前世で世界最強だった俺は、また世界最強になろうと思う

つかっちゃ

王御対面

アーノルドに連れられてやってきた部屋は酷いの一言だった。

三人横たわっていたのだが、ある騎士は足先から下半身にかけてほぼ全てが腐り、ある騎士は腕から胴体に掛けてが腐っており片方の肺にまで達しているのかかなり呼吸が浅い。
またある騎士はほぼ全身が腐っており性別すら判別できず、「コイツは生きているのか?」と疑いたくなったが胸だろう場所がまだ微かに動いていて辛うじて生きている感じだった。



「───それじゃあ頼めるか?」
「ああ。そういう約束だしな」



そういってティオスは先程アーノルドにかけた3つの魔法を並列発動させると見る見る腐っていた皮膚や肉が柔らかな光を帯びて修復し始めた。




全員の傷が修復し終えたのはおよそ5分後。
最初に説明した二人は一分程で全快していたのだが最後の一人、腐食が全身に回っていた人が一番時間が掛かっていた。

その最後に修復が終えた人はなんと女性で、アーノルド曰く副騎士団長らしい。

今は規則正しい寝息を立てていて、先程の性別すらわからず見ていて痛々しかった肌は滑らかな肌になっており、ターコイズブルーの長髪にその整った顔は一輪の花のように見えた。
他の二人も男性で共に端正な顔をしており、眠っていても騎士のオーラが見えた。


「本当に、感謝しても仕切れない」
「別に構わない────と言いたいところだがその顔からしてそうも行かないのだろう」
「まずは国王の元に行ってからだが紛れもなくこの国の救世主なんだ。報酬など様々なもてなしがあるはずだ」
「そんなもの必要ないのだけれどな…」
「ははは、貴殿は無欲なのだな」



そしてその後アーノルドに引き連れられて国王の元に向かった。




後に控える彼にとっての面倒事・・・・・・・・・があるとは知らず──────。











******










「───国王様、緊急時ですが失礼致します。重要な報告があります。それに伴いお客様をお連れいたしましたので入室の許可をお願い致します」
「アーノルドか。良い、入れ」
「はっ」



アーノルドが連れてきたのは少し人々の生活圏である街から外れた高級宿で、中には沢山の騎士達が一般人に偽装をして安全を確保していた。彼らはティオスを見た瞬間一気に警戒態勢をとっていたが自分達の団長が見えた瞬間、その警戒を緩めた。
余程信頼されているのだろうなとティオスは思いつつ着いていき、宿の最奥になる部屋の前に来るとアーノルドは跪き、ノックをして許可を取った。



するとドアが勝手に開いたと思えば最初にドアを開いた老執事の姿が見え────奥の椅子に座る40代の男性────王が見えた。



「───そなたが私に会いたいと申す者か」
「はっ。私はティオスと申します」
「ティオス…?たしか我が娘の学友に同じ名前の者が居ると耳にしたことがあるがもしや──」
「はっ。それは私の事でございます」
「──そうか。して、謁見の理由は?」
「まずはこちらを」



そう言ってアーノルド経由で王に手渡されたのは通信石。そこから聞こえるのは─────



『───父様!聞こえる?』
「っ!?!?ルーチェか!?」
『──うん!──ってことはもうティオス様がそちらに着いたのですね。父様、私はティオス様に助けられて今は城にて騎士たちと待機しています』
「なっ?!」



王はそしてバッとこちらを見たので、これまたアーノルドが後から取り出したのは、マルのステッキ。
王はそれを見て目を見開き固まっているのでティオスは声を発した。


 「────そのステッキの持ち主、反逆者マルは、私が討伐いたしました。城の奪還は既に終えています」



そう言うと王はさらに呆然としていた。



さて、それじゃあ事の顛末を話すか、と少し面倒くさそうにするティオスであった。























次回、一気に時間が飛びます。

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