前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

番外編 クリスマス5

今回は超絶短編です。















「ははは…星が綺麗だな…」
「………ああ」




ティオスがキレて全員清々しいほどボコボコにされ、立ち上がれないほど体力と魔力をティオスに奪われたので夜になってもまだ立ち上がれるほどの力が戻ってきていなかった。

ティオスはまだへばっているクラスメイトを見てはぁ、と一つ溜息をついた。


「こんなお遊びで体力を消耗し尽くすとは軟弱なものだな……………もう一回鍛え直すか?」
「や、やめてくれ…」
「今回はティオスだってめちゃくちゃ魔法使いまくりだったじゃねぇか!」
「あのスパルタ訓練は……もう勘弁して下さい…」


過去に味わった鍛錬は口に出すのも憚るほど厳しかった為、クラスメイト達の暗黙の了解としてそれを口に出さないと決めていたのだがまさかのティオスから「もういっぺん、死んでみる?」と宣告された様なものだったのでクラスメイト全員して顔色を悪くしつつ拒否した。



「…そんなに皆して拒否するか?」


ちょっと悲しそうにするティオスを見つつそれでも無理だと頭を横に振ると諦めたようでまあいいと言い近くの木の切り株(さっき椅子として切り倒した直径2m程の木)に腰掛けると、敢えて全員に回復魔法をかけずに空を眺め始めた。



「─────ん、おお」



ティオスが空を眺めつつ何かに感心するような素振りを見せたので全員が再び空に目を向けると、この周辺の空に町にいた筈の妖精達が空に登って行っていた。

それだけでなく空の方は流星群が手に届くのではと思わせるほど近くはっきり見えていて、言葉通り幻想的だった。


「わぁ〜…綺麗ですね」
「ロマンチックね」
「………綺麗です」


全員が疲れを忘れたかのように空に魅入っているので、ティオスは特殊な魔法を全員に掛けた。


『『ッ!!』』


魔法が掛けられた瞬間、星空がぐんと近くなり、視界すべてが満点の星空となった。
その魔法は単純に視界を広げ、遠くのものが近くに見えるようにするだけの簡単な魔法なのだが、この星空の下で空を見るのに使用すればその幻想的な景色に全身包まれるような感覚になるのだ。



「───今日は楽しかったか?」



ティオスが呟くと、全員まだ空に見入っているのかコクリと頷くだけだったのだがティオスはそれを見て嬉しそうに目を細めるとぽつりぽつり話し始めた。



「───卒業までもうちょっとなんだ────これからの日々を思い出の1ページに出来るように全力で楽しもう─────俺はその為には持てるすべての力を駆使するつもりだ───あと少しの時間だが、よろしく頼む」





ティオスの呟きは、満点の星空に吸い込まれるようにスッと消えると、冬だが心地よい風が吹いた─────気がした。














次回からはティオスとシトリーによる旅が始まります!

リアルが忙しいので次の更新は1/1になります。




それでは皆さん、良いお年を!

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