前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

合同演習

「そういえばそなた達の今の力がどんなものか見たいのぅ」




全員の酔いが程々に回り始めた頃、国王マリクがそんな事を呟いた。そんな物騒な事を言った事に反応したのはルーチェだった。


「……父様?ここにいる人達にそんな事を言ったら──────」


「───そういえば国王サマに見せたのは確かもう3年前か」
「あの頃からかなりオレ達も変わったんじゃないか?」
「当然ですわ。ティオスに聞いて教えてもらって鍛錬して……あら?ずっと鍛錬しかして無いですわね」



アサド、カナタ、アイナがルーチェの言葉を遮るように口を開いた。それを見てルーチェは「あ〜あ…」とばかりに少し諦めた顔をしていた。 


3年前、ティオスの力の異常性で色々と一悶着あったのだがその時にクラスメイト達もなかなかに異常だと説明し、その時の実力を披露したことがあったのだ。


閑話休題。


その3人の様子を見てマリクは一つ頷くと、ここで言ってはなら無い事を言ってしまった。



「それなら城の鍛錬場を使って模擬戦でもするか?騎士団も貸し出そう」
「………父様?」
「そんな目で見ないでくれ。これを機に騎士団の士気を上げられると思ってな」










******









「ティオス君とグアン以外は初めましてだな。俺はこの白銀騎士団の団長のアーノルドだ。よろしくな」
『『よろしくお願いします!』』
「それでこっちの方の騎士達は近衛では無いがかなりの実力を持つ者だけを俺が選んで連れてきた者達だ。流石に近衛全員が城から離れるとまた例の事件のような事があってはいけないからな、とはいえ騎士団に入れる位の実力はあるぞ」
「それじゃあ…今は父さん、で良いよね?」
「プライベートだからな、良いぞ」
「ありがとう」



現在は国の所有地である山の中にある騎士団の訓練所に来ていた。騎士が20名、アーノルド、ティオス達、それに国王。
国王は一応お忍びで来ているので王だとバレないような簡素な服を来ているので、その隆々とした筋肉が浮き彫りになり少し冒険者っぽくも見えた。

国王マリクが一歩前に出てくると騎士達は跪き、グアンとアイナは癖なのか反射的に跪いていた。それにあわせてリエス達も跪こうとしたが。



「よい、それとグアンとアイナ令嬢も立ち上がってくれ。騎士団もだ。それと────ユリン、自己紹介をしておけ」



国王がユリンと言ったのは真っ黒なローブを着た女性だった。その女性は少しボサボサした灰色の髪の毛を手で払うと深い隈のある目をこちらに向けてきた。肌も病的な白さがあり何より────足元が半透明にゆらゆらと揺れていた。

ふらふらと前に出ると、頭を少し下げた。



「…………私はユリン………宮廷魔道士団の団長?っていうのをやっているの…………私の足元を見て疑問に思ったかもしれないけど……種族は霊人族よ……」




霊人族。分類としては魔人族に入るのだが吸血鬼と同等レベルで珍しい種族だ。魔法の扱いに長けており、物理攻撃が一切聞かないという特徴を持っている。ティオスも前世で一度見た事があるがこのユリンという女性は見る限り生命魔法に長けているようだった。


ユリンの自己紹介が終えたのを確認した国王マリクは今日の予定を話した。



「今日は名目上、騎士団による成績優秀な学園卒業生の指導演習となっている─────が、お互いに学ぶ事が多くなると見ている。今日は一日中、己の糧となるように互いに学ぶ事!良いな!!」
『『『はい!!』』』




そうして騎士団と魔法師団(団長のみ)による合同演習が始まるのだった。

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