前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

Sクラス、解散

「───因みにもうそれぞれの持ち主登録は済ませてあるから意識しなければ外れないし、もし外しているうちに盗まれたり無くしたりした時には念じれば戻ってくるからな」


ティオスが全ての機能を説明し終えると、全員が早速慣れようと色々と触り始めた。


「しっかしこの俺が教えた道具の機能だけど俺の転生前の世界でもこんなハイテクな物は無かったなぁ…」
「ん?これは無かったのか?」
「いや、物語の中だと結構そういうオーバーテクノロジーな物は結構あったんだけどなにせあの世界には魔法が無い。こんなものは作れてなかったぜ」
「魔法が無い世界か。想像もできんな。というか魔法無しでどんなふうに暮らしてたんだ?」


全員を眺めつつ隣にいるカナタと会話をしているティオスはカナタの前世の世界の知識に興味を持っていた。
ティオスがどうやって暮らしてきていたのかと質問すると、カナタが早速作ってもらった魔法具で何やら始めた。

実はカナタの魔法具にはティオスが全員に配ったものとは違い、特別なソフトウェアや英語、日本語という言語を組み込んでいた。
そしてカナタが現在使っているのは“モデリング”というソフトで何かを形作っていた。


因みにこの魔法具はティオスがヘクセレイと名付けた。
ティオスの前世で使われていた今は無き言語ロスト・ティールで意味はそのままに魔法の道具だ。


数分ほどでカナタはモデリングが終わったのかティオスのヘクセレイに転送してきた。


「それは電球とモーター、導線、それとモーターを取り付ける物なんだが設計図通りに作ってもらえるか?」
「電球?モーター?まぁよく分からんが少し待っていてくれ」


ティオスはそう言うと貰った設計図もといモデルを参照しつつ創造魔法クレアールでそれらを創り上げた。
それをカナタに渡すとそのパーツを組み合わせてある物を創り上げた。


「これは手動発電機と電球を導線で繋いだ物で、これが転生前の世界では魔法の代わり…って言ったら語弊があるがこれが生活の基盤だったな」
「これが生活の基盤?」
「正確に言えば電気だね。魔法には雷魔法フォルゲンがあるだろ?この電気を使って生活してたんだ。今作ったこれはここのハンドルを回すと……」


そう言ってカナタが手動発電機のハンドルを回すと───


「…おお、光ったな」
「これは運動エネルギーを光のエネルギーに変えたんだ。元の世界では自然そのものをエネルギーに変えて生活をしてたんだ」
「ほう、それは中々に興味深い…」



ティオスとカナタがカナタの前世の世界、地球での話で盛り上がっている中、他の皆はヘクセレイの機能の一つである仮想世界に入り込み模擬戦をしていた。

仮想世界と言ったが少し違ってそこは魔法で作り上げられた別次元の穴で、中ではダメージが入ったエフェクトが出て、いくらのダメージだったのかが表示される機能が備わっていて体には怪我が出来ないようになっている闘技場になっていた。


その空間では現在アサド達はダメージを測ってくれるカカシに攻撃を当てて、その数値を見ていた。



「俺は……596,000か」
「え〜アサドひっくぅぅぅ〜(笑)僕は700,000出るよ?」
「うるせぇシズ!!俺だって、俺だってよぉ!!…………オラ!!!950,000!!どうよ!」
「アサドの癖に生意気な…!」


「……糸術は魔法と併用しないとダメージは良くて450,000ですわ……この装置便利ですわね。このダメージならどの程度の魔物が仕留められるのか細かく表示されるのですわね」
「……俺の弓もそのままだと良くて500,000だ」



アサドとシズが競い合っている中、アイナをワイルは自分の現在の力量はどの程度なのか見ていた。


この装置はティオスが少し気合を入れて作っているのでダメージが入ると目の前にウィンドウが出て来てどの魔物をどれくらいの時間で倒せると表示される。


因みに普通のAランク冒険者だと本気で攻撃をしても200,000位なのに全員が平気な顔をしてばんばん高いダメージを出しているあたりこの元Sクラスの異常性が分かる。










******









アサド達が仮想世界から出てくる頃には空が赤みがかっていて、東の空は既に星が輝き始めていた。



「───もう、こんな時間か」



誰かが言ったその言葉が薄暗くなり始めた森に溶けるように響いた。

それは、この6年間続いた全員一緒の生活の終わりをきゅっと感じさせた。


入学した当初は色々と濃い奴らだと思っていた奴は今では側にいて当たり前、こいつとうまくやっていけるのか?と思っていた奴も今では友と呼べる関係になっていた。

それぞれがこの6年間を鑑みて思い出に耽っていた。


Sクラス全員で学園内をかき混ぜにかき混ぜ、やりたい放題やっていて、本当に輝かしい日々だった。



一年から三年まではティオスが殺しにかかっているのではと思えるほど厳しい鍛錬をしてくれ、学内最強決定戦に出る枠を争ってグラウンドをめちゃくちゃにし、最強決定戦に出たと思えば決定戦ではティオスが瞬殺してしまいある意味荒れた決定戦だった。

国が犯罪組織に落とされてティオスがそれを助けて─────








───あれ、思い出が濃いのはティオスせいじゃね?





全員が示し合わせたかのようにティオスの方をじーっと見つめた。

ティオスも思い出を振り返っていたのか目を閉じていて、視線を感じて目を開けば全員から視線で攻撃をされていてビクッとなった。

それを見てアサドはぷっと息を吐くと、




「あ〜あ〜あ〜、やめだやめ!そんなしょんぼりするこたぁ無いだろ。なにせティオスがこんな物を渡してきたんだしよ」


アサドはあの少し重めの空気が嫌だったのか吐くように言うと手首にかかっているオレンジと黄色の宝石を散りばめられているブレスレットを掲げた。

それを見てグアンもふぅ、と息を吐いた。そして笑顔になると口を開いた。


「確かにね。これからそれぞれの道に進むけど別に今生の別れになる訳じゃないからね!というかヘクセレイのお陰で自分の顔を写しながら通話もできるしなんだったら仮想世界でも会えるからね」


そう考えたら悲しくは無いね!と締めると全員の顔に笑顔が戻った。


ティオスはそれを見て全員を集めて肩を組み円を作った。
そして全員に目配せすると声を張り上げた。


「いいか?俺達の目標は何だ?!」
『!!天下武冠会での称号獲得!』
「そうだ!もしもそれまでに訛っていたら─────また俺が叩き直してやるから覚悟しておけ……いいな!?」
『ああ!!(ええ!!!)』





今日を以てSクラス、一時・・解散となった。



彼らがばらばらになり、それぞれの方法でその道を極め世界に名を轟かせる日は、意外と近いかもしれない……───────
























と言うわけで学園編終わりました!!
次からはティオスとシトリーによる旅が始まり、急展開だらけになると思いますが何卒よろしくお願いします!!!



あ、それと明日(2019/12/25)は番外編を更新します。

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