前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

学園卒業



──────あの王国を激震させた事件から3年後。



今や王国の英雄と称されているティオスはその日、エリザベート戦術学園を卒業した。

本来ならば入学式のときに使用した大講堂の中で関係者のみで行われるはずの卒業式は、学園を一般開放し一般人でも見る事ができるようになっており、会場も王国内で一番大きく天下武冠会の国内予選を行ったりする学内ドーム“キドゥーシュ”を使用するという異例の卒業式となった。


卒業式では生徒の中では第一王女であるルーチェが生徒代表の言葉を言うだけなのだが今回はなんとティオスも突然その場で喋れというクラスメイト達の無茶振りを振られ、「馬鹿じゃないのか?」という視線を送っていたのだがなんと見に来ていた王国民の人達もそれが聞こえていたため会場全体がティオスの言葉を待つ状態なっていた。

なのでティオスは仕方なく、本当に仕方なさそ〜に生徒たちの前、キドゥーシュの中央に立つと面倒くさそうに喋り始めた。
そんな怠そうな態度で人々は怒るかと思えば逆に盛り上がり、一言二言言っただけで会場が熱気に包まれ、中には観覧席を飛び降りティオスに向かって全力で走り寄って来たり、ティオスの大して中身の無い言葉で大声で泣き始める奴が現れたりというなかなかにカオスな空間ができあがっていた。


その後に控える国王も真面目に話すかと思えば時々ティオスを弄るというそれで大丈夫なのかと思うティオスだったが国民達はそれを笑ってみていた。


そんな色々カオスだった卒業式だが、ティオスは達成感があった。この人々の笑顔を守ったのは紛れもなく自分なのだと思うと色々な感情が芽ばえた。









3年前のあの出来事のあとティオスは国を救った英雄だと言う事で国王であるマリク・ハーレイは特別な爵位と家名をティオスに授けた。



────ティオス・アレース勇爵と。



その爵位は公爵家と並ぶほどの高い貴族位としてティオス専用に作られた爵位らしく、当時はそれに反発する貴族達も少なく無かった。

しかし国王がその貴族達を黙らせ、


「平民だったティオス勇爵は異変にいち早く立ち向かってそれを解決する偉業を成し遂げたがお前達貴族はその間何をしていた?民を投げ捨て自分だけは助かろうとしていただろう?そんな腰抜け共が今更何を言うのだ??」


流石は国王と言うべきか。
ただ話すだけでも溢れ出る気品がある事に加え、反発する貴族達を押しとどめるその声音には威厳があった。ティオスには無い、人々をまとめ上げる力がそこにはあった。


何よりも優先させてティオスに爵位を与えていたのでまだ城の建て直しや民達の事を後回しにしていたがマリクは臣下達や貴族達を纏め上げ、あっという間に民達を落ち着かせ、暴動で崩れた場所は復旧し、なんと一月掛からず元に戻った。




爵位を与えてからマリクはティオスを度々呼び出し新興を深め、深めすぎた結果、3年経った今ではプライベートでは互いに敬語は抜きで名前も呼び捨てでたわいも無い話をしたり、城内ではカードゲームや麻雀などをしたりと、本当に国王と貴族の関係なのか?と疑いたくなる光景が広がっていた。











******









16歳になりSクラスだった奴らは皆、立派な一人前の人間になっていた。


アイナはやはりまだ綺麗な赤髪を縦ロールにしているが、そこには既に貴族の淑女といった気品を感じる風貌があった。


アサドは橙色の髪の毛をバンダナで後ろの方に流していたが今ではバンダナを取りつんつんとした髪型になっていた。入学した頃の幼さの抜けなかった顔は今では男らしい風貌になっており、日々の努力の賜物か筋肉がつき、その影響か身長は170cmで成長が止まっていた。


カインは昔は青髪だったのだが今では紺色になっており、人狼族の特徴である狼の耳と尻尾は逞しく大きくなっており、戦斧の鍛錬を経て逞しい肉体になっていた。実はカインは獣人族の国の王子らしくこれからは王子としての生活が待っているらしい。


シズは昔から変わらぬ風貌で、変わったことといえば年齢を重ねて美しさに磨きがかかったことか。ルーチェやリエス達とは違う、荒野に咲く一輪の花と言うように女性騎士の様な逞しさのある美しさがそこにはあった。


ニルは一番変わっただろう。白髪で赤目だというのは変わらないが入学した当時はまだまだ幼く身長も低かったのだが今では飛び抜けた大人の美しさを持ち、身長も170cmと女性の中では高身長になった。


ワイルは無口なのは変わらないが、6年前から大きかったのだが更に身長が伸び、今ではなんと188cmという巨漢になっていた。現在も伸び続けているらしく、弓使いには見えないほど筋肉もついていた。丸太のように太い腕はワイルの弓の引き方に適応した形のようでこのメンバーの中では断トツで大きいだろう。

 
カナタは3年のときに編入してきたが見た目はそれほど変わらず身長が175cmになったくらいだった。しかしその戦闘能力は3年前から研ぎ澄まされており、俺ですら気を抜けない相手になっていた。


グアンは金髪イケメンに磨きが掛かり今では一目見れば女性を虜にするカッコ良さになっていた。ただカッコイイだけでなく騎士として剣の腕も現騎士団長アーノルドと引けを全く取らないほど上達していた。
身長も180cmと本当に逞しくなったものだと思う。


ルーチェはまさしく王女という風貌になっていた。他の貴族を避けつけぬほどの気品を持ち、それでいて突出した美しさを持っていた。長くなった髪の毛を背中の方で編みおろしており、気品の中にも柔らかさを醸し出していた。


リエスは入学当初から少し大人びた風貌だったが16歳になり本物の大人の雰囲気を帯び、ブロンドの長髪を特に何かで纏めていたりするわけでは無いがとにかく美しくなっていた。今では神の造形と思わせたシトリーにも引けを取らない。体付きも女性らしくしっかりと出る所は出て引っ込む所は引っ込んでいる。




そして俺はと言うとまあ見た目に然程成長は無いだろうが身長は伸びた。この前図ったら180cmあったので高身長ではある。それに元の戦闘能力も高くなった自身がある。何せこのクラスの奴らと切磋琢磨していてあいつらが強くなるにつれてこっちも良い練習になったしな。



この6年間であいつらと繋いだ友情はこれからもずっと繋がったままだろう。


今日で卒業し、それぞれの道に歩もうが俺達は全員がひとつの目標を立てている。



『それぞれの戦術で、トップに立つ』




この目標を掲げ続ける限り、誰かが誰かを見限らない限り俺達はずっと繋がっているだろう。




そして、天下武冠会でまた出会ったときは───────














─────俺が残らず叩きのめしてやろう

























突然時間が飛んだと思えば学園編終わりました☆

これからは卒業して一人の大人、貴族としての生活をのんびりと書いていきますのでよろしくお願いします!

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