサーの甲殻を貫通し──フェキサーが痛みに暴れ始める。
──間違いなく、致命傷だ。
フェキサーの上から聡太が飛び降り──だが動き回るフェキサーの姿に、ミリアとハルピュイアが驚愕に目を見開いた。
「まだ動くのですか……?!」
「──────ッッ!!」
左のハサミが焼き飛ばされ、体の中心に風穴が空いている。
だが──まだ息がある。
「──んな事わかってんだよ」
ただ──聡太だけは、フェキサーが死なないと確信していたらしい。
再び距離を詰め、フェキサーの眼に短刀を突き刺した。
そして──
「──『付属獄炎』ッッ!!」
──詠唱。
聡太の握る『黒曜石の短刀』に獄炎が宿り──フェキサーの体内が、獄炎に焼かれる。
「────ッッ?! ──────ッッ?!」
暴れるフェキサーにしがみ付き、『付属獄炎』に魔力を込める。
──ボウッ! と、フェキサーの眼から黒い炎が噴射された。
眼球が焼かれる痛みを感じ、どうにか聡太を剥がそうとフェキサーがデタラメに暴れ回るが──聡太は全く離れない。
「ソータっ!」
──魔力を込めろ。
ハルピュイアに偉そうな事を言っておいて、無様な姿を晒す気か?
──魔力を込めろ。
心配そうにこちらを見るミリアに、情けない姿を見せる気か?
──魔力を込めろ。
【憤怒に燃えし愚か者】に呑まれていないのに、こんな奴に負ける気か?
──魔力を込めろッッ!!
俺の【無限魔力】ならまだ行ける──!
「──あ……!」
魔力に敏感な『森精族』であるミリアは、聡太の体から漏れ出している大量の魔力に気づいた。
瞬間──ゴオッッ! と『付属獄炎』の黒炎が勢いを増した。
──魔法の複重強化。
それもあの威力。二重強化程度ではない……まさか──
「────ッッ?! ──────ッッ?!」
【憤怒に燃えし愚か者】を使っていた時の聡太は、二重詠唱を超えた三重詠唱をしていた──そんな事を、前回のパルハーラ戦の後にミリアから聞いた。
そして今、無意識の内に魔法の複重強化を成功させた聡太は──二重強化を超えた、三重強化を手にしようとしているのだ。
「──ッああああああああああああああああッッ!! 『付属獄炎』ッッ!!」
「─────」
全身から血を流す聡太が、短刀を深くねじ込んで大きく吼えた。
瞬間──フェキサーの体が爆発した。
辺りに血と獄炎が飛び散り──残ったのは、フェキサーの甲殻の山。
「ソータ様……!」
聡太の名前を呼ぶが──返事はない。
ミリアが甲殻の山に駆け寄り、中から聡太を引っ張り出そうと──して。
「──ああッッ!!」
甲殻の山から、聡太が姿を現した。
「チッ……厄介な『十二魔獣』だったな……!」
よろよろと短刀を鞘に入れ、その場に散らばる甲殻を冷たく見下ろす。
三匹目の魔獣、《百の眼を持つ魔獣》──討伐。
「────ッッ!!」
聡太とフェキサーが同時に吼え──聡太の姿が消えた。
『剛力』使用状態での【憤怒に燃えし愚か者】の発動。
尋常ならざる速さでフェキサーとの距離を詰めた聡太が──フェキサーの眼に短刀を突き刺した。
「────ッッ?!」
やはり眼を刺されると『十二魔獣』でも痛いのか。あるいは眼が弱点なのか。
フェキサーが痛みに絶叫を上げ──残る眼で聡太を捉え、右ハサミで潰さんと振り下ろす。
「遅ぇんだよッッ!!」
一瞬でフェキサーの股下を駆け抜け──短刀を何度も振るい、手当たり次第に眼を潰す。
「────ッッ!!」
「ヤバッ──ミリアッッ!! コイツを結界で囲えッッ!!」
「は、はい! 『第四重絶対結界』っ!」
聡太が素早くその場から離れ──フェキサーを囲うようにして、黄色の結界が現れる。
そんな事もお構い無しに、フェキサーがレーザーを放つが──結界に阻まれ、聡太たちの所には届かない。
「────ッッ!! ──────ッッ!!」
苛立ったようにレーザーを乱発し──結界にヒビが入った。
「そんな……?! 『第四重』にヒビが……?!」
「チッ……! ミリア! 結界を解除しろッ! ハピィ! 怖いなら下がってろッ!」
「わかりました! 解除しますっ!」
「こ、怖くないよー! やってやるー!」
ミリアが結界を解除した──瞬間、聡太とハルピュイアがフェキサーに向かって駆け出した。
乱射されるレーザーを素早く回避しながら──聡太は短刀を持っている方とは逆の手を前に突き出した。
「──『水弾』ッッ!!」
「────ッッ?!」
「とりゃー!」
聡太の周りに水色の魔法陣が浮かび上がり──水の弾丸が高速で射出された。
レーザーを放っていたフェキサーの眼に弾丸が撃ち込まれ──フェキサーがレーザーを放つのを止めて絶叫を上げる。
それと同時、ハルピュイアがフェキサーの懐に潜り込み──【硬質化】した鳥爪で眼を抉った。
「────ッッ!! ──────ッッ!!」
「うわー?! わ、わー?!」
ギョロッと、フェキサーの眼がハルピュイアを捉え──右ハサミを何度も振り下ろす。
地面を転がって逃げようとするが──フェキサーの意外な俊敏性を前に、距離を取る事ができない。
──このままでは、ハルピュイアが潰されるのも時間の問題だ。
「──しぃッッ!!」
「────ッッ?!」
「ハピィ、掴まれッ!」
一瞬で距離を詰めた聡太が、ハルピュイアを狙うフェキサーの眼を斬り裂き──ハルピュイアの手を掴んでその場から飛び退いた。
「あ、ありがとー、ソータ」
「気にするな」
「そのー……ごめんねー? あんまり役に立てなくてー……」
「……何言ってんだよ」
珍しく落ち込んだ様子のハルピュイアに苦笑し、その水色の髪を乱暴に撫でた。
「怖いのによく突っ込んだ。お前は勇敢だ」
「……ほんとー?」
「ああ」
ハルピュイアは、十四歳の少女だ。
【技能】に恵まれているが……聡太より年下の、高校生にもなれない年齢の子どもだ。
それに、ハルピュイアの目的は家族を探す事だ。別に『十二魔獣』と戦う必要はない。
なのに、化物相手に恐怖心を押し殺して攻撃を仕掛けるその勇敢さ。
聡太なんかよりよっぽど勇者に相応しい。
「……ハピィ。一つだけアドバイスだ」
「アドバイスー?」
「ああ──お前は相手を蹴った後、足が止まってんだよ」
「…………?」
こちらを威嚇するフェキサーに注意を向けたまま、ハルピュイアに続ける。
「俺の動きを思い出してみろ。止まってる時なんてなかっただろ」
「……おー。そうだねー」
「まだお前が戦う気なら──俺の動きを見て、マネをして、力を付けろ。お前の家族を探すためにも、力は持っておいて損はない」
「おー!」
「ミリア、俺が合図を出したら結界を頼む」
「わかりました、気を付けてください」
『黒曜石の短刀』を逆手に持ち替える聡太。
その隣で、ハルピュイアが威嚇するように翼を広げて身構えた。
「行くぞ──ッ!」
「おー! 【豪脚】っ!」
ハルピュイアの戦い方は──【技能】による身体能力強化に全てを任せた、常に全力攻撃の蹴り技がメインだ。
細かな蹴り技は性に合わないのだろう。
だから──この戦いで、成長させる。
強さは持っていて損をする事はない。ハルピュイアがここで強くなれば──家族と再会して聡太たちと別れた後、家族を守れるくらいには強くなれるだろう。
「ふぅ──!」
「うりゃりゃー!」
「────ッッ?! ──────ッッ!!」
縦横無尽に駆け回り、聡太がフェキサーの眼に何度も短刀を振るう。
ハルピュイアが聡太の後ろを追い掛けながら、聡太が斬り損ねた眼を正確に潰していく。
聡太とハルピュイアに向けてハサミを振り回すが──空を裂いたり、地面を穿つだけで、掠りもしない。
「おい、スピードを上げるぞッ!」
「おー!」
──クラクラする。
フェキサーの眼を潰し回る聡太は──貧血のような症状に襲われていた。
出血が酷い。内臓へのダメージが思っているより大きい。それに、多分どこかの骨が折れている。長時間【憤怒に燃えし愚か者】を使っているからか、全身が燃えるように熱い。
早めに決着を付けなければ──【憤怒に燃えし愚か者】の反動で、パルハーラの時と同じでぶっ倒れてしまうだろう。
「──────ッッ!!」
「ああ──ッッ!!」
「ちょ、はやー?!」
地面が割れるほど強く踏み込んだ──瞬間、ハルピュイアは聡太の姿を見失った。
と思ったら、フェキサーの眼を斬り裂く聡太を見つけた。
フェキサーが右ハサミを振り上げ、聡太を潰さんと攻撃を放つが──再び聡太が消え、別の場所でフェキサーの眼を斬り潰す。
──速すぎる。
これが、『十二魔獣』を二匹も狩った勇者の力なのか──思わず、ミリアとハルピュイアは息を呑んだ。
「────ッッ!!」
「チッ──『嵐壁』ッ!」
聡太の速さに対応し始めたフェキサーが、とうとう聡太を捉えた。
右ハサミを横薙ぎに振るい──地面を抉りながら迫るハサミを前に、聡太は『嵐壁』を発動。
威力を抑えた『嵐壁』は、聡太の体を軽々と吹き飛ばし──直後、聡太の立っていた場所がハサミで抉り取られる。
「はぁ──『黒重』ッ!」
「────ッッ?!」
すぐに『黒重』を発動し、聡太が真上からフェキサーに襲い掛かる。
突然の重圧を受け、フェキサーが一瞬だけ体勢を崩し──その隙に、聡太が上から短刀を突き刺した。
「消し飛べ──『蒼熱線』ッッ!!」
「────ッッ?!」
蒼い熱線がフェキサーの甲殻を貫通し──フェキサーが痛みに暴れ始める。
──間違いなく、致命傷だ。
フェキサーの上から聡太が飛び降り──だが動き回るフェキサーの姿に、ミリアとハルピュイアが驚愕に目を見開いた。
「まだ動くのですか……?!」
「──────ッッ!!」
左のハサミが焼き飛ばされ、体の中心に風穴が空いている。
だが──まだ息がある。
「──んな事わかってんだよ」
ただ──聡太だけは、フェキサーが死なないと確信していたらしい。
再び距離を詰め、フェキサーの眼に短刀を突き刺した。
そして──
「──『付属獄炎』ッッ!!」
──詠唱。
聡太の握る『黒曜石の短刀』に獄炎が宿り──フェキサーの体内が、獄炎に焼かれる。
「────ッッ?! ──────ッッ?!」
暴れるフェキサーにしがみ付き、『付属獄炎』に魔力を込める。
──ボウッ! と、フェキサーの眼から黒い炎が噴射された。
眼球が焼かれる痛みを感じ、どうにか聡太を剥がそうとフェキサーがデタラメに暴れ回るが──聡太は全く離れない。
「ソータっ!」
──魔力を込めろ。
ハルピュイアに偉そうな事を言っておいて、無様な姿を晒す気か?
──魔力を込めろ。
心配そうにこちらを見るミリアに、情けない姿を見せる気か?
──魔力を込めろ。
【憤怒に燃えし愚か者】に呑まれていないのに、こんな奴に負ける気か?
──魔力を込めろッッ!!
俺の【無限魔力】ならまだ行ける──!
「──あ……!」
魔力に敏感な『森精族』であるミリアは、聡太の体から漏れ出している大量の魔力に気づいた。
瞬間──ゴオッッ! と『付属獄炎』の黒炎が勢いを増した。
──魔法の複重強化。
それもあの威力。二重強化程度ではない……まさか──
「────ッッ?! ──────ッッ?!」
【憤怒に燃えし愚か者】を使っていた時の聡太は、二重詠唱を超えた三重詠唱をしていた──そんな事を、前回のパルハーラ戦の後にミリアから聞いた。
そして今、無意識の内に魔法の複重強化を成功させた聡太は──二重強化を超えた、三重強化を手にしようとしているのだ。
「──ッああああああああああああああああッッ!! 『付属獄炎』ッッ!!」
「─────」
全身から血を流す聡太が、短刀を深くねじ込んで大きく吼えた。
瞬間──フェキサーの体が爆発した。
辺りに血と獄炎が飛び散り──残ったのは、フェキサーの甲殻の山。
「ソータ様……!」
聡太の名前を呼ぶが──返事はない。
ミリアが甲殻の山に駆け寄り、中から聡太を引っ張り出そうと──して。
「──ああッッ!!」
甲殻の山から、聡太が姿を現した。
「チッ……厄介な『十二魔獣』だったな……!」
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