前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

本当の姿

「────あら、ビフロンスじゃないですか」



シトリーがユリンを見てそう言うとびくっと目に見えて動揺した。そしてそれを取り繕うようにあわあわと手を前に出し白を切った。



「───び、びーふすとろがのす?って、な、なんですかあ?」
「はぁ、ビ・フ・ロ・ン・ス、よ。それにこっちの世界にビーフストロガノフなんて料理は無いわよ。暫く会ってなかったけど相変わらずね、ビフロンス」



呆れ顔をするシトリーがユリンに右の掌を向け、魔力を込めるとユリンの全身が輝き、現れたのは身長150cm位の、ピンクの髪の毛にピンクと紫のオッドアイがチャームポイントの小柄な女の子?女性?が現れた。



「うう…シトリーは厳しいです……」
「そんな見え見えな変装で魔神王の私をごまかせる訳がないでしょう?」




シトリーとユリン(ビフロンス)以外にここに居た者は突然の事にただそれをそれを眺めるしか無かった。ティオスも思い出したようにはっとなるとシトリーの所まで近づいた。


「仲が良いようだがユリンは一体誰なんだ?まあお前と仲がいい時点で大体種族には検討が付くが」
「あ、すみません、こんな所で旧友と会えるとは思っていなかったのでつい紹介し遅れました。この子はビフロンス、魔系列の神の一柱で魔法の扱いだけならご主人様と出会う前の私に負けず劣らずの力を持つ神族です」


シトリーがそう言うとビフロンスをぐっとティオスの居る前の方に押し出してきた。ビフロンスはおどおどと少し気不味そうにしつつも大きな声で自己紹介を始めた。



「え、え〜っとぉ…私はユリン──改めビフロンスです。これでも一応神様の一柱で魔神王のシトリーとは友達です。騙すような事をしてごめんなさい」



そういってビフロンスは小柄な体をペコッと下げた。というか神がそんなに簡単に頭を下げてもいいのか。


「いや、俺は構わないが大丈夫なのか?こんな国の重鎮が多い場所でそんな大きな声で自分は神だと自己紹介しても」
「──あっ」
「はぁ…ビフロンス貴方って本当に抜けてるわね……」



ビフロンスが神だということを言ったせいかグアン達を除き他の騎士団や国王達は固まっていた。国王は立ち直りが早く、ビフロンスに目をやると口を開いた。



「──ユリン、いや、ビフロンスと言ったほうが良いか?お前────いや貴方は神なのか?」
「え〜っと、え〜っとぉ………」


「─────国王様、この事は他言無用でお願いできますか?」



答えに困るビフロンスを見据えたシトリーが真剣な顔で国王に声をかけた。



「それは勿論だ。こんな大きな事をおおっぴらに発表なんてできるか」
「そうですか。なら────」


シトリーがビフロンスを連れてきて、指をパチンと鳴らすと二人の体に黒い霧がかかり、それが頭や胴体に纏わりついた。
その霧が晴れるとまたしても変わった姿になった二人が立っていた。



ビフロンスのその頭には体に似合わないほど大きな二本の立派な角、体の方は薔薇をモチーフにした黒のドレス、背中には大きな鴉のような濃紺の羽が開いていた。


シトリーは普段よりも一段と美しくなっていて、頭にはビフロンスのモノより更に2周りほど大きな禍々しい角が生え、角のない頭の空いた場所には銀のドラゴンを模したティアラ、耳は長耳族よりも更に伸び刺々しいシルバーアクセサリーが不気味に輝いていた。
胴体は鴉の翼のような羽でできた扇情的なドレス、手の爪は20cm程まで伸び、背中にはドラゴンの様な逞しい翼が生えていた。



「私は魔神王シトリー、そしてこっちはその眷属神ビフロンス。改めてよろしくお願いします。────それと国王、他言無用でお願いする約束を破った暁には────どうなるかお分かりですね?」
「────あ、ああ」



そして二人を中心にして黒の翼が弾けたようになると、元通りの姿に戻っていた。



「約束、しっかりと守ってくださいね」



シトリーはそう言うとティオスのもとに戻った。国王は少し足が震えていたが、喝を入れ直すと騎士団の方を向くと


「いいか!!これは国家機密事項だ!!情報を外に漏らせば漏らした犯人やその親族全てを犯罪者とする!!!分かったな!!」
『『『は、はい!!!!!』』』







「なんだかビフロンスが悪く感じてしまうがもとはシトリー、お前がそれを指摘した事が原因だからな」
「申し訳ありません、ご主人様」
「罰として30分以内に前に教えたアレ・・をグアン達人数分に作れ、いいな?」
「30分ですか!?」
「なんだ?出来ないのか?」
「あれを30分でなんて────いえ、出来ます」
「はは、そうか、頼んだぞ」


国王が騎士団に注意している間、ティオスはシトリーに罰としてある物を作らせていたのだが、そのある物とは───────??

「前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く