前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

番外編 クリスマス 1

時は遡ること1年前。





「───今日は結構冷えるわね」


リエスがマフラーを巻きつつ呟いた。

そう、今日は今年最低気温日で現在-10℃まで冷え込んでいた。それに辺りは雪景色。
風が無く人通りも少ないのでしんしんと降る雪が音を吸収したかの様に静寂が場を支配していた───。



「──そういえばコッチにもクリスマスってあるのか?」
「クリスマス?それは何なんだ?」



朝、寮からの投稿時間。
リエスの後ろの方にはティオスとカナタ、グアンが3人で歩いていた。


「何ていうんだろ。冬の祭り?っていえば良いのか?」
「なぜ疑問形なんだ」
「……まあ、前世だとそんな物に縁が無かったからな」
「……?まあいい。冬の祭りなら平和記念感謝祭フェスティンがあるぞ。確か今日だったよな?」
「うん、そうだね。今日はハーレイ王国の建国記念日と種族間戦争終結日が重なっていて毎年この国だけじゃなく世界中でお祭り騒ぎになるはずだよ」
「今日なのか、それでどういう事をすんの?」
「これと言って決まった事は無いけど単純に記念日だからお祭りをしたり街の中央広場に行けば聖歌隊の人達が神に感謝の念を込めて賛美歌を歌ったりしてるよ」


「面白そうだな────ならさ!Sクラス全員で今日は街で遊ばない!?」



カナタがティオス達の前に出て手を広げて言うと、近くの木がガサガサと揺れ始めた。
人の気配だったので三人は警戒すると、その木から凄まじいスピードで人が飛び出してきた。


「──その話聞かせてもらった!!僕も賛成ッ!!皆で遊ぼうか!」


そこから出てきたのは雪まみれのシズが楽しそうに話に乗ってきた。リエスもいつの間にか近くに来ており、ティオスに目配せをしてきた。
グアンもこっちを見てきたのでニヤリと一つ笑うと


「──それじゃあ、一旦教室に行って全員が集まったら今日は遊ぶか!」










******








Sクラスは様々な特権があるが、そのうちの一つに“授業自由参加”がある。これまで全員休まず授業は真面目に受けていたのでガーネットに今日は授業を受けないと言うとあっさりと承諾を貰った。


「──っしゃあ!それじゃあ街に行こうぜ!」
「あっ、カナタてめぇ待ちやがれ!」


我先にと走り出したカナタをアサドが追いかけているのを後から後から着いていくSクラス御一行。


「全員でフェスティン行くのはこれまで無かったですね」
「そういえばそうね。学園に居る間はもうそっちにばかり気が向いて外の事は殆ど気にしていませんでしたものね」

ルーチェとアイナが寒そうに手に息を吹きかけ温めながら歩いていた。
リエス、ニル、シズは雪景色に見惚れていて、男子の方はポケットに手を突っ込み談笑しつつ歩いていた。


15歳で全員体はもう大人なので背の高いティオス、ワイル、グアン、カインが並んで歩いていると4人ともイケメンで尚且つSクラスで有名なので学園を出るまでに何人もの女子から声をかけられ断りつつ歩き、
逆に女子組のルーチェ、ニル、アイナ、リエス、シズは全員が美少女、ニルとリエスに至っては身長も高いので美女が横に並んで歩いているので男子達から声をかけられているが全員もう慣れっこなのか完全無視して歩いていった。



「───にしてもカイン、お前そんな格好で寒くないのか?」


ティオスはカインを見て呆れていた。
最近は肉体がどんどん成長して筋骨隆々となっている腕を見せつけるかのように、長袖のはずの白と赤のラインの制服が肩まで捲くられていた。
獣人で人狼族は大体巨漢が多いのだが例に漏れずカインもワイルと同じくらい背が高く、狼のような鋭い目と逞しい大きな耳、その姿を見ると小さな子供くらいなら泣きそうだ。


「ああ、人狼族は気温変化に疎くて今も丁度いい位の温度にしか感じない」
「お前がそれで良いならそれでもいいが…」


隣に立つワイルはしっかりと厚手のチェスターコートを羽織っているのでなんというか落差が凄い(?)

因みにグアンとティオスは色違いのメンズカーディガンを羽織っていてしっかり防寒対策をしていた。魔法で寒さを無くそうかとも考えていたがたまには季節を感じるのも悪くないだろうと魔法は使っていない。



「ワイル……流石ね。私は寒くて5枚重ねて着ているわ」
「………リエス…なんでちょっとドヤ顔なの?」

妙にドヤ顔をしつつ呟くリエスにニルが突っ込んだ。ここ2年ほど前からやっと心を開いたのかちゃんと喋るようになったニルは手袋を着けつつリエスを見た。

女子組では一番身長が高くなったニルはリエスと同等以上にスタイルが良く普段は結構な存在感を放つ。………今は髪の毛と肌が白いので雪と相まってちょっと存在感が無くなりがちになっているが。



「────あっ、街が見えてきましたよ!」


ルーチェが指を指すと、雪化粧をして太陽の光を反射して輝く街があった。

















というわけで次の章に入る前にクリスマス編です。長くとも5話で終わらせる予定です!


皆さんも良いクリスマスを!    

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